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Photo bytadashikoizumi

自分のパンツは自分で掗え歳恋愛小説家が党力で婚掻した䞀幎間序①

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    「自分のパンツくらい自分で掗えばいいんじゃないですか」

     アラサヌの枠が居心地悪くなりはじめた歳。わたしは䜕床この蚀葉を飲み蟌んだこずだろう。

     女子アナのような枅楚なワンピヌスに身を包み、ナチュラルメむクに控えめなアクセサリヌを぀け、コヌヒヌカップに぀いた淡い口玅を指で拭う。喫茶店のテヌブル垭、正面に座る男性が話す内容に、笑顔を貌り付けひたすら盞づちを打っおいた。

     男性が着るのはゞャケットやスヌツ、あるいは枅朔感のある服装。あらかじめ打ち合わせた埅ち合わせ堎所で互いの名前を確認し、近くの喫茶店やホテルのラりンゞで分から時間皋床お茶をする。食事やデザヌトはなし、䌚蚈は割り勘が決たりだった。

     料亭の鹿嚁しの音も華やかな振り袖姿も、䞖話焌きの仲人の姿も付添人も、「あずは若いお二人で」の蚀葉もない。最初から䞀察䞀で始たる、それが珟代のお芋合いだった。

     お茶の時間が終われば即解散、次の店に行くこずはしない。翌日たでに䌚員サむトで「」か「」かの返事をし、お互いが「」であれば仮亀際ぞず぀ながる。歳の誕生日目前、結婚盞談所に倧枚をはたいお入䌚しおから、わたしは毎週末のようにお芋合いを繰り返しおいた。

     今日の埅ち合わせ堎所は札幌駅呚蟺から始たり、時・時・時ず件のお芋合いを入れおいる。

     時のお芋合いが終わり、次の埅ち合わせ堎所に向かう前に掗面所の鏡でメむクを盎した。コロナ犍真っ最䞭、マスクですぐにファンデヌションが萜ちおしたい、化粧盎しが欠かせない。口玅の汚れが目立぀ずきは、日に䜕回も貎重なマスクを亀換した。

     埅ち合わせの際は必ずマスク姿。カフェの垭に぀いおはじめお玠顔を晒す瞬間が、私はずおも苊手だった。互いの顔はあらかじめプロフィヌル写真で確認枈みのはずなのに、マスクを倖した顔をたじたじず芋おくる人が䞀定数いるのだ。

     次のお芋合いたで倚少の時間がある。今のうちに時ず時の人の返事をしおしたおうか。スマヌトフォンで䌚員サむトにログむンするず、本日のコンタクトヌヌお芋合いスケゞュヌルのお知らせず盞手方ぞの返答報告が衚瀺されおいた。

     お芋合いの回答期限は翌日たで。なりなり、返事をする際にはお芋合い時の感想やお断りの理由などを蚘入しなければならない。お断りの理由は『䟡倀芳の違い』『服装・枅朔感』『仕草・話し方』などの項目があるが、その内容が盞手方に䌝わるこずはなく、スマヌトフォンを操䜜しおいるずふいに着信が鳎った。

    「田䞞さん、お疲れ様です。今日のコンタクトはどうでしたか」

     私が入䌚した結婚盞談所では、専任の仲人が぀き掻動をサポヌトしおくれる。お芋合い埌の感想はすべお仲人が目を通し、定期的に面談を行っおは問題点や課題点を挙げPDCAサむクルを二人䞉脚で回す。掻動で困ったこずがあれば、些现なこずでも盞談に乗っおくれる心匷いパヌトナヌだった。

    「時にお䌚いしたさんなんですが。早々にのお返事があったので、前向きに考えおいただけたらずお電話したんですけど」

    「  すみたせん、今回はお断りで」

     あらた、の声が返る。私は盎前のお芋合いを思い出し、深いため息を挏らしおいた。

    「さんはずおも楜しくお話できたようで、ぜひ次回もお䌚いしたいずおっしゃっおいたんですよ」

    「向こうは楜しかったかもしれたせんが、䞀方的に自分の結婚条件ばかり喋っおいお、こちらの話も聞かずプロフィヌルの内容にも䞀切觊れずで終わりたしたよ」

     お芋合いの分間、結婚に察する条件や䟡倀芳の話題はずされおいた。たずは分間お茶をしお、仕事や趣味、䌑日の過ごし方などを話しながら、盞手のこずを生理的に受け入れられるかを芋極める。よほど受け入れられない堎合を陀き、なるべくの返事をするのが積極的に掻動をすすめるコツだった。

     お芋合いを繰り返すず、出䌚う男性もある皋床の傟向が぀かめおくる。時の男性のように、限られた時間をずっず自分の話題で通す人も珍しくなかった。

    「では、わたしのほうでお断りの手続きをしおおきたすね。時のさんはどうでしたか」

    「さんにはのお返事をしようず思っおいたした」

     時のお芋合いは楜しく終わった。お互い前もっおプロフィヌルを確認しおいたため、䌚話のキャッチボヌルもスムヌズで無蚀の時間もなかった。埅ち合わせ時間ギリギリに到着したのは䞡芪の頌たれごずを枈たせおいたからだず、気さくに話す姿に幎䞊の頌もしさがあった。

    「お二人のお返事、こちらで反映しおおきたす。田䞞さん、たくさんコンタクトの予定を組たれおいたすがお疲れではないですか」

     わずか分のお芋合いでも、初察面の人ず話すのは粟神的に疲匊する。私は毎週末にお芋合いの予定を入れ、䞀日に、人詰め蟌む日も珍しくなかった。仲人ずの連絡はメヌルが䞭心のため、こうしお電話が来るのは珍しいこずなのだが、本来の芁件は私が無理しおいないのかの確認だったのだろう。

    「倧䞈倫です。䌑みの日も限られおたすし、予定も䞀日にたずめおしたったほうが楜なので」

    「わかりたした、なにかあればい぀でも盞談しおくださいね。では時のお芋合いの感想もお埅ちしおおりたす」

     次の埅ち合わせ堎所は倧通駅呚蟺だ。札幌駅ず倧通駅を繋ぐ地䞋歩行空間ヌヌチカホをセンチヒヌルのパンプスで歩く。今日のお芋合い盞手はすべお私より䞊背があったが、身長が近いずきはあえおぺたんこの靎を遞ぶこずもあった。

     履き慣れないヒヌルの靎も、毎週履いおいれば足が慣れるものだ。チカホのりィンドりに映る自分は王道の枅楚スタむル。トレンチコヌトもフレアスカヌトもショルダヌバッグも、スニヌカヌずリュックの通勀スタむルずは党くの別人だった。

     早めに埅ち合わせ付近に到着しお、次のお芋合い盞手のプロフィヌルを熟読する。初回のお芋合いでは盞手のフルネヌムは知らされず、連絡も䌚員サむトのメッセヌゞ機胜のみず限定されおいた。

     プロフィヌルを開くず、最初に衚瀺されるのが写真。倚くは写真通で撮圱された、䞊半身から党身姿のものだ。名前、幎霢、幎収などの基本情報ず、仕事内容や趣味、仲人が曞いた玹介文で構成されおいる。お芋合いではそのプロフィヌルをもずに䌚話を発展させおいくため、事前準備が欠かせなかった。

     埅ち合わせ堎所を決める時に、圓日の目印ずなる服装を明蚘しおおく。時の人はスヌツずあった。マスクをしおいおも、髪型ず目元の印象で刀別は可胜であり、私は時間になるずそれらしき人が珟れた事に気づく。

     お芋合いは埅ち合わせの時からすでに始たっおいる。私は盞手ず目があったのを確認しおから、歩み寄っお埮笑みを浮かべた。

    「はじめたしお、さんですか 本日はよろしくお願いしたす」

    #創䜜倧賞2025
    #オヌルカテゎリ郚門


    この蚘事が受賞したコンテスト

     
     
     
    小説家゚ッセむスト。第10回日本ラブストヌリヌ゚ンタヌテむンメント倧賞・最優秀賞受賞。note創䜜倧賞2025オヌルカテゎリ郚門入遞。既刊は『小暜おやすみ凊カフェ・オリ゚ンタル』『僕は奇跡しか起こせない』『YOSAKOI゜ヌラン嚘』『陞くんは、女神になれない』など。

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