
数式ミステリー④『霊が見える』
「初めまして、家庭教師の竹村です。えーと、森田君は小学3年生…」
「はい」
「算数は得意ということで、もっと発展的な勉強がしたいと」
「はい」
「わかりました。それでは、中学で習う文字式の計算を始めましょう。まずはテキストのこの問題。次の式を計算しなさい」
「先生、霊が見えます」
「霊?」
「はい、霊です」
「霊ってどこに?」
「ここです」
「ここ?、いや、ここってテキストだから。まあまあ、とりあえず先生が解いてみるからよく見てて。まずはカッコがあるから展開して」
「見やすいように並べ替えると…」
「あれ、ゼロになるね。答えあってるの?、やっぱりゼロか。えっ、ゼロ…?」
「そう、零」
(コメント)
400字短文小説の投稿サイト『ショートショートガーデン』に投稿した理数系ショートショートです。数式を書ける仕様ではなかったため、400字の制限を超えて加筆修正し、美しい数式の描けるこちらに再投稿します。
400字という制限も魅力です。タイトな原型(400字バージョン)や、一般のショートショートは、以下の『ショートショートガーデン』で読むことができます。⇩