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自分のパンツは自分で掗え〜10、やっぱり奜きな人ず結婚したい䞭孊生マむンド③



『△日△時からのランチですが、今回はキャンセルずさせおください。
 たた候補日をあげさせおいただきたすので、日時を改めたしょう。
 圓日になっおドタキャンする人もいたすので』

 さんのメヌルはそれで終わっおいた。

   え

 メヌルの返事が遅れたのは私も悪い。遅くおも翌日朝には送るべだったが、ずにかく圌の返信には心理的な劎力がかかるのだ。昌䌑憩は山川さんの婚掻話を聞いおいるうちに終わったが、それを遮っおでも返信すべきだったか。

 いや、でもさ。お盆も仕事だっお蚀ったじゃん。

 人間日時間い぀でもメヌルの返事ができるわけじゃないでしょう。

『仕事でお返事が遅くなり申し蚳ございたせんでした。△日キャンセルずのこず承知いたしたした。すぐにお返事をさしあげられず、ご䞍快な思いをさせおしたい倧倉申し蚳ございたせんでした』

 そのメヌルに返事はない。私は䌚員サむトにログむンし、さんずの仮亀際ペヌゞに飛んだ。

 仮亀際䞭のやりずりは仲人に報告する。双方の行き違いやトラブルが発生したずきに察応するのも仲人の仕事だ。さんの行動の是非に぀いお盞談しようず思い぀぀、私の心は『仮亀際終了を怜蚎』に決たっおいた。

 䌚員ペヌゞには珟圚仮亀際に進んでいる䌚員の䞀芧が䞊んでいる。そこから盞手の連絡先を芋るこずもできるのだが、さんはそのペヌゞがグレむアりトし閲芧できないようになっおいた。

 私が桜田さんに連絡しおたもなく、圌女から『仮亀際終了のお知らせ』ずメヌルがあった。

「  ず、いうこずがあっおさ」

「えヌ  」

 ハンドルを握る小南さんが蚀葉に詰たる。運転から芖線をそらさない圌女のために、私は飲み物を探す手にペットボトルを握らせた。

「すぐに返事をしなかった私もいけなかったんだろうけど」

「いやヌ、でも  そうなのかな」

 蚀葉を探しながら、圌女がお茶を飲む。歯切れの悪い返事に、私は回想話を再開した。

 さんずの亀際終了連絡が届き、私はすぐに桜田さんに電話をした。

『桜田さん、これ、私が悪いんですか』

『いえ、田䞞さんはなにも悪くないです』

 開口䞀番そう切り出した私に、圌女はそう蚀った。

『仮亀際終了の連絡の時に、私ぞの文句があったんですよね 返信が遅いこずが信頌に欠け、今埌の亀際に぀いお考えられなくなったずか云々かんぬんずか』

『そう、田䞞さんの仰るずおりの事が曞いおありたした』

 たしかに返事が遅れた私も悪いが、ランチの店ず埅ち合わせの話もすべお完了したのだ。圌ずしおは『では圓日はどうぞよろしくお願いしたす』の返事が必芁だったのだろうが。

 でもさ。
 でもさ。

『蚳あっお、わたし、さんのこずをよく知っおいるんです。今回はわたしが断蚀したす、田䞞さんは悪くない』

 プロフィヌルを芋る限り、さんは他瀟の䌚員だったように思う。桜田さんが曞いた文章でもなかった。もしや以前は瀟の所属で圌女の担圓だったのか、あるいは婚掻ネットワヌクでも有名な人なのか。

『さん、い぀もそうなんです。自分の甚件だけばヌっず長文で曞くでしょう。それでね、仲人じゃないのに勝手に双方の枩床感を探っおいるの。今回の連絡では、田䞞さんの枩床感も䜎いようだっお分析しおお  ずにかくそういう人だから、きっぱり忘れお次に行きたしょうね』

 桜田さん曰く、圌はい぀も同じ事をくり返しおは亀際䞭止になっおいるらしい。䞀方的に長文のメヌルを送り぀け、盞手が望む態床を取らなければ文句を矅列した長文メヌルでお断りをするらしい。

 桜田さんが悪くないず蚀うのなら、悪くないのだろう。しかし、もやもやが残る自分がいる。


 こっちだっお文句のひず぀でも蚀っおやりたいわ。


 勝手に自分の甚件を抌し぀けお、返事がなければ勝手に合をキャンセルしお さらに私の枩床感が䜎いず芋るや断られる前に自分から亀際終了するタむプ。そもそもあのやり取りで埗られる枩床感っお䜕

  食事のドタキャンなんおマッチングアプリじゃないんだしそうそうやらないでしょうに  あ、そうか。


  この人、婚掻でドタキャンされた過去があるのか。


 双方の枩床感を探るずいうこずは、婚掻も盞圓堎数をこなしおいる。そこで仲人に枩床感の話をされるなり、亀際䞭止になるこずが増えるなり、なにかそういうこずが積み重なっお今に至るのだろう。


 婚掻をこじらせるずこうなるんだな。


 この䞖界は粟神的な負担が倧きい。盞手から遞ばれない事が続くず、自分には䟡倀がないのだず自己肯定感を削られおいく。そうしお自分をぞりくだらせお掻動するず、婚掻で察等な関係を築けない悪埪環に陥るのだ。

 あるいは自分が遞ばれない理由を盞手のせいにするのか。぀くづく、婚掻の䞖界は瀟䌚人ずしお働く人間暡様ず重なるものが倚い。

 さんずの顛末を話すず、小南さんは「いろんな人がいるんだね」ず苊笑した。


     ○


 のんびりずドラむブを楜しみ、東川町に到着した私たちはロヌプりェむに乗っお旭岳を登った。

 倧雪山系旭岳の暙高は北海道で䞀番高い2291。桜が咲くのは月ず日本で最も遅く、玅葉の季節になるずたくさんの登山客が蚪れる人気の山だ。ロヌプりェむで姿芋駅たで登るず、そこで暙高1600。雲がかかり、䞋界ずは違っおひやりずした空気に包たれおいた。

「したった、矜織るもの持っおくればよかった」

「本栌的な登山ルックの人も倚いですね」

 ロヌプりェむ姿芋駅からは䞀呚玄1.7、所芁時間玄時間の散策コヌスがある。ここから旭岳頂䞊を目指すこずもできるため、シヌズンのロヌプりェむ内はずおも混雑しおいた。

「どうする 散策路䞀呚しちゃう」

「歩いおみお考えたしょ。雲が晎れるずいいんだけど、かなり寒いですね」

 スニヌカヌやサンダルず軜装備の私たちは散策路を歩くのみ。倪陜が照るず暖かいのだろうが、雲の䞭に入っおしたうず寒さを感じる。小南さんは登山奜きで数々の山を登っおいるため、散策路を螏みしめる足取りも軜かった。

 姿芋駅からの散策路は高山怍物の宝庫だ。ロヌプりェむを䞋りおすぐのずころに花のガむドマップがあり、高山怍物の他にも゚ゟリスや゚ゟナキりサギなど動物がいるこずも教えおくれる。

 歩き始めおすぐ、チングルマずいう小さな花の矀生地察があった。青々ず生い茂る草朚ず、可憐な高山怍物に心が癒やされる。小南さんずふたり、写真を撮りながら歩いた。

「それで、さんの他にはどんな人に䌚ったの」

「  あず、印象に残っおいる人ずいえばさんかな」

 さんはひず぀䞊の団䜓職員だった。䞭肉䞭背でがっしりずした䜓぀きに、どこか元圌を思い出すものがありヌヌ぀たり私の射皋圏内の芋た目をしおいた。

 お芋合いをしたのはお盆前。倧通駅で埅ち合わせし、遞んだ店は様々な菓子屋が集たるフヌドコヌト的な垭だった。芳光客が倚い賑やかな堎所だが、空いおいる垭を芋぀けおふたりで座った。

『俺、こうやっお婚掻でもしないず䞀生独身だろうなず思っお』

 圌はそうフランクに話した。仕事のこずをいろいろ話す姿に、自分の知らない䞖界を知っお玠盎に面癜く感じた。芪しくしおいるグルヌプがあるのだが、そこの最幎長はいたも独身で、俺もい぀かこのひずみたいになりそうだなず思っお盞談所に登録したず蚀った。

『久深さん、副業で創䜜掻動をしおるず曞いおいたから、婚掻でビゞネスパヌトナヌを探しおるのかず思ったんだけど』

  小説家のビゞネスパヌトナヌずはなにか しかし、さんは私の仕事のマネゞメントをする気満々のようだ。い぀もず違う芖点で副業を肯定する姿が印象的だった。

 仮亀際が成立し、私は䌚員サむトで最初から『奜印象』を぀けおいた。このたただず䞀生独身かも、ず話す姿が自分に䌌おいたのもある。

 仮亀際成立のお瀌メヌルを亀わし、改めお圌のプロフィヌルを芋た。趣味の欄に『フェスに参加するのが奜きです』ずあり、私はメヌルの文章をしたためた。

『今日からが始たりたすね さん、プロフィヌルにフェスが奜きだずありたしたが、今幎はどこに参戊予定ですか』

 ヌヌラむゞング・サン・ロックフェスティバル。北海道石狩湟近くの野倖ステヌゞで開催される倧きな倏フェスだ。私は数幎前から、知り合いの䜜家さんたちのテントブヌスにお邪魔しお倏を満喫するようになっおいた。

 地䞋鉄麻生駅からのシャトルバスに乗り、そのメヌルを送った。さんが登録しおいたアドレスはメヌルだったが、返事はずおも早かった。

『俺は今日からです』

   ビンゎ。


#創䜜倧賞2025
#オヌルカテゎリ郚門

いいなず思ったら応揎しよう