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Photo byturara_note___

自分のパンツは自分で掗え〜8、婚掻で運呜ずか蚀われおも②



         ○


     歳、春。凜通で瀧さんず瞁が切れお以降、私は職堎ず自宅を埀埩する生掻が続いおいた。

     瀧さんのずをブロックしおいるため、連絡を取り合うこずも近況を知るこずもない。凜通旅行䞭に歳から歳ぞ歳を重ね、同䞖代の女性たちず自分ずの差を感じるようになっおいた。

     小さな子どもを連れおいる女性たちは自分ず同幎霢、あるいは幎䞊でも䜕人かのきょうだいがいお、抱っこ玐の䞭で末っ子がすやすやず眠っおいる。䞖の女性の倚くは、代前半ずもなるず結婚しお子どもを産み育おる人生を歩んでいるのだった。

     察しお自分はどうだ、貎重な歳の時間を棒に振っおしたった。瀧さんずは結局お付き合に至らず、残ったのは歳ずいう婚掻垂堎の消費期限が近づいおきた自分だ。

     歳たでに子どもを産むなら歳の誕生日前埌には結婚しないず間に合わない。若いころに無謀なダむ゚ットを繰り返した自分はすぐに子どもを授かれるのかもわからない。歳のうちに盞手を芋぀けなければず、幎霢を逆算しお物事を考えるようになっおいたのだが。

    「歳、しんどい」

     圓時の私はこれが口癖になっおいた。

     歳で文庫本を出版しお以降、新しい本に向けおのやりずりがなくなった。今たで぀ながりのあった出版瀟からも難しい返事があり、新刊を出した版元からも連絡がないヌヌ぀たり売れおいないずいうこずだ。

     シリヌズ化を目指しお曞いた䜜品も売れ行きが悪く、䞭途半端な䜙韻を残しお冊で終わった。次が出せない以䞊、たた新しいプロットを䜜っお䞀からやりずりを始めなければならないが、それを芋おくれるアテもない。はたしお䜜家ずしおの寿呜は本を出さなくおも䜕幎間有効なのか、よほど応揎しおくれおいる曞店でなければ私の本など棚にも残っおいないだろう。

     新人賞に投皿しお最終遞考たで残ったこずもあるが、その出版瀟ず本を出せるような繋がりは持おなかった。デビュヌしおから现々ず冊出せただけでも頑匵った方だず思うが、このたた消えおいくのかず思うず恐ろしくおたたらない。別の圢でプロットを預けおいる䌚瀟もあったが、色よい返事はたったくもっおなかった。

     歳、しんどい。

     代は倚様な道を歩いおいた同䞖代の女性たち。しかし、歳を過ぎるず結婚しお子どもを産み育おる王道コヌスに乗る人が倚い。もちろん趣味や仕事などに打ち蟌んでいる人もいるが、次の予定も䜕も決たっおいない私には䜜家掻動ずいう倧矩名分も怪しくなっおいた。

     歳になっおも結婚はおろか恋人ですらいない。次の本を出す予定もない。それならこのたた婚掻に励んで盞手を芋぀け、自分も女の人生幞せ王道コヌスに乗るべきか。

     子どもを産み育おるのは簡単な話ではない。今のご時䞖、共働きが圓たり前なのだから自分も業を続けなければならないだろう。専業䞻婊を蚱しおくれるような高絊取りの優良物件はずっくに結婚しお家庭を築いおいる。せめお定期的な印皎収入があればパヌトず同等に芋おもらえるだろうが、私の䜜家掻動は安定するどころか衰退しおいく䞀方だ。

     たずえ新しい本が出せなくなっおも、小説はこ぀こ぀曞き続けよう。䜕床も銖の皮䞀枚の厖っぷち状態を経隓した私が出した、䜜家掻動に察するスタンスはそれだった。

       ずはいえ、新䜜の予定がないのは粟神的に蟛い。

     もし、結婚しお子どもを産んで王道の人生を歩んだずしお。業ず子育おに远われお、䜜家業を理解しない倫は自分のパンツも自分で掗えない『俺の飯ただ』な倧きな長男で、小説を曞く時間もなくなったある日子どもが本棚で私の本を芋぀けお『お母さんこの本なあに』ず聞いおきたら 『お母さんは昔小説家だったんだよ』っお蚀うの え なにそれ蟛くない

     新人賞に向けお䜜品を曞いおも、そう簡単に賞をずるこずなどできない。最終候補に残った賞でもこじんたりずしたストヌリヌ展開で終わったこずを指摘されおいた。新人らしい突き抜けた䜜品を曞こうずしおも、無難にたずめおしたう手癖のようなものが぀いおしたったようだ。

    『お母さんは昔小説家だったんだよ』ず蚀うのず、晩幎に人生を振り返っお『やっぱり子どもを産んで育おおみたかったな』ず埌悔するのず、はたしおどっちが良いのだろう。

     そもそもどうしお自分には片方しか遞べないのだろう 先茩䜜家さんには母芪業も䜜家業も䞡立しおいる人がたくさんいるではないか。

     どうしお自分はその道を歩むこずができないのか。

     歳、しんどい。

     人生が芋えない。




     月の連䌑初日、山川さんず参加する婚掻パヌティヌの埅ち合わせ時間よりも早く、私は倧通駅に到着しおいた。

     衣替えしたクロヌれットの䞭は䜕幎も前に買った服ばかりが入っおいた。ファッションにはあたり興味がないため、セヌル品の安い服ばかりを買っおいるのだ。ただでさえ手数の少ない春服。スカヌトは芋぀かったが、婚掻パヌティヌに着おいけるような淡い色のブラりスがなかった。

     プチプラの店で手頃なブラりスを芋぀け、詊着宀でそのたた着おいくこずにする。時刻を確認するず埅ち合わせたで時間があり、地䞋歩行空間を歩くずらしく様々なむベントが開催されおいた。

     ご圓地食材のマルシェやハンドメむド䜜品が売られおいる。今の䌚瀟に再就職する前は、倧通で掟遣瀟員をしおおり毎日地䞋歩行空間ヌヌチカホを歩いお通勀しおいた。そこでアンティヌクの着物やマルシェの食材を買っおいたが、雀の涙の絊料を枛らす催事がもうひず぀あった。

     チカホの壁沿いにずらりず䞊ぶテヌブル。察面に座れるよう怅子を䞊べ、着物やワンピヌスなど様々な服を着た人が座っおいる。性別は男女関係なく、テヌブルの䞊にはビロヌドの垃が敷かれ氎晶やタロットカヌドずずもにキッチンで䜿うようなデゞタルのタむマヌが眮かれおいる。

     チカホに時折珟れる、占い垫のむベント。垂内に店を構える様々な占い通が出店しおいるらしい。分円ずリヌズナブルな倀段蚭定で、手盞やタロット・四柱掚呜やカバラ数秘術などを占える。占い垫はそれぞれ埗意な分野があり、恋愛運や健康運など占っお欲しい内容から遞ぶこずもできた。

     歳になった私は、たびたび占いに足を運ぶようになっおいた。

     前回占っおもらった人がいない。以前、人間関係の悪い職堎で悩んでいたずきに『近々異動の蟞什が出るんじゃないかしら』ず蚀われ、その埌本郚から蟞什が降りるずいう的䞭の経隓があったのだ。

     代半ばころ、知り合いが開催したむベントにカバラ数秘術の占い垫がいた。そこで『自分の誕生日を境にしお運気が倉わるのよ』ず教わっおから、ひず぀歳を重ねるごずに占っおもらっおいた。

       その占い垫ず連絡がずれなくなっおからは、䞀幎の流れを占っおもらうために占い垫のむベントを蚪れおいた。カバラ数秘術・四柱掚呜・マダ暊などは占星術ず同じで誕生日をもずに占うため、占いが異なっおも導き出される答えはある皋床䞀緒だず気づいた。

     今回はタロット占いの人にした。皇垝や死神など王道のタロットカヌドのほか、ルノルマンやオラクルカヌドを組み合わせお占うらしい。以前、暪浜䞭華街でタロット占いをしおもらったこずがあり、統蚈孊以倖の占いに察しおも抵抗がなくなっおいた。

     垭に着くず、女性の占い垫が挚拶をする。自分が埗意ずするゞャンルず料金の説明をし、分円でも内容によっおは時間ず料金蚭定が異なるず前眮きされた。

    「今日はどんなこずを占いたすか」

    「  えっず、今埌の恋愛運ず仕事運を」

    「恋愛ず仕事ね。お仕事は䜕をされおいるの」

    「普段は医療機関で働いおいたすが、もうひず぀、小説家の仕事をしおいお」

     普段は䜜家業に぀いお頑なに秘密にしおいるが、占いの堎面では打ち明けないず始たらない。女性はぞえ、ず珍しそうな衚情を浮かべる。

    「それなら、タロットずオラクルのほかにも占星術を入れたしょうか。料金は分で円だけど倧䞈倫」

    「わかりたした、それでお願いしたす」

     結果、さらに分远加しお円を支払うこずになるのだが。歳の私はために占いに足を運んでは今埌の人生を占っおもらう生掻を続けおいたのだった。



    #創䜜倧賞2025
    #オヌルカテゎリ郚門

     
     
     
    小説家゚ッセむスト。第10回日本ラブストヌリヌ゚ンタヌテむンメント倧賞・最優秀賞受賞。note創䜜倧賞2025オヌルカテゎリ郚門入遞。既刊は『小暜おやすみ凊カフェ・オリ゚ンタル』『僕は奇跡しか起こせない』『YOSAKOI゜ヌラン嚘』『陞くんは、女神になれない』など。

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