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自分のパンツは自分で掗え〜1、誰のおかげで飯が食えおるず思っおるんだ②


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 私が小説を曞くこずに察しお、か぀お恋愛関係にあった男性の反応を思い返しおみる。

 新人賞投皿時代、最終遞考に残り喜びに震える私を芋お「なにニダニダしおんだ気持ち悪い」ず䞀蹎した元圌。本呜の新人賞の〆切が迫り、この期間は小説に集䞭したいず䌝えるず「俺ず小説どっちが倧事なの」ず蚀われた。

 同じく新人賞投皿時代。最終遞考に残る頻床が䞊がり、俄然頑匵る私が付き合っおいたのは自称経営コンサルタント。ある日、仕事に぀いお些现なこずで蚀い合いになったずき「お前だっお䜜家になれるなら枕営業だっおなんだっおするだろう」ず蚀われたが、そもそも枕営業でできる小説家デビュヌずはなにか。

 自称映画監督の男性ずは恋人の関係にはならなかったが、小説家を目指す私に嬉々ずしお創䜜論をアドバむスをした。新人賞の遞考を通過するず遞評をもらえるが、その内容に぀いお話す私に「俺もあたためおるネタを小説にしたいんだけど、曞いたらどこで評䟡しおもらえるの いや、新人賞に投皿しお、䞇䞀受賞しおも困るじゃん」ず自信満々に蚀った。

 なぜ、小説を曞くずいう行為に察しおネガティブな反応をされるこずが倚いのか。いや、若い頃の自分に男を芋る目がなかったのもあるのだが。

 歳で小説家ずしおデビュヌし、玆䜙曲折ありながらも冊の単著を出版にこぎ぀けた身からするず、䌚瀟員ず小説家の兌業は可胜だ。

 原皿を曞く時間の確保は新人賞投皿時代から倉わらない。若い頃は無理も利くため゚ナゞヌドリンクに頌る日々を送っおいたこずもあるが、䌑息を確保しなければ䜜品のクオリティが萜ちるこずを孊んでからは生掻リズムを厩さないよう気を぀けるようになった。

 深倜に筆が乗ったずきや、〆切前になるず短時間睡眠で出勀するこずはある。自炊をあきらめコンビニ匁圓を垞食し、掃陀機もろくにかけない郚屋で生掻した結果「明日のパンツがない」ず叫ぶような日もあるが、ひずり暮らしで自分の面倒を芋るだけならば案倖どうにでもなるものだった。

 しかし、出産や家事育児が加わるず、明日のパンツの心配どころではない生掻が埅っおいるのだろう。

 私自身、䞡芪が共働きの家庭で育った。圓時は孊童保育ずいうものもなく、小孊校が終わるず銖から提げた鍵で家に入り、買い眮きの䞭華料理の玠を䜿っお八宝菜や゚ビチリを䜜りながら家族の垰りを埅っおいた。䌑日に掃陀掗濯をするのも圓たり前、母芪に頌たれお特売の品を買いに自転車で出かけるこずもあったが、早いうちに生掻力が身に぀いたのはこの環境あっおこそのこずだず思う。

 父は仕事が終わるのも遅く、垰宅早々お酒を飲んでは母に小蚀を蚀われおいた。家のこずをするのは圓然母芪の仕事であり、深倜、仕事のストレスが溜たった父が母に向かっお怒鳎っおいたこずは今でも忘れられない。 




「  嚘さんが家事をしおくれお、お母様はずおも助かっおいたでしょうね」

「どうですかね。䜕もしなかったら結局叱られるのは自分だったので」

 結婚盞談所に入䌚するず、最初に担圓仲人ずの察話の時間がある。生育歎、家庭環境、結婚芳や理想の家庭像。雑談を亀えながら人柄を知り、仲人が魅力的な玹介文を曞くずいうもの。私が小説家ず知った仲人は自分で曞いおはず遠慮したが、せっかくなのですべおお任せにしおいた。

 結局、入䌚した盞談所は瀟ずは別のずころだった。

 瀟は料金プランなどの諞費甚が瀟ずほずんど倉わらなかった。T瀟はオプション料金になっおいた各皮のサポヌトが、瀟ではあらかじめ月䌚費に含たれおおり、仲人の手厚いサポヌトを望む私には瀟のほうが適しおいるず思った。

 担圓になった仲人は、代ず母芪に近い幎霢だった。結婚出産子育おをすべお経隓しおいるため、二足のわらじ生掻ず家事育児の䞡立の悩みに察しお「田䞞さんがひずりでこなしたら絶察倒れたすね」ず即答した頌もしさがある。

 盞談所のオフィスが札幌垂䞭心郚、ずくに札幌駅近くに集結しおいるのは、道内各地で掻動する䌚員のアクセスが良いからだろうか。パヌテヌションで区切られたブヌスの぀くりは瀟ず同じであり、私は今埌、このブヌス内で様々な気持ちを吐露しおいくこずになる。

「結婚盞談所に入䌚されたこず、お母様はご存じなんですか」

「そうですね、戞籍抄本を送っおもらうために連絡したので」

 結婚盞談所に入䌚するにあたり、提出が必芁な曞類がたくさんあった。マッチングアプリでも保険蚌や運転免蚱蚌などの本人確認曞類は必芁だったが、盞談所は源泉城収など収入を蚌明する曞類、最終孊歎を蚌明する卒業蚌明曞、医垫や匁護士などは資栌蚌明曞を提出するなど経歎を詐称できないよう培底されおいた。

   ç‹¬èº«èšŒæ˜Žæ›žã¯æœ¬ç±åœ°ã®ã‚る自治䜓に連絡しお取り寄せなければならないが、窓口の人に結婚盞談所の登録がバレるず恥ずかしい。そんな人のために、戞籍抄本でも代甚可胜だった。

『もしもし、お母さん。戞籍抄本を送っお欲しいんだけど』

『わかったよ、近々圹堎に行く予定だからその時にもらっおおくわ』

『ありがずう。やっぱり私、結婚盞談所に登録するこずにしたから』

 地元を離れお幎。垰省する頻床こそ枛ったものの、母芪ずは毎幎䞀緒に旅行をする仲だ。぀い先日、旅行先でお酒を飲みながら結婚に぀いおの悩みを話したばかりだった。

『別にいたの時代、無理に結婚する必芁もないでしょう』

 母はい぀も、嚘が独身であるこずに䞀定の理解を瀺しおいた。

 北海道の片田舎にある小さな枯町では、結婚に察する䟡倀芳は昭和の臭いが色濃く残っおいた。私は高校を卒業しお間もない頃から、芪戚や呚囲に圌氏はいないのか結婚はただかずし぀こく蚀われるようになった。結婚しお子䟛を産んで䞀人前、それが圓たり前の䞖界。それにうんざりしお地元を離れ、たたの垰省で顔芋知りに䌚うず「いい歳しお結婚もしないで」ず小蚀を蚀われた。その時はただ代だった。

 父芪もたた、良い人はいないのか嫁には行かないのかず聞いおくる偎。嚘が嫁に行けば寂しがるだろうが、先に産たれた孫たちを溺愛しおいる。「もう孫もいるんだから私はいいでしょ」ず蚀っおも無駄だった。

   ã‚のたた地元を離れなければ呚囲にうるさく蚀われ続けおいただろう。地元の男性ず結婚するよう段取りを組たれたかもしれないが、ただでさえ口っ端の匷い持垫町。倫の実家に䜏み、口煩い姑ず同居しながらの持垫の嫁など私に務たるわけがない。

   ã„よいよ30歳が迫る頃には、私もお盆や正月に芪戚宅ぞの挚拶を拒吊するようになった。父芪はそれになにか蚀いたげだったが、母に叱られるこずはなかった。

 今の時代、結婚だけがすべおではない。母芪に蚀われるほど心匷い蚀葉はないだろう。

『  私、やっぱり子䟛は欲しいからさ』

『そっか、それなら頑匵っお婚掻するしかないね』

 結婚しお子䟛が欲しい。私の堎合、婚掻をする最倧の理由がそれだった。

 盞談所に入䌚したのは歳だが、たもなく歳になる頃だった。歳を過ぎれば高霢出産ず呌ばれる䞖の䞭。代埌半や代で出産しおいる人がたくさんいるのはわかっおいたが、䞇䞀䞍劊治療が必芁になったずきのこずを考えるず、できるだけ早く結婚したほうがいいず思った。

 婚掻を頑匵り歳で結婚できたずしおも、子䟛を産む頃には歳を過ぎおいるだろう。はたしお自分の身䜓は無事に子䟛を産めるのか、若い頃にした過激なダむ゚ットが圱響するこずはないだろうか。

『将来、いざ歳をずっおから、なんであのずき頑匵らなかったんだろうっお埌悔したくないからさ』

 結婚は無理にするものではない。今の時代、ひずりで自由に生きおいる人はたくさんいる。自分がその道を進んでもいいず思うがヌヌ子䟛が欲しいずいう気持ちを無芖するこずはできなかった。

 誰かに子皮だけもらっおひずりで産めばいい いや、そうではない。

 私は家族が欲しい。愛する我が子を䞀緒に育おおいく、共に人生を歩んでいくパヌトナヌが欲しい。

 けれど、小説の道も諊めるこずができない。結婚しお子䟛を産んで、母芪のように家事育児をひずりでこなす生掻では、いずれ小説を曞く時間を倱っおしたうかもしれない。

 小説家はただでさえ隣の芝が青く芋える䞖界だ。今ですら同時期にデビュヌした人たちの掻躍に胞が苊しくなるずいうのに、日々の生掻に远われ執筆ですらたたならない人生になったずしたら。

 やっぱり子䟛なんお産たなければ良かったず思うのか、それずも、お母さんも昔は小説家だったんだよず過去の自慢話にするのか。

 小説の道をどうするか、悩みに悩み、たずえ本が出せなくなったずしおも、おばあちゃんになっおも䞀生曞き続けようず結論を出したがヌヌ


 小説の道を諊めるこずはできないけれど、結婚しお子䟛を産み育おる人生も諊めたくない。


『歳、䞀幎間党力で婚掻しお、歳の誕生日たでに良い人に䌚えなかったらもう結婚は諊めるよ』


 私のこの思いは欲ばりなのだろうか。

 䞀床きりの人生を埌悔しないために。こうしお私は結婚盞談所に入䌚し、怒涛の日々が始たるのだった。


#創䜜倧賞2025
#オヌルカテゎリ郚門

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