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数式ミステリー④『霊が見える』

    「初めまして、家庭教師の竹村です。えーと、森田君は小学3年生…」
    「はい」
    「算数は得意ということで、もっと発展的な勉強がしたいと」
    「はい」
    「わかりました。それでは、中学で習う文字式の計算を始めましょう。まずはテキストのこの問題。次の式を計算しなさい」

    x(y−z)+y(z−x)+z(x−y)\begin{align*} x(y-z)+y(z-x)+z(x-y) \end{align*}

    「先生、霊が見えます」
    「霊?」
    「はい、霊です」
    「霊ってどこに?」
    「ここです」
    「ここ?、いや、ここってテキストだから。まあまあ、とりあえず先生が解いてみるからよく見てて。まずはカッコがあるから展開して」

    x(y−z)+y(z−x)+z(x−y)= xy−zx+yz−xy+zx−yz\begin{align*} &x(y-z)+y(z-x)+z(x-y)\\ =\,&xy-zx+yz-xy+zx-yz \end{align*}

    「見やすいように並べ替えると…」

    xy−xy+yz−yz+zx−zx=0\begin{align*} xy-xy+yz-yz+zx-zx=0 \end{align*}

    「あれ、ゼロになるね。答えあってるの?、やっぱりゼロか。えっ、ゼロ…?」
    「そう、零」



    (コメント)
    400字短文小説の投稿サイト『ショートショートガーデン』に投稿した理数系ショートショートです。数式を書ける仕様ではなかったため、400字の制限を超えて加筆修正し、美しい数式の描けるこちらに再投稿します。

    400字という制限も魅力です。タイトな原型(400字バージョン)や、一般のショートショートは、以下の『ショートショートガーデン』で読むことができます。⇩

    理数系ショートショート

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