2026/05/10
【5/29(金) 締切】食と健康・環境保全 狂牛病
牛海綿状脳症(BSE)国内対策の見直しに係る食品健康影響評価(国内と畜牛に関するSRM範囲の変更)に関する審議結果(案)についての意見・情報の募集についてhttps://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=095260270&Mode=0
〇解説
特定危険部位の基準が緩くなります。
日本では、2002年1月に出生した陽性牛以来、出てきていないようですし、まあ、大丈夫なんでしょう。
〇概要
●評価書(91ページ)
https://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/download?seqNo=0000313618
要 約
食品安全委員会プリオン専門調査会は、牛海綿状脳症(BSE)国内対策の見直しに係る食品健康影響評価について、厚生労働省からの要請を受け、公表されている各種文献、リスク管理機関から提出された参考資料等を用いて審議を行い、それにより得られた知見から、諮問内容のうち、(2)の特定危険部位(SRM)の範囲の変更に関する食品健康影響評価を実施した。
評価に当たっては、SRMの範囲を現行の「全月齢の扁桃及び回腸遠位部並びに30 か月齢超の頭部(舌、頬肉、皮及び扁桃を除く。)、脊髄及び脊柱」から「30か月齢超の頭部(舌、頬肉、皮及び扁桃を除く。)及び脊髄」への変更に伴う人への健康影響について、ハザードを非定型BSE感染牛に由来する30か月齢超の脊柱(DRG)に蓄積するPrPScと特定し、関連する科学的知見の整理を行った上で、総合的にリスク判定を行った。
評価結果の概要は、以下のとおりである。
厚生労働省からの諮問事項に関し、SRM の範囲の変更に伴って想定されるリスクは、非定型BSE感染牛が発生し、何の手立ても取られなかった場合に、フードチェーンに混入する当該感染牛に由来するDRGに含まれるPrPScにより、人がvCJDを含む人のプリオン病を発症する可能性である。これらは、非定型BSE感染牛のDRGに含まれるPrPScの感染価に加えて、食品に含まれる形で摂取される際の形態、摂取頻度、摂取量、牛と人との種間バリア等の様々な要因に左右されることとなる。
日本では、これまでに約1,600万頭の牛を対象にBSE検査を実施し、2例の非定型BSE(L型)が確認されている。「牛海綿状脳症(BSE)国内対策の見直しに係る食品健康影響評価(健康と畜牛のBSE検査の廃止)」では、日本における2歳齢以上の牛100万頭当たりの非定型BSEの発生頻度について、年当たりL-BSEが0.07頭としているが、それ以降、現在までに国内において非定型BSEの発生は確認されていない。世界における非定型BSEの発生状況を踏まえても、その発生頻度は非常に低いものと考えられる。
実験動物を用いて人への感染性を検討した知見では、これまでに、H-BSE の人への感染を示唆する報告は得られていない。L-BSE については、脳内接種によりヒトPrP を過剰発現するTgマウスへ感染するが、内在性のマウスPRNPをヒトPRNPに置換したKi系統のマウスでは感染は確認されていない。L-BSEが経口投与実験により非ヒト霊長類へ感染又は感染の可能性を示唆する知見が得られているが、経口感染の確立を示す知見の集積には至っておらず、経口投与による感染の成立は脳内接種に比較して低率である。また、これらは、L-BSEの脳組織を実験的に投与することにより検討した知見であり、実社会における食品を介したばく露量との乖離があることに加えて、DRG が中枢神経組織に比べ低い感染価を示すと考えられることを踏まえれば、ハザードを原因とする感染確率はさらに低くなると想定される。なお、疫学的に非定型BSEと人のプリオン病との関連を示唆する報告はこれまでに確認されていない。
現状では、ハザードを含む脊柱を食品用途で利用する場合の流通、加工及び消費に関する入手可能な情報は極めて限定的で、具体的なばく露量を厳密に推定することは困難と考えられた。
しかしながら、非定型BSEの発生状況に鑑み、また、臨床症状を呈した牛が適切に排除された場合に当該牛がフードチェーンに入る可能性自体考えにくいことを考慮すれば、消費者が食品を通じてハザードにばく露される量は極めて少ないと考えられる。
以上より、SRMの範囲の変更に伴い、脊柱をSRMから除外した場合のリスクは、現状に比較し高くなると想定されるものの、非定型BSE感染牛に由来するDRGに含まれるPrPScにより、人がvCJDを含む人のプリオン病を発症する可能性が高まるとは考えにくい。
諮問事項の国内と畜牛に関するSRM範囲の変更について、現行の「全月齢の扁桃及び回腸遠位部並びに30か月齢超の頭部(舌、頬肉、皮及び扁桃を除く。)、脊髄及び脊柱」から「30か月齢超の頭部(舌、頬肉、皮及び扁桃を除く。)及び脊髄」に変更した場合のリスクの差は非常に小さく、食品を介した人への健康影響は無視できると考えられる。
なお、本評価は、今回評価した以外のBSEリスク管理措置及び現時点で得られる水準の科学的知見に基づくものである。引き続き、非定型BSEに係る知見(非定型BSEと人のプリオン病に係る疫学的状況を含む)の収集に努めるとともに、関連情報(ばく露に係る情報、食品としての利用状況等)の経時的把握に努めることが重要である。
Ⅱ.評価の考え方
1.国内BSE対策の見直しに係る食品安全委員会における過去の評価
BSE国内対策の見直しに係る過去の評価(2013年5月評価及び2016年8月評価)では、BSEを定型BSEと非定型BSEに分けて考えた。定型BSEについては、「生体牛のリスク」及び「食肉処理に関連したリスク」の観点から、前提となるリスク管理措置の実施状況の点検を行い、全体のリスクを判断した。特に「生体牛のリスク」については、適切なリスク管理措置の実施を前提に、「直近11年以内に生まれた牛で定型BSEが確認されているか否か」についても目安とした。非定型BSEについては、実験的・疫学的見地から、定型BSEと同様のリスク管理措置を前提として、「非定型BSEプリオンによるvCJDを含む人のプリオン病発症の可能性は極めて低い」と判断した。
直近のBSE国内対策の見直しに係る評価である2016年8月評価では、定型BSE及び非定型BSEについて、以下のとおり評価している。
・日本においては、飼料規制等のBSE対策が継続されている中では、今後、定型BSEが発生する可能性はほとんどないものとした、2013年5月評価書の評価は妥当であると考えられる。
・非定型BSEに関しては、現在までに得られている知見に基づけば、H-BSEについては、実験動物への感染実験の結果から人への感染の可能性は確認できず、EUにおけるH-BSEの発生頻度は、2歳齢以上の牛100万頭につき、年当たり0.07頭と極めて低い。
・L-BSE感染牛の脳組織については人への感染の可能性が否定できないが、現行のSRM以外の組織の感染性は極めて低いと考えられる。日本又はEUにおけるLBSEの発生頻度は、2歳齢以上の牛100万頭につき、それぞれ年当たり、0.07頭又は0.09頭と極めて低い。
・これまでに、疫学的に非定型BSEとvCJDを含む人のプリオン病との関連を示唆する報告はない。
2.SRMの範囲の見直しに係る評価の基本的考え方
厚生労働省からの諮問事項及び食品安全委員会における過去の評価を踏まえ、本評価の考え方について、以下のとおり検討を行った。
日本では2002年1月に出生した1頭を最後に、それ以降、24年間(2026年1月末現在)の間に生まれた牛にBSE陽性牛は確認されていない。2016年8月評価では、「日本においては、飼料規制等のBSE対策が継続されている中では、今後、定型BSEが発生する可能性はほとんどない」とした2013年5月評価書の評価は妥当としており、その後の状況をみても、当該評価結果に影響を及ぼす新たな知見は確認されていない。
非定型BSEについては、定型BSEとは異なり、比較的高齢の牛で発生し、かつ低い有病率で推移しており、孤発性に発生してきたことを示唆するものであるとされている。非定型BSEのうち、現在までに得られている知見に基づけば、実験動物への感染実験の結果から、H-BSEについては、人への感染性は確認できていない一方で、L-BSEについては、人への感染の可能性は否定できないが、現行のSRM以外の組織のプリオン感染性については極めて低いとされている。
厚生労働省からの諮問事項に関し、SRM の範囲の変更に伴うリスクの変化は、脳と脊髄は引き続きSRMとして管理されることを考慮すれば、国内でと畜される牛由来の全月齢の扁桃及び回腸遠位部並びに30か月齢超の脊柱の摂取に由来する人への健康影響である。
以上より、今般の評価においては、厚生労働省からの諮問事項に関し、以下①及び②の事項を踏まえてハザード(危害要因物質)を特定し、関連する科学的知見の整理を行った上で、総合的にリスク判定を行うこととした。
① 評価の前提となる国内におけるBSEリスク管理措置の実施状況について、過去の評価書に倣い、以下の項目に関する最新の状況を点検する。
・「生体牛のリスク」に係る措置について、侵入リスク(生体牛、肉骨粉等の輸入)、国内安定性(飼料規制、SRMの利用実態)、サーベイランスによる検証
・「食肉処理に関連したリスク」に係る措置について、SRMの除去、と畜処置のプロセス(と畜前検査、ピッシング)等
② 現在、SRMに設定されている部位を含め、異常プリオンたん白質(PrPSc)の分布(蓄積部位)に関する感染実験等の結果について、これまでの知見を整理した上で、SRMの範囲の変更に伴う人への健康影響について検討する。
難易度分類(数字が低いほどコメントしやすい&すべきもの)
| 総合 | 15 並み |
| 難易度 | 2 ★★☆ |
| 生活影響度 | 2 ★★☆ |
| 分量 | 3 ★★★ |
| 専門性 | 2 ★★☆ |
| 理科系知識 | 2 ★★☆ |
| 下調要否 | 2 ★★☆ |
| 法令読込要否 | 2 ★★☆ |
#080536 01.食品(内閣府、厚労省、農水省、環境省) �Eその他食品


コメント