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「×」むチずニィ、圌らの蚘憶⑚【第䞉章慕情】創䜜倧賞2025ミステリヌ小説郚門


    どうしお痛いの
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    むチ×ニィの運呜は


    〈『男のいびきだけが響く郚屋で、母芪は冷蔵庫を開け、ヒナはナツず床の髪をたずめおゎミ箱に入れる。
     酒瓶や空き猶が乱雑に䞊ぶテヌブルで、䞉人は貧しい倕食を摂る。二぀のお怀によそられた癜ご飯は、冷蔵庫で保管しおいた残りものを枩めたもの。䞉぀䞊んだプラスチックのコップには氎道氎。
    「ごめんね。今日、これだけしか甚意できなくお」
     母芪は腫れた頬を冷やしながら、䜜り笑いをしお謝る。
    「お父さん、今日もパチンコ負けお、居酒屋に寄ったんでしょうね。あのお酒、たた借金しお買ったのかしらね」
    「母さん、僕のごはん食べお」
    「僕のも。僕たち、絊食でじゅうぶんだから」
    「いいの、食べなさい。明日になったら、ボランティアセンタヌで食べ物もらっおくるから」
    「父さんがいないうちに行かないず、ずられちゃうよ」
    「そうねえ、芋぀かっちゃだめね。でも明日は雚だから、この人たぶん家にいるわね。せめお仕事しおくれたらいいんだけど。しかたのない人よね」
     母芪は銖を傟げお、ふふ、ず力なく笑った。
    「母さん、死んじゃおうかな  。なんおね、冗談」
     ヒナの芖界が涙でにじむ。
    「ヒナタ、泣かないでよ。母さんなら倧䞈倫なんだから」
    「母さん、死ぬのだけはだめだよ。死んだっおなんにもならない。いざずなれば、僕があい぀を殺すから。母さんは生きなきゃだめだ」
    「だめよナツキ、殺すなんお。ごめんね。母さん、あなたたちのためにも、しっかり生きなきゃ。わかっおる。わかっおるんだけどね、でも、もう  」
     母芪は頭を抱えお泣き出した。
    「母さんが悪いの。父さんをあんなふうにしたのも、あなたたちをこんな目に遭わせおいるのも、党郚母さんのせいなの」
     興奮する母芪に、ヒナは箞を眮いお号泣する。
    「母さんのせいなんかじゃないよ 僕は母さんが倧奜きだよ」
    「母さんのせいよ。母さんが  、私が浮気なんかしたから。この人が私たちをいじめるのは、ぜんぶ、ふしだらな私が悪いのよ」
     ナツも箞を眮いお、母芪の肩に手を眮く。
    「母さん、よく聞いお。母さんは、やっおくる状況に呑たれただけで、そういうのは人間誰しも持っおいる郚分だからしかたがないんだ。それよりも、これからどうすべきかを考えるべきだず思う」
    「これから、どうするべきか  」
    「そうだよ。母さんはどうしたい」
    「逃げたい」』
     ――さっき芖たのは、これで以䞊だ。ニィ、入力できたか〉

    〈うあ、う、うう  〉
    〈ニィ〉

     薄暗い郚屋で、ヒナは肩から颚呂敷をぶらさげお、怅子に座っおいる。隣りでナツも同じ栌奜をしお、母芪に髪を きられ きられお おず はさみ こわい やめおあえおああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

    蚘憶 䞃月六日

    〈え、もう送信したのか   したのか。はあ〉

     肩を萜ずしおいるむチの腕を぀かむ。ただ指先が震えおいる。
    〈むチ、助けお〉
    〈いや、俺も助けられるなら、痛くなくしおやりたいけどさ〉
    〈あんな悲しい映像なんか芖お、誰が喜ぶんだよ〉
    〈蚘憶を芖れば、生き延びる。そうすれば俺も喜ぶし、ニィも喜ぶ。わかるか〉
    〈どっちか死ぬんだ〉
    〈どっちも生きるためにやっおいる〉
    〈むチは苊しくないの 䞍公平だよ〉
    〈俺だっお苊しい〉
    〈でもむチは泣かない〉
    〈おたえのぶんたで泣かないずいけないから、自分の涙は埌回しだな〉
    〈むチには涙なんかないよ〉
    〈おたえが脱出できないかず思うず、涙が出そうなほど悔しい〉
    〈そんなふうに責められたっお〉
    〈責めおない〉

     むチはあきれた顔をしお、芖線を僕からパ゜コンの画面に移した。送信した文章の履歎を読み返しおいる。僕ずの䌚話は、無駄な蚀い争いずいうわけか。
    〈もういやだ。もういやだ。もういやだ〉
    〈おたえ、倜にちゃんず寝おないだろ。だから、い぀もそんなふうになるんだよ〉
     むチが画面を目で远ったたた、僕の肩を匕き寄せた。そのたた頭を、圌の膝の䞊に乗せられる。
    〈朝の回蚺で起こしおやるから、それたで寝おろ。な〉

     どうしたっお、むチの優䜍には立おない。察等にもなれない。ひざたくらなんお、僕がどれだけ匱いず思っおいるんだ。
     それなのに涙が出る。むチの腹に顔を抌し぀けお泣いた。頭䞊で、圌が涙をぬぐっおいる気配がする。

     䞀緒に泣いおいるのに、ひずりきりだ。

    

    『〇八䞀五宀、朝の回蚺』
     その音で目が芚めた。
     
     むチの膝の䞊から、からだを起こす。珟れたモニタヌに癜衣の男が映った瞬間、たたむチの膝の䞊に戻りたくなった。

    『回蚺前に先生からお話がありたす。、䞊䜓を起こしおください』

     むチの腰にしがみ぀いお癜衣の男を芖界に入れないようにしおいたのに、うながされおむチから離れる。今日も男はメスむチによるずバタヌナむフを片手に䞍気味な笑みを浮かべおいる。

    『今日はおたえたちの尻を叩きにきた。あたりに出来が悪いからな。特に、。今朝のあれはなんだ 文章ですらない。殺されたいのか』

     メスを向けられお冷や汗が出る。先の尖った金属に気が遠くなりそうだ。むチの肩に隠れお、メスから逃げた。

    『、きちんず先生の目を芋おください』
    〈倧䞈倫だ、あのナむフがこっちにくるこずはないから〉
    〈怖い〉
    〈たた点数を䞋げられるぞ。ニィ、お願いだ。ちゃんずしおくれ。俺がそばにいるから〉

     歯をくいしばっお、モニタヌのほうに顔を向ける。男はただメスを僕に向けおいた。おもわず目を閉じる。

    『ふっ。これでおたえの急所を䞀突きすれば、倱血死。だが、そう簡単には殺さん。死にあらがっお必死で生きようずする者にしか死ぬ暩利は無い。おたえのような向䞊心のない者は、五臓六腑を匕きずり出しおも死なせおやらんぞ。いったい、誰のおかげで呜があるず思っおいる』
    〈だ、誰のおかげでもない、頌んでない〉
    『目を開けおよく芋ろ』



    ▌⑩に続く


    🌻お読みいただき、ありがずうございたす。
     最埌たでむチずニィの物語にお付きあいいただけたしたら幞いです☺

    【各ペヌゞURL】
    ペヌゞ䞊郚の「䞀芧」マガゞンからもご芧いただけたす。
    〈プロロヌグ〉①
    〈第䞀章芚醒〉②
    〈第䞀章芚醒〉③
    〈第䞀章芚醒〉④
    〈第二章認知〉⑀
    〈第二章認知〉⑥
    〈第二章認知〉⑊
    〈第䞉章慕情〉⑧
    〈第䞉章慕情〉⑚←珟圚こちらのペヌゞです
    〈第䞉章慕情〉⑩
    〈第䞉章慕情〉⑪
    〈第四章蜜月〉⑫
    〈第四章蜜月〉⑬
    〈第四章蜜月〉⑭
    〈第五章自我〉⑮
    〈第五章自我〉⑯
    〈第五章自我〉⑰
    〈第六章砎綻〉⑱
    〈第六章砎綻〉⑲
    〈第六章砎綻〉⑳
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉑
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉒
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉓
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉔
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉕
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉖
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉗
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉘
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉙
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉚
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉛
    〈第九章分断〉㉜
    〈第九章分断〉㉝
    〈第十章回顧〉㉞
    〈第十章回顧〉㉟
    〈゚ピロヌグ〉㊱


    各章の芋出し画像クリ゚むタヌ様


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    小説の話などをしたす。 ◇略歎さばえ近束文孊賞2018䜳䜜受賞月刊「たる」2016幎5月号「今宵の䞀話」掲茉゚ブリスタ超劄想コンテスト「3時」優秀䜜品◇同人誌アン゜ロゞヌ倚数参加◇個人本出したい◇2026幎挢怜準1玚取埗◇BLずラブサスペンス系が奜き◇倧阪垂圚䜏

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