
数式ミステリー㊱「1次元からこんにちは」
「2点 (2, 5) と (6, 2) を通る直線だから、ここに直線を引いて」
スーッ
「こんにちは」
「えっ?」
「1次元から、こんにちは」
「1次元?この直線のこと?」
「そうです。私は1次元の数学者です」
「この直線にいるっていうこと?」
「そうです。この直線にいます。ただ、人間がペンで直線を引くと、どうしても少しだけ幅ができます。でも、私たちにとっての直線は、その幅すらまったくない線です。そもそも『幅』という概念は、私たちにとっては数学の言葉でしか表現できない、とても抽象的なものなのですが」
「なんで、そんなとこにいるの?」
「私は情報として存在しています。だたし、この線に沿ってなら移動することはできます」
「ふーん。じゃあここで、この直線を一辺にして正方形を書いてみると・・・」
カキカキ
「おお、なんだ! 今、この直線のあちこちで、どこか別の世界を示す情報の変化が起きている。超常現象だ!」
「平面を書いただけだよ」
「平面、2次元の世界のことか。我々は1次元の住人なので、平面の世界は実感として認識できないのです」
「そうなの?でも、2次元は分かるんだね」
「それは実感できるのではなく、抽象的で数学的な概念として、頭の中でイメージしているだけなのです。君のいる3次元も、数学的に考えていくことはできます。君が4次元の世界を実感することはできないけれど、数学的には、頭の中で考えることができるのと同じことです」
「あれさっき、0次元の人も同じこと言ってたよ」
「0次元の住人も?我々は1次元の住人なので、0次元よりは広い世界にいます」
「へー、じゃあ僕は3次元のもっと広い世界にいるんだね」
「そうです。3次元は我々には実感できない、もっと高次元の世界なのです」
「じゃ僕、もっと広い4次元を研究する数学者になるよ」
「志が高いね。これからも、しっかり勉強していこう」
「じゃあ、またね」
(コメント)
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