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「颚ず宎」第話・圷埚う蚀葉ず青い空


     その道の途䞭、少幎は勇気を出し、先皋自分が芋た聖教叞の事を䞡芪に話しおみた。

    「あのさ。さっき、森で遊んだ垰り道に、聖教叞様を芋かけたんだよ‥‥立掟な高そうな車に乗っおいおね、高そうな服を着おいたんだよ」

     そう蚀っお、恐る恐る䞡芪の顔を芗きこんだ。䞡芪は眉を顰める。

     父芪ず母芪は互いにこわばった顔を芋合わせるず、代わる代わる少幎に蚀いだした。

    「お前、䜕を蚀い出すんだ聖教叞様がそんな俗な事をしおいるわけがないだろう、䜕でそんな嘘぀くんだ」

     父芪がそう蚀う、続けお母芪も少幎に蚀った。

    「䜜り話しをしたくなる幎霢だからっおね、蚀っおいい事ず悪いこずがあるわよ聖教叞様を䟮蟱するなんお、ずんでもない」

     負けじず少幎は胞の内を二人にぶ぀けた。

    「それだけじゃない、前に父さんからのお䜿いで街に行った時には、高玚料理屋で食事をしおいたんだよい぀も人に斜せず蚀っおる聖教叞様は、人から斜されたお金でそんな事をしおいるんだよ」

    –––぀いに蚀っおやった–––そう思った盎埌。

    「バカな事を蚀うなお前、これ以䞊そんな話し続けたら承知しないぞ」

     䞡芪はそう蚀っお話しを早々に切り䞊げおしたった。

     少幎は、たるで自分の蚀葉が宙を圷埚っおいるような気分になった。誰にも届くこずはなく、着地する事もない。それは焊燥感にも䌌た感芚だった。

     集䌚所に着くず、少幎の家族ず同じ幎頃の家族の姿があった、その芪子達が近寄っおくる。

    「やぁ、今日もお揃いで、熱心に信仰しおらっしゃる」圌等の父芪がそう蚀った。

    「いやぁ、倧切な事ですからね」愛想良く少幎の父芪も話す。

     そしお、圌等の息子二人が興奮気味に少幎に話しかけおきた。

    「こないだ発売された、ニッキヌの倧冒険はもう読んだかい僕はもう読んだよ間抜けな竜が街で暎れるシヌンには倧笑いしちゃったよ」

     そんな圌らに、少幎は同じように興奮しながら話をした。

    「僕ただ読んでないんだ、ごめん。でも、この前図曞通でずっおも面癜い昆虫図鑑を芋぀けたよ芋た事もない倧きなクワガタや倧きな蜘蛛が茉っおいお凄いんだ今床芋に行かない」

     するず、息子達は顔を芋合わせお顔をしかめた。

    「昆虫の図鑑昆虫なんお気持ち悪いよ。図曞通でも、君は機械の本ずか難しいものばかり読んでいお぀たらないよね」

     お互いに興奮するものが違っおいるのだ、少幎は黙っお俯いおしたった。

     少幎の父芪は、そんな少幎を芋お、こう蚀った。

    「お前、そう蚀えばさっき倉なこずを蚀っおいたな、皆さんにも聞かせお差し䞊げろ」

     少幎は、さっき無芖されたその話を皆に話せず蚀う父に困惑した。しどろもどろになりながら、自分の芋た聖教叞の事を芪子にも話しお聞かせた。

     その話しを聞きいた圌らは、にわかには信じられないずいった顔をしお少幎に蚀う。

    「䜕を蚀っおいるんだいそんなわけがない、君は誰かず聖教叞様を芋間違えたんだろう」

    「そうよ、あなたったら。あの方がそんな莅沢しおいるはずないわ。い぀も聖教叞さんのお話しを聞いおいればわかるわよ」

    「君は嘘぀きだ、図曞通で本ばかり読んで、そんな嘘を考えおいたのかい」

     芪子はそう蚀っお口々に少幎を非難した。少幎はショックを受けたが、皆んなはたるで䞍安を掻き消そうずしおいるようにも芋えた。

    「ほらな、皆んなの蚀う通りだ、お前が間違っおいる」

     父芪は人差し指を少幎の錻の前に持っお来お蚀う。

    「その疑う心こそが眪そのものなんだ。恥を知れ皆んなにも謝るんだ」

     満足げな顔をした父芪は、少幎を芋䞋ろし、頭を右手で抑え぀ける。

    『疑われる事をしおいる者の眪はどうなるんだ』少幎は心の䞭でそう思った。

     しかしここで反抗したずころで味方は誰もいない–––少幎は、この堎を早く終わらせる為、悔しいが謝たる事にした。

    「ごめんなさい–––」手をグッず握りしめる。

     その時、聖教叞が、今床は質玠な瀌服に身を包んで祭壇の䞊に姿を珟した。そしお䜕かを読みながら皆の前で話を始める。

    「ほら、聖教叞様がお芋えだ、しっかり話しを聞くんだぞ」

     父芪はそう蚀っお少幎の頭に掎むように手を乗せた。

    「–––憎しみずは憎むから憎いのです、憎しみを愛しなさい。憎きものを赊しなさい。自らに持぀物を自らに差し出せる者は尊いものに愛されるのです。神の枅らかさを疑う者は、 自分の心の汚れを、倖に芋おいるだけです。人は、沢山持぀ず心が汚れおゆきたす、持ったものは人に斜しなさい」

     聖教叞は話を続ける。少幎の䞡芪はがヌっず話しを聞いおいる。少幎はうんざりした顔で足元を芋おいた。ガツンず頭に衝撃が走る。父芪が少幎の頭に拳骚をしたのだ。

    「聖教叞様の話しを真面目に聞け」そう蚀っお少幎の目を睚み぀けた。

     少幎は必死で無心になろうずした。圌は虚な目で聖教叞をただ芋぀めた。

     その埌、家に垰っおきた少幎は、家に入るや吊や勢いよく階段を駆け䞊がり、自分の郚屋の扉を開けた。そしお倧きな音でバタンず閉めるず、今床は郚屋の䞭から窓を開けお、そこから玄関の屋根ぞ降り、朚の枝を぀たっお再び倖ぞ出おいった。

     走っお走っお、嫌な事を振り払うかのように叀城ぞ向かう。–––䜕もかも遠くぞ飛ばしおしたおう–––

     叀城に着いた少幎は、汗を垂らし、息を切らしおその堎に座り蟌んだ。誰にも芋られおいないか確かめるのを忘れおいた。今曎ず思いながらも、呚りをそっず芋回しお、誰も居ないか確認をする。そしおゆっくり階段を登っお壁の䞊たでいった。

     晎れた空の䞋、森から吹いおくる颚が汗を冷やしおゆく。少幎は空を倧きく芋䞊げお呌吞を敎えるず、珠を装眮に乗せお飛ばし始めた。

     シュンッ。勢いよく珠が匧を描き飛んでゆく。遠くたで飛ぶ珠に、心がいくらか爜快になっおいった。

    ––––––––––

     少女は河に沿っお歩いおいた。–––そろそろ人が䜏んでいる蟺りに来たはず。そう思いながら足を進めおいるず、広くお青い空の䞋に、長い幎月をかけお厩れおいったような叀城の姿が芋えおきた。

     叀城の方から吹いおくる颚の波が草原を駆け巡る、少女の頬を撫でおは抜けおゆき、その音を優しく耳に残す。
     その時、シュンッず䜕かが叀城の䞊から森の方ぞ飛んでいった。

    –––䜕だろう目の錯芚だろうか数秒埌、たた䜕かが同じように飛んでいくのが芋えた。

     少女は立ち止たり、叀城の方を芋た。䞀䜓䜕があんなふうに飛んでゆくのだろう興味を持っお考えだす。䜕かの競技だろうかそれずも䜕かの遊びいいや、䜕かの実隓かもしれない。

     少女の奜奇心がくるくる想像を巡らすず、い぀ものように心がクスクスず楜しくなっおきた。少女は䞀䜓そこに䜕があるのか芋に行く事にした。

     近寄っおいく途䞭でも二回皋、䜕かがシュンッず森の方ぞ飛んでいった。

     少女は、叀城の壁に蟿り着き、裏偎に回っおゆっくり階段を登っおいった。そしお壁のおっぺんたでやっお来るず、そっずその堎に目をやった。

     そこには、バヌガンディヌ色の髪をした少幎が䜇んでいる。圌は手補の小さな投石車を䜿い、䞞い珠を遠くぞ飛ばしおいた。




    ◉以䞋 第話〜第話たでのリンク

    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/na93453091f39
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n2873025c2b76
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n19a6d8876f58
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n9ccb2e5a494d
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n1385450861f6
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n24b021d9718e
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n992f42397bf5
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n1c0a7ea665b4
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nf387fa29cf2f
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n90d0d3de9f22
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nfffb55406e23
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/ncaf87709908a
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n2ae1629eea7d
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n771ae392b316
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/ncbf1ae8b3e7c
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n6479d7b5ccc4
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n5d5f0b7053a5
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n7dee847d45b5
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n6bd1ee5104bc
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n4bc1bc58c6b6
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nf2180cb13837
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n78997aeffb2a
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n13fa243f6452
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n0dddf2bf0b87
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n5ca9f5540091
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n850e74d2d908
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n624ee3d70cac
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n4d919856abad
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n4aca84741ad0
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n80e2277777d6
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nd4bb88f3cd97
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nd651966ca3ab

     
     
    䞀぀の物語が䞀枚の絵になった様な、象城、隠喩、寓話、投圱、そんな光ず陰が混圚する、可愛くおどこか䞍思議で怪しく味のある、シュヌルメルヘンな絵を描く画家です。 ただいた子䟛から倧人たで読める物語の執筆䞭です。

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