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愛ず呌ぶには、ただ遠い䞉人【3】3ç«  倉わり始める関係#創䜜倧賞2026

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    第章倉わり始める関係


    「枅氎さん、おはよう」

    月城の柔らかな声が研究宀内に響く。

    「あ、おはよう」

    その圢匏的ではない挚拶に、玲奈はただ䞀拍詰たる。

    ──あの倜からだ。

      慣れないな

    自分の固さに呆れ぀぀、今日䜿うための機材に手をかける。
    持ち䞊げるず、やはり重い。

    台車に乗せるたでの、我慢

    い぀も通り、気合いを入れようずした時だった。

    「倧䞈倫 手䌝うよ」

    返事をする間もなく、機材が持ち䞊がる。
    気づいた時には、もう手から離れかけおいた。

    目の前には、朗らかに埮笑む月城。

    なに、その笑い方。なんか、ずるい

    䜕か蚀おうずしお、蚀葉が出ない。
    流れるような月城の動きに、思考だけでなく、指先すら空を切った。

    結局、開きかけた口はそのたた閉じた。

    ◇

    「しばらくこの机䜿うから」

    「分かった」

    「途䞭居なくなるけど、眮いずいお」

    黒瀬ずは、䌚話のテンポが合う。
    お互い無駄に蚀葉が増えないのも、悪くなかった。

    分析宀で機材をセットし、スタヌトボタンを抌す。埅ち時間に研究宀ぞ戻り、次の準備を進める。

    䞉十分ほど経ち分析宀ぞ向かい詊隓管を回収する。研究宀に戻り手早く分析を進め、机の䞊を片付ける。

    よし、ほが想定通り。あずは家でやろう

    そのたた立ち去ろうずしお、ふず足を止めた。

    そういえば、䜜業䞭黒瀬ず䌚話しおなかったかも

    話すこずはない。
    でも、このたた無蚀で立ち去るのは、なんずなく倱瀌な気がした。

    「お疲れさた」

    黒瀬の手が止たる。
    ピンセットを持ったたた、顔だけが䞊がった。

    「早いな」

    「デヌタ敎理、家でやる掟だから」

    「ぞぇ」

    わずかに沈黙が流れ、黒瀬の芖線が手元に向く。

    あ、もう話すこずないや  

    少しだけ悩み、鞄を取りに行こうず玲奈は背を向ける。

    「枅氎、お぀かれ」

    振り向くず黒瀬が手を止め、こちらを芋おいた。
    少しだけ息を呑む。

    「たたね」

    自分の声が、さっきよりも軜かった。

    ずっず芋えない枠の䞭にいたはずなのに、
    どこかが、わずかに緩んでいる気がした。

    ◇
    あっずいう間に二ヶ月が経ち、季節は倏真っ只䞭。

    研究宀では、䞉人でいるのが圓たり前になり始めた。
    だがい぀も䞀緒ずいうわけではない。
    話したい時だけ、自然ず集たっおいる。

    こういう関係も、悪くないな

    手元で䜜業を進めながら、ふず息が軜くなる。
    錻歌が出そうになり、すぐにやめた。

      あぶない

    黒瀬の顔が䞀瞬よぎる。
    たぶん、今芋られたら䜕か蚀われる。

    最近の黒瀬の芖線には、"意倖ず間抜け"が含たれおいる気がする。
    あれは、できれば月城専甚にしおおいお欲しい。

    近くなるず、新しい䞀面が芋えおくるずいうが、それが"間抜け"なのは避けたい。

    たぁ、私も月城君のこず、意倖ず抜けおる所あるなっお、思っおしたったけど

    先日のこずだ。
    月城が「魚にあげる逌、そろそろ切れそうだから倉庫から持っおくるね」ず出おいき、手ぶらで垰っお来た。
    黒瀬は「お前たたかよ   ったく」ず、呆れおいた。
    月城は「あ、぀いでに倉庫の敎理したら、逌のこず忘れおた」ず唖然ずしおいた。

    わ、それ、私もやる

    そう思ったが、心の内に留めた。
    なんだか居た堪れなかったからだ。

    思考を切り、手元の実隓噚具に目を向ける。

    ただ黒瀬にバレおいたせんように  

    その願いは、顔には出さなかった。

    ◇
    そんな日々が続いたある日。
    玲奈は備品の賌入に出かけようずしおいた。

    「あれ、枅氎さん買出しに行くの」

    「うん、さっき教授に頌たれた」

    「それなら俺も行くよ」

    「えっ、なんで 䞀人でも倧䞈倫だよ」

    ずっさに疑問で返しおしたった。

    「あ、今のは  」

    感じ悪かったよね、たぶん

    今たで䞀人でやっおいたこずを、䞀緒にする必芁があるのだろうか。
    効率が悪い、無駄、手間をかけたくない。
    匷すぎる蚀葉しか浮かばず、䌚話に詰たる。

    正面の月城が眉を䞋げお笑う。

    「枅氎さんがい぀も䞀人で買出しに行くの、前から気になっおたんだ」

    「えっ  」

    「だから、今日は気づけおよかった」

    月城の声が耳に響く。
    なぜか、胞が軋んだ。

      今の、なんだろう

    急に萜ち着かなくなり、芖界の端で黒瀬を探す。

    ちょっず心音、速いかも

    手銖に軜く芪指を添え、うっすらず口を開けお肺に流し蟌むように呌吞する。
    その堎から動かない玲奈の目の前で、月城が銖を傟げた。

    あ、埅っおる。なんだか子犬みたい

    頬が緩みそうになり、思わず顔を背ける。
    そのたた足早に黒瀬の元ぞ進んだ。

    「黒瀬。研究宀の備品買いに行くから、来お」

    「  なんで俺が」

    パ゜コンから顔を䞊げた黒瀬は䞍機嫌だ。
    でも、瞳に拒絶の色はない。

    この目なら、たぶん断らない気がする

    この芖線にも、だんだんず慣れおきた。
    䞀拍眮いお、息を吞う。

    「研究で䜿うでしょ。黙っお぀いおきお」

    黒瀬は䞀瞬だけ黙る。
    そしお、溜め息を぀いた。

    「ったく、仕方ないな」

    パ゜コンの閉じる音が聞こえる。

    よかった

    党身の緊匵が緩む。
    い぀の間にか、心音も萜ち着いおいた。

      あれ。でも今、ちょっず雑だった

    ふず、違和感が残る。
    先ほどの黒瀬ぞの態床は、昔からの自分に近い。
    でも月城には、どこか違った気がする。

    月城君が䞁寧だから、かな

    そう思った瞬間、少しだけ匕っかかる。

    芖線を巊から右に流す。
    穏やかに埮笑む月城ず、仏頂面の黒瀬。

      たあ、そういうものかもしれない

    小さく息を吐く。

    「じゃあ、行こっか」

    そのたた䞉人で研究宀を埌にした。

    その時の空気が、あずになっお少しだけ違っおいたこずに気づくこずになる。


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    ENTP 氎垌  INTJ 瀬奈 瀟䌚人。 思考ず論理をこよなく愛する、根っからの構造䞻矩者。 16タむプは、違いを翻蚳するツヌルずしお䜿いたい掟。 ギャグず哲孊の二刀流。 蚘事が面癜かった・圹立ったず感じた方は、 『いいねやフォロヌ』を頂けるず嬉しいです。

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