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「颚ず宎」第話・暗闇に響く笑い声


     䞀行が山を登り続けおいるず、だんだんず朚々の密床がたばらになり、い぀しか呚りの芖界が開けおきた。

    山の頂䞊が近いのだろうか。県䞋には蒌く広がる草原ず、ここに来る為の䞀本道が芋えおいる。

    「もう盎ぐ頂䞊に着く」カシラがそう蚀った。

    「本圓私、少し疲れおきおいたの。でも、もう少しなら頑匵るわ」

     少女はそう蚀っお息を荒げながら登り進んだ。
     もう盎ぐず蚀われおからどのくらい登っただろうか少女がただかただかず思う䞭、カシラはどんどん登っお行く。頂䞊なんお本圓はずっず先なんじゃないのかそう思い始めた頃、カシラ達が少女の方ぞ振り返った。

    「぀いたよ頂䞊だよ」シバが尻尟を振りながら少女に蚀った。

     少女は息を荒げながら呚りを芋枡す。頂䞊には切り立぀岩壁が立っおいた。その䞭に小さな切れ目が芋える。

    「掞窟はあそこ」少女は指を差しおカシラに尋ねる。

    「いいや、もう少しこの岩壁を東に進んだ所だ」

     掞窟はただ先のようだ、けれどもずうずう頂䞊たでやっお来た。もうひず頑匵りだ。
    『はあ、はあ』息を切らす少女の暪で、カシラ達は息䞀぀乱さず平然ず歩き続けおいる。

    「アレだよ぀いたよ」たたシバが尻尟を振っお少女に蚀った。

    「たあやっず着いたのね本圓に長かったわ早速入りたしょう」

     少女がそう蚀っお汗を拭いながら぀き進んで行く姿を、カシラはそっず静かに芋぀めお埮笑んだ。

     ハむ゚ナは終始ニタニタずしおいる。ロップは怪蚝そうな顔でため息を぀く。シバは無邪気に舌を出し尻尟を振っおいた。

     掞窟の入り口には、ゎロゎロず倧きな石が萜ちおおり、苔が蟺り䞀面に生えおいる。生暖かい空気が流れおきた。
     ここにメモリア草がある–––そう思うず少女の胞が高鳎った。

    「さあ、入ろう」䞀行は掞窟の䞭ぞ入っお行った。

     掞窟の䞭を進んでゆくず、だんだんず入り口から光が届かなくなり、䞭の方が薄暗くなっおいく。

    「カシラさん、メモリア草はこの先にあるの私、薄暗くお目が芋えなくなっお来たわ」

    「お嬢さんは人間だからね、倜目が効かないんだ。倧䞈倫、俺たちはよく芋えるから、俺に着いおおいで」

     そうしお掞窟の䞭はずうずう䜕も芋えなくなった。ピションピションず、氎が滎る音が聞こえおくる。

    「そう、こっちだよ、倧䞈倫、そのたた進んで」

     カシラの声が聞こえる。

     少女はその声のする方ぞず歩いお行くが、足元にゎロゎロず石が萜ちおいおずおも歩きにくい。少女はゆっくり足元を確かめながら進んだ。

     どこからか生枩い颚が吹いおきお少女の䞍安をくすぐりだす。䜕も芋えない真っ暗闇。
    「キキキキキキ」突然䜕かの蠢き鳎く音が響きわたった。

    「䜕の音」少女は驚いおカシラ達に尋ねる。

    「あれはね、蝙蝠だよ。倖が明るいうちはこの䞭でたくさんの蝙蝠が䌑んでいるんだ」

     少女は、ひしめき蠢く䞍気味な蝙蝠達の鳎き声を聎くうちに、䞍安が恐怖ぞず倉わっおいった。

    「怖いわ、もう歩けないわ、䜕も芋えないもの」

    「君は真っ暗闇の䞭を進んで、䜓感的には随分奥に来おるず思っおいるが、ただただ入り口の近くなんだよ。安心しおこちらぞおいで」

     カシラの優しい声が、掞窟内に響き枡る。声がこだたしお、カシラの居る方向が分からなくなっおきた。

    「カシラさんどこに居るの」

     少女の声も掞窟内にこだたする。

    「倧䞈倫、その方向であっおいる、少し右に向かっお歩いおおいで」

     掞窟の䞭に流れる颚が突然匷くなっお「オオオオオオ」ず恐ろしい音がした。
    「きゃあ䜕の音」
     少女は驚いお、その堎に座り蟌んでしたった。

    「萜ち着いお、あれは掞窟の䞭にある穎を通っお颚が鳎っおいる音だよ。安心しお、さあ、立぀んだ。メモリア草を取りに行くんだろう」

     そう蚀われた少女はいくらか気持ちを取り戻し、立ち䞊がった。そしお恐る恐る歩いおいく。

    「そう、いいよ、その調子。そのたた真っ盎ぐだ」

     掞窟の䞭の生暖かい颚が少女の党身をすり抜けおゆく、䞍気味な音も盞倉わらず掞窟の䞭に響いおいる。その時、䞋から颚が吹きあげお来た、たるで倧きな穎が空いおいるかのようだ。

    「カシラさん穎が空いおいるんじゃない䞋から颚が吹き䞊げおくるわ」

    「倧䞈倫、そう感じるだけさ、小さな穎がいく぀か空いおいるが、君が萜ちおしたう倧きさではないよ」

     少女はカシラを信じお数歩進む、䞋から吹き䞊げるような颚の感觊ず湿った匂い、カシラの声は掞窟䞭に響いお䜕凊に居るのか分からない。心をギュッず匷く保぀が、少女の脚はガクガクず震え出した。

    「お嬢さん、倧䞈倫、俺を信じお、歩くんだ」

     カシラの声が響きわたる。

     少女が震える足を出そうずした時、ハむ゚ナの倧きな笑い声が聞こえお来た。

    「ギャハハハハ」
     少女は足を止めお驚いた。
    「どうしたのハむ゚ナさん、䜕を笑っおいるの」

    「ケケケケどうしたっおお前さんが滑皜なのさギャハハハ」

     ハむ゚ナの笑い声が䞍気味に掞窟をこだたする。

    「お嬢さん、気にしないで、ハむ゚ナは無芖しおそのたた真っ盎ぐ歩いおおいで」

     カシラの声が響いた。少女が再び震える足を前に出そうずした時、たた倧きくハむ゚ナが笑いだした。

    「ギャハハハお前さんが心配する通り、䞋にはでっかい穎が空いおるぜギャハハハ」

     少女は足を止めた。

    「ハむ゚ナめお嬢さんを怖がらせるな冗談にしおもタチが悪いぞ」

    「おおっず、タチが悪いのは䞀䜓誰だ」

     少女は困惑した。本圓は穎が空いおいお、自分は萜ちおしたうのか、それずもハむ゚ナの嘘、意地悪なのか
    −−−いったい䜕を信じれば良いのだろう−−−

    「お嬢さん、もう少し進んだずころにメモリア草がある、あず少し、頑匵っお俺を信じお」

     カシラの声が鳎り響く。少女はカシラを信じお足を出した、その途端、䜕故かは分からないが身を翻しお党力で暗闇の䞭を走りだした。




    ◉以䞋 第話〜第話たでのリンク

    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/na93453091f39
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n2873025c2b76
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n19a6d8876f58
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n9ccb2e5a494d
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n1385450861f6
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n24b021d9718e
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n992f42397bf5
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n1c0a7ea665b4
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nf387fa29cf2f
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n90d0d3de9f22
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nfffb55406e23
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/ncaf87709908a
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n2ae1629eea7d
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n771ae392b316
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/ncbf1ae8b3e7c
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n6479d7b5ccc4
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n5d5f0b7053a5
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n7dee847d45b5
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n6bd1ee5104bc
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n4bc1bc58c6b6
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nf2180cb13837
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n78997aeffb2a
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n13fa243f6452
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n0dddf2bf0b87
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n5ca9f5540091
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n850e74d2d908
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n624ee3d70cac
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n4d919856abad
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n4aca84741ad0
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/n80e2277777d6
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nd4bb88f3cd97
    第話 https://note.com/yoko_momoi/n/nd651966ca3ab

     
     
    䞀぀の物語が䞀枚の絵になった様な、象城、隠喩、寓話、投圱、そんな光ず陰が混圚する、可愛くおどこか䞍思議で怪しく味のある、シュヌルメルヘンな絵を描く画家です。 ただいた子䟛から倧人たで読める物語の執筆䞭です。

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