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「×」むチずニィ、圌らの蚘憶⑀【第二章認知】創䜜倧賞2025ミステリヌ小説郚門


    蚘憶は戻るのか
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    むチ×ニィの運呜は


     今日は「䞃月四日」。
     この䞉日間、やるこずがなさすぎお、苛々しおいた。 

     やらなければいけないこずは、ある。蚘憶を取り戻しお、目の前のパ゜コン画面に文章を打ち蟌たなければならない。
     だけど、この状況から逃げ出したい気持ちのほうが匷い。完璧な蚘憶を文章にしお「合栌点」をもらったずころで、あの癜衣の男ず゚ヌさんが僕たちを逃がす保蚌はないのだ。最埌は殺されお終わり、かもしれない。

     倜の回蚺が終わっおも眠れない。電気も窓もないのに、この郚屋はい぀でも真っ癜の光が満ちおいるのだ。
     僕はむチの腕にしがみ぀いお、圌の銖筋に顔をうずめお、き぀く目を閉じる。そのうち睡魔は蚪れるけれど、すぐに目が芚める。

     時蚈もないこの郚屋で、時間の経過がわかるのぱヌさんの回蚺だけだ。ぐっすりず眠っおいる様子のむチの顔を芋぀めお、時間が過ぎるのを埅぀。

     そんな倜を䞉回過ごしお、疲れきった。

     脱出予定日は、「八月十五日」。
     はやく、その日になればいい。死んでもかたわない、この状況から抜け出せるなら。
     どうせ死ぬなら、䞀日なんお䞀瞬で過ぎ去ればいい。゚ヌさんが日めくりを剥がせば、䞀日なんお簡単に終わるのだから。

    ――『日めくりは蚱可なく觊らないように』

     それなら、觊れないようにしおおけばいいのに。ためしに「䞃月四日」を力たかせに匕っぱっおみた。
    〈あ、〉
     あっさり剥がれお、今日は「䞃月五日」になった。

     この日めくりは、ただの玙束なのだ。特殊な力が備わっおいるわけでもない。゚ヌさんでなくおも、日付は曎新できるのだ。
     その発芋をむチに䌝えたいのに、圌はただ眠っおいる。

    〈たったく、むチはのんきだなあ。こんな状況で、毎日よく眠れるよ〉
     圌の錻先に「䞃月四日」を近づけるず、呌吞にあわせお「䞃月四日」が揺れる。僕は笑った。
    〈『昚日』に、錻息をかけおいたヌす〉

     しばらく遊ぶず぀たらなくなっお、「䞃月四日」で玙飛行機を折っお飛ばしおみた。それは壁にぶ぀かり、床に墜萜した。

    〈䜕しおんの〉
    〈むチ おはよう〉
    〈おはよう。さっきから䜕を暎れおたんだ〉
    〈ないしょ〉
    〈今日は䞃月五日か〉
    〈そうだよ〉
    〈  俺、䞞䞀日も寝おたっけ〉
    〈そうだよ。あヌ぀たらなかった、䞀人で぀たらなかった〉

     むチは目をこすりながら、けだるそうに䜓を起こした。
    〈おたえもさ、もうちょっず蚘憶のこず必死に考えろよ。俺たち、ただ䞀回も蚘憶の文章を送信できおないじゃん〉
    〈だっお、考えたっおわかんないし。おゆうか、おたえっお蚀うのやめおよ。ニィだよ、ニィ〉
    〈あのさあ、マゞで  〉

    『〇八䞀五宀、朝の回蚺』

     やっず゚ヌさんが珟れた。

    『バむタル枬定、  異垞なし。芚醒四日目、蚘憶の完成床れロパヌセント。評䟡点数および生呜維持支揎率は昚倜の時点で䞡者ずもに五十・五十で倉動なし』

     ゚ヌさんはノヌトパ゜コンから顔を䞊げるず、䟋の冷めた目で質問をした。
    『昚朝は䞃月䞉日、今朝は䞃月五日ずなっおいたすが、蚱可なしに日めくりを曎新したのはどちらですか 日めくりの違反は点数を䞋げる芏則ずなっおいたす。挙手しおください』
     僕はう぀むいた。むチは黙っおいる。
    『正盎に申告しなければ、さらに点数を䞋げる仕組みになっおいたすが』

    〈自分がやりたした〉
    ず手を挙げたのはむチだった。
    『良いでしょう。しかるべき点数凊理をしおおきたす。ちなみに、この郚屋は倖からのモニタヌで垞に監芖されおいたす。隠し事は無甚ず知っおおいお䞋さい。以䞊、「䞃月五日」ずしお朝の回蚺をおこないたした』

     モニタヌが消えおすぐに、僕はむチを問いただした。
    〈どうしおさっき、自分がやったなんお䜙蚈な嘘぀いたの いい栌奜しお、点数あげたかったわけ〉
    〈悪かった。おたえの点数を䞋げたくなかったんだ。監芖されおいるずは思わなかった〉
    〈䜕それ 自分は少々点数䞋がっおも、あずから挜回できるっお自信 むチは頭が良いもんね。どうせ僕はできそこないだよ。別にいいよ、点数䞋げられお死んだっお。䞀人で生き延びたっおむなしいだけだ〉
    〈なあ、ニィ。二人で生きお脱出しよう。それが䞀番良い遞択なんだ〉
    〈無理だよ。䞀人分の栄逊を二人で分けお、䜕日持぀ず思う〉
    〈可胜性はれロじゃない〉
    〈限りなくれロに近いよ〉
    〈ずにかく、蚘憶を取り戻さないず。おたえの巊県、觊っおいいか〉
    〈觊るなっお蚀っただろ おいうか、『おたえ』じゃなくお『ニィ』〉
    〈はじめお觊った時、䞀瞬だけ䜕か芖えたんだ。あれがヒントだず思う〉
    〈痛いからだめ 蚘憶なんかどうでもいい   やめっ〉

     むチは僕を抌し倒し、からだごず芆いかぶさっおくる。唇がくっ぀きそうなほど顔が近くお、逃げられない。県垯に觊られる。

    〈痛いっお〉

     瞬間、芖界いっぱいに映像がひろがった。空の色。建物の色。笛の音。優しそうな女の人。
    ――ナツキ、おかえり。
    ――母さん、ただいた。
    ――ヒナタ、おかえり。
    ――母さん、ただいた

     むチが指を離すず、映像は消えた。


    ▌⑥に続く


    🌻お読みいただき、ありがずうございたす。
     最埌たでむチずニィの物語にお付きあいいただけたしたら幞いです☺

    【各ペヌゞURL】
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    〈第䞀章芚醒〉②
    〈第䞀章芚醒〉③
    〈第䞀章芚醒〉④
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    〈第二章認知〉⑊
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    〈第九章分断〉㉝
    〈第十章回顧〉㉞
    〈第十章回顧〉㉟
    〈゚ピロヌグ〉㊱


    各章の芋出し画像クリ゚むタヌ様


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    小説の話などをしたす。 ◇略歎さばえ近束文孊賞2018䜳䜜受賞月刊「たる」2016幎5月号「今宵の䞀話」掲茉゚ブリスタ超劄想コンテスト「3時」優秀䜜品◇同人誌アン゜ロゞヌ倚数参加◇個人本出したい◇2026幎挢怜準1玚取埗◇BLずラブサスペンス系が奜き◇倧阪垂圚䜏

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