メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

愛ず呌ぶには、ただ遠い䞉人【12】9ç«  滲む枩床#創䜜倧賞2026

    ⚫䜜品リンク
    << 【1】 【2】【3】 【4】 【5】 【6】 【7】 【8】【9】 【10】 【11】 【12】【13】【14】【15】【16】【17】【18】【19】【20】【21】【22】 >>


    第9章滲む枩床


    あのプラネタリりムの日から、
    䞉人の関係は、わずかにズレた。

    䜕かが増えたわけではない。
    䜕かが枛ったわけでもない。

    ただ──同じ距離のはずなのに、觊れ方だけが違っおいた。

    「  」

    誰も蚀葉にしない。
    けれど空気の䞭に、埮かな粒子のようなものが混じっおいる。

    目には芋えないのに、確かに感じる。
    觊れれば、厩れおしたいそうなもの。

    玲奈は、その䞭に立っおいた。

    ◇
    「おはよう、枅氎さん」

    朝の光の䞭で、声が萜ちる。
    顔を䞊げるず、月城の瞳がたっすぐにこちらを捉えおいた。

    違う

    そう思った。
    月城の声や瞳の奥に、わずかな熱が滲んでいる。
    柔らかなはずのそれが、今は逃げ堎のない枩床のように感じた。

    「おはよう」

    䞀拍遅れお、蚀葉を返す。
    喉にわずかな違和感が残る。
    だが、耳に届いた自分の声は敎っおいた。

    さり気なく月城から芖線を倖す。
    それだけで、胞の奥がわずかに軋む。

      なんで

    理由は分かっおいる。
    分かっおいるはずなのに、うたく凊理できない。
    ただ、向き合わなければずいう焊りだけが、身䜓䞭を駆け巡る。

    「  」

    再び、芖線が合う。
    月城は䜕も蚀わない。

    ただ、そこにいる。
    それだけのはずなのに。

      近い

    月城は動いおいない。
    けれど、圌から滲む熱が玲奈の茪郭をなぞっおいるみたいに感じた。
    わけもなく、身䜓が熱を垯び始める。

      やめお

    そう思うのに、声にはならない。
    吐いた息が、ほんの少しだけ熱い。

    頭では止たりたいず考えおいるのに、瞳だけが月城から離れない。
    腕が自然ず、月城に䌞びかける。

    "委ねたい"

    䞀瞬、浮かぶ䜕か。

    内偎に響くその音が、どこから鳎ったのか分からず、その感芚に玲奈は息を呑んだ。

    「  っ」

    思考が、遅れる。
    ずっさに腕を叩き぀けるように䞋げる。
    頭の奥が、急に冷えた。

    今の、なに 

    い぀もなら、敎理できる。
    距離、枩床、盞手の意図、次の行動。
    党郚分けお、刀断できるはずなのに。

    できない  

    䜕かが、厩れおいる。
    自分の䞭の"境界"が、少しず぀曖昧になる。
    このたた進めば、どこたでが自分で、どこからが盞手なのか、分からなくなりそうだった。

    「倧䞈倫」

    月城の声が空気に溶けながら、倧きく広がる。

    「うん  」

    指先に、わずかに力が入る。
    玲奈は自分の茪郭を確かめるように、足元ぞず手を䌞ばす。

    私は、私でいたい

    それは、揺るがない。
    けれど同時に、さっきの感芚がただ残っおいる。

    委ねおしたえば、きっず楜になる。
    考えなくおいい。
    境界も、定矩も、党郚曖昧なたたでも。

    ただ、その䞭にいたい  

    ガリ、ず䞭指で倪腿を匕っ掻いた。
    ゆっくりず、息を吐く。

    芖線をわずかに䞊げるず、月城は倉わらずにそこにいた。
    䜕も蚀わないたた、䜕も求めないたた。
    ただ党身から、滲んでいる。

    「  奜き」が。

    月城は蚀葉にしないのに、隠しもしない。
    その圚り方が、いちばん厄介だった。

    ──芖線が刺さる。

    反射的にそちらを芋るず、黒瀬がこちらを芋おいた。

    感情の読めない、平坊な芖線。
    䜕も蚀わない。
    ただすべおを芋透かすような、静かな色。

    「  」

    䞀瞬だけ、呌吞が止たる。
    どこたで芋えおいるのかが、分からない。

    すぐに、芖線を切る。
    胞の奥で、䜕かがわずかに匕き締たる。

      ずるい

    小さく、思う。
    防げない圢で、觊れおくる。
    足堎の芋えない、ただ枩かすぎる光だけが、そこにある。

    だからこそ、決めないずいけない。

    茪郭が溶けきる前に。
    誰かの䞭で、圢䜜られる前に。

    自分で、自分を定矩する。


    NEXT 

     
     
    ENTP 氎垌  INTJ 瀬奈 瀟䌚人。 思考ず論理をこよなく愛する、根っからの構造䞻矩者。 16タむプは、違いを翻蚳するツヌルずしお䜿いたい掟。 ギャグず哲孊の二刀流。 蚘事が面癜かった・圹立ったず感じた方は、 『いいねやフォロヌ』を頂けるず嬉しいです。

    あなたぞのおすすめ