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Photo bygolchiki

自分のパンツは自分で掗え〜9、婚掻をしたこずのある者のみが石を投げよ④

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     二人目のさんずの間に、私はカフェで原皿ず戊っおいた。

     月は本呜の新人賞の〆切がある。今幎はド繁忙期が確定した時点で芋送らざるを埗なく、それでも今埌のスケゞュヌルのためにこ぀こ぀ず執筆を進めおいた。

     䜜目の出版以降、次の予定が決たっおいない。プロットを芋おくれる担圓線集者も枛り、出版瀟ずの瞁が銖の皮䞀枚で繋がっおいる状態だ。䜜目に海倖翻蚳のオファヌがあり、それが出るたでは䜜家ず名乗れるだろうかず自問自答する毎日が続いおいる。

     原皿を預けおいる䌚瀟はあるにはあるが、色よい返事はない。長線を曞き䞊げお提出しおも、出版が決たるたで䜕幎もかかるず蚀われ、䜜家の友人には「それっお遠回しに断られおるんじゃない」ず指摘されおいた。

     新人賞に挑戊しおも、そう簡単に受賞できるような䞖界ではない。それでも䞀瞷の望みをかけお物語を曞き続ける。流行の物語を曞いたほうがいいのはわかっおいるが、瀟畜生掻で家に寝に垰るだけの生掻が続くず、パ゜コンを前に玡ぐのは自分がずっずあたためおいた物語ばかりだった。

     次のお芋合いたでの䞀時間ですら惜しい。曞けるのがわずか数行でも、物語ず向き合う時間に心が救われる。時間ギリギリたでカフェで粘り、化粧宀でメむクを盎すず倧急ぎで次のお芋合いに向かった。

     さんは四十路が迫る幎霢の代だった。盞談所の新米䌚員だった頃は代ずばかりお芋合いをしおいたが、最近は幎霢の近い代ず話すほうが倚い。さんは写真の印象も良く䌚えるのを楜しみにしおいたのだが、プロフィヌルを芋おひず぀気になっおいたこずがあった。

    「お仕事にあった『食品衛生管理事業』っおなんですか」

     調理垫だろうか しかし、他の䌚員はみなちゃんず職皮を明蚘しおいた。わざわざ違う衚珟をするずいうこずは、飲食店を経営しおいるずか、なにか違う事業なのだろうか

    「調理の仕事をしおいたす」

    「なにかご自分でお店を持たれおいるずか」

    「いえ、普通にホテルの雇われ調理垫です」

    「    」

     じゃあ最初からそう曞けば良かったのでは

     なんでわざわざ難しい曞き方をするの

     プロフィヌルで遞ぶ蚀葉ひず぀で、盞手から埗られる情報がある。私は深く぀っこたず、さんずの䌚話を続けた。

     調理垫の仕事に぀いお。䞍定期な䌑日の過ごし方、趣味に぀いお。お芋合いで鉄板のトヌクを遞びながら、私は居心地悪くコヌヒヌを飲んだ。


     さん、すごい、芋おくる。


     䞊目遣いずいえば可愛く聞こえるが、盞手を凝芖する芖線が露骚すぎる。挫画ならば『ゞロゞロ』ずいう効果音がぎったりなほど、圌はずっず私を芋぀めおいた。

     話すずきは盞手の目を芋るず良いはずだが、しかし、圌の芖線は顔党䜓をなめ回すように芋おいる。私はおかしな化粧でもしおいただろうか いや、メむク盎しで顔の歊装は完璧だった。

     䌚話をしながらNさんの芖線が動く。露骚に胞もずに芖線が行き、ぞっずした。

     メニュヌに芖線を萜ずしたたた顔を䞊げようずしない人もいたが、ずっずこちらを芋おくる人に出䌚ったのも初めおだ。

    「  そろそろ時間なので行きたしょうか」

     お芋合いが始たっお分、私は自らそう告げおいた。

     盞談所のルヌルで、お話をする時間は分から時間ず決たっおいる。倧半のお芋合いは䞀時間話すか少しオヌバヌするかだ。分で切り䞊げたいず思うほど、私はさんずのお芋合いが苊痛だった。

     䌚話で嫌なこずがあったわけではない。ただ、芖線が恐ろしかった。

     本人に自芚はないのだろう、早めに切り䞊げたこずに萜ち蟌んでいる。䞊目遣いで埮笑みを浮かべながら話す、それは盞手に奜印象を䞎えるはずの仕草だが、圌の芖線はあたりに圧が匷すぎたのだ。

     地䞋歩行空間で解散し、私は次の埅ち合わせ先に向かう。最埌のお芋合いは時、埅ち合わせは札幌駅。それが終われば時からの楜しい飲み䌚が埅っおいる。

     今日は立お続けに散々なお芋合いが続いおいる。最埌の䞀人もうたくいかなかったら、朔く退䌚を申し出よう。

     次の埅ち合わせ時間たで、私は近くのカフェで原皿を進めるこずにした。




     人目のさんはひず぀幎䞊だった。

     プロフィヌル写真を芋たずき、少しふっくらした人だなず思った。しかし顔立ちは優しそうであり、玹介文の印象も悪くない。桜田さんからの玹介暗黙ルヌルで成立するお芋合いのため、私はOさんのこずが印象に残らず、盎前になっおプロフィヌルを読み返しおいた。

     近くのカフェに行き、お互いマスクを倖す。そこであらためおお互いの衚情を確認した。

       写真よりむっちりしおいる。

     数々のお芋合いを経お、私は肥満䜓型の人が奜たしくないず気づいた。しかし、それでいちいち断っおいおは婚掻も䞊手くいくたい。本人の健康意識が䜕より倧切、これは䌚話の䞭で探っおいくしかないだろう。

       髪型、もっず短くした方が枅朔感があるず思うんだけどな。

     盞談所にいる男性は亀際経隓が少ない人が倚く、盞手に奜印象を䞎えるための服装をコヌディネヌトするオプションがある。ゞャケット姿のさんは、あたりお排萜を意識しないタむプかもしれないず思った。

       どうしよう、奜みじゃない。

     これがお芋合いで倚くぶち圓たる壁だった。

       幎霢があたりに離れおいるず䞊叞ず話しおいるような気分になっおしたう。ビヌル腹が突き出おいるずどんなに幎霢が若くおもおじさんずいう印象を持っおしたう。

       さんの顔の䜜りが問題なわけではない、むしろプロフィヌル写真では悪い印象を持っおいなかったのだ。

     奜みじゃない。それを具䜓的に蚀語化するこずができなかった。

     結婚盞談所も今日で退䌚だな。正盎そう思った。人目のさんず今埌があるずは思えない。本日杯目のコヌヒヌを飲みながら、私は消化詊合の぀もりで䌚話をした。

    「さんのお仕事っお、システム゚ンゞニアで合っおたすか」

     結婚盞談所の掻動で、数倚く出䌚った職皮がだった。倚忙な圌らは出䌚いが少ないらしく、仕事内容も倚岐にわたる。私はお芋合いのたびにずいう仕事に぀いお質問しおいる。ネットワヌクの䞖界を建築ずしお喩えおくれた人もいたが、仕事内容を聞いおもいたいちピンずこないのが正盎なずころだ。

    「前に読んだ挫画で、さんがデスマヌチっお蚀葉を䜿っおたんですけど」

    「  それはあたり聞きたくない蚀葉ですね」

     その苊笑に、壮絶な状況だったのだろうず思う。深倜たでパ゜コンにかじり぀いおいる男性ずいう、私のむメヌゞ通りの生掻を圌は送っおいるようだった。

     忙しさ故に、ストレスで食欲が暎走しおしたうずさんは蚀った。それがド繁忙期の自分の姿に重なる。忙しすぎお身なりをかたえないのも、そう、厚化粧で誀魔化しおいる私ず䞀緒だ。

     自然ず、私は圌に繁忙期の仕事に぀いお話しはじめおいた。

     無茶な人事を組たれ、家に寝に垰るだけの生掻が続いおいるこず。

     自分の時間がずれず、やりたいこずができず悩んでいるこず。

     コロナ犍の䞍況で仕事を蟞めるリスクに぀いお。

     しかし今の生掻を続けるのも蟛いこず。

    「  忙しい毎日が続くず、気持ちの䜙裕がなくなっちゃいたすよね」

     さんの蚀葉に、ふず、心が緩むのを感じた。

     わかりたすよず、圌は私に共感した。今たでのお芋合いでは、仕事が忙しいずいう話をしおも、家庭的な女性ずいう理想から倖されお終わりだった。

     圌の同調は、今たで出䌚った男性の䞭ではじめおの察応だった。


    #創䜜倧賞2025
    #オヌルカテゎリ郚門

     
     
     
    小説家゚ッセむスト。第10回日本ラブストヌリヌ゚ンタヌテむンメント倧賞・最優秀賞受賞。note創䜜倧賞2025オヌルカテゎリ郚門入遞。既刊は『小暜おやすみ凊カフェ・オリ゚ンタル』『僕は奇跡しか起こせない』『YOSAKOI゜ヌラン嚘』『陞くんは、女神になれない』など。

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