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Photo bytender_cosmos574

「×」むチずニィ、圌らの蚘憶㉛【第八章蚘憶-Ⅱ】創䜜倧賞2025ミステリヌ小説郚門


    ぀ながっおいる
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    ナツ×ヒナの蚘憶


    「䜕、蚀っお  」
     県球が無くおも、涙腺は生きおいるから涙は出る。矩県の奥に溜たっおくるのだ。ナツだっおその仕組みは知っおいるはずだ。今たで䜕床も芋おきたのだから。

     僕は矩県をはずした。ボロボロず奥から涙があふれ出るはずだった。なのに、䞀粒もこがれなかった。巊頬は濡れない。

    「なん、で  」

     これは、合䜵症か䜕かなのだろうか。もしくはこれも、こころの病気っおや぀なのか
     でも、じゃあナツの涙は

    「ヒナ」

     圌の指先が、僕の巊頬に涙の線を描く。

    「県の奥、觊っおいいか」
     指先の枩床が、こめかみを撫でる。

    「やめお」
    「すこしだけでいいから」
    「いやだ」
    「嫌ず蚀うわりに、逃げないんだな」

     たぶたのふちを觊られる。
     それをされるず、䜕かを思いだしそうになる。

    「これは、しるしだ。俺ずおたえが぀ながるための」

    「しるし」

    「俺から離れようずしおも、この県が欠けおいるかぎり、おたえは俺を思いだす。䞀生背負わなければいけない傷だ。この傷のなかに俺がいるんだ。忘れるな」

    「  䜕 急に」

    「おたえは俺から離れられないっお話だよ」

     巊県の奥が痛い。

    「俺たちは䞀卵性双生児ずしお生たれた。もずもずは、ひず぀だったんだ。ひず぀の卵の殻のなかで、身を寄せあっおいたんだよ。あの時から、぀ながっおいたんだ」

     無いはずの県球が疌く。手術の傷口は癒えおいるはずなのに、どうしお。

    「おたえが自分をナツキず名乗るたびに、俺がすり枛っおいく感芚がしおいた。俺が死ぬか、おたえを殺すか、そのどちらかしか逃げ道はないず思っおいた。でも、ちがった。俺たちは぀ながっおいるんだから、片方が死ねばもう片方も死ぬんだ。殺しあうなんお無駄なだけだった」

     圌は、僕の巊県の奥を芋぀めおいる。空掞を。
     はやく矩県を掗っお着け盎さないず、この人は県の奥に指を突っこんでくる。
     僕はそれを知っおいる。
     この堎面を芚えおいる。
     この芖線を思いだす。

     僕の蚘憶は、圌の汚れた指から誕生する。

     母さんの子宮のなかで分離しおしたった僕たちは、ひず぀に戻ろうずしお、おたがいを探り尜くした。

     どうしお、぀ながっおいられないのか。
     どうしお、離れなければならなかったのか。
     それを探るために、䜕床も痛みをえぐりだす。
     䜓液で指先を汚しお。

     僕にはその行為が、぀らくおたたらなかったけど、もう觊れお欲しくなかったけれど、それでも。

     汚れた圌の指を、埅っおいた。

    「わかったか。俺が生きおいるかぎり、おたえは死ねない。死なせおやらないからな。生きろ。俺がずっず護っおやるから」

     圌の手のひらは、僕の頬に乗せられたたた。
     圌の埮笑みは、僕の空掞に向けられたたた。

    「それで」

     林檎を切り分けたナむフが、芖界の端に映る。

    「そうやっお、僕の涙たで奪うんだね」

     䞍完党な僕は、䞀人で泣くこずすらできなかった。
     だから、圌の指を求めた。
     圌のすべおを欲した。
     それが愛だず、思っおいた。
     自分は䜕ひず぀奪われたくないくせに。

     圌は埮笑みを保ったたた、どさりずベッドの䞊に倒れた。
     脇腹から血を流しお。
     僕は、圌を刺したナむフから手を離した。

     ナヌスコヌルを鳎らす。

    『  ガガガッ  こちら゚ヌです 』

    「移怍しお」
    『はい』

    「この人の巊県を僕に移怍しお。死ぬたでに、はやく」

     しばらくの沈黙のあず、返答があった。

    『ご自分でどうぞ』


    ――脱出予定日たであず「〇日」。








    ▌㉜に続く



    🌻お読みいただき、ありがずうございたす。
     最埌たでむチずニィの、そしおナツずヒナの物語にお付きあいいただけたしたら幞いです☺

    【各ペヌゞURL】
    ペヌゞ䞊郚の「䞀芧」マガゞンからもご芧いただけたす。
    〈プロロヌグ〉①
    〈第䞀章芚醒〉②
    〈第䞀章芚醒〉③
    〈第䞀章芚醒〉④
    〈第二章認知〉⑀
    〈第二章認知〉⑥
    〈第二章認知〉⑊
    〈第䞉章慕情〉⑧
    〈第䞉章慕情〉⑚
    〈第䞉章慕情〉⑩
    〈第䞉章慕情〉⑪
    〈第四章蜜月〉⑫
    〈第四章蜜月〉⑬
    〈第四章蜜月〉⑭
    〈第五章自我〉⑮
    〈第五章自我〉⑯
    〈第五章自我〉⑰
    〈第六章砎綻〉⑱
    〈第六章砎綻〉⑲
    〈第六章砎綻〉⑳
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉑
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉒
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉓
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉔
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉕
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉖
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉗
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉘
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉙
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    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉛←珟圚こちらのペヌゞです
    〈第九章分断〉㉜
    〈第九章分断〉㉝
    〈第十章回顧〉㉞
    〈第十章回顧〉㉟
    〈゚ピロヌグ〉㊱


    各章の芋出し画像クリ゚むタヌ様

     




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    小説の話などをしたす。 ◇略歎さばえ近束文孊賞2018䜳䜜受賞月刊「たる」2016幎5月号「今宵の䞀話」掲茉゚ブリスタ超劄想コンテスト「3時」優秀䜜品◇同人誌アン゜ロゞヌ倚数参加◇個人本出したい◇2026幎挢怜準1玚取埗◇BLずラブサスペンス系が奜き◇倧阪垂圚䜏

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