2026/01/13
【1/23(金) 締切】食と健康・環境保全 難病
「指定難病に係る診断基準及び重症度分類等について」の一部改正(案)に関する御意見の募集についてhttps://public-comment.e-gov.go.jp/pcm/detail?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495250320&Mode=0
〇解説
具体的にコメントできるような知見はありませんが、このような難病があることを知っておいてください。
〇概要
1.改正の趣旨
○ 難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年法律第50号。以下「法」という。)第5条第1項に規定する特定医療費の支給の対象となる指定難病は、厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会(以下「指定難病検討委員会」という。)における検討結果を踏まえ、難病の患者に対する医療等に関する法律第五条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が指定する指定難病及び同法第七条第一項第一号の規定に基づき厚生労働大臣が定める病状の程度(平成26年厚生労働省告示第393号。以下「告示」という。)に規定することとしており、これまでに348疾病が告示に規定されている。
○ 当該告示で定める指定難病の診断に関する客観的な指標による一定の基準(法第5条1項に規定する基準をいう。以下「診断基準」という。)及び重症度分類(法第7条第1項第1号に規定する病状の程度をいう。以下同じ。)等の具体的な内容については、「指定難病に係る診断基準及び重症度分類等について」(平成26年11月12日付け健発1112第1号厚生労働省健康局長通知。以下「局長通知」という。)において示している。
○ 第63回指定難病検討委員会において、アトピー性脊髄炎(告示番号116)について、最新の医学的知見等を踏まえ、診断基準等をアップデートすることが適当とされた。
○ 上記を踏まえ、局長通知の改正を行う。
2.改正の概要
○ アトピー性脊髄炎(告示番号116)について、局長通知で示している診断基準等のアップデートを行う(改正通知案別紙。改正の概要は改正通知案別添2)。
3.根拠条項
○ 法第5条第1項、法第7条1項第1号
○ 告示
4.適用期日等
○ 通 知 日:令和8年3月(予定)
○ 適用期日:令和8年4月1日
●アトピー性脊髄炎
1.概要
アトピー性脊髄炎とは、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎などのアトピー素因を有する患者で見られる脊髄炎である。四肢の異常感覚(ジンジン感)や疼痛、及び運動麻痺(片麻痺や左右差のある四肢麻痺)を主徴とし、頚髄後索を主病変とすることが多い脊髄炎を呈する。長期間を経ても脊髄炎以外の中枢神経病変(多発性の脳白質病巣など)を呈することは稀である点で、多発性硬化症とは異なる。また 3 椎体以上の長大脊髄病変を呈することは稀である点で、視神経脊髄炎スペクトラム障害とは異なる。
2.原因
本疾患はアトピー疾患・アレルギー疾患を合併し、その増悪時に発症したり再発・増悪したりすることが多いので、病態にはアレルギー機転が関わっていると考えられるが、機序は不明である。患者末梢血ではTh2 細胞が優位で、髄液では好酸球を動員させるChemokine (C-C motif) ligand 11 (CCL11, eotaxin)や、Th2 から Th9 への分化を誘導するIL-9が増加している。Th2細胞のシグナルは形質細胞からのIgE産生を促進し、IgEは肥満細胞からヒスタミンなどを遊離させ、血管透過性の亢進を起こす。CCL11やIL-9の作用により、好酸球や Th9 細胞などが脊髄に浸潤して炎症を惹起すると推測されている。また、本疾患では脊髄小型痛覚ニューロンに対する自己抗体である抗plexin D1抗体が陽性になることがあり、このような例ではこれらの痛覚ニューロンが活性化されることで、本疾患の強い神経障害性疼痛をきたすと考えられている。
3.症状
アトピー性脊髄炎は、基礎となるアトピー性疾患の増悪後に発症する傾向がある。発症様式は、突発発症が約 10%、急性から亜急性の発症が約 60%、慢性発症が約 30%である。再発を繰り返したり動揺性に経過したりする例が約 60%、階段状増悪や慢性増悪を示す例が約 20%で、単相性は約 20%である。初発症状は四肢の異常感覚や疼痛、運動麻痺(片麻痺、単麻痺、四肢麻痺)が多い。経過中に、異常感覚は 90%、感覚鈍麻が80%、神経障害性疼痛が約70%でみられる。運動麻痺や錐体路徴候も約70%でみられる。膀胱直腸障害が30%、慢性疲労感が25%程度でみられる。ピーク時の総合障害度は、平均4.4(中央値3.5)と比較的重症例が多い(ピーク時の総合障害度4.5以上の重症例が45%)。
検査所見では、運動誘発電位検査異常が約60%、体性感覚誘発電位検査異常が約1/3でみられる。電流知覚閾値検査で約半数で疼痛を伝えるc線維の異常がみられるのが特徴である。また脊髄MRIでは約半数で病巣を認め、その中では頚髄病巣が約60%と高率である。3椎体以上の長大脊髄病巣がみられない点で、視神経脊髄炎スペクトラム障害とは異なる。一方、脳 MRI 検査で病巣を認める例は、10%未満である点で多発性硬化症とは異なる。髄液検査では細胞増多(20%)や蛋白増加(10%)などがみられることは少なく、大部分は正常所見である。また、髄液オリゴクローナルバンドは陰性で、IgG index の上昇がみられない点で、多発性硬化症とは異なる。
4.治療法
第3回全国調査(2023年)によれば、メチルプレドニゾロンパルス療法が90%で行われ、85%の有効率であった。経口ステロイド療法も 60%で実施され、90%程度の有効率であった。血漿交換が約半数で実施され、95%の高い有効率であった。免疫グロブリン大量静注療法は30%で試みられ、75%の有効率であった。また、各種免疫抑制薬(シクロスポリン、アザチオプリン、タクロリムス、ミコフェノール酸モフェチル等)は、30%で試みられ、80%の有効率だった。各種抗アレルギー薬も約半数で使用され、約 80%の有効率であった。神経障害性疼痛にはプレガバリンやミロガバリンが約半数で試みられ、80%の有効率であった。したがって、急性期・または初回の治療にはパルス療法を含むステロイド療法、血漿交換、免疫グロブリン大量静注療法を用い、再発の防止には免疫抑制薬や抗アレルギー薬、神経障害性疼痛にはプレガバリンやミロガバリンを用いることが一般的である。 しかし、治療後も平均約10年の罹病期間で、総合障害度は平均3.5(中央値3.0)と寛解には至らず、後遺症を残したり慢性炎症が持続したり例が少なくない(最終総合障害度4.5以上の重症例が36%)。
○ 要件の判定に必要な事項
1. 患者数(令和5年度医療受給者証保持者数) 100 人未満
2. 発病の機構 不明(アレルギー性疾患と同様の機序による可能性があるが詳細は不明。)
3. 効果的な治療方法 未確立(ステロイド治療、免疫グロブリン療法、血漿交換などが試みられている。)
4. 長期の療養 必要(再発を繰り返す症例が多い。)
5. 診断基準 あり(研究班作成の診断基準あり。)
6. 重症度分類 多発性硬化症で広く一般的に用いられるKurtzkeの総合障害度(EDSS)スケールを重症度分類に用いて、4.5 以上を対象とする。(Kurtzke Expanded Disability Status Scale(EDSS))
難易度分類(数字が低いほどコメントしやすい&すべきもの)
| 総合 | 13 並み |
| 難易度 | 2 ★★☆ |
| 生活影響度 | 2 ★★☆ |
| 分量 | 1 ★☆☆ |
| 専門性 | 2 ★★☆ |
| 理科系知識 | 2 ★★☆ |
| 下調要否 | 2 ★★☆ |
| 法令読込要否 | 2 ★★☆ |
#080137 02.厚労省 ④その他


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