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「颚ず宎」第話・金色の県


    「たぁ、魔女の劖怪なら知っおるわ、フランバずいうのよ。元宮廷勀めの魔女だったなんお知らなかったけど。私は圌女の通に䜏んでいたのよ」

     するず、䞊から二番目のハむ゚ナの様な頭が蚀う。

    「フランバ、知っおるぜ、俺はアむツに掋通ぞ来ないか誘われた事があるんだ。お前、あんな所に居たなんお頭がどうかしおるな。党く䟝存心の匷い手合いだぜ、ケッ」

     そう蚀っお歯の隙間から暪ぞ舌を出し、目をギョロギョロず巊右違う方向に動かした。
     少女はハむ゚ナの様な頭に蚀われた事にカチンずきたようで、盎ぐさた蚀い返した。

    「なによ私の事䜕も知らないくせに。私だっおあそこの連䞭にはりンザリしおいたのよそれに私はそこから出おきたのよずいう事は頭もおかしくないし䟝存心も匷くないわよ」

     少女の電光石火のような物蚀いに驚いたハむ゚ナの様な頭は、口を開けたたた面食らった。
     そのやりずりを芋おいた、䞀番䞊の狐がハむ゚ナの様な頭に蚀った。

    「おい、お前、たた俺達の寝おる間に勝手に動き回っおたなその魔女の所に行ったりしたのか」

    ハむ゚ナの様な頭は愉快そうに巊手で腹をかきながら蚀葉を返す。

    「アッハッハ、なんだカシラ、怒っおるのか。フン、俺には俺だけの時間が必芁なんだよ。い぀も蚀っおるが、俺はお前の蚀いなりにはならないんだぜ。倉な魔女が劖怪囲っおるっおいうから、面癜えじゃねえかよ、そりゃ芋に行くだろう」

     右手で頭を掻きながら䞀番䞊の狐が蚀う。

    「俺の蚀う事を聞かないのはお前の勝手だ。だがな、俺達の身䜓は䞀぀しかないんだ、睡眠時間をちゃんず確保しなけりゃこの身䜓が倒れちたうだろうお前は奜奇心が匷すぎるんだ。俺なんおそんな魔女の話しを聞いおもわざわざ芋に行こうず思わなかったがな」

    「だからさ぀たんねぇ。だから俺はお前等の寝おる間に行ったんだ。それにな、カシラの癖(ヘキ)より俺の奜奇心の方がずっずたずもだぜ−−−」

     そう蚀った瞬間、䞀番䞊の狐の雰囲気がガラリず倉わり、ハむ゚ナの様な頭を暗い冷たい目で芋぀めた。芋぀められたその頭の空気は凍り぀いた。

     そしお圌は静かに蚀う。

    「兎が逃げる様な事は蚀うもんじゃないよ、分かるなお前。銖から切り萜ずしおしたおうか」

     䞀番䞊の狐の声はゆっくりず、鋌の刃のような切れ味を孕んで蟺りに静かに響きわたった。ポツポツず珟れる脂汗をかくようにハむ゚ナの様な頭の錻が湿る。

    「ケ、ケッそんな事蚀ったずころでな、俺を切り萜ずしたら倧量に血を倱っお、お前達もお陀仏になるんだぜ」

     䞀番䞊の狐はゆらりず目を揺らしお、ハむ゚ナの様な頭を芋぀め、たた静かに蚀った。

    「なぁに、焌けた鉄でな、お前を切り萜ずした堎所を焌いお血を止めおやるさ、俺にはどうっお事もない。お前なんおい぀でも居なくさせられる。いいか俺はこの身䜓の頭(カシラ)なんだ」

     長い耳の犬の頭が、舌を長く出し、ハッハッず息を荒げた。

    「おいおい、物隒な話はやめずくれ俺は焌いた鉄で血を止めるなんお冗談じゃない。カシラみたいに痛みに無神経じゃないからなおい、ハむ゚ナ、カシラの機嫌を損ねるような事を口走るなよ」

     耳の短い犬の頭が声を荒げた。

    「僕だっお冗談じゃないぞ痛い思いするなんおずんでもない僕はデリケヌトなんだ絶察お断りさハむ゚ナは䜙蚈な事を蚀うんじゃないよ」

     䞀番䞊の狐は圌等からカシラず呌ばれおいた。ハむ゚ナず呌ばれる頭は、煮え切らない様子でグむず歯茎を芋せながら口を぀ぐむ。その様子を芋お、カシラは薄ら寒い空気感の䞭、優しく埮笑んだ。

     少女は、圌等の䞍気味なやり取りを芋お、䞀歩埌ろに䞋がり、身䜓を硬くしおいた。

    「ほらみろ、お嬢さんが怯えおしたっおいるじゃないか。せっかく話しかけおくれたのに、ね」

     そう蚀っおカシラは指先を揃えお少女の方ぞ向けた。

    「そうさ、圌女はせっかく僕達に話しかけおくれたんだ倧䞈倫なんでもないよほら、笑っお」

     耳の短い犬は、党員の頭ごず、くるくるず回っお尻尟を振っおみせる。

     手を握りしめお黙っおいる少女の前で、耳の長い犬は蚀った。

    「なんだ、こんな子嚘の機嫌なんか取る事はない。気に入られようずなんおするな、シバめが」

     耳の長い犬は顎を匕き、血走るような䞊目遣いで少女を芋る。

    「たぁたぁ、萜ち着けよロップ、そんなに譊戒するな。圌女は危険な人間ではない。せっかく話しかけおくれおるのだから、続けおお話ししようじゃないか」

     そう蚀っおカシラは長耳犬のロップを宥めた埌、再び少女の方を向いた。

     少女は、圌等の先皋の䞍気味なやり取りよりも、だんだんずたたい぀もの奜奇心で圌等の幟぀もある頭の方が気になっおきた。
     圌等に指を刺しながら、少女が口を開く。

    「䞀番䞊がカシラ、二番目がハむ゚ナ、䞉番目がロップ、䞀番䞋がシバ、それがあなた達の名前なのかしら」

    「そうずも」

     シバが埗意そうに答えた。

    「それぞれの頭ごず性栌が違うのね、身䜓は共通なのかしら、痛いのが嫌だっお蚀っおいたわね」

    「そうさ痛みは党員で感じるよあ、でもカシラは感芚が鈍感だから痛みをあたり感じないみたいだけど」

     少女は顎に指を乗せお興味深そうに目を芋開く。

    「ぞえ、それは倧倉だわ。誰かがドゞしお怪我したら、皆んな痛いんだから倧迷惑ね」

     少女はい぀もの調子で奜奇心をくるくる巡らせた。

    「そうずも、倧倉なんだ、だからワシはこや぀等を含めお簡単に他人を信甚しない、怪我させられたらかなわんからな」

     長耳のロップが譊戒しながら少女を芋る。
     少女は皆に尋ねた。

    「身䜓は䞀぀だけどどう動かしおるの」

    「基本的に俺がこの身䜓の頭(カシラ)なんだよ、どこでも動かそうず思えば動かせる。だが、他の連䞭は殆ど郚分的さ。ハむ゚ナは巊手、ロップは巊足、シバは尻尟。だけど、俺は党郚優先的に動かせる。たぁ圌等も簡単な動きならさっきシバが回っおみせたくらいには動かせるけどね」

     少女は先皋のハむ゚ナの話を思い出しお圌等に尋ねる。

    「ねえ、でもハむ゚ナさんは勝手にフランバに䌚いに行ったのでしょう」

     銖を傟げる少女に、ハむ゚ナが答えた。

    「良い所に気付いたじゃねえか嬢ちゃん。そうさ、俺はフランバに䌚いに行った、こい぀等党員が寝おる間にな。カシラが寝おる時には身䜓は自由に動かせるんだぜ」

    そう蚀ったハむ゚ナの頭の䞊から、カシラが蚀った。

    「そうさ、それでコむツは調子に乗るんだ、自分は自由だず勘違いをする。俺達が寝おる間に䜓力を削っちたう。それは俺達党員にずっお危険な事なんだ」

    「たぁ、それはよくないわ。この身䜓あっおの貎方達䞀人䞀人な蚳でしょうきちんず䌑める時は䌑めお倧切にしなきゃ」

    「そうなのさ、お嬢さんからもっず蚀っおやっおくれ」

     ニコニコしながら、カシラは透き通った金色の目を少女に向けた。

    真っ盎ぐに奥行きを感じるその目で芋぀められるず、䜕だか神秘的な気持ちになっおくる。




    ◉以䞋 第話〜第話たでのリンク

    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/na93453091f39
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n2873025c2b76
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n19a6d8876f58
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n9ccb2e5a494d
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n1385450861f6
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n24b021d9718e
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n992f42397bf5
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n1c0a7ea665b4
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nf387fa29cf2f
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n90d0d3de9f22
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nfffb55406e23
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/ncaf87709908a
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n2ae1629eea7d
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n771ae392b316
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/ncbf1ae8b3e7c
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n6479d7b5ccc4
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n5d5f0b7053a5
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n7dee847d45b5
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n6bd1ee5104bc
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n4bc1bc58c6b6
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nf2180cb13837
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n78997aeffb2a
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n13fa243f6452
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n0dddf2bf0b87
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n5ca9f5540091
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n850e74d2d908
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n624ee3d70cac
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n4d919856abad
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n4aca84741ad0
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n80e2277777d6
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nd4bb88f3cd97
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nd651966ca3ab

     
     
    䞀぀の物語が䞀枚の絵になった様な、象城、隠喩、寓話、投圱、そんな光ず陰が混圚する、可愛くおどこか䞍思議で怪しく味のある、シュヌルメルヘンな絵を描く画家です。 ただいた子䟛から倧人たで読める物語の執筆䞭です。

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