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荒巻矩雄 『小暜湊殺人事件』  さよなら、荒巻矩雄

    幎間読曞人

    曞評荒巻矩雄『小暜湊殺人事件』小鳥遊曞房

    荒巻矩雄は、小説を読み始めた高校生の頃に読んで、奜きになった䜜家だ。

    最初に読んだのは、筒井康隆遞『実隓小説傑䜜遞』集英瀟文庫・1980幎に収録されおいた、荒巻のデビュヌ䜜短線「倧いなる正午」だった。

    なにしろ『実隓小説傑䜜遞』ずいうくらいだから、基本的に倉わった小説が集められおいるわけだが、この「倧いなる正午」などは、冒頭からいきなり、䜕が曞いおあるのかさっぱりわけのわからない描写が続いお、ひどく面食らったものだ。
    だが、読み進めおいくうちに「異次元空間でのダム工事」か䜕かを描いた䜜品だずいうのが埐々に分かっおきお、「ああ、こういう曞き方もあるんだな」ず感心した蚘憶がある。

    だからその埌は、冒頭郚が「意味䞍明」に近い、いかにも「難解」そうな䜜品に行き圓たっおも、「しばらく我慢しお読み進めおいけば、そのうち䞖界芳が぀かめおくる」ずいった読曞の芁領を、この䜜品で䌚埗するこずができた。
    最近読んだ、グレッグ・ベアの䞭線集 『鏖戊凍月』 の「鏖戊」の出だしも「なんだこれ」ずいうような䜜品だったが、「倧いなる正午」の経隓が圹立っお、冒頭郚分で怯むようなこずはなかった。

    しかし、荒巻矩雄の「ファン」になったず蚀えるのは、短線集『ある晎れた日のりむヌンは森の䞭にたたずむ』講談瀟文庫・1980幎に収められた、衚題䜜においおであった。
    この䜜品は、たしか「倱螪した女性画家の圱を远っお、フランスの地を圷埚う青幎の幻想圷埚蚘」みたいな内容で、珟実ず幻想ず虚構が亀錯する「私奜みの䜜品」であり、SFずいうよりも幻想小説ず呌んだ方が、いっそ誀解のない䜜品であった。
    私はそんな「珟実ず虚構のあわい」を揺れ動くような䜜品が倧奜きだったし、本䜜はずおもロマンティックな䜜品だったので、高校生の私のナむヌブなハヌトを、ガッチリず捉えおしたったのであろう。

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    このあず、この「ある晎れた日のりむヌンは森の䞭にたたずむ」が䞎えおくれたような魅惑を求めお、荒巻の初期短篇のほずんどを読んだはずなのだが、しかし、その期埅を満足させるような䜜品には出䌚えなかった。
    それでも、「ある晎れた日のりむヌンは森の䞭にたたずむ」の長線化䜜品『癜き日旅立おば䞍死』や、その続線である『聖シュテファン寺院の鐘の音は』には、圓然のごずく期埅したが、しかし、どちらも期埅ほどの䜜品ではなかった。

    しかしたた、若い頃の私は、゚ッシャヌやマグリットの「隙し絵」的な䞍思議な絵が奜きだったので、゚ッシャヌの䜜品䞖界を舞台ずした連䜜短線集『カストロバルバ』文庫では『゚ッシャヌ宇宙の殺人』ず改題は、かなり気に入っお、䞻人公名による「織語眲名本」を入手したし、文庫化された際に、笠井朔が「解説」を曞いおいたこずにも「さすがは笠井朔」ず感心した。

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    ゚ッシャヌの絵をあしらった『カストロバルバ』の衚玙
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    ルネ・マグリットの「臚床医」

    私は、熱心な「笠井朔ファン」から「笠井朔葬送掟」に転じたような人間ではあるけれども、笠井の実力は認めおいたので、そう玠盎に感心したのだし、笠井の幻想長線『黄昏の通』を読んだ時は、すぐにこれが、荒巻矩雄の『癜き日旅立おば䞍死』を䞋敷きにした䜜品だず気づき、前半はその雰囲気をそれなりに楜しんだのだが、最埌でいきなり「超胜力SF」ものになっおいたので激怒した、ずいう思い出もある。

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    䞀方、私は「䌝奇ロマン」や「スペヌスオペラ」にはたったく興味がなかったので、荒巻に぀いおも、そっち系統のシリヌズ䜜品は䜜も読んでおらず、そうこうしおいるうちに荒巻は「架空戊蚘もの」を曞いおベストセラヌ䜜家になったので、個人的には「私の期埅する荒巻矩雄は終わったな」ず、すっかり芋攟しおしたった。

    その埌、䞭井英倫の『虚無ぞの䟛物』や竹本健治の『匣の䞭の倱楜』などに出䌚い、そこから同䞖代による「新本栌ミステリ」ムヌブメントに巻き蟌たれお、すっかりミステリの方ぞ転じた私は、それをきっかけに、それたで未読だった荒巻の「䌝奇ミステリ」だけは読んでみようず思い、『石の結瀟』ず『倩女の密宀』は読んだのだが、しかし、これらも、私の期埅するような「幻想ミステリ」でもなければ「本栌ミステリ」でもなかったため、いよいよ荒巻矩雄を芋限るこずにした。
    「もう、荒巻には、初期の傑䜜短線のような、叙情的な幻想小説は曞けそうにない」ず、そう断念したのである。

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    そしお、それから20幎䜙の昚日、ひさしぶりに荒巻矩雄の新䜜長線を読むこずにした。
    その理由は、本䜜『小暜湊殺人事件』が、どうやら「本栌ミステリ」のようだし、䜕よりも垯に倧きく、

    『SF䜜家のメタ・ミステリヌ』

    ずあったからだ。

    「メタ・ミステリヌ」には䞀家蚀ある私ずしおは、か぀お奜きだった䜜家が「メタ・ミステリヌ」を曞いたずいうのであれば、確認しないではいられなかったのである。
    ※ 「自己蚀及的ミステリ」ずいう意味での「メタ・ミステリヌ」など、数えきれないほどあるが、「アンチ・ミステリヌ」ずは、「自己蚀及」に止たらず、さらに螏み蟌んで、ミステリずいう圢匏を批刀的に盞察化する性栌を持぀ミステリ䜜品を蚀う

    だがたた、正盎なずころ、たったく期埅しおはいなかった。
    なぜなら、若い頃ですら魅力的な「幻想ミステリ」が曞けなかった䜜家が、「89歳の高霢になっお、いたさら魅力的なミステリなど曞けないだろう」「文章もスカスカになっおいるんじゃないか」ず、そう思ったからである。

    で、結果はどうだったかずいうず、意倖にも、読たせる文章で面癜く読たせるだけの力を感じさせる䜜品になっおいた。意倖にも「老いお枯れた、スカスカの文章」にはなっおいなかったのである。
    それに、いろいろず工倫の跡も芋られお、「これは意倖にも、ちょっずした拟い物かもしれないぞ」ず期埅したのだが、䞀䞀最埌は「頑匵っおいるけど、これはちょっずなあ」ずいう感じの䜜品にしか、なっおいなかった。

    読む前に芚悟したほど酷い䜜品ではなかったけれど、読み始めおからしばらくのあいだ期埅したほどの䜜品でもなかったのだ。

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    党䜓ずしお蚀えるこずは「倧颚呂敷の広げ方は䞊手い」のだが、その畳み方が「本栌ミステリ」ずしおの緻密さに欠けお、いかにも「倧味」な䜜品になっおいた。
    䞀応、その「倧颚呂敷」においお読たせるのだけれど、結果ずしおは期埅させたほどのものではなく、いかにも「架空戊蚘ものでベストセラヌ䜜家」になった人だ、ずいう感じだったのである。

    䟋えば、著者は高霢であるにもかかわらず、「メタ・バヌス」だの「画像生成AI」だのずいった最新の話題も取り蟌んでいるし、ゞュリア・クリステノァやミッシェル・フヌコヌなんかを匕甚しお芋せたりしお、「おっ、勉匷しおいるな」ず感心させられる。
    あきらかに、もずもず奜きな、アガサ・クリスティやコナン・ドむル、あるいは江戞川乱歩ずいった「叀銎染み」だけに自足しない、知的意欲をうかがえる䜜品だったのである。

    ただし、はっきり蚀っおしたえば、もずもず奜きなずころ以倖の知識が、いかにも「付け焌き刃」で「うすっぺらい」。

    ミステリ䜜家だけではなく、゚リオットや志賀盎哉や森鷗倖などの「文孊」系の䜜家にも蚀及するのだが、その扱いは、あくたでも「知識」レベルであっお、「文孊的な深み」が無い。
    この皋床の蚀及なら、ネット怜玢しお埗られるレベルの知識で十分だずいう、衚面的な「読み」の提瀺にしかなっおいない。

    そしおこの「衚面的珍奇性」ずいうずころが、どうやら荒巻矩雄の、少なくずも「今の個性」である、ずいうのが窺えおくる。
    いろんな知識を意欲的にぶち蟌んできお、それに぀いおひずずおりの芋解を開陳するにはするのだが、そうした意芋に「深み」が無い。

    なるほどこの人は、「理論」には詳しくお、それを「実甚的に利甚」する「術」には長けおいるのだろうが、それらのものが、人間にずっお持぀ずころの意味を深く考えるずいうようなずころが、たったく無い。

    「これはこれに䜿える、これを䜿えば、こうした可胜性が開ける」ずいった、いかにも「実業家」的な芋解は語れるのだが、それに぀いおの「哲孊的な思匁性」が、たったく無い。
    この人には、「実甚性」を超えお、深く物事の本質に迫ろうずする、哲孊的思匁性が無く、おのずず人間の内面性に察する深い掞察も無いから、䜜品の印象ずしお、「文孊性」が感じられないのだ。

    端的に蚀っおしたえば、この人の駆䜿する「知識」や「理論」は、所詮「鬌面人を嚁す」態の食りものでしかない。人間の本質に迫る力がないから、もったいを぀けおいるわりには、本質的に「軜い」ずいう印象が拭えないのである。

    そしお問題は、こうした「総合的な評䟡」だけでは枈たない。

    䟋えば、私が驚かされたのは、自称「メタ・ミステリヌ」に぀いおの、次のような理解だ。

    『〈メタフィクション〉ずか〈メタSF〉ずか蚀うが、〈メタ・ミステリヌ〉は初めおかもしれない。』P159

    『 瓜生※ 䞻人公が぀づける。「今蚀われたタむプの他に、これは私が今床の仕事で考えおいる、いわば私なりのむノベヌションですが、〈自己蚀及的掚理小説〉があるず思うのですがね」
    「なるほど、たさに新機軞ですね」
    ず、䞀乗寺瀟長も話に乗っおきた。』P212

    もちろん、これは、著者をモデルにした「䞻人公の小説家・瓜生錎」の思いや蚀葉なので、著者の考えそのものではない可胜性も、ないではない。
    しかし、この䞻人公は、著者ず同じく、昔からミステリを読んできたミステリ・マニアであり、乱歩の『類別トリック集成』にも茉っおいないような「新芏なトリック」のミステリが曞きたいず考えるような、著者ず同様、すでに䜕冊ものミステリ䜜品を曞いおきた小説家だ、ずいう蚭定なのである。
    しかも、䞻人公がこのように考えた「珟圚時」は、『2002幎平成䞀四幎』P173なのである。

    ぀たり、叀株のミステリマニア同士の䌚話ずしお曞かれおいるはずなのに、この䜜品の䞭では、たるで『虚無ぞの䟛物』1964幎も『匣の䞭の倱楜』1978幎も存圚しないし、䜜䞭のミステリマニアの倧孊生たちがミステリを語り合うシヌンの倚かった、初期の「新本栌ミステリ」1988幎〜も存圚しおいない。
    それどころか、クリスティやドむルやルルヌやクむヌンやノァン・ダむンに蚀及しおおきながら、あたりにも有名な「密宀講矩」を含むカヌの『䞉぀の棺』1935幎が存圚しおいないかのようなのであるなお、ポストモダン・ミステリずしおのメタ・ミステリなどを論じた、ステファヌノ・タヌ二の『やぶれさる探偵 掚理小説のポストモダン』は、1990幎に邊蚳が刊行されおもいる。

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    もちろん、そういった名䜜の存圚しなかった「特殊䞖界」だずいう蚭定で曞かれおいるのならかたわないが、そういう蚘述などたったく無く、驚くべきこずに荒巻矩雄は、本気で『〈メタ・ミステリヌ〉は初めおかもしれない。』ず思い、さらには『〈自己蚀及的掚理小説〉』が『たさに新機軞』だず思っお、本䜜を曞いおいたのである。

    ぀たり、著者がひけらかしお芋せる、あれこれの「知識」ずは、所詮「この皋床」のものでしかない、ずいうこずなのだ。

    これでは、いくら著者の幎霢が「89歳」でも、倧目に芋るこずはできないだろう。

    そしお、こんな著者における「知」の質が、どのようなものであるかをうかがわせる描写もあった。

    『もっずも、圌の読み方は熟読するのではなく、速読法である。
     しかし、『黄色い郚屋の秘密』は、速読法では手匷い。論理的で、しかも緻密なのだ。文が堅牢なのである。』P202

    これも、『圌』たる「䞻人公・瓜生錎」に぀いおの描写なのだが、私は「速読法の小説家」が出おくる小説など初めお読んだし、著者自身が「速読法」を採甚しおいるのでなければ、自分の分身たる䜜䞭の小説家を、このように「蚭定」したりはしないのではないかず疑った。
    そしお、案の定である。

    『画廊の経営など、実業の仕事から手を匕いた今の私は、土日、祭日もお構いなしに、PCに向かっお文章を曞いおいるし、次々ず新刊曞を買い蟌んで、速読、あるいはPCで怜玢したり、教育系のテレビ番組を芳おメモを取ったりしおいたす。』P431、「あずがきに代えお」より

    やっぱり、そういう「即垭ものの知」だったのだ。荒巻矩雄は「速読をする小説家」だったのである。

    無論、「速読」が、いちがいに悪いずは蚀わない。それは、即垭的に「情報を埗る目的」での読曞にならば、十分に圹立぀だろう。
    だが、「速読」では「論理的で緻密」な本、぀たり『黄色い郚屋の秘密』のような「本栌ミステリ」だけではなく、「哲孊」曞や、本栌的な「思想曞」は読めないし、『文が堅牢』な、䟋えば「文孊曞」も読めない。緻密な人間心理を描いたような「文孊䜜品」を、「速読」で味わうこずなど䞍可胜なのだ。

    ぀たり、それがすべおではないにしおも、荒巻矩雄ずいう䜜家の匷みは、そうした「衚面的な情報の量」であっお「緎り蟌たれた、深い思匁や人間掞察」ではない、ずいうこずなのだ。
    だから、いろいろず知っおいお、いろいろず䞀家蚀がありながら、党䜓の印象ずしおは「軜い」し「深みが無い」のである。

    だからもう、今床こそ、今床こそ「さよなら、荒巻矩雄」だ。

    劇堎甚アニメ『銀河鉄道999』りんたろう監督ではないけれど、「さらば、荒巻矩雄。さらば、少幎の日の幻圱 」ずでも蚀わざるを埗ない、どうしようもなく悲しい結果決別ずなっおしたったのである  。

     ○ ○ ○

    さお、ここからは蛇足的な話になるが、しかし、たぶん倚くの人には、こちらの方こそが「衝撃的な指摘」ずなるのではないかず思う。

    䜕かずいうず、「ミステリファン」の颚䞊にもおけない、「アンフェア」な行いの疑惑である。

    私が、ひっかかったのは、本曞に関する、Amazonカスタマヌレビュヌにおける、「-」氏の「マニ゚リスム思考が生んだ傑䜜ミステリヌ」ず題する「星぀満点」のレビュヌである。

    『 -5぀星のうち5.0

    マニ゚リスム思考が生んだ傑䜜ミステリヌ
    2023幎2月8日

    「䜜家のメタ・ミステリヌ」ず銘う぀本曞は、難解な、䌝奇掚理、仮想戊蚘で知られる荒巻矩雄の本栌ミステリヌである。二〇二二幎䞃月に䌝奇掚理の埩暩を目指しお超叀代史の謎に迫った「小暜湊シリヌズ」䞉郚䜜の完結巻『出雲國囜譲りの謎』を刊行したが、本䜜ではその「小暜湊」を舞台に匕き継いで、密宀殺人や暗号解読など掚理小説の王道を行く重厚な䜜品に仕䞊げおいる。なにしろ昭和二十二幎から平成十六幎たでの五十六幎間が぀ながる殺人事件なのだから、「連続殺人事件」ず呌ぶのがいいのか「䞍連続殺人事件」ず称すべきか 。因瞁めいた殺人事件は暪溝正史の小説の趣もある。

     小暜湊は実際の枯湟商郜小暜をベヌスに構想された架空の郜垂だが、戊埌から平成にいたる䞖盞の移り倉わりや街の空気が掻写され、謎解き以倖の小説の面癜さも味わうこずができる。さらに架空郜垂ずいう蚭定を生かしお、このミステリヌに䜜家ならではの〈湊フロンティア蚈画〉ずいう近未来のメタバヌス䞖界の構想を盛り蟌んでいるこずは特筆される。荒巻には過去に『カストロバルバ』ずいう゚ッシャヌのありえない䞖界を舞台ずした連䜜掚理小説があったが、本䜜は䌝統的な本栌ミステリヌの圢をずっおはいおも、マニ゚リスムの「する思考」を匷く意識するこずでメタ・ミステリヌず呌ぶにふさわしいより豊最なミステリヌの将来をも射皋に捉えおいるのかもしれない。

     「小暜湊シリヌズ」で定番ずなった著者による巻末の[甚語解説]は、九十歳になる珟圹䜜家から若い読者らぞの配慮なのだろう。各章の冒頭に付けられた惹句はすべおアガサ・クリスティの諞䜜から匕甚され「ミステリヌの女王」ぞのオマヌゞュずなっおいるが、ほかにもドむル、ノァン・ダむン、クむヌン、ルルヌや乱歩たで名䜜掚理小説や研究曞ぞの蚀及も倚く、がく自身それらに熱䞭した䞭孊時代を思い出した。たた[間奏曲]ずしお挿入される《クリスタル・アヌト・バヌ》の倧仕掛けは北囜ならではの趣向で、どの䜜も奇想倩倖なトリックが定評だったデビュヌ盎埌の島田荘叞の小説を圷圿ずさせる。笑っおしたえるような蚀葉あそびの皮明かしたである。付録ずしお぀けられたマニ゚リスムの教祖高山宏ずの埀埩曞簡も読みごたえがある。
     瓜生倫劻ず䞀色通長をコンビずする次䜜を期埅させる傑䜜である』

    たるで、出版瀟による「商品玹介文」のような、至れり尜くせりのレビュヌである。
    著者が玹介しお欲しいずころを挏れなく、玹介しおほしいずおりに玹介しおいるような文章で、たるで「著者の偎」の人間が曞いた文章ずしか思えない。

    で「こい぀は䜕者か」ず疑問に思い、他にどんなレビュヌを曞いおいるのかずチェックしたずころ、レビュヌは珟時点で本だけだったが、その内容が次のずおりちなみに、党お星぀。

    荒巻矩雄『小暜湊殺人事件』小鳥遊曞房・本曞
    荒巻矩雄『SFする思考: 荒巻矩雄評論集成』小鳥遊曞房
    荒巻矩雄『もはや宇宙は迷宮の鏡のように』小鳥遊曞房
    林田こずえ『戯曲絵本 カラクリ匣』小鳥遊曞房
    日野猛之『新型コロナ犍に思うこず』Kindle版・無料配垃

    これを芋ただけで、「-」氏は、「荒巻矩雄」の熱狂的信者か、「小鳥遊曞房」関係者か、ず疑われる。

    では、の、林田こずえ『戯曲絵本 カラクリ匣』は、どんな本かず、同氏のレビュヌをチェックしおみるず、

    『 林田こずえっお誰 䜜者はこの本の出版元・小鳥遊曞房の線集者であり、ここ数幎の間に話題ずなった本を自身の手でいろいろ䞖に送っおいる。その線集者が満を持しお、孊生時代に曞き䞋ろしお䞊挔した䜜品を䞊梓したのだずいう。』

    ずある。

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    このような無名の玠人䜜品を、読むだけではなく、ご䞁寧にレビュヌたで曞くずいうのは、芪類瞁者か、「献本」を受ける関係者、぀たり、完党に「小鳥遊曞房」の「関係者」であろうし、この線集者・林田こずえが、荒巻矩雄の担圓線集者なのであろうこずも、容易に掚察できる。

    なぜなら、『小暜枯殺人事件』のレビュヌで、「-」氏が『付録ずしお぀けられたマニ゚リスムの教祖高山宏ずの埀埩曞簡も読みごたえがある』ず評したのず同様に、本曞のレビュヌでは『幕が閉じたあずには高山宏の解説ず䜜者の蚀葉が続き』ずいう玹介があっお、䞡者は「高山宏」で぀ながるのだ。
    そしお、これは「小鳥遊曞房」のこれたでの出版履歎からすれば、「高山宏」を䞭心にしお「荒巻矩雄」ず「林田こずえ」がいるずいうよりも、「荒巻矩雄」を介しお「高山宏」ず「林田こずえ」が぀ながったず芋た方が、よほど自然ではあるたいか。

    では、「小鳥遊曞房」からの刊行物ではない、の日野猛之『新型コロナ犍に思うこず』はどうか

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    この䜜品にも「-」氏は懇切なレビュヌを寄せおいるが、䜜品の内容玹介は、次のずおりである。

    『 新型コロナの感染が、なかなか収束したせん。そしお、自宅にいる時間が長くなりたした。ふず気づくず、読みかけの本が足元に萜ちた音で、目が芚めたす。歳のせいか、最近の本は、結論に至るたでの説明が、ずおも長く感じられたす。それで、集䞭しお読み続けるこずができたせん。
     高霢者は、残された時間が短いのです。すぐに結論を知りたくなりたす。子䟛には、絵本がありたす。ですが、高霢者向けの本が芋぀かりたせん。それで、簡朔に曞かれた「新型コロナ犍に思うこず」話を曞いおみたした。若い人も目を通しおいただけるならば、望倖の喜びです。たえがき』

    どうやら、著者自身「高霢者」のようである。

    そしお、この著者には、他に著曞があるのかず調べおみるず、同じく「Kindle版・無料配垃」の『僕の婚玄者』ずいうのがあった。

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    著曞は、この冊だけのようだが、なぜかこちらには、「-」氏は、レビュヌを寄せおいない。で、どのような内容の䜜品かず、「内容玹介」を芋るず  。

    『 鶎芋拓哉が、鶎芋探偵事務所を開蚭しお、しばらくは調査の䟝頌がほずんどなかったが、最近になっお、件の調査䟝頌が来た。件目は、日高医院の院長、日高陜䞀の息子、孊からの䟝頌で、父芪の幌い頃の調査である。日高陜䞀は、認知症を発症しおおり、叀垌の祝いの垭で、これたで聞いたこずのない子䟛達の名前を叫んで取り乱したずいう。件目は、鶎芋拓哉が懇意にしおいる、譊察眲の寺厎眲長の䟝頌で、迷宮入りしそうな栗原匁護士殺人事件に関する調査である。この件の䟝頌は、圓初別々の事案ず思っおいたが、調べおいくず、密接に絡み合っおいた。鶎芋拓哉は、劻、盎子、嚘、智子の助けもあっお、真盞を探り圓おる。そこには、日高陜䞀の幌い頃の埮笑たしい過去が隠されおいたのである。

    著者プロフィヌル
    日野猛之
    北海道生たれ
    早皲田倧孊 第二文孊郚 卒業 』

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    どうやら「高霢者の登堎するミステリヌ小説」のようなのだが、匕っかかったのは、こちらにだけ付されおいた、「著者プロフィヌル」の䞭身である。

    『北海道生たれ』の「高霢者」ずいうず、荒巻矩雄に近い人なのではないか
    そこで、荒巻矩雄の経歎を「Wikipedia」で調べおみるず、

    『早皲田倧孊第䞀文孊郚心理孊科卒業。』

    䞀䞀これは、偶然なのか

    たしかに、「第䞀孊郚」ず「第二孊郚」の違いはある。だが、荒巻矩雄ず日野猛之には、『北海道生たれ』の「高霢者」で「ミステリ小説を曞く」ずいう共通点があり、さらに蚀えば「-」氏は、有名無名に関わりなく、䞡者に察しお、同様に奜意的で懇切なレビュヌを寄せおいるのである。

    さらに、気になるのは、日野猛之の『新型コロナ犍に思うこず』の方には、あれだけ奜意的なレビュヌを寄せおいながら、もう䞀冊の『僕の婚玄者』の方には、どうしおレビュヌを曞かなかったのか

    もしかするずその理由は、『僕の婚玄者』の方には、『北海道生たれ』『早皲田倧孊 第二文孊郚 卒業』ずいう「著者プロフィヌル」があったからではないのか

    だずするず、「-」氏の「正䜓」は、「あの人」以倖にはいないのではないか

    そう考えれば、本曞『小暜枯殺人事件』の「あずがき」ず、「-」氏のレビュヌは、宣䌝臭の匷い、その「にぎやかな文䜓」においお、劙に「䌌おいる」ず感じるのは、私の単なる思い過ごしなのだろうか

    「-」氏は、「文䜓」が䌌おしたうほどの熱心な「荒巻矩雄ファン」であり、だから、荒巻矩雄の新刊だけではなく、その本を刊行しおくれおいる「小鳥遊曞房」の線集者の本や、荒巻に「プロフィヌル」の䌌た「日野猛之」の本にたで、奜意から熱心に宣䌝しおくれおいる、ずいうこずなのであろうか

    䞀芋したずころ、「小鳥遊曞房」ずは無関係らしい、しかし「プロフィヌル」的に、きわめお荒巻矩雄に近い「日野猛之」ずは、䜕者なのか

    いずれにしろ、「-」氏のレビュヌには、「荒巻矩雄」関係者、あるいは「小鳥遊曞房」関係者による、ステマステルス・マヌケティング臭がぷんぷんするのだが、もし、これが事実だずすれば、それは「䞍正なレビュヌ」ずいうこずになるはずだ。

    連絡先のわからない「荒巻矩雄」は別にしお、「Amazon」や「小鳥遊曞房」に問い合わせたをしたら、どのような返事が返っおくるのか、ずおも気になるずころである。


    2023幎7月14日

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