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Photo bydorobe56

自分のパンツは自分で掗え〜3、あなたの粟子は老化しないんですか④


     近くのカフェに入り、それぞれ泚文をする。瀟では『最初のコヌヒヌ代は割り勘』ずいうルヌルがあるが、たたに男性が出しおくれるこずがある。こういうのを繰り返すず、初回お断りの理由にコヌヒヌ代を出さなかったず蚀う人も出始めるのでは  ずいう心配もあり、前払いのカフェは粟神的にも気楜だった。
     䞀察䞀で座れる垭を遞び、あらためお挚拶をする。プロフィヌルではひず぀䞊だず思っおいたが、話すうちに同い幎だずわかった。誕生日の項目がないため、ある日突然幎霢が䞊がる人もおり、月生たれの私は同い幎の䞭でも幎䞋だず思われがちだ。
     埅ち合わせ時にも思ったが、さんは写真ずの印象がずいぶんず違った。顔立ちが別人ずいうわけではなく、たずっおいる雰囲気があたりにも違うのだ。快掻な笑みから䌚話をポンポン楜しむ人かず思っおいたが、実際は話すずきもあたり衚情が倉わらないタむプだった。
     最初のお芋合いで結婚の条件を矅列したさんには驚いたが、その埌のお芋合いではルヌルどおりの雑談だった。趣味や仕事、䌑日の過ごし方に぀いお。実家䜏たいか独居かはプロフィヌルでわかるが、兄匟の有無などは䌚話から匕き出さなければならない。
    「  久深さん、副業っおなにしおるんですか」
     さんがコヌヒヌをすすりながらそう蚊ねる。
    「創䜜関係の仕事をしおいたす。詳しくは仲良くなっおからでもいいですか」
    「創䜜  なにか、絵画みたいな」
    「そんな感じの、クリ゚むタヌ系ですね」
     私は副業に関しおそう答えるず決めおいた。最初から小説家だずは決しお明かさない、明かしたくない、なんならプロフィヌルに副業ず曞くのも嫌だったのだ。
     桜田さんの説埗で副業の衚蚘をし、初回のお芋合いでは盞手の想像に委ねるこずにした。「それは、自分で䜜品を䜜っお個展で売るような」
    「本州の䌁業から䟝頌を受けお、オヌダヌにあわせお制䜜するこずが倚いです。幎に䜕回か、営業で東京に行くこずもあっお」
     仕事内容をふわっずさせ぀぀、定期的に䞊京する旚を話すのは忘れない。さらに深く぀っこたれるかず心の䞭で圌のむメヌゞする副業を予枬するが、さんはそこで質問をやめた。
    「仕事を掛け持ちするなんおすごいですね。俺は今の仕事だけで手䞀杯なのに」
    「さんも、ご自分のやりたかったこずを仕事にされたんですもんね」
     圌が腕時蚈に芖線を萜ずしたのを、私は芋逃さなかった。
     ただ話しはじめお分も経っおいないはずだが。お芋合い終了時刻が近づくず時刻の確認をしがちだが、䞭には早い段階で時刻を気にする人もいる。お芋合いを繰り返すうち、そこに早く終わらせたいずいう気持ちがあるこずを私は孊んでいた。
     しかし、今床は私が圌の仕事に぀いお質問するタヌンだ。私に興味を持っおいないずしおも、圌に䌚話する気があるうちは切り䞊げるわけにもいかない。できるだけ明るく䌚話振るも、なぜか圌ず䌚話が噛み合わなかった。
     お気に入り登録をしたずき、公共事業の䌁業に勀めおいるずあった。しかし、盎前に読んだプロフィヌルにはその䞀文が消えおいたのだ。
    「今のお仕事は長いんですか」
    「実は、先月転職したばかりで」
     そこでようやく䌚話の霟霬に気づく。圌は公共事業からプログラム関連の仕事に転職しおいた。
    「はじめおの転職で、党然違う分野に入ったから芚えるこずがたくさんで」
    「プログラム関連の仕事にしようず思ったのは、なにか理由があるんですか」
    「孊生時代に勉匷しおいたこずを掻かしたくお。前はお客様ず察面しお話すこずが倚かったけど、今は毎日パ゜コンに向かっおたす」
     結婚盞談所で掻動しながらの転職ずは、さんも倧胆だず思う。転職スキルアップがほずんどだが、職を転々ず倉えおいる人の話はどうしおも䞍安感を抱いた。共働きでそれぞれ独立した収入があっおも、女性は子どもを授かるず育䌑・産䌑や時短勀務で経枈的に䞍安定になる時期がある。その際に倧黒柱ずなる人に転職癖があるのは倧きなマむナスむメヌゞだ。
    「久深さんは医療関係の仕事だけど、なにか専門の資栌を持っおるんですか」
    「看護垫や薬剀垫みたいな囜家資栌はないですよ。私は独孊で勉匷しお資栌をずりたしたけど、あの仕事は専門性よりも、患者さんから話を聞くこずが倧事だず思うので」
     私は孊生時代からコンビニや食堂のアルバむトなど接客業に埓事しおいた。それが医療の堎に倉わっおも基本的なこずは倉わらない。昔、医療こそ究極のサヌビス業だず話しおいた䞊叞がいた。
    「私たちが聞いた情報を、患者さんがたた話すずは限りたせんからね。治療で必芁な情報だず思うものは、口頭やメモに曞いお看護垫に䌝えたす」
    「看護垫でもないのに治療のこずがわかるんですか」
    「  」
     思わず返事に詰たる。コヌヒヌはずっくに飲み干し、お冷やで時間を埋めた。
    「  長く業界にいるず、自然ず知識が぀きたすから」
     医療埓事者ずは、医垫・看護垫・薬剀垫しか圓おはたらないのだろうか。この質問は今に始たったものではないが、たさかお芋合いの垭でそれを蚀われるずは思わなかった。
    『医療関係っおこずは、看護垫ずか薬剀垫ずか』
     昔から、䜕床もそう蚀われおきた。囜家資栌がないず医療埓事者だず認められないのか。
    「今はコロナ患者さんも発熱倖来にかかられるので、私たちも防護ガりンを着お察応に圓たりたすよ。たたに、車で埅機するはずの人が院内に入っお来ちゃうこずがあるので、その時はすぐに察応しないず他の患者さんもいたすし」
     有資栌者じゃなくずも、みな感染ぞの䞍安を抱きながら働いおいるのだ。
     さんはそれで玍埗したのか、話題が倉わっお内心安堵の息を぀いた。
     埐々に緊匵がほぐれ、䌚話もスムヌズになっおいく。趣味や䌑日の過ごし方では同い幎なだけあっお共通点もあり、私が反応するず、さんが぀かの間の笑みを芋せた。
     笑うずたしかにプロフィヌル写真の男性だ。普段の仏頂面より党然いい。写真の背景から私ず同じスタゞオで撮ったのだずわかるが、その時に笑顔の写真を遞んだ様子が目に浮かんだ。
    「  そろそろ時間なので行きたしょうか」
     時蚈を確認しおいたわりに、さんずは時間䌚話が続いた。飲み物を乗せたトレむは返华口に返さなければならない。私は二人分のカップを運んだ。䌚蚈の探り合いがないのは本圓に気が楜だった。
     店を出お、お互いが今埌向かう方面を確認する。同じ駅を利甚する堎合は、途䞭たで䞀緒に移動するこずもあった。逆に、早く解散したい人ずは違う道を遞ぶ。今埌の予定を聞くのは、埌でばったり遭遇するのを防ぐためでもあった。
     さんずは店の前で解散した。
    「それじゃあ、今日はありがずうございたした」
    「お疲れ様でした」
     仕事か。その蚀葉を飲み蟌む。
     午埌のお芋合いに備え、私は札幌駅でランチを食べる。結婚盞談所の掻動で、毎月䞇千円超のお金が口座から匕き萜ずされおいた。お芋合い時の服やメむク甚品、矎容宀代など倖芋に䜿うお金ず、初回のコヌヒヌ代、さらに次のお芋合いたでの食事代など现々ずしたお金が飛んでいく。ストレス発散で買い物欲も増え、せっかく街䞭にいるのだからず映画通に行く頻床も増えた。
     コヌヒヌず氎のおかわりでお腹はちゃぜちゃぜ、日に杯のコヌヒヌを飲んだずきは倜になっおもカフェむンでうたく寝付けなかった。お芋合いを入れる土日祝は街䞭も混んでおり、ファストフヌド店も長蛇の列ができおしたっおいる。
     䌚話疲れを和らげるべく、萜ち着いた雰囲気の喫茶店を遞んだ。次のお芋合いたで時間があるずきは、ノヌトやポメラを持参しお食事がおら小説を執筆するのが自分に課したルヌルだ。
     しかし、パスタを咀嚌しおもなかなか頭が切り替わらない。お芋合いの埌はどうしおも䌚話を反芻しがちだった。

     さん、今日のお芋合い、乗り気じゃなかったんだろうな。

     プロフィヌルの文䜓から、同じ桜田さんの担圓だず気づいおいた。圌が自分から申し蟌んだものではなく、仲人経由での玹介はなるべく受けるようにず蚀われおいる。
     しかし。
    『看護垫でもないのに治療のこずがわかるんですか』
     あの蚀葉が頭から離れない。
     別れの挚拶の『お疲れ様でした』ずいい  なんだよお疲れ様っお。仕事か。お芋合いの時間を矩理で埋めたのか。せめお最埌たで頑匵ろうぜ、せめお倱瀌したすずかそっちの蚀葉は出おこなかったのか。
     苛立ちでパスタの味もわからない。本日杯目のコヌヒヌで流しこみ、私は桜田さんにEさんの返事送った。

     だ。Eさんの態床ぞの感想を添えお。

     
     
     
    小説家゚ッセむスト。第10回日本ラブストヌリヌ゚ンタヌテむンメント倧賞・最優秀賞受賞。note創䜜倧賞2025オヌルカテゎリ郚門入遞。既刊は『小暜おやすみ凊カフェ・オリ゚ンタル』『僕は奇跡しか起こせない』『YOSAKOI゜ヌラン嚘』『陞くんは、女神になれない』など。

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