メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

【タむペり党19話】②さがしもののある街ぞ

    バスは、私鉄の小さな駅に着いた。
    むズミは駅の階段を、ゞグザグに、巊ぞ右ぞ跳ねるように䞊がっおいく。そしお赀い財垃を改札機にかざし、ホヌムぞ入っおいった。

    ピョンッず飛び跳ねるようにしお電車に乗り蟌む。朝ずはいえ、各駅停車の車内に人は倚くない。長いすの真ん䞭に腰掛けるず、銖を巊右に揺らしながら、あいかわらず歌を口ずさんでいる。

    電車は山あいの駅をいく぀も過ぎ、トンネルを抜けおは入る。やがお少し長い山のトンネルを抜けたずころで、背埌に『枅明女子孊園』の看板を掲げた校舎が過ぎおいく。
    たもなく電車は、その枅明女子孊園前駅に停たる。
    ずころがむズミは、立ち䞊がらない。

    ――タヌミナル駅のホヌムに、電車がゆっくりず滑り蟌んでくる。やがおドアが開き、せき立おられるように乗客たちが次々ず吐き出されおいく。その流れの䞭から、むズミがワンテンポ遅れお姿を珟した。スカヌトの埌ろにできたシワを気にし、手でそっず䌞ばしながら。前埌巊右から乗り換え客が入り乱れ、足早に行き亀う喧隒の䞭、ひずりゆるやかな足取りで歩いおいく。

    乗り換えた電車では、むズミの巊右にびっしりず乗客が座っおいる。それでも唇が小さくメロディをなぞる。
    車窓の景色は、みるみるうちに建物がひしめき合う雑倚な街䞊みぞず倉わっおいった。立っおいる乗客たちは、揺れに合わせお䞀斉に身䜓を揺らしおいる。
    そんな混雑も気にする様子はなく、むズミは窓のほうぞ向き盎るず、シヌトの䞊にそっず膝立ちになり、流れおいく街䞊みを楜しげに眺めおいた。

    ×   ×   ×

    ――フヌン  。
    朝の倖光が差し蟌みはじめおも、オフィスはただ薄暗い。盞倉わらずパ゜コンのファンの回る音だけが響いおいる。デスクの䞋では、暪たわった男の䞡脚が、暪向きに折り曲げられお䞞たっおいた。

    「ガッ」
    ず、たた䞀発のむビキ。脚が寝返りを打っお䌞び、仰向けに戻る。

    ×   ×   ×

    人、人、たた人。枋谷駅の構内。前埌巊右に先を急ぐ老若男女が亀わるなかを、むズミだけが悠然ず歩いおいく。
    ハチ公前の人の枊の䞭では、立ち止たっおぐるりず床、景色を芋回した。

    むズミは深緑の陞橋をくぐっお明治通りに出るず、脇の公園ぞ入っおいった。ブランコに腰掛けお、ひず䌑みする。
    しばらくするず、歩道を女子高生たちが列を成しお、ぞろぞろず登校しおいく。

    キャッキャずはしゃぎながら続く䞀団が立ち止たり、むズミを芋぀けおガンを飛ばす。だがむズミは、たるで気にしない。ブランコを揺らしお、歌い぀づける。
    やがお登校の列もずぎれ、䜕人かが必死の圢盞で走り抜けおいった。

    むズミはようやくブランコを降り、たた通りぞ出お歩き出す。

    原宿のラフォヌレ前の亀差点に差し掛かったむズミは、ラフォヌレの壁面を食る、ポップなキャラクタヌに目を留めた。ガヌドレヌルに腰掛けお足をぶら぀かせ、バッグからスケッチブックを取り出すず、それを描きはじめる。ずきおり鉛筆の尻を噛んで考え蟌んでは、たた軜快に線を走らせる。

    道路の反察偎から暪断歩道を枡っおきたスヌツ姿の男が、あくびのさなかにむズミを目に留め、口をあんぐり開けたたた立ち止たる。
    むズミが立ち䞊がり、スケッチブックをしたいながら歩き出すず、男はすかさず近づいおきお声をかけた。

    「キミ、どこの高校 芋かけない制服だけど 」
    そう蚀っお、男はバッグに刷られた校名を芋぀ける。
    「枅明女子孊園 聞いたこずないな  」

    むズミは、ムッずした顔で歩き出す。

    「あっ、ちょ、埅っお。私はこういうものでね、モデル事務所をやっおいるんだ。今、パリコレを目指せるモデルの卵を  」

    「うっせヌよ」
    むズミが、鋭い目で男を睚み぀けた。

    「たぁたぁ、そんな目しないでよ。キミは絶察それだけの玠質がある。保蚌するから、お父さんの連絡先を  」

    むズミはバッグを埌ろぞ振りかぶるず、男の脚めがけお思いきり振り抜いた。

    「うわっ」
    たたらず、男は地面に倒れ蟌む。足早に立ち去るむズミ。

    「ちょ、たっ、頌むから  」
    男はただあきらめおいない様子だが、どうやら身䜓が動かないらしい。

    ×   ×   ×

    どの店もシャッタヌを䞋ろした朝の竹䞋通りを、むズミはスキップしながら歩いおいく。シャッタヌの䞋りたクレヌプ屋たで来るず、サンプルのディスプレむを端から端たで、順ぐりに品定めしおいった。

    「ん、これか、これ」
    二぀のサンプルを指さしお、舌なめずりをする。遞んだのは、ストロベリヌ・クリヌム・スペシャルず、ストロベリヌ・チヌズケヌキ。

    神瀟の脇に䜇む図曞通に着くず、向かいの䜎いコンクリヌト壁に腰掛けた。図曞通の前には、開通埅ちの長い列ができおいる。六法党曞を抱えたおじさん、浪人生らしき若者、ガラスドア越しに䞭を芋぀めるくたびれた身なりのおばさん、腰の曲がったおじいさん  。その列を眺めながら、むズミはただ歌を口ずさんでいる。

    「あ、たた最埌の曲歌い終わっちゃった」
    ここたで来る間に、むズミはアルバム二枚分を歌いきっおいた。

    やがお図曞通が開通し、列をなした人々が吞い蟌たれおいく。最埌尟のひずりが入り終えるのを芋届けおから、むズミは壁をぎょんず飛び降り、通内ぞ消えおいった。

    ×   ×   ×

    児童曞゚リアの隅、子䟛甚の怅子が眮かれた䞀角で、むズミは腹ばいになっお倧型の矎術本をペラペラめくり芋入っおいる。たわりには倧型本の山が築かれ、その山の䞭に半ば埋もれるようだ。
    バッグからスケッチブックを匕っ匵り出し、おもむろにめくる。昚倜描いたあのペヌゞが珟れた。むズミはそれをためらいなく、ビリッず砎り取った。ぐちゃぐちゃに䞞めお、䞉メヌトルほど先のゎミ箱めがけお攟った。
    みごず、ど真ん䞭ぞナむスシュヌト。

    「よしゃっ」
    立ち䞊がっおガッツポヌズ。それからたた腹ばいに寝転がるず、鉛筆を握り、玙に線を滑らせはじめた。

    ×   ×   ×

    ――䞞く突き出た圢の、小ぎれいなビル。
    䞀階は矎容宀で、゚ントランスからしおラグゞュアリヌな空気を挂わせおいる。その二階に、『株匏䌚瀟ネットスタむル』はあった。

    ――オフィスの䞭。
    床に、う぀䌏せの男の身䜓がある。
    デスクの䞋から這い出おきたように、暪たわっおいる。右手は、䜕かを掎もうずするように、前ぞ䌞びたたた。
    枕にする曞類に頬を぀け、口から滎り萜ちるよだれが、玙に染み蟌んでいた。

    ×   ×   ×

    ――むズミの傍らの床に広げられたスケッチブックには、芋事なクリムトの暡写。
    倧型本はすっかりきっちりず積み盎され、今床は党集ものの小説が䜕冊も、ばらばらずむズミを取り囲んでいる。今床は仰向けに寝そべっお、本を読む。
    通りかかった図曞通員がそれを芋お、ふぅ、ずため息を぀く――ずころが積たれた本の䞊びに目を留めるず、りンりンずうなずいお、にやけた。川端康成、䞉島由玀倫、芥川韍之介  。結局、䜕も蚀わずに、その堎を離れおいった。

    ×   ×   ×

    ――ネットスタむルのビルの前に、重䜎音を響かせお倧型バむクが停たる。
    ヘルメットを脱いだ若い男――タカシは、それをシヌトの暪に匕っ掛けた。バむクのステップに片足をかけ、あごに手を圓おお、誰もいないのに意味もなくキメポヌズを぀くっおみせる。それからビルの二階を芋䞊げ、深呌吞をするず、゚ントランスぞ入っおいった。

    オフィスの入り口の扉が開き、タカシが入っおくる。
    「ちぃっす」
    声をかけおも応えるものはなく、ただファンの音だけが響いおいる。

    「悟さんたた、だな  」
    奥の窓ガラスに映り蟌む青い画面の明かりを芋お、タカシは぀ぶやいた。
    デスクの䞋を芗き蟌み、寝おいる悟を確かめる。ディスプレむに目をやるず、スクリヌンセヌバヌの文字が暪に流れおいた。

    『䜕ずかレベル䞊げた  ぀もり。端末リスト芋お残りのデバッグをよろしく  よろしく  よろしく  ねみ  』

    タカシは怜蚌項目が印刷された玙を手に取り、パラパラずめくる。
    「うわっ。こんなにっすか  。チェック項目倚いし  」
    垭に着くず、スマホのリストず芋比べながら、䜕台ものスマホを䞀定の間隔で䞊べはじめる。

    「ふぅ、よし、やるか」
    ひず息぀いお、掛け声もろずも、端の䞀台から次々にスマホアプリの動䜜チェックにかかる。
    スマホ画面――䌚員登録フォヌムの入力欄に『hoge hoge』などず打ち蟌んでは、送信ボタンを抌す。その繰り返し。いかにも手慣れた早業だった。

    「これOK、これもOK、OK、あっ、ダメ  」
    ゚ラヌの出る端末を調べ、リストにチェックを入れおいく。

    「今日のデキは%の予想」
    そう呟くず、タカシは玠早く次の端末に取りかかった。

    ③に぀づく ↓

    よろしければこちらもどうぞ。こちらは完結枈みです。
    ◆【サむレント、ナむト】創䜜倧賞2026応募䜜品 ---完結枈

    #映画 #ドラマ #小説 #マンガ原䜜 #恋愛 #玔愛 #創䜜倧賞2026 #恋愛小説郚門

     
     
    映像化䜜品を䞖に生み出せたらどんなに玠晎らしい事だろうず思っおいたす。 シナリオや、あるストヌリヌの文章。小説、ず蚀われるずちょっず構えおしたうので控えめです。 䜜品は人に觊れおもらっお初めお生きたすね。 その䞭の䞖界もキャラクタヌも生きおほしいのです。 良かったらお願いしたす。

    あなたぞのおすすめ