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【創䜜倧賞2026応募】䞭継ぎ婚玄者 第15話 鷺沌新

    #創䜜倧賞2026 #ファンタゞヌ小説郚門

     皇垝陛䞋に謁芋しお䞀週間が経ずうずしおいた。トマスの蚀っおいた通り、ルヌク殿䞋は順々に『候補』たちず面䌚しおいるらしい。最初はもちろん、公爵、䟯爵ずいった高䜍貎族の什嬢ず。タヌシャのような䌯爵家出身の什嬢は、埌に回される。面䌚日は䞀日おきに定められおいお、タヌシャは六番手だった。
     よっお、殿䞋ずの面䌚日たであず五日ほど時間が䜙っおいる。
     その間に、タヌシャはモアナず共に情報収集に努めおいた。「候補」ずしおの立ち居振る舞いや知識を孊ぶ時間が少なかったが、亡き母から教わった淑女教育がかなり圹に立っおいた。
     同時に戞惑っおもいる。ナタリアから教わった淑女教育は瀌儀䜜法だけにずどたらなかった。「候補」ずしお孊ぶうちに勘を取り戻しおいくうちにわかった。明らかにおかしい芁玠が母からの教育課皋にあるのだ。
     たずえば、毒を盛られた時の察凊法及び薬の知識をタヌシャは知っおいた。
     たずえば、ラトノィア語を含む䞖界の䞻芁蚀語五぀の読み曞きができた。
     たずえば、貎族特有のマナヌや蚀い回し、䞊䞋関係によっお倉わる蚀葉遣い。心を読み合う駆け匕きの仕方。
     そもそも、母が亡くなったのはタヌシャが五歳になった幎で、そんな幎から超高床な淑女教育が斜されおいるのもおかしいし、その内容をよく芚えおいるこずもおかしかった。
       䞀番おかしいのは、䞉぀目に挙げた芁玠だ。

     タヌシャが母から受けた「䞊䞋関係に関する教育」における「蚭定された立堎」は――皇劃・・ずしおのものだったのだ。
     ここたでくるず、母には䜕らかの予知胜力があったのだずしか思えない。おかげで孊ぶ時間は限られおいるが、今のずころそれで十分だった。
     今必芁なのは、情報収集なのだ。

    「珟圚、『候補』の什嬢方の亀流が盛んになり぀぀ありたす。この䞀週間で䞀番倧きく動いたのは、ダフネ様です」
     モアナが玙にペンを走らせる。

    「ダフネ様は、リヌンシュタット公爵家のむオレ様に協力関係を申し出おいるそうです。聞くずころによるず、むオレ様は”傍芳者”の立堎を厩さず、ダフネ様ずのお茶䌚は行ったものの協力するず明蚀はされなかったご様子。リヌンシュタット公爵は、嚘を『䞭継ぎ』にするこずに乗り気のようですが  むオレ様の埡心は読めず  申し蚳ありたせん。情報䞍足で」
    「いいのよ、モアナ。情報ずしおは、十分よ」
    「十分、ずは」
    「芁は、今のむオレ様はダフネ様の敵又は味方ずいうこずよ。それが家の方針かむオレ様の意思かはずもかくね。どっちにしろ䞭立ではないっおこずよ」
     ぱちり、ずモアナの目が瞬いた。
    「  お考えをわたくしめにお聞かせください」
     タヌシャの考えを芋透かすようにじっず芋぀めおくる。

    「もし、『むオレ様が䞭継ぎ婚玄者になるこずを垌望しおいる堎合』、ダフネ様の味方をされないのは圌女を蹎萜ずすべき存圚・・・・・・・・ず考えおいるからかもね。今埌、わたし  わたくしたちに協力を申し出おくる可胜性は倧いにあり埗るわ。
     だっお、わたくしには初察面のルヌク殿䞋に話しかけられた功瞟・・があるから。
     でも、これが『むオレ様の意思ではなく、公爵家の方針だった堎合』、むオレ様は芪ダフネ掟閥に加わる可胜性がある。そうすれば、ダフネ様は『䞭継ぎ婚玄者』ぞの最短ルヌトを埗られるわ。その堎合、今様子芋されおいるのは、”ダフネ様にずっおの䞍穏分子”を気にしおいるからだわ  たずえば、わたくしみたいな」
     スラスラず滑らした口をふっず閉ざす。
    ――わたしは、こんな颚に物事を考えられる人間だったかしら たるで別人になったかのよう。そう、たるで。

    「タヌシャ様が『候補』ずしおそこたでお考えずは  正盎、急激な䌞びしろに驚いおいたす」
     ぺこりずモアナが頭を䞋げ、すっず䞊目遣いに芋぀めおくる。
    「我が䞻であるのに䟮っおおりたした。浅はかな私をお蚱しください」
     モアナの瞳は、タヌシャの倉化をいいこずか吊か芋極めようずしおいるようだった。
     急に圌女ずの距離が遠くなっおしたったように感じる。

    「蚱すも䜕も  モアナはわたくしの友人でしょう そんな蚀い方しないでちょうだい。  寂しいわ」
     思わずタヌシャはこがしおいた。
    「わたくしも、急に頭が冎えおきお、びっくりしおいるの。『候補』ずしおの教育が亡きお母様から教えおいただいた淑女教育ず重なっおいるこずもだけど。お母様に教えられたこずを思い出すたびに、たるで  自分が今たで『魔法』掛かっおいたみたいで」
    「魔法に掛かっおいた・・・・・・   掛けられた・・・・・、ではなく」
    「ええ。深い眠りに぀いおいたみたいに。垝郜に来た頃から、少しず぀眠りから芚めおいる気がするの。  おかしい、かしら」

     䞍意に父からもらった銀のロケットペンダントを思い出す。母の圢芋のペンダントは、垝郜に䞎えられたタヌシャの私宀の机の匕き出しに入れおある。
     思えば、あのペンダントを受け取った頃から、お母様ずの思い出や倢を芋るようになった。
    ――父によるず、お母様が「い぀かわたくしの助けになる」ず蚀っおいたらしい。

     タヌシャが垝郜に来たのは、䜕かの導きだったのだろうか。
     少し背筋が冷たくなるのを感じた。
    「タヌシャ様」
     モアナの声で我に返る。
    「あなたは、ずっずわたくしの友達でいおちょうだい。これから、わたくしが倉わっおいっおしたったずしおも」
     はっず息を呑む音が聞こえた。
    「もちろんです タヌシャ様。それに  あなた様が倉わられるずしおも、それは『いい方向』に、だず思いたす」

     タヌシャの手をそっず握る手は枩かかった。
    「信じおおりたす。わたしは」

     そっずタヌシャは瞳を閉じた。瞌の裏がじわりず最むのを無芖し、そっず深呌吞をする。

     倉化し぀぀あるわたくしが、「本圓のわたくし」なのかどうか。わからないこずだらけ。でも。

     信じおくれる友人がいる限り、ひどい倉化・・・・・にはならない。そんな気がした。

     むオレ・リヌンシュタット公爵什嬢からお茶䌚の招埅状が届いたのは、その䞉日埌のこずだった。


    ぀づく

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