2026/01/12
【1/22(木) 締切】食と健康・環境保全 狂牛病
ポーランドから輸入される牛肉及び牛の内臓に係る食品健康影響評価(月齢制限の引上げ)に関する審議結果(案)についての意見・情報の募集についてhttps://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=095251260&Mode=0
・意見提出先:https://form.cao.go.jp/shokuhin/opinion-1549.html
〇解説
すでに「米国、アイルランド、オーストリア、カナダ、スウェーデン、スペイン、デンマーク、ノルウェー及びフランス」からの輸入については、月齢制限をなくしていますが、ポーランドについても同様の扱いとするようです。
〇概要
●評価書(42ページ)
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000304467
要 約
食品安全委員会プリオン専門調査会は、ポーランドから輸入される牛肉及び牛の内臓に係る食品健康影響評価について、厚生労働省からの要請を受け、公表されている各種文献や厚生労働省から提出された評価対象国に関する参考資料等を用いて調査審議を行い、それにより得られた知見から、諮問内容のうち、「国際的な基準を踏まえてさらに月齢の規制閾値(30か月齢)を引き上げた場合のリスク」に関する食品健康影響評価を実施した。
世界全体の定型牛海綿状脳症(Bovine Spongiform Encephalopathy: BSE)の発生数は減少し続け、現在ではほとんど確認されないまでに至っている。その結果、「生体牛のリスク」は大幅に低下し、全体のリスクに対する寄与は相対的に減少した。また、国際的な基準である国際獣疫事務局(World Organisation for Animal Health: WOAH)の陸生動物衛生規約では、牛肉等の貿易に関する月齢の規制閾値は設けられていない。これらのことを踏まえ、食品安全委員会プリオン専門調査会は、「ポーランドから輸入される牛肉及び牛の内臓の輸入条件について、月齢制限を「条件なし」としたとしても、特定危険部位(Specified Risk Material: SRM)除去やと畜前検査等の食肉処理に関連したリスク管理措置を適切に行うことによって、牛肉等の摂取に由来する定型BSEプリオンによる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(variant Creutzfeldt-Jakob disease: vCJD)発症の可能性が極めて低い水準に達していると言えるか」についての検証及びその前提となるリスク管理措置がこれらの国において適切に行われているかについての点検を行い、リスクを総合的に判断した。
評価結果の概要は以下のとおりである。
ポーランドでは2005年2月に生まれた1頭を最後に、これまでの20年間に生まれた牛に定型BSEの発生は確認されていない。ポーランドにおいては、「生体牛のリスク」に係る措置が定型BSEの発生抑制に効果を発揮しているものと判断できるため、当該措置が現状と同等の水準で維持されている限りにおいては、今後も定型BSEが発生する可能性は極めて低いと推定できる。
定型 BSE 感染牛の体内におけるプリオンの分布及び vCJD の発生状況等の知見を踏まえると、定型BSE感染牛のSRM以外の組織に蓄積する異常プリオンたん白質(PrPSc)は極めて少ない。したがって、適切なと畜前検査によって臨床症状を呈する牛を排除することができることも考慮すれば、SRMの除去によって、食品を介して摂取される可能性のあるPrPSc量は極めて少なくなるものと推定できる。
ポーランドにおいては、「食肉処理に関連したリスク」に係る措置は適切に実施されていると判断できる。リスク管理措置の適切な実施に加え、米国、カナダ及びアイルランドから輸入される牛肉及び牛の内臓に係る食品健康影響評価(2019年1月食品安全委員会決定)と同様に牛と人との種間バリアの存在も踏まえると、食品安全委員会プリオン専門調査会は、ポーランドから輸入される牛肉及び牛の内臓について、月齢制限を「条件なし」としたとしても、牛肉等の摂取に由来する定型BSEプリオンによるvCJD発症の可能性は極めて低いと考える。
なお、非定型BSEについては、「定型BSEに対して実施されるものと同様の適切なリスク管理措置を前提とすれば、牛肉及び牛の内臓(SRM以外)の摂取に由来する非定型 BSE プリオンによる vCJD を含む人のプリオン病発症の可能性は極めて低いものと考える。」とした牛海綿状脳症(BSE)国内対策の見直しに係る食品健康影響評価(健康と畜牛のBSE検査の廃止)(2016年8月食品安全委員会決定)における見解に影響を及ぼす新たな知見はない。
以上から、諮問事項の「国際的な基準を踏まえてさらに月齢の規制閾値(30か月齢)を引き上げた場合のリスク」に関し、ポーランドから輸入される牛肉及び牛の内臓の月齢制限を「条件なし」としたとしても、人へのリスクは無視できると判断した。
本評価結果は、現在実施されているリスク管理措置を前提としたものである。そのため、リスク管理機関は、特に各国における飼料規制、サーベイランス、と畜前検査及び SRM 除去に関する制度の変更を含めた規制状況について、積極的かつ継続的に情報を収集する必要がある。
Ⅰ.背景
1.はじめに
1990 年代前半をピークとして、英国を中心に欧州において多数の牛海綿状脳症(Bovine Spongiform Encephalopathy: BSE)が発生し、1996 年には、世界保健機関(World Health Organization: WHO)等においてBSEの人への感染が指摘された。一方、2001年9月には、日本国内において初めてBSEの発生が確認された。日本では、1996 年に、反すう動物の組織を用いた飼料原料の反すう動物への給与を制限する行政指導を行い、2001年10月に全ての動物由来たん白質の反すう動物用飼料への使用を禁止するなど、これまで、国内措置及び国境措置から成る各般のBSE 対策を講じてきた。
本評価の対象であるポーランドから輸入される牛肉及び牛の内臓(以下「牛肉等」という。)については、ポーランドにおけるBSEの発生を踏まえ、2002年5月に輸入が停止された。
ポーランドから輸入される牛肉等について、食品安全委員会プリオン専門調査会は、2013 年4月に厚生労働省からの評価要請(平成25年4月2日付け厚生労働省発食安0402第1号)を受けて、「輸入月齢の規制閾値を30か月齢とした場合のリスク」及び「特定危険部位(Specified Risk Material: SRM)の範囲を変更した場合のリスク」について評価を行った(「ポーランドから輸入される牛肉及び牛の内臓に係る食品健康影響評価」(2014年4月食品安全委員会決定))。
これらの評価を踏まえ、厚生労働省は、ポーランドから輸入される牛肉等の輸入を2014年8月に一定の条件の下で再開した。
本評価の対象となる諮問事項「国際的な基準を踏まえてさらに月齢の規制閾値を引き上げた場合のリスク」は、ポーランドから輸入される牛肉等の「輸入月齢の規制閾値を30か月齢とした場合のリスク」及び「SRMの範囲を変更した場合のリスク」に係る評価要請と合わせて厚生労働省から要請(平成25年4月2日付け厚生労働省発食安第0402第1号)されていたものである。
今般、リスク管理機関から、評価に当たり必要となる情報が提出されたことから、ポーランドから輸入される牛肉等に係る食品健康影響評価を取りまとめた。
2.諮問事項
厚生労働省からの諮問事項及びその具体的な内容は以下のとおりである(厚生労働省からの評価要請書から該当箇所を抜粋した。)。
BSE対策について、以下の措置を講ずること。
○ポーランドから輸入される牛肉及び牛の内臓について、輸入条件の改正。
(具体的な諮問内容)
具体的に意見を求める内容は、以下のとおりである。
国際的な基準を踏まえてさらに月齢の規制閾値(30か月齢)を引き上げた場合のリスクを評価。
Ⅱ.評価の考え方
食品安全委員会は、2025年10月末現在、15か国について、当該国から輸入される牛の肉等の月齢制限を「輸入禁止」から「30か月齢以下」とした場合の食品健康影響評価を実施し、そのうち、9か国については、当該国のBSE発生状況や国際基準等を踏まえて、月齢制限を「30か月齢以下」から「月齢条件なし」とした場合の食品健康影響評価を実施している。
月齢制限を「30か月齢以下」から「月齢条件なし」とした場合の食品健康影響評価について、食品安全委員会は、2019年1月に、米国、カナダ及びアイルランドから輸入される牛肉等について、「国際的な基準を踏まえてさらに月齢の規制閾値(30か月齢)を引き上げた場合のリスク」に関する食品健康影響評価(米国、カナダ及びアイルランドから輸入される牛肉及び牛の内臓に係る食品健康影響評価(2019年1月食品安全委員会決定)。以下「2019年1月評価」という。)を以下のとおり取りまとめた。
以下に示す①に係る知見については、2025年10月末現在、2019年1月評価における判断に影響を及ぼす新たな知見はない。したがって、本評価では2019年1月評価と同様の考え方に基づき食品健康影響評価を行うこととし、以下に示す②のリスク管理措置が適切に行われているか、ポーランドにおける実施状況を点検することとした。
なお、2019 年 1 月以降のフランス、ノルウェー、オーストリア、デンマーク、スペイン及びスウェーデンから輸入される牛肉等に係る輸入条件の変更に関する食品健康影響評価においても、この考え方に基づいて評価書を取りまとめている。
○ 月齢制限の廃止に係る過去の評価(2019年1月評価)
世界全体で定型BSE3の発生がほとんど確認されないまでに至った(図 1)。その結果、「生体牛のリスク4」は大幅に低下し、全体のリスクに対する寄与が相対的に減少した(図2)。また、「国際的な基準」である国際獣疫事務局(World Organisation for Animal Health: WOAH5)の陸生動物衛生規約(以下「WOAHコード」という。)では牛肉等の貿易に関する月齢の規制閾値は設けられていない。これらのことを踏まえ、以下①及び②の検討を行った。
① 「月齢制限を『条件なし』とした場合、SRM除去やと畜前検査等の食肉処理に関連したリスク管理措置を適切に行うことによって、牛肉等の摂取に由来する定型 BSE プリオンによる変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(variant Creutzfeldt-Jakob disease: vCJD)発症の可能性が極めて低い水準に達していると言えるか」について、以下の知見を踏まえ検証した。
・定型BSE感染牛における異常プリオンたん白質(PrPSc)の分布(蓄積部位)に関する感染実験等の新たな知見
・vCJDの発生状況、疫学情報等
② ①の前提となるリスク管理措置が適切に行われているか、各国におけるその実施状況を表1に示す項目等について点検し、リスクを総合的に判断した。
・「生体牛のリスク」に係る措置について、侵入リスク(生体牛、肉骨粉等の輸入)、国内安定性(飼料規制、SRMの利用実態)及びサーベイランスの点検(近年出生した牛で定型BSEが確認されている国(WOAHのリスクステータス分類に基づく「管理されたBSEリスクの国」)については、疫学調査の結果も踏まえて国内安定性を判断)
・「食肉処理に関連したリスク6」に係る措置について、SRMの除去、と畜処理の各プロセス(と畜前検査、ピッシング等)の点検 検討の結果、①については、と畜前検査によって臨床症状を呈する牛を排除することができることも考慮すれば、現在SRMとして設定されている範囲が不十分であることを示す知見はなく、②の点検によりリスク管理措置が適切に行われているものと判断できれば、輸入される牛肉等の月齢条件を「条件無し」としたとしても、牛肉等の摂取に由来する定型BSEプリオンによるvCJD発症の可能性は極めて低いものと判断した。
また、非定型BSE7についても、定型BSEに対して実施されるものと同様の適切
なリスク管理措置を前提とすれば、牛肉等(SRM 以外)の摂取に由来する非定型BSE プリオンによる vCJD を含む人のプリオン病発症の可能性は極めて低いものと判断した。
難易度分類(数字が低いほどコメントしやすい&すべきもの)
| 総合 | 14 並み |
| 難易度 | 2 ★★☆ |
| 生活影響度 | 2 ★★☆ |
| 分量 | 2 ★★☆ |
| 専門性 | 2 ★★☆ |
| 理科系知識 | 2 ★★☆ |
| 下調要否 | 2 ★★☆ |
| 法令読込要否 | 2 ★★☆ |
#80131 01.食品(内閣府、厚労省、農水省、環境省) ⑥その他食品


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