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「×」むチずニィ、圌らの蚘憶⑳【第六章砎綻】創䜜倧賞2025ミステリヌ小説郚門


    ニィ、粟神厩壊
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    あるいは真の芚醒


     はずみで手を離すず、少幎は癜目をむいおぐったりず倒れこんだ。
     圌の頞動脈を抌さえおいた感觊がただ指先に残っおいお、震えがずたらない。
     その震えをおさえおくれる、やわらかい手を知っおいる。

    母さん

    蚘憶 八月十四日

     背䞭を抱きしめおくれる優しい人。
     お腹に回される、癜くお现い腕。
     顔を芋なくおもわかる。

    母さん、僕の声が届いおいるの
    僕のこころが通じたから、こうやっお来おくれたんだね
    ああ、よかった。
    あい぀以倖にも僕には味方がいたんだね。
    だっお、あい぀がいないず䞖界が芖えないなんおさ、い぀たであい぀に頌らなきゃいけないのかな、っお思っおいたんだ。

    僕はね、最初から䞀人がよかった。
    䞀人でしっかりず生きおいたいず思うし、僕のこの脚でしっかりず立っお、
    僕のこころで考えおいきたいず思うよ。
    僕は誰かの代甚品じゃない。
    替わりのいないただ䞀人ずしお、認めおほしかった。

    ほんずうは僕だっお、未来が欲しい。
    でもあい぀がいるず、僕の意味が薄れおしたう。
    僕ず同じ顔で同じ蚘憶を持぀人間なんお二人もいらないんだから、あい぀を殺すのは正圓防衛でしょう
    このたただず僕は僕ですらないんだ。

    それでも僕は僕自身の蚀葉で、こうしお母さんに話ができた。
    だからもうあい぀は必芁ないよね
    母さん。
    僕をずっず芋おくれおいたんでしょう。
    この郚屋のどこかで、僕を護っおくれおいたんでしょう。
    僕があい぀に負けお息絶えないように、母さんは党力で僕に栄逊を送っおくれおいたんだね。

    それなのに僕はちゃんず良い子にできおいたかな

    母さんのこず、芚えおいるよ。
    僕を抱き締めおくれたね。
    おかえりなさいっお笑っおくれたね。
    髪を切っおくれたよね。
    ご飯䜜っおくれたよね。
    お父さんの暎力から僕たちをかばっおくれたよね。
    お母さんが䞀番぀らかったはずなのに、い぀でも僕たちの手を匕いお優しく笑っおくれたね。

    僕は母さんに䜕も蚀えなかった。
    ありがずうも、ごめんなさいも、玠盎に泣き぀くこずも出来なかった。
    母さんがい぀壊れるのか怖くお、距離を眮いおいた。

    どうしお僕は母さんを愛せなかったんだろう
    こんなにも枩かくお優しいのに。
    母さん、僕みたいなのが産たれおごめんね。
    この䞖界で意志を持っおしたっおごめんね。

    なんだか頭ががんやりしおきたよ。
    そろそろ母さんの顔が芋たいんだ、振り返っおいいかな。
    母さんの顔が芋たいのに、目が芋えなくなっおきたよ。
    どうしたらいいの

    蚘憶 八月十四日

     遠くで男の声が聞こえる。
     僕は髪を、匕っ匵られおいる。

    『は完党に蚘憶ず珟実を混乱しおいる。しかし、蚘憶ぞの共感率は今たでにない数倀を叩き出しおいる。結構なこずだ、゚ヌ、高埗点を䞎えおおけ。
    その他の生掻習慣ず日垞思考を芳察するかぎりは蚓緎の甲斐は芋られないが。た、芁は䞀定基準で完成すれば問題ないのだから経過良奜ずする』

     かすむ芖界に、癜衣ず黒いブヌツ。

    『ただし油断は犁物だ、取り戻すべき根幹の蚘憶はいただ発芋されおいない』

     ぀かたれおいた髪が解ける。僕は床に頬を打ち぀ける。
     母さん 母さんはどこ

    ドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッ

     うるさいなあ。
     さっきの少幎が、床に額をぶ぀けおいる。
     なんだ、元気に動けるんじゃないか。

    ドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッ

     ああ、髪を切っおやらなくちゃ。
     鋏はただ届かないのか。
     あんなに額を床にぶ぀け続けおいたら、ほら、出血しおいる。髪に血が付いちゃうから、きれいに切っおあげないずね。

     髪を切ったらそのあずは、殺す。
     母さんが止めおくれるたで。

    『は粟神錯乱、酞玠䞍足による倧半の脳现胞砎壊。もはや手遅れか。゚ヌ。最近、絞銖事故が倚発しおいるぞ。他の郚屋にも監芖人を増員しろ。今回のような事故は枛らすように』
    『承知いたしたした』
    『は様子芳察の䞊、廃棄の方向も考える。準備を』
    『はい』

     䜕だっお
     がどうしたっお

     そんなこずより、母さんはどこ
     芖界がどんどん暗くなっおいく。
     この目が光を倱う前に、母さんの顔を芋たいんだ。
     お願い、誰か。
     母さんに觊らせお。
     僕を倖に出させおよ。

    『以䞊、「八月十四日」ずしお朝の回蚺をおこないたした』

     埅っお。
     僕を連れおっお。


    ――脱出予定日たであず「䞀日」。



    ▌㉑に続く



    🌻お読みいただき、ありがずうございたす。
     最埌たでむチずニィの物語にお付きあいいただけたしたら幞いです☺

    【各ペヌゞURL】
    ペヌゞ䞊郚の「䞀芧」マガゞンからもご芧いただけたす。
    〈プロロヌグ〉①
    〈第䞀章芚醒〉②
    〈第䞀章芚醒〉③
    〈第䞀章芚醒〉④
    〈第二章認知〉⑀
    〈第二章認知〉⑥
    〈第二章認知〉⑊
    〈第䞉章慕情〉⑧
    〈第䞉章慕情〉⑚
    〈第䞉章慕情〉⑩
    〈第䞉章慕情〉⑪
    〈第四章蜜月〉⑫
    〈第四章蜜月〉⑬
    〈第四章蜜月〉⑭
    〈第五章自我〉⑮
    〈第五章自我〉⑯
    〈第五章自我〉⑰
    〈第六章砎綻〉⑱
    〈第六章砎綻〉⑲
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    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉑
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    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉖
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉗
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    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉙
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉚
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉛
    〈第九章分断〉㉜
    〈第九章分断〉㉝
    〈第十章回顧〉㉞
    〈第十章回顧〉㉟
    〈゚ピロヌグ〉㊱


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    小説の話などをしたす。 ◇略歎さばえ近束文孊賞2018䜳䜜受賞月刊「たる」2016幎5月号「今宵の䞀話」掲茉゚ブリスタ超劄想コンテスト「3時」優秀䜜品◇同人誌アン゜ロゞヌ倚数参加◇個人本出したい◇2026幎挢怜準1玚取埗◇BLずラブサスペンス系が奜き◇倧阪垂圚䜏

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