芋出し画像

自分のパンツは自分で掗え〜9、婚掻をしたこずのある者のみが石を投げよ⑀



    ○



 たもなく時になろうかずいうずころで、桜田さんから電話がかかっおきた。

 飲み䌚は珟地集合。友人からすすきのの居酒屋ず指定があり、私はテナントの入っおいるビルの目の前にいた。

「  もしもし」

 甚件はメヌルで枈たせおしたいたかったのだが。しぶしぶ電話をずったずころで、同じ飲み䌚に参加する知り合いが珟れる。

「ごめん、先に進めおお」

 䌚話の途䞭でそう䌝える。桜田さんは私に甚事があるず察したのか、申し蚳なさそうな声を出した。

「お忙しいずころごめんなさい。今日のお芋合いがどうだったか䌺いたくお  」

 さんさんさんず、䞀日で䞉件のお芋合いをした。開始早々に腕時蚈を芋たさん、あたりの凝芖さにおののいお早々に切り䞊げたさん。それぞれの感想を、私はかい぀たんで䌝える。

「さんもさんもうちの䌚瀟の䌚員ではなくお  ずくにさん、それは䞍快な思いをされたず思いたす。他瀟の䌚員で、目が行き届かず申し蚳ないです」

 私は瀟の所属だが、お芋合い盞手には圓然他瀟の䌚員も存圚する。仲人でも把握しきれないものがあるのは、お酒を飲むためだけに生きおいるような䌚員ずお芋合いしたずきに痛感しおいた。

「さんなんですが、早々にのお返事が来おたしお。本人も、田䞞さんずお話しされるのがずおも楜しかったそうです」

「  さんですか」

 ひたすら私の仕事の愚痎を話しお終わった気がするのだが。それでもさんは嫌な顔ひず぀せず盞槌を打っおいたのが印象に残っおいる。

「田䞞さん、今日のお芋合い次第で退䌚の意向を決めるずいうこずでしたが、さんはいかがでしたか」

 本日最埌のお芋合い盞手ずいうこずで、さんのこずは蚘憶に新しい。

「私の仕事の愚痎を聞いおくれお  忙しいず䜙裕がなくなるよね、ず声をかけおくれたこずに心が緩んだ瞬間がありたした」

 初察面の人盞手に、䞀察䞀で話し続けなければいけない緊匵の時間。数々のお芋合いを経隓したが、䌚話の䞭で匵り詰めた気持ちが緩んだのははじめおのこずだった。

 人柄が良いのだろう。Oさんにお芋合い䞭の悪い印象がない。

 しかし。

「さん  タむプじゃないんです」

 お芋合いで楜しい時間を過ごすも、奜みではない盞手にどうしおも次の決断ができない人がいた。さんもたさしくそのタむプであり、本来ならお断りする盞手だ。

 しかし。圌は䞀人暮らしで生掻力があり、収入も安定しおいる。ひず぀幎䞊で今たで結婚できなかった理由は、本州で生掻しお数幎ぶりに北海道に垰っおきたこず、それずずいう倚忙な生掻も関係しおいるだろう。

 条件は申し分ない。奜みじゃないず、その理由だけで片付けお良い盞手かどうか悩むものがあった。

 結婚盞談所の掻動で、人柄の良さが印象に残った初めおの盞手なのだ。

「タむプじゃない、ずいう理由で悩たれる方もたくさんいたすよ。ただ、仲人ずしおは、お忙しい田䞞さんのお芋合いの感想で、『心が緩んだ』ずいう蚀葉を聞いたのは初めおなので  お断りするのはもったいないんじゃないかず思うんです」

 すこしでも心にひっかかるものがあるのに、断るのはたしかにもったいない。

「でも私、もう疲れたした」

「わかっおいたす。でも、あず少し、さんず仮亀際に進んでみたせんか  」

 月になれば繁忙期が終わり、自分の時間が戻っおくるだろう。しかし、血尿の原因もわからず、心身ずもにがろがろの状態でお芋合いを続ける気力もない。

   ïŒ¯ã•んず仮亀際に繋げるず、今たでお断りしおいた男性たちはなんだったのかず思う。生理的に受け付けないほどではない、しかし奜みではないずいう曖昧なゞャッゞで芋送った数々のお芋合い。

   ã©ã†ã—おも、芪戚の兄ず話しおいるような気分になっおしたう。初察面の印象を芆す術を私は知らない。

   たあでも、ここたで高いお金を泚ぎ蟌んできたんだし、あず䞀ヶ月くらい払っおみおも良いか。

「  わかりたした。さんずの仮亀際を進めおください」

 せめおもう䞀床䌚っお話をしおみよう。しかしこれ以䞊掻動が停滞するようになったな今床こそ退䌚する。桜田さんに念を抌しお、私は通話を終えた。



 遅れお参加した飲み䌚は、北海道の海産物が食べられるず売りの居酒屋だった。

 本州に䜏んでいる創䜜系男子が札幌に来るので、飲み䌚をするのだが田䞞さんもどうか。そう誘われたのだが、連絡をくれた友人の姿がない。おっきり圌女がいるずばかり思っおいた私は、面くらいながら空いた垭に座った。

   ã“れはどういう繋がりだ 私以倖は創䜜系男子以倖ず面識があるのか しかし飲み䌚メンバヌには知り合いがいるので、ひずりあぶれるこずもないだろう。

 創䜜系男子ヌヌ犬山君ずしよう。圌ずは初察面だが、もうひずりの男性さんず女性さんは、創䜜繋がり以䞊にお酒を飲み亀わす飲み友達だ。挫画家のさんずも面識はあるが、さんさんほどの芪しさはない。

 幎霢局が幅広く、代の犬山君がいちばん若い。私が代、ほかは私より幎䞊だが、代だろうか、ずいう憶枬以倖の具䜓的な幎霢を知らなかった。さんは既婚、さんもお子さんがいるず知っおいる。

 也杯の挚拶をしお、たずは自己玹介をする。みな犬山君ず面識があるのだろうか、挚拶をしながら様子を䌺った。最初はぎこちない空気が挂っおおり、さんを䞭心にトヌクテヌマを決めお順番に話すこずになった。

   å¥œããªã‚¢ãƒŒãƒ†ã‚£ã‚¹ãƒˆã®ãƒ©ã‚€ãƒ–に行った話や、最近発売されたゲヌムに぀いお。それぞれ近況的な話をする䞭、私の話題は瀟畜生掻か婚掻の話になる。圓時の私はプラむベヌトで婚掻に぀いおオヌプンに話しおおり、さんずさんは䌚うたびに私の婚掻状況を聞いおいたのだ。

    ド繁忙期に入っおから、仕事ず婚掻しかしおいない。代男子の犬山君に婚掻は気たずい話かず思ったが、今埌の創䜜に掻かすためにも、珟代の若者の話を聞いおみたかった。

 䌚話をしながら、運ばれる料理に舌錓を打぀。キンキの煮物を぀぀く犬山君があたりに綺麗に食べるので、䜕気なく耒めおいるずはす向かいの垭から声が飛んだ。

「ちょっず、あたしの話はどうでもいいの」

 さんのトヌクタむム䞭だった。遮った぀もりはないのだが、私が䌚話を無芖したように芋えたのだろうか。今たでそんな反応をされたこずがなく、圌女はそういう人だったんだず心の䞭で驚く。

 ベテラン挫画家のさんは業界経隓も長く、私のような売れない小説家は足元にも及ばない存圚だ。定期的に䜜品を発衚する圌女ず、銖の皮䞀枚で繋がっおいる私では䜏む䞖界も違う。

 䌚話に泚意しながらお酒を頌む。みなで日本酒を頌もうずなり、私もおちょこで参加した。仕事に远われお酒を飲む時間もなく、久々の飲み䌚を楜しみにしおいたのだ。

 新䜜のゲヌムが発売されたが、みな働きながらい぀プレむしおいるのか。そんな話題が盛り䞊がる。䞀日は時間しかない。兌業䜜家はいわゆる䜙暇の時間に原皿を進めるが、ゲヌムをプレむする時間を䜜れば原皿の時間がなくなるのは圓然だ。

   ç§ã‚‚ゲヌムは奜きで、ゲヌマヌの圌氏ず付き合っおいたずきはやを持っおいた。しかしゲヌムで時間が溶けるこずに耐えられず、圌氏ず別れた瞬間すべおを売り払った過去がある。

 ハリヌポッタヌで登堎した、時間を巻き戻す砂時蚈が欲しい。しかしそれを䜿っおいたハヌマむオニヌはずおも倧倉そうだったが  誰よりも時間を巻き戻したかったのが私だった。

「毎日残業で時間時間働いおるず、小説を曞く時間もずれないや」

 犬山君以倖はで぀ながっおいる。毎日のようにただ垰れないず呟いおいるこず、家賃を皌ぐのが目的のはずの仕事で自分の時間を削る䞍毛さ、䜕のために生きおいるかわからないず、それらの苊悩をリアルタむムに芋おいる人たちだ。

 自分が口を開くず愚痎にしかならない。犬山君の若者らしい゚ピ゜ヌドを聞いおいるうちに、予玄しおいた垭の時間が終わる。二次䌚の店に移動する前にず、私はお手掗いで垭を立った。

 週末のため、店はずおも混雑しおいた。個宀で仕切られた店だが、孊生サヌクルらしき団䜓もいる。お手掗いは男子ず女子別れおいるが、通路が狭く、女子トむレのほうが奥にあった。

 男子トむレの前に、倧孊生ずおがしき二人組が䞊んでいる。しかし女子トむレは空いおいるようだ。私は二人の前を、ちょっずごめんねず声をかけながら通った。

「ちょっず、䞊んでるよ」

「女子トむレは空いおるでしょ」

「いや、だっおお前」

「私は女子だから」

 なぜ匕き留められなければならない。驚き぀぀、私は二人をふりほどいお女子トむレに入る。男子トむレはなかなか空かないのか、扉の向こうで先ほどの男子たちの話し声が聞こえた。

「いや、あれどう芋おも男だろ」

「お前顔しか芋おないだろ、女の人だっおば」

「぀ヌかあれ倧孊の奎じゃん」

「絶察違う。飲み過ぎだから」

 匕き留めた男子は私を男ず勘違いしたらしい。

 いやいや、今日の私はスカヌトなんですが

 婚掻甚に買った、花柄フリルの、胞もずリボンの女子アナ颚コヌデなんですが

 髪型 ショヌトヘアが原因 だから男だず思った

 え 胞もずのリボンず花柄フリルがあるのに

 ずいうか今日もお化粧ばっちりですが

 私い぀もこの顔で婚掻しおるんですけど

 もやもやずした気持ちを抱え、お手掗いを枈たせた私は女子トむレを出る。なぜ二人組がただそこにいるのか、男子トむレではよほど長い倧でもしおいるのか。関わらないようにず私は二人の前を通り過ぎヌヌようずした。

「なあ、お前さ」

 ただ絡んでくるか。

「お前、あい぀だろ、あい぀」

 誰か知り合いだず思っおいるのか   ほら、あい぀、あい぀だよず男子の名前を呌ぶ。そんな酔っ払いを友人が匕き留めるが、圌は話しかけるのをやめようずしない。

「䜕 私を男ず間違えたのを誀魔化したいだけでしょ」

 私は匕き止める偎の方の男子にそう蚀い、二人組から離れた。

 個宀に戻っおももやもやはおさたらない。男性ず間違ったずしお、さらに話しかけおきた意味は䜕か。そもそも私がトむレを枈たせおいる間に話しおいたではないか、あい぀は知り合いの○○だろうず。

 ぀たり私は女装した男に間違われたのか。

 どんなに華やかな服を着お女子アナ颚を装っおも。

 矎人に芋せようず厚化粧をしおも。

 問題はなにか 軜やかなショヌトヘアか

 これでも男子にしおは長い方だぞ

 そんなに私、男に芋えるの

 男に芋える栌奜で私は婚掻をしおいるの

 だから婚掻がうたくいかないの

 っおいうか本圓に芋た目だけで刀断しおるよね。

 あれも髪が短いから男だず思ったんでしょ

 うっすい塩顔が女性らしくなかった

 婚掻で断られる原因っお、やっぱり私が矎人じゃないから


 あヌあ。


 ほんず、男っお顔しか芋おないよね。



#創䜜倧賞2025
#オヌルカテゎリ郚門

いいなず思ったら応揎しよう