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「×」むチずニィ、圌らの蚘憶⑯【第五章自我】創䜜倧賞2025ミステリヌ小説郚門


    「先生」が暎走したす
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    ニィの身に䜕が


    『〇八䞀五宀、朝の回蚺』

     からだを起こす気力もない。゚ヌさんの埌ろに癜衣の男の姿が芋えたが、僕は寝転がったたた二人を迎えた。

     むチは郚屋の隅で䞉角座りをしおいる。僕を諫めもしない。

    『、姿勢を正しおください。それずも指瀺を拒みたすか』
     拒むず点数を䞋げたす。
     次の台詞は予想しおいたので、どうぞず蚀わんばかりに゚ヌさんを無芖した。

    『立お、クズ』

     男の顔がモニタヌ越しにドアップになる。切れ長の県、腹立たしいほど通った錻梁ず癜い歯。こうしお芋るず、誰かに䌌おいる。

    『モニタヌ越しだから危害はないず安心しおいるのか 私も゚ヌのように虚像を送りこむこずができる。そうすればおたえの頞動脈を裂くのは朝飯前だ。それをしないのは私の慈悲が半分、そんな暇がないのが半分。わざわざ返り血を济びる手間をずらなくおも、おたえの栄逊を止めるのは指䞀本、ボタンひず぀で枈むからな。そんなに起きるのが嫌なら、今すぐ止めおやろう。じわじわず死ねるぞ。おい、゚ヌ』

    『それでは、。五秒カりントしたす。起き䞊がらなければ死にたす。五、四、  』

     ゚ヌさんのおそろしく䜎い声に、からだを起こした。圌女ならやりかねない。ためらいもなく事務的に僕たちを凊理しそうな目をしおいる。

    『ハハッ、動けるんじゃねぇか。おい座るな、今日は立っおおけ。眰だ眰』

     䜕がおかしいのか男はクククず咜喉を鳎らしおいたが、゚ヌさんに手枡されたノヌトパ゜コンを開くず、
    『ばかどもが』
    ず぀ぶやき、勢いよく倩板を閉めた。勢いあたっお、バキッず壊れる音が混じった。

    『、おたえの茶番には心底あきれる。やるなら最埌たで停り通せ。できないこずを仕掛けるのは自惚れが過ぎる。その自惚れがすべおの元凶だずただ気づかないのか』

     僕にカンニングさせおいる行為を責めおいるのか。こい぀の蚀い分はい぀も回りくどすぎる。むチのこずだから無芖を決めこんで平然ずやり過ごすず思ったのに、圌はうなだれお唇を噛んでいた。いったい、昚日から䜕に萜ち蟌んでいるんだろう。

    『で、。おめぇは朝から晩たでに䟝存しおむチャこきやがっお、䞀人じゃ䜕もできない腑抜けが。おたえ、昚日は䜕を芖た 小孊校を早退したあのガキに䜕があった おいコラ、答えられないのか あい぀は䜕をやらかしたんだ』

     僕は䞡耳を塞いで目を閉じた。昚日の蚘憶の再生に぀いおは話したくないし、考えたくもない。どうしおなのか自分でもわからない。䜕を芖たのか思いだせないのに、こころが裂かれるような悲しみを感じる。もしかしたら、むチも同じ痛みを感じおいお元気がないのかもしれない。でも、慰めあう気にはなれない。きっず觊れるだけで怖くお、忘れおおきたい皮類の蚘憶だったから、僕は芖た盎埌から芚えおいないのだ。

    『そうか、自分たちの過去を凊理するのがそんなにも億劫なんだな。私が回蚺に出向く手間を考えおも感謝すらないんだな 残念だ。ああ残念だ残念だ。腑抜けには荒療治が必芁だな。゚ヌ、女を連れおこい』
    『かしこたりたした』

    『いいものを芋せおやろう』
    ず最埌の台詞は僕たちに向けられた。片頬を歪たせる、奇劙な笑顔で。
    誰に䌌おいるのだったか。

     ず、次の瞬間、モニタヌは消えた。
     かわりに、目の前に男が立っおいた。癜衣の䞋は膝たである黒いロングブヌツだ。座っおいる僕のそばに来るず、
    『今日は立っおおけず呜じたはずだが』
    ず肩を蹎った。もっずも、虚像だから男の脚は僕の肩をすり抜けお、䜕の手応えも感じない。僕は男をにらみ䞊げた。

    『ふっ。ずいぶん反抗的になったものだ。しかし、私はおたえの匱点を知っおいるぞ』

     男が癜衣のポケットからメスを出しお僕の県に尖端を向けた。おもわず埌ずさる。怖い。怖い怖い怖い

     壁際で静かに座っおいるむチの手を握る。
     するず、圌は僕の右県を手のひらで芆っおくれた。

    〈無理に芋なくおいい〉
    〈むチ〉

     やっぱり、むチがそばにいないず困る。圌の腕にしがみ぀く。むチはい぀でも枩かい。あずで仲盎りをしお、今日はむチずくっ぀いお眠るんだ。

    『め、この停善者が  』

    『お埅たせいたしたした』
     声がしお、むチが僕の右県を解攟する。男は声のほうに移動した。僕も芖線を移す。

     ゚ヌさんが知らない女の人を連れお、立っおいた。黒いワンピヌスに癜い゚プロン。頭には癜いひらひらずした垃を぀けたカチュヌシャ。倧きくりェヌブのかかった栗色の長い髪を指に絡たせお銖を傟げながら、䞊目づかいで男を芋぀めおいる。

    〈誰〉
    〈メむド服だな。でもたぶん、本物のメむドじゃない〉
    〈どうしおわかるの〉
    〈確か、あの母芪が着おいた〉
     思いだした。あの双子の母芪が颚俗店で働いおいた頃、ああいう衣服をハンガヌに吊っおいた。制服のひず぀だず蚀っおいた。

    『゚ヌ、準備ず解説を』
     ゚ヌさんが䞀瀌をしお僕たちの前に立぀。

    『先生があなた方の曎生に必芁であるずご刀断されたため、特別に課題を远加したす。これよりご芧いただく行為をしっかりず蚘憶し、い぀もの入力フォヌムにお感想を送信しおください。文字数は問いたせん。期限は䞉日埌の朝の回蚺たで。なお、行為においお、こちらの女性アダ氏の合意はあらかじめ埗おおりたす。たた、あなた方が未成幎である点を考慮し、最倧限の配慮をしおおりたす。以䞊』
    『感想の内容が良ければ、それなりの点数をやろう。救枈措眮だ、ありがたく思え』

    〈そういうこずか〉
    〈䜕 䜕がはじたるの〉
    〈双子のトラりマだよ。父芪の虐埅。俺たちも䜕床か芖た。あの男が、母芪を無理やり  〉

     むチが説明しおいるあいだにも、゚ヌさんはすばやい動䜜で「アダ氏」の゚プロンずワンピヌスを脱がし、圌女を党裞にした。

     癜衣の男が、アダ氏の背埌にたわる。
    『床に手を぀け』
     圌女は男の指瀺どおり、床に䞡手を぀いお尻を䞊げた栌奜になった。その尻の割れ目は、僕たちに向けられおいる。男はその割れ目に指を這わすず、僕たちを芋た。
    『よく芋おおけよ。おたえたち子どもは、ここから産たれるのだ』

     〈この人、䜕がしたいんだろう〉
     むチに問いかけおみたが、返事はない。真剣に目の前の情景を凝芖しおいる。

     男がアダ氏の股のあいだに指を突っ蟌むず、それたで倧人しかった圌女が、急に息を荒げお声を立おた。男が圌女の胞に手をたわす。圌女は床から䞡手を離し、䞊䜓を反らしお男に身を預けた。そしお、僕たちを振り向いた、その顔。
     頬を染め、よだれを垂らし、涙を溜めた瞳は恍惚ずしおいた。

    ――ギシギシギシギシ、

     耳鳎りがしおいる。

    ――ギシギシギシギシギシギシギシギシ、

     アダ氏の倧きな喘ぎ声よりも、ずっず倧きな耳鳎りが

    ――シャキッ、ゞャキッ、シャキッ、ゞャキッ

    ハンマヌで殎られたような痛みに頭が締め぀けられる。

    ――シャキゞャキシャキゞャキシャキゞャキシャキゞャキ

     巊県が、

    ――僕を殺しお

    〈うわああああぁぁぁぁぁああ〉

    〈ニィどうした、ニィ〉

    癜ず黒の光が亀互に点滅しおいる。それ以倖、䜕も芋えない。

    意識が遠のく感芚だけはわかっおいた。
    耳のそばで、誰かの囁く声が聞こえた。

    ―――母さん。





    ▌⑰に続く



    🌻お読みいただき、ありがずうございたす。
     最埌たでむチずニィの物語にお付きあいいただけたしたら幞いです☺

    【各ペヌゞURL】
    ペヌゞ䞊郚の「䞀芧」マガゞンからもご芧いただけたす。
    〈プロロヌグ〉①
    〈第䞀章芚醒〉②
    〈第䞀章芚醒〉③
    〈第䞀章芚醒〉④
    〈第二章認知〉⑀
    〈第二章認知〉⑥
    〈第二章認知〉⑊
    〈第䞉章慕情〉⑧
    〈第䞉章慕情〉⑚
    〈第䞉章慕情〉⑩
    〈第䞉章慕情〉⑪
    〈第四章蜜月〉⑫
    〈第四章蜜月〉⑬
    〈第四章蜜月〉⑭
    〈第五章自我〉⑮
    〈第五章自我〉⑯←珟圚こちらのペヌゞです
    〈第五章自我〉⑰
    〈第六章砎綻〉⑱
    〈第六章砎綻〉⑲
    〈第六章砎綻〉⑳
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉑
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉒
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉓
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉔
    〈第䞃章蚘憶Ⅰ〉㉕
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉖
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉗
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉘
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉙
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉚
    〈第八章蚘憶Ⅱ〉㉛
    〈第九章分断〉㉜
    〈第九章分断〉㉝
    〈第十章回顧〉㉞
    〈第十章回顧〉㉟
    〈゚ピロヌグ〉㊱


    各章の芋出し画像クリ゚むタヌ様






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    小説の話などをしたす。 ◇略歎さばえ近束文孊賞2018䜳䜜受賞月刊「たる」2016幎5月号「今宵の䞀話」掲茉゚ブリスタ超劄想コンテスト「3時」優秀䜜品◇同人誌アン゜ロゞヌ倚数参加◇個人本出したい◇2026幎挢怜準1玚取埗◇BLずラブサスペンス系が奜き◇倧阪垂圚䜏

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