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「颚ず宎」第話・飲み蟌たれた宝石達


    ナッツを飲み蟌んだ少女は改めお舌の裏を芋せた。

    「ふん私にはお前のこずなど䜕でも分かっおしたうんだからね最初から玠盎に蚀う事を聞くんだよ」

     魔女は錻息を荒くするず、ガサガサず草を足で掻き分けながら通の方ぞ去っお行った。

     少女はギロリず犬の様な劖怪を睚み぀ける。
    「ヒャァ怖いありゃ怖くないアッハ、アッハハハ」

     犬の様な劖怪は䞡目をキョロキョロ巊右逆ぞ噚甚に動かし、小銬鹿にしたように嬉々ず笑い声を䞊げるず、延びた草に飛び蟌んで通の方ぞ走っお行った。

     ふんず錻を鳎らした少女は、仕方がないなず朚の陰ぞ再び呚りこんだ。圌女には奥の手があったのだ。

     少女が通に来お間もない頃、真珠の぀いたベレヌ垜ずファヌを纏った猿の様な劖怪が、魔女の持っおいた゚メラルドの指茪をコッ゜リ飲み蟌んだ事があった。それを知った魔女は激昂しお猿の様な劖怪の口を䞡手でこじ開け、䜕やらゎ゜ゎ゜ず手を動かした。するずえずいた猿から"ボヘッ"ず指茪が吐き出されたのだった。

     その䞀郚始終を芋おいた少女は、ナッツを䞞呑みにすれば吐き出せるず思い、それ以来、䜕床もその方法で難を逃れおきた。

     少女は噚甚な子でコツを掎むのが䞊手く、今日もなんなく"ボヘッ"ずナッツを吐き出した。それでも毎床吐き出すのは嫌なものだ。だから出来るだけ飲み蟌たなくおすむように、舌の䞋や頬の奥に隠すのだ。
     䜕日か飲み蟌む日が続くず、魔女は油断しお厳しくチェックしない日があるからだ。

     今日は勘づかれおしたったので、たた数日は本圓に飲み蟌たなければいけない。そう思うず心が重く閉じお、心底げんなりしおくる。

     しかし少女はげんなりするのも束の間にしお、隠しおおいた籠をさっずその小さな手に取った。柳の朚で線んだ手頃な倧きさの籠だ。

     裏庭の隅にある朚の柵は、すっかり腐っおボロボロになっおおり、人が䞀人通れるくらいの隙間が出来おいた。

     スゥず冷えた空気が森から流れ蟌んでくる。
     少女はするりず柵の隙間に身䜓を滑らせ、鬱蒌ず草朚の茂る、薄暗い森の䞭ぞず駆け出しお行った。魔女に、新しい葡萄酒の仕蟌みの葡萄螏みをさせられる気がしおいたのだ。なぜなら庭には、朚で出来た倧きな暜が幟぀も出されおいたからだ。

     䞀列に䞊ぶこずも出来ない劖怪達も、裞足になっお暜の䞭で葡萄を螏むこずくらいは出来る。圌らはい぀もふんわりしお䜕も考えおいないから、延々ずきゃっきゃ隒いで沢山の葡萄を喜んで螏む。葡萄が皮から砎れお出おくる感觊や、実を螏み朰すのが楜しいのだ。フランバはそうしお䜜った葡萄酒を毎日奜きに劖怪達に呑たせお、益々䜕も考えないようにしおいるのだった。

     そんなふうに、䜕も考えないこずを喜ぶ劖怪達ずは違い、少女は奜奇心が匷く、考える事が奜きだった。

     い぀も、あれはなんだろうこれはなんだろうず想像を膚らたせお楜しんでいる。ただ絚毯やタむルの䞊に寝転がったり、葡萄酒を飲んで奜き勝手に隒いでいるだけの劖怪達がずおも退屈に思えお仕方がなかった。

     だから、劖怪達ずの葡萄螏みに呌ばれる前に森の䞭に逃げお来た。少女には、森の小さな生き物達の気配を感じる事の方がずっず面癜いのだ。
     
    ––––––––––

     この日は、春の控えめだった陜気の䞭に、じわりず汗ばむような匷い日差しが顔を出し始めた頃だった。倏が春の䞭に入っお来たのだ。

     少女は朚苺が沢山生えおいる堎所を知っおいお、䞀瓶のゞャムに出来るほどの量を取り終えるず、今床はハヌブを摘みに、森の奥の方たで入っお行った。

     少女はい぀も道しるべを぀けおいく。自然に折れた枝ず目印に折った枝ずの芋分けが付くように、必ず前に折った枝の近くを折っおいくのだ。そうすれば迷わずに、ハヌブが沢山生える所や小川が流れる所など、自分の行きたい堎所ぞ行く事が出来た。

     䞀方、通ではフランバが劖怪達を庭に呌び集めおいるずころだった。

    「お前達葡萄を螏む時間だよお前達の倧奜きな葡萄螏みだ楜しい楜しい時間だよ皆んなさっさずこっちに出お来な」

     劖怪達は葡萄螏みが奜きだった。頭に花を咲かせた倧きなネズミの劖怪が䞀番乗りでやっおきた。それに続き、他の劖怪達もふんわりナッツを食べる時のように、わらわらず庭に集たっお来る。

     その様子を芋たフランバは、猿の様な劖怪ず、少女が居ない事に気付く。

    「あい぀ら、いったいどこにいるのかね、小嚘は野草を摘みに行ったかもしれないね、問題はアむツだ、たさかたた私の宝石に手を出しおいる蚳じゃあるたいね、ああ、私は今日、郚屋の鍵を閉めたっけかどうだった」

     フランバは目を瞑っお、蚘憶の糞をたどり、脳裏に芋えおきた映像を確かめる。
    −−−たずい閉めおいないかも知れない

    「たさかアむツめ」

     突進する猪の劂く自分の郚屋ぞ突撃したフランバは、郚屋のドアノブに目䞀杯腕を䌞ばしお手をかけた。そしお捻るず‥‥鍵が開いおいる。勢いよく扉を開けたフランバの目に飛び蟌んできた光景は、猿の様な劖怪が手を高く䞊にあげ、フランバの倪い金のネックレスを口たで垂らしゎブリゎブリず䞞呑みにしおいる所だった。

     この猿の様な劖怪は、以前は盗賊だったのだ。そのせいで、金目の物を芋぀けおは飲み蟌んで移動する癖があった。声を䞊げるよりも早く猿の様な劖怪の手を掎んだフランバは、ネックレスを劖怪の腕ごず喉から匕き摺り出した。

    「お前はお前はたたなんお手癖の悪い奎なんだ今床ずいう今床は蚱さないよ叩きだ芚悟しな」

     半分ほど飲み蟌んでいたネックレスを、勢いよくフランバに匕き摺り出された劖怪は、驚いお咳き蟌み喉を抑えた。




    ◉以䞋 第話〜第話たでのリンク

    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/na93453091f39
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n2873025c2b76
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n19a6d8876f58
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n9ccb2e5a494d
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n1385450861f6
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n24b021d9718e
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n992f42397bf5
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n1c0a7ea665b4
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nf387fa29cf2f
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n90d0d3de9f22
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nfffb55406e23
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/ncaf87709908a
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n2ae1629eea7d
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n771ae392b316
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/ncbf1ae8b3e7c
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n6479d7b5ccc4
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n5d5f0b7053a5
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n7dee847d45b5
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n6bd1ee5104bc
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n4bc1bc58c6b6
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nf2180cb13837
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n78997aeffb2a
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n13fa243f6452
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n0dddf2bf0b87
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n5ca9f5540091
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n850e74d2d908
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n624ee3d70cac
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n4d919856abad
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n4aca84741ad0
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n80e2277777d6
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nd4bb88f3cd97
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nd651966ca3ab


     
     
    䞀぀の物語が䞀枚の絵になった様な、象城、隠喩、寓話、投圱、そんな光ず陰が混圚する、可愛くおどこか䞍思議で怪しく味のある、シュヌルメルヘンな絵を描く画家です。 ただいた子䟛から倧人たで読める物語の執筆䞭です。

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