2026/03/15
【3/19(木) 締切】その他 AI民事責任
「AI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引き(案)」に対する意見公募https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=595226004&Mode=0
〇解説
AIの民事責任の解釈については、現状あいまいな部分も多く、これを整理することは必要だし重要です。
細かく見ていられませんが、チェックしておきたい案件です。
〇概要
生成AIの登場以降、事業領域におけるAIサービスの利活用は年々拡大しており、近年ではAIを搭載したIoT製品やロボティクス等、高度な自律システムの開発及び社会実装も進みつつあります。一方で、AI利活用時に損害等が発生した際の民事責任の所在については、AIの自律性やブラックボックス性を踏まえてどのように解釈適用を行うべきか、裁判例の蓄積や統一的な見解がなく、システムの導入や開発を躊躇する一因となっているとの指摘もあります。
経済産業省は、以上の背景を踏まえ有識者検討会での議論を通じて不法行為法及び製造物責任法の観点から解釈適用上の論点及び考え方を整理した「AI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引き(案)」に関し、2月18日にパブリックコメントを開始しました。
●手引き案(78ページ)
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000307821
第1章 はじめに
1.1 本書の目的
生成AIの登場以降、事業領域におけるAIサービスの利活用は年々拡大しており、近年では、AI を搭載したIoT製品やロボティクス等、高度なシステムの開発及び社会実装も進みつつある。
また、システムの高度化に伴い、開発や運用のための大規模かつ高品質なデータへのニーズが高まり、事業者間の垣根を超えたデータ連携による新たな付加価値の創出や社会課題の解決も期待されている。
このように、AI やデータの高度利用によってサイバー空間のみならずフィジカル空間への作用が増大しつつある中、政府は、AIがもたらす社会的リスクの低減を図るとともにAIのイノベーション及び活用を促すべく、「AI事業者ガイドライン」(2024年4月第1.0版公表、2025年3月第1.1版改訂)を取りまとめ、契約上配慮すべき事項については、「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」(2018年6月公表、2019年12月改訂。以下「契約ガイドライン」という。)や「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」(2025年2月公表。以下「契約チェックリスト」という。)等を取りまとめてきた。また、AI 戦略会議・AI 制度研究会において、AI制度の在り方に関する「中間とりまとめ」( 2025年2月)が策定された後、これに基づき2025年5月に人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(令和7年法律第53 号)が成立し、政府の司令塔としての機能や関係者の責務を定めた。
諸外国の対応に目を向けると、欧州では、2017年1月に欧州議会がロボットやAIの民事責任に関する「ロボティクスにかかる民法規則に関する欧州委員会への提言」を、2020年10月には製造物責任指令(Product Liability Directive)をAIにも適用すること等を提言する「AI民事責任レジーム」を採択した。その後、2024年12月には改正製造物責任指令が発効し、同指令の対象となる「製造物」に無体物であるソフトウェア等が含まれることとされたため、AIも製造物責任の対象に含まれることになった。また、2024年8月にはAIに対する包括的な事前規制であるEU AI規則(AI Act)が発効し、本書作成日現在では禁止されるAIシステム等に関する規定及び汎用AIモデル等に関する規定が施行済みであるほか、2026年8月にはハイリスクAIに関する一部の規定が、2027年8月にはハイリスクAIに関する規制を含めた全ての規制が全面的に施行される予定である。一方で米国では、カリフォルニア州において2025年9月にAI安全開示法(Transparency in Frontier Artificial Intelligence Act)が成立したほか、採用 AI のバイアスに関する訴訟や自動運転に起因した交通事故に関する訴訟等が生じており、実務の蓄積を通じた責任の在り方に関する議論が進んでいる。
我が国では、AI がもたらすリスクへの対応として、既存の法体系とソフトローを組み合わせて対応し、事業者の自主的な対応が期待できないものに限定して追加的な法的規制を検討する方針をとっていることからも、AIに関連する損害等が発生した際には、既存の民事責任ルールに基づく解決が重要になるものと考えられる。一方で、リスクが顕在化し権利侵害や損害が発生した際の民事責任の在り方について、AI の自律性やブラックボックス性を踏まえてどのように解釈適用を行うべきか、裁判例の蓄積や統一的な見解がなく、責任の所在が不明瞭であることがAI の開発や導入を躊躇させる一因となっているとの指摘もあり、AI事業者ガイドラインに関する検討会においても、AI の開発・提供・利用に関する責任分界についての検討の必要性を指摘する意見が複数寄せられた。
以上の諸外国における動向や我が国における課題を踏まえ、今般、AI 利活用における民事責任の在り方に関する研究会(以下「本研究会」という。)を開催し、AIを用いたサービスやシステムが事故に寄与した基本的な想定事例を題材に、主として不法行為法等の観点から解釈適用上の論点及び考え方の整理を行った。本研究会では不法行為法を中心的な検討課題として取上げており、契約関係等も踏まえた当事者間の厳密な責任分界を明らかにするものではない。もっとも、不法行為法は、契約等の明確なルールが及ばない状況下において各当事者がどのような責任を負うかについての基本的なデフォルト・ルールを提供する。当事者間の契約やガイドライン等によって更なる責任の所在の明確化を図る際にも、不法行為法の観点からの示唆は考慮要素となり得る。
本書は本研究会の議論を取りまとめるものであり、AI 利活用の場面についての不法行為法上の論点を中心に、現行法がどのように適用され得るかの方向性を示し、AI の開発・提供・利用に関わる当事者の予測可能性を高め、AI 利活用の推進及び損害発生時の円滑な解決に資することを目的とするものである。このような目的の下、各想定事例の解説においても、どのような要素が当事者に責任が生ずる可能性を高めるか、あるいは低めるかといった解釈適用の方向性を中心に記述するとともに、可能な限り広い事案の解決の参考となるような考え方を抽出し、また、それぞれの考え方が妥当するための前提や射程を示すよう試みている。留意を要する点として、個別具体的な事例に対し現行法がどのように適用されるかを最終的に判断する権限は裁判所に属しており、本書に記載された考え方が裁判所においてそのまま採用されることを保証し得るものではない。しかし、裁判例の蓄積を通じた解釈適用の明確化には一般に長期間を要するところ、有識者の議論に基づき、現時点で可能な限り合理的な考え方や判断が分かれるポイントを示すことで、本書が一つの法解釈の叩き台となり、以て新しいルール形成の一助となることを願っている。
本書はその性質上、法的・技術的に専門性の高い記述を多く含むものの、主な読者としては、AI の開発・提供・利用に携わる事業者、並びにAIの利活用に関連する紛争の解決を目指す当事者及び弁護士等の幅広い者を想定する。
難易度分類(数字が低いほどコメントしやすい&すべきもの)
| 総合 | 15 並み |
| 難易度 | 2 ★★☆ |
| 生活影響度 | 2 ★★☆ |
| 分量 | 3 ★★★ |
| 専門性 | 2 ★★☆ |
| 理科系知識 | 2 ★★☆ |
| 下調要否 | 2 ★★☆ |
| 法令読込要否 | 2 ★★☆ |
#080364 07.経産省 �Bその他


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