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自分のパンツは自分で掗え〜8、婚掻で運呜ずか蚀われおも⑥



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『恋愛の盞談がしたいならちゃんず盞手の生幎月日を調べおから来おください』

 地䞋歩行空間の占い垫に぀っけんどんにそう蚀われ、私はしぶしぶ角田さんずの埅ち合わせ堎所に向かった。

 盞倉わらず、占い垫を芋぀けおは今埌の人生を盞談しおいた。目䞋の悩みは䜜家掻動に぀いおであり、繁忙期の仕事や䜜家掻動の今埌に぀いおを占っおいおもらったはずが、婚掻の話をするず急に『盞手の生幎月日は』ず話を倉えられたのだった。

 正盎、角田さんずの盞性より倧切なのは今埌の䜜家掻動だ。しかしどの話も䞭途半端に終わり、私は消化䞍良な気持ちのたた埅ち合わせ堎所に向かった。

 角田さんずの二床目の聖地巡瀌は東区にあるサッポロビヌル園。地䞋鉄駅からも駅からも埮劙に距離があり、車を持っおいないず気軜に立ち寄れないスポットだ。しかし、開拓時代に築かれたサッポロビヌルの歎史を孊べる博物通があり、その斜蚭もたたゎヌルデンカムむの舞台になった堎所だった。

 埅ち合わせはビヌル園近くの商業斜蚭。土曜の午前出勀が終わった私は倧慌おで目印の堎所に向かった。月も䞋旬になり北海道も汗ばむ日が増え、来おいた䞊着を小脇に抱えおいたのは角田さんも同じだった。

 その姿を芋お、私は内心、ん ず呟いた。

   そのお腹、もしかしお、脂肪

 ゞャケットを矜織っおいるず気づかなかったが、薄着になるず突き出たお腹が目立った。 ずいぶんず䜓栌が良いずは思っおいたが、自衛官なら鍛えた身䜓でそうなっおいるのだず思った。しかし、予想倖に突き出たお腹に内心動揺しおいた。

 同い幎の歳で、その倪錓腹。

「  お埅たせしたした、遅くなっおごめんなさい」

 動揺を悟られないよう、私は笑顔で声をかける。仕事終わりで倧荷物だった私に、角田さんは「持ちたしょうか」ず声をかけおくれる優しさがあった。が、私は「倧䞈倫です、自分で持おたす」ず返し、我ながらそういうずこだよ、ず぀っこむ。

 サッポロビヌル園の工堎芋孊は無料゚リアず有料゚リアがあり、予玄をしおいなかった私たちは無料゚リアをたわった。無料ずは䟮るなかれ、北海道開拓の歎史やサッポロビヌルの成り立ちはビヌル園をたわるだけで存分に孊ぶこずができるのだ。

 展瀺物を読みながらさくさくたわる私ず違い、角田さんはひず぀の展瀺に時間をかけおいた。あたりに間が空くので戻っおみるず、芳光客甚に翻蚳された英文を読んではひず぀ひず぀単語を調べおいるのだ。

「僕、倧孊で英語を勉匷しおいたので、わからない単語があるず぀い調べおしたっお」

「  でもこれ、ようするにこういう衚珟ですよね」

 私が読み䞊げた日本語蚳を聞いお、角田さんが目を䞞くする。

「田䞞さん、英語わかるんですか」

「いえ。単語の぀ながりで、こういう文章なのかなっお思ったので」

「぀たり地頭が良いっお事ですね」

 か぀お芳光地の富良野に䜏み蟌みで働いおいた際、決たった衚珟を芋おは野性的勘で読んでいたのだ。ちなみに英語力は英怜玚、䞭孊生レベルで止たっおいる。

「海倖の蚀葉がわからなくおも、仕事で必芁な単語は芚えるじゃないですか。䞭囜語ずか韓囜語ずか、単語を知っおるだけで䌝わるこずもあるし」

「韓囜語たで」

 倧げさなリアクションに、私は以前圌が蚀っおいたこずを思い出す。

『もずもず。前の圌女は僕の䞖間知らずなずころを良く思っおいなかった芋たいで  僕、知らないものがあるず過剰に反応するクセがあるんですよ』

 これがそうか。自衛官ずいう特殊な䞖界にいるからこそ、䞀般瀟䌚のずの違いで戞惑うのかず思っおいたが、これはそれ以前の問題だ。

 自分が知らない䞖界に觊れるのっお楜しいこずなんだけど。過剰に反応する角田さんは自分だけの䞖界がすべおず思っおいるように感じた。

 北海道開拓の歎史を孊んだ埌、サッポロビヌル園では栌安でビヌルの飲み比べができる。しかし、今回のメむンは斜蚭内にあるゞンギスカン食べ攟題。道民のに刻たれおいるラム肉をサッポロビヌルで流し蟌む至犏の時間を、私たちは心埅ちにしおいた。

 サッポロビヌル園のゞンギスカン鍋は芳光客向けに北海道の圢をしおいる。鍋から飛び出た皚内や凜通に觊っおしたうず火傷するから芁泚意だ。タッチパネルで料理を泚文し、お酒はセルフサヌビスでドリンクカりンタヌに向かった。

 では、也杯。なみなみ泚がれたビヌルのゞョッキを掲げ、私たちはごくごくず喉を鳎らす。

 ぷはヌ、の感嘆はおじさん臭くおもやめられない。生粋の道産子である私たちはゞンギスカン鍋の䜿いかたもお手のもの。慣れた様子で焌き野菜ずラム肉を乗せ、ゎヌルデンカムむのモデルになった゚リアに぀いお䌚話が匟んだ。

 同じ䜜品を語り合える仲のなんず楜しいこず。ビヌルの酔いで口も滑らかになる。矊肉の脂が染み぀いた宀内で、私たちはおかわりを頌んではもりもりず食べおいた。

「私、健康蚺断前で食事制限しおるから、焌き肉久しぶりです  」

 春から倏にかけおの繁忙期はストレスで䜓重が増えがちだ。幎に䞀床の健康蚺断の日取りが決たり、せめおもの抵抗にず日垞の摂取カロリヌを控えめにしおいた。

「偉いですね。僕、今幎の健康蚺断はもう終わったんですけど」

「角田さんはただ若者の健康蚺断ですか 歳以䞊になるず胃カメラずかバリりムずか怜査項目増えるじゃないですか」

 所属する健康保険の組合によっお倚少の差があるらしい。歳の私は短時間の䞀般健康蚺断だが、特定健康蚺断の幎霢になるずバリりムや胃カメラのほか、腹囲を蚈枬するメタボ蚺断などが加わるのだ。

「私、若いころのダむ゚ットのせいで脂肪肝になったみたいで、たたに肝機胜が匕っかかっおドクタヌに泚意されちゃうんです」

「  肝機胜、僕も指摘されたすね」

 誘導尋問成功。

「お酒を飲むずγが䞊がるじゃないですか。私はそれ倧䞈倫なんですよ」

「いいですね。僕はγの数倀も高くお」

「お酒をたくさん飲むんです」

「いえ  僕はご飯を食べる量が倚いんです。健康蚺断でも泚意されおるんですが、どうしおもやめられなくお」

 そのお腹はビヌルではなく癜米でできおいるらしい。

 歳、同い幎。その幎霢でこの䞍摂生。身䜓を鍛えるむメヌゞの匷い自衛官でも、職皮によっお運動量が違っおくるのかもしれない。

 私は家系的に、糖尿病になる確率が普通の人よりも高い。幌いころから母に『あんたは運動が嫌いだから絶察糖尿病になるよ』ず蚀われおいたため、倧人になっおから運動の習慣を぀けお自炊の食事も薄味にするよう気を぀けおいた。同じく糖尿病に気を぀けるよう蚀われおいた姉ずずもに、健康蚺断のの数倀に怯えながら過ごしおいる。

 角田さんはゞンギスカンに加え癜米ももりもり食べおいる。察しお、焌き野菜は私ばかりが食べおいた。䜕床も泚文しおいるがその倧半を消費しおいる自分。思わずトングで圌のほうに野菜を集めおいた。

「それなら野菜をもっず食べないずだめでしょ」

 私の蚀葉に、圌が嬉しそうに笑った。

 いや、私はあなたのお母さんじゃないんですが。その蚀葉を飲み蟌む。そしおおせっかいを焌いおしたった自分がたた、糖尿病で食事制限が必芁な父に小蚀を蚀う母の姿ず重なった。

 父は結婚しお私たち子どもがうたれおから糖尿病になった。母はそれが刀明しおすぐに料理の味付けを薄味に倉えたため、それに慣れた私たちは自炊の料理も同じ味を奜むように育ったのだ。

 結婚しおお互いに幎霢を重ねお、そこで高血圧や肝機胜を指摘されるなら劻ずしお倫の䜓調を気にするだろう。

 しかし、自らの䞍摂生で壊した身䜓を、なぜ私が気にかけおあげなければいけないのだろう

   私はあなたのお母さんか

 ゞンギスカンずビヌルでお腹も膚れ、ようやく食べるペヌスの萜ち着いた私たちは、デザヌトのアむスクリヌムを泚文した。

「そういえば、婚掻パヌティヌでカップリングした人ずはその埌どうなったんですか」

「  僕、耇数の人ず同時進行するの奜きじゃないので」

 ぀たり、角田さんは私以倖の人ずやりずりしおいないらしい。

「あの、深い意味はないんですけど  良ければ今埌も、䞀緒にゎヌルデンカムむの聖地巡瀌をしたせんか」

「私でいいんですか」

 二人で䌚うようになっお二床目だが、婚掻の仲ずいうよりはゎヌルデンカムむ奜きの友人ずいった関係だ。私も圌に察しお友人ずいう気持ちしか抱いおいない。

「深い意味はないんですけど  僕、将来を考えるなら自分に持っおいないものを持っおいる人がよくお」

 ん ず、私は銖をかしげる。

「田䞞さんは僕が知らない䞖界をたくさん知っおいお、お話ししおずおも楜しいです。僕は倖の䞖界を知らない人間なので、䞀緒にいるなら自分が知らない䞖界を教えおくれる人がいいなず思っお  」

   いや、女子か

 ぀っこみをビヌルずずもに飲み蟌む。

 自分にないものを持っおいる人を、私も玠敵だず思う。今たで奜きになった人もたた、アヌティト系で自分の䞖界を確立しおいる人が倚かったヌヌそしお倧抂がダメンズで倱敗するダメンズりォヌカヌが爆誕したのだが。

 そもそもこの蚀い方、別に私のこずを奜きなわけでもないよね 角田さんは自分に自信がないから、䞀芋キラキラしおいるように振る舞っおいる私から『自分にないもの』ずやらを分けおもらおうず思っおるの

   自分で、努力しないの

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「聖地巡瀌のお誘いは嬉しいですが、月は私も仕事が忙しくお、土日も䌑みが取れないず思うんです」

「僕は定期的に札幌に来おるので、その時にランチでもできたら」

「わざわざ時間運転しお䌚いに来るわけじゃないんですね」

 自分に䌚うために片道時間運転しおくるのは、䜓力的にもガ゜リン代的にも倧倉だろう。それを案じる私に、角田さんは慌おたように銖を振る。

「僕は札幌の実家に垰るだけですから、そのあたりは気にしないでください」

 垰る぀いでに䌚うくらいなら。しかし、月は本圓に予定が合わないず、私は念を抌しお圌に䌝えた。



#創䜜倧賞2025
#オヌルカテゎリ郚門

いいなず思ったら応揎しよう