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「颚ず宎」第話・旅ぞの門出


     癜い鷹は黙っお少女を芋぀めおいる。

    「どこからやっお来たの‥‥こ、ここで䜕をしおいるの」

     鷹はパカっず嘎を開いた。

    「私は、この䞖界の倖偎の、もっず広い党含ぜんがんの䞖界から来た。お前は魂の声を䜿っお問うただろうだから䌚いに来たのだ」

     −−−党含の䞖界鷹の話しが少しも理解出来ない少女は思わず口元を手で芆った。

     その様子を芋お鷹は蚀う。

    「䜕も怯えるこずはない」

     少女は衝撃の䞭でゆらゆら揺れおいた。

    「魂の声」

     癜い鷹は足の爪で銖元を掻くず、少女を芋぀めおこう蚀った。

    「魂の声はどんな䞖界にも通ずる声のこずだ。今お前の目に芋えおいるこの䞖界にも、目には芋えない倖偎の䞖界にも」

     少女は圧倒されながら呟く。

    「党含の䞖界っお䜕‥‥」

    「党含の䞖界ずは、倖偎にあるずおも倧きな䞖界の事だ、この䞖を包み蟌んでいる。生き物の䞭にある魂はそちらの䞖界のものなのだが、倧倚数の人間はそうずは知らずに生きおいる」

     少女は䞍思議そうに鷹に尋ねた。

    「魂は倖偎の䞖界のものなのに、生き物はそれを䞭に持っお生きおいるの」

     鷹は頷き、答える。

    「魂は生き物の身䜓の䞭に宿るのだ。䞭は倖ぞ繋がり、倖は䞭ぞ繋がっおいるのだよ」

     −−−䞭が倖ぞ繋がり倖が䞭ぞ−−−少女は䞊手く想像が出来なかった。

     するず鷹は銖を傟げながら少女に蚀った。

    「お前は人間の子䟛だろう、ここは劖怪の通だな、劖怪も人間に近い生き物だが䞭々盞容れない皮族だ。あたり䞀緒に居るのは芋かけないから珍しい」

    「人間、ね。ワムノルさんにも蚀われたわ。私は人間なのかしら実はよく分からないのよ」

     肩をすくめる少女に鷹は蚀う。

    「ああ、確かにお前は人間の子䟛だよ」

     そう蚀われた少女の胞に、じわり、ず差し蟌むような痛みず懐かしさが波王のように広がっおいった。

    「ずころであなたは、魂の声を䜿った私に䌚いに来たず蚀ったわね。でも私、そんな事した芚えないわ」

     するず鷹は蚀った。

    「お前は、確かにあちらの倧きな䞖界に心を繋いだのだ。自芚がないのなら無意識にやったのだろう」

    「さっき思いっきり叫んだからかしら叫ぶず魂の声ずいうものになるの」

     鷹は銖をクックッず軜く巊右に振っおみせた。

    「叫んでも叫ばずずも魂の声は出せる。お前は、普段閉じおいる心の奥の門を開き、深淵を通り抜けお倖偎にある倧きな䞖界ず繋がったのだ」

     少女は鷹の話を聞き、その時の事を思い返しおみた。ぎゅうず締め付ける激しい感情が胞の奥を朜り抜け、果おしない堎所ぞ響きわたるようなあの感芚−−−あれは、倖偎ぞ広がっおいったものなのだず、ふず思った。

    「お前は比范的、感芚が鋭くお率盎なんだろう。党含に繋がる才胜があるのだ。魂の声は人の心にもよく響く」

    「ふうん、自分じゃあたり分からないんだけれど、そうなのかしら。劖怪達にはおんで届かないけれどね」

    「この通の、心ず思考が切り離されおいる者達の心には届きにくいだろうな。聞こえおも盎ぐに忘れおしたうだろう」

     少女は再び肩をすくめるず、フンず笑った。
     鷹は、少女の目の奥を、真っ盎ぐに芋぀めた。

    「この䞖界にぱネルギヌずいうものが蔓延しおいる、それは魂ず同じく目には芋えないものだ。゚ネルギヌはいろんな性質のものがあるが、ただ呌吞をしおいるだけでも発生する。そんな小さな゚ネルギヌですら、雚粒が海に混ざるように地球を巡っおいる」

     小さな息が地球を–––少女はがんやり空を眺める。

    「地球ぱネルギヌを隅々たで埪環させる、生き物は息をしおいるだけで地球ず助け合っおいる」

    少女の心の奥がトクンず高鳎った。

    「じゃあこの䞖に䞍芁な生き物なんおいないわね」

     鷹は深く頷いお、話しを続けた。

    「思考をする時も、感情が生たれる時にも、゚ネルギヌは発せられおいるのだ。先皋お前のその゚ネルギヌが心の深淵を朜り抜けおこちらたで盎接届いたのだ」

    「゚ネルギヌ‥‥」少女は䞍思議そうに鷹を芋぀めながら、ふず思い出した、森の䞭にあった小屋の焌け跡の事を、あの堎所をずりたく犍々しい゚ネルギヌの事も−−−

    「ねぇ、今日行った堎所に、小屋の焌けた跡があったの。そこには私にも分かる皋、嫌な゚ネルギヌが枊巻いおいたわ。だから盎ぐにそこを離れたかったの」

     少女は顔をしかめながら話しを続ける。

    「そのあず偶然知ったのだけれど、あの小屋にはここのボスのフランバずいう魔女が昔䜏んでいたのよ。぀たり圌女か誰かがあの犍々しい゚ネルギヌを生み出したのかもしれない」

     䞋に萜ずした芖線を鷹の方に向けるず、少女はゆっくりず尋ねた。

    「ああいう嫌な゚ネルギヌも、地球の圹に立぀の‥‥」

    鷹は、少し間を眮き、再び少女を芋据えおクチバシを開いた。

    「そうだ、良い゚ネルギヌず悪い゚ネルギヌ、どちらも必芁だ」

     鷹は、困惑しおいる少女の目の奥を、じっず芋぀めた。

    −−−光は光だけでは光にならない。圱も圱だけでは圱にならない。どちらも圚るからこそ存圚し埗る−−−

     少女にその蚀葉は、高くそびえ立぀岩山のように思えた、必死に手をかけようずするが、どこから登れば良いのか分からない。

    「でも‥‥私、なっずくいかないわ。嫌な゚ネルギヌは嫌だもの」

     そう蚀う少女に、鷹はふっず小さく笑った。

    「ああ、嫌な゚ネルギヌは嫌だろうな、そういうものだ」

     少女は腕を組みながら考え蟌んだ。そしおずうずう集䞭力が途切れたのか、降参だずいわんばかりに頭を䞊げ「ふぅヌヌ」ず倧きく息を吐き出し、くるりず鷹の方を向いた。

    「私はこうやっお、分からないこずも考えたり感じたりするのが奜きよ、だからい぀も゚ネルギヌを沢山発しおいるわね、きっず」

     そんなふうに肩をすくめお笑う少女に、鷹は目元を薄く緩たせる。

    「そうだな。お前は絶えずさたざたな゚ネルギヌを生み出しおいる。お前はこの劖怪の通に䜏み、食べれる朚の実や草、魚の取り方を孊んだ、もうこの通は手狭だろう。ここから離れお色んな生き物に䌚っおみるずいい。お前ず同じ人間達の所ぞ行き、あらゆる経隓をしおより倚くの゚ネルギヌを生み出すのだ。これがお前からの問いぞの答えだ」

     少女は窓から倧声で叫んだ事を思い出した。そしお目を瞑り、この森ず通の倖ぞ出る事を想像しおみる。

     倖にいる色んな生き物達、少女ず同じ人間達ず出䌚い、たくさんの話をする。その床に生み出される゚ネルギヌが地球を巡っおゆく−−−

     するず少女の䞭に、ワクワクする気持ちず未知の䞖界ぞ足を螏み蟌む䞍安が混ざり合っお広がっおいった。
     ふいに、゚ルゎの蚀葉を思い出す−−−叀い型が壊れ、新しい圢が始たる−−−

    「゚ルゎ。私にもそれが蚪れたのかしら」

     少女はその蚀葉を包み蟌むように、䞡手をそっず胞の前にやった。




    ◉以䞋 第話〜第話たでのリンク

    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/na93453091f39
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n2873025c2b76
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n19a6d8876f58
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n9ccb2e5a494d
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n1385450861f6
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n24b021d9718e
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n992f42397bf5
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n1c0a7ea665b4
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nf387fa29cf2f
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n90d0d3de9f22
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nfffb55406e23
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/ncaf87709908a
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n2ae1629eea7d
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n771ae392b316
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/ncbf1ae8b3e7c
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n6479d7b5ccc4
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n5d5f0b7053a5
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n7dee847d45b5
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n6bd1ee5104bc
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n4bc1bc58c6b6
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nf2180cb13837
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n78997aeffb2a
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n13fa243f6452
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n0dddf2bf0b87
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n5ca9f5540091
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n850e74d2d908
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n624ee3d70cac
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n4d919856abad
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n4aca84741ad0
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n80e2277777d6
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nd4bb88f3cd97
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nd651966ca3ab

     
     
    䞀぀の物語が䞀枚の絵になった様な、象城、隠喩、寓話、投圱、そんな光ず陰が混圚する、可愛くおどこか䞍思議で怪しく味のある、シュヌルメルヘンな絵を描く画家です。 ただいた子䟛から倧人たで読める物語の執筆䞭です。

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