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「×」むチずニィ、圌らの蚘憶⑥【第二章認知】創䜜倧賞2025ミステリヌ小説郚門


    蚘憶は戻るのか
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    むチ×ニィの運呜は


    〈今、なんか芋えた  〉
    〈俺も芋た。ナツキ、母芪、ヒナタ〉
    〈うん、僕もそんな感じ〉
    〈これ、蚘憶かもしれない〉
    〈さっきのが 僕たちの〉
    〈いや、俺たちのっおいうか、あの目線から考えるず、子どもの蚘憶、っおこずになるよな。あの女の〉
    〈子どもっお、『ヒナタ』〉
    〈ず、『ナツキ』〉
    〈あれっお誰〉
    〈さあ。誰の顔も、よく芋えなかったし〉
    〈どっちにしろ僕たちに関係ないじゃないか。蚘憶じゃないよ〉
    〈でも、これ以倖に新しい情報を埗る方法も無いからな。ずりあえず、さっきみたいな映像が蚘憶っおこずにしおおこうぜ。䜕かのヒントになるかもしれない。どうせ他にやるこずもないんだし、もう䞀回觊らせお〉
    〈いやだ。痛い〉
    〈じゃあ痛みがおさたるたで、さっきのを文章にしよう〉

     むチがさっそくノヌトパ゜コンを開ける。気がすすたなかったが、僕もキヌボヌドに指を眮いた。映像を思いだそうずしお、たた痛みがぶり返した。無理だ。曞けない。

     それでもなんずか曞き䞊げお、芋盎しもしないで送信ボタンを抌した。

    みずたたり、そら、くも、ながぐ぀、らんどせる、たおぶえ、おすず、かあさん、ナツキ、ヒナタ

    蚘憶 䞃月五日

     送信したあずでむチの文章を読んで、自分が芋た映像を理解した。

     自分は氎溜りに映る雲ず青空ず、長靎に付着した泥を芋おいる。
     叀びた建物から鐘が鳎る。
     前を歩く子どもたちはランドセルを背負い、瞊笛を吹いおいる。
    「僕たちも、垰ったら瞊笛の緎習しよう」
    「うん。音楜のテスト、明日だね」
     薄暗い郚屋に入る。若い女に抱きしめられる。
    「ナツキ、おかえり」
    「母さん、ただいた」
    「ヒナタ、おかえり」
    「母さん、ただいた」

    蚘憶 䞃月五日

    〈むチっお、文章曞くの䞊手いね〉
    〈いや、おたえが䞋手すぎるだろ〉
    〈だっお痛いし〉
    〈ただ痛むのか〉
    〈すこし〉
    〈さっきより、たし〉
    〈たしだけど〉
    〈じゃあ、もう䞀回な〉
    〈はあっ〉

     抵抗する僕を、圌は無理やり抌さえ぀ける。抱きしめお、からだを密着させお、むさがるように県垯に觊れおくる。痛い。

     映像が芖えた。

     薄暗い郚屋。自分の手元さえはっきり芋えない。
     窓から射し蟌む街灯の光で、なんずか芖界を確保できる。
     誰かず背䞭をくっ぀けお座っおいる。
     手のひらに䜕か茉せおいる――ひたわりの皮、ず蚀っおいる。
     背䞭をあわせおいる盞手に、ナツ、ず話しかける  が、喧嘩が始たる。
     タむムカプセルを埋めようず蚀っお仲盎りする。
     街灯の光が顔を照らしお  

     むチが指を離した。
    〈よし、文章を曞いお送信するぞ〉
    〈  よく、わからなかったんだけど〉
    〈芖えなかったのか〉
    〈芖たよ。でも文章にできない。痛いし〉
    〈うヌん、そうだな  俺のを写すか ちょっず埅およ、すぐに仕䞊げるから〉
    〈カンニングなんかしたらバレない 監芖されおいるんだよ〉
    〈それをバレないようにすればいいんだろ。こうやっお雑談しおるふりしながら俺の文章を読み䞊げおやるから、ニィはそれを打ち蟌めばいい。ある皋床の挢字はわかるよな〉
    〈それはわかるけど、えヌ バレるっお〉
    〈倧䞈倫。監芖されおるずいっおも、俺たちの䌚話はあい぀らに通じない。画面を芋せ合ったりしないかぎりは、喋りながらパ゜コンに入力しおるだけに芋えるはずだ〉
    〈でも、同じ文章なんか送ったら怪したれるよ〉
    〈だから、そこは䞀郚だけ埮劙に倉えたりしおさ〉

     どうしおむチは賢いくせに、こんなにノヌテンキなんだろう。

    〈カンニングがバレお、むチたで点数を䞋げられるのは嫌だよ〉
    〈そうは蚀っおも、䞀人じゃ曞けないわけだろ。  たあ、ニィが自分の蚀葉で文章を曞きたいのに曞けないっおいうなら、曞けるように手䌝っおやる。よしっ、聎き取りだ〉

     むチがパンッず手を叩く。どこずなく嬉しそうだ。僕は映像を思いだすだけでも億劫だが、぀きあうしかない。

    〈たずは、䜕が芖えた〉
    〈えっず、『ヒナ』ず『ナツ』は、背䞭を合わせお座っおいた〉
    〈そうだね〉

     巊県がすこし痛んでくる。

    〈で、たぶん『ヒナ』が、ひたわりの皮の話をする〉
    〈うん〉
    〈手のひらに皮を乗せお、くるくる撫でお、いじり回しお〉
    〈おたえ、よくそこたで芖えたな〉
    〈え だっお、目の前で手のひらず皮ず指があっお、こんなふうに〉
     『ヒナ』の手もずを再珟しおみせるず、むチが黙った。

    〈むチ〉

    〈あのさ。『ナツ』が読んでいた本の開いおいたペヌゞ、䜕お曞いおあった 倧きい芋出しがあったず思うけど〉
    〈そんなの知らないよ。本   ああ、『ナツ』に芋せられたのかな。本の衚玙だけ。むチは芖えたの〉
    〈いや  、どう、だったかな〉

     むチにしおは歯切れの悪い蚀い方をする。

    〈むチ、どうしたの〉

    〈ニィ。今芖たこず、本気で文章にできないんだよな〉
    〈だから、自信ないんだっお。痛くお、党郚をはっきり芚えおないし。正盎、今もあの映像の話をしおいるだけで、巊県がちょっず痛いんだ。ほんっず、こんな拷問みたいな課題、やりたくないよ〉
    〈だよな。痛い目させお悪いな〉

     蚀葉ずは裏腹に、むチに悪びれおいる様子はない。巊県の鈍い痛みを、むチも味わえばいいのにず思う。

    〈決めた。やっぱり、こうしよう〉
    〈ん〉

    〈これからは、俺がニィの文章を党郚考えおやる。もちろん、俺ずは違う感じの文䜓にしお絶察にバレないようにする。口頭で文章を教えおやるから、ニィは俺の声を聎き取っおパ゜コンに入力するだけすればいい。思いださなくおいいなら、痛みもマシだろ どうせ䞀緒の映像を芖おいるんだ、簡単な䜜業だよ〉

    〈でも  〉

    〈そうでもしお点数を皌がないず、二人で脱出できないぞ〉

    〈脱出なんか〉

    〈俺はニィず䞀緒に脱出したいんだ。諊めるな〉

    〈  わかったよ〉


    ▌⑊に続く


    🌻お読みいただき、ありがずうございたす。
     最埌たでむチずニィの物語にお付きあいいただけたしたら幞いです☺

    【各ペヌゞURL】
    ペヌゞ䞊郚の「䞀芧」マガゞンからもご芧いただけたす。
    〈プロロヌグ〉①
    〈第䞀章芚醒〉②
    〈第䞀章芚醒〉③
    〈第䞀章芚醒〉④
    〈第二章認知〉⑀
    〈第二章認知〉⑥←珟圚こちらのペヌゞです
    〈第二章認知〉⑊
    〈第䞉章慕情〉⑧
    〈第䞉章慕情〉⑚
    〈第䞉章慕情〉⑩
    〈第䞉章慕情〉⑪
    〈第四章蜜月〉⑫
    〈第四章蜜月〉⑬
    〈第四章蜜月〉⑭
    〈第五章自我〉⑮
    〈第五章自我〉⑯
    〈第五章自我〉⑰
    〈第六章砎綻〉⑱
    〈第六章砎綻〉⑲
    〈第六章砎綻〉⑳
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉑
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉒
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉓
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉔
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉕
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉖
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉗
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉘
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉙
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉚
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉛
    〈第九章分断〉㉜
    〈第九章分断〉㉝
    〈第十章回顧〉㉞
    〈第十章回顧〉㉟
    〈゚ピロヌグ〉㊱


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