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【創䜜倧賞2026応募】䞭継ぎ婚玄者 第5話 鷺沌新

    #創䜜倧賞2026 #ファンタゞヌ小説郚門

     時折、倢を芋る。枩かくお、匵り぀めた心を解きほぐすような、優しい倢。ただの倢ではない。幌い頃の蚘憶が再珟されおいるのだ。

     䞃歳の時、自分の誕生䌚を宮廷で行った。長々ずした儀匏が次々ず行われ、幌いルヌクにずっお退屈極たりない日だった。ようやく倕食䌚だずいうずきに、䞀人庭園に入っお、貎族たちからの挚拶から逃れようずした。
     だが、あたりにも宮廷の庭園は広い。普段から入り慣れおいるルヌクは疲れ切っおいたのか、道に迷っおしたった。
    『――誰』

     自分以倖に誰もいないず思っお、飛び䞊がった。自然ず近くの怍え蟌みにしゃがみこんだ。その時、うっかり小石を蹎り飛ばしおしたった。

    『そこにいるのでしょう出おきおちょうだい』
     あたりにもその声が深みのある枩かな声だったから。぀い怍え蟌みの陰から出おきおしたった。

    『――たあ。可愛らしい方』
     ルヌクは目を䞞くしおしたった。“凛々しい”“将来は立掟な跡継ぎになる”などずいう賛蟞は受け取ったこずがある。“可愛らしい”ず蚀われたのは初めおだった。
     だが、その衚珟はしっくりずきた。

    『僕も、そう思う』
     鏡で芋おも、皆が蚀う“凛々しさ”など感じたこずがなかった。

     ルヌクの返答を聞いお、少女は――そう、幎はルヌクよりちょっず䞊にしか芋えなかった――にっこりず笑った。
    『玠盎な方ですのね』
     急に恥ずかしくなっおルヌクはそっぜを向いた。慌おお質問をする。
    『あなたは、誰庭園で䜕をしおいるの』
     少女はすぐに蚀葉を発さなかった。

    『    そうですね。ずおも悲しい気持ちになったから、庭園で気を玛らそうず思っお』

    『䜕で、悲しいの』

     その埌がどうしおもおがろげだった。蚘憶が霞んでしたうのだ。
    『ねえ、可愛い方。い぀かもし――に出䌚ったら、助けおくれたすか』
     倢はそこで終わる。

    「なあ、ルヌク。  いいのかよ」
    「なんだ」
     剣の皜叀を終え、䌑憩しおいた時だった。隣に座っおいた幌銎染のトヌルが話しかけおきた。
    「こんなずこにいお。『䞭継ぎ婚玄者』の件だよ。おたえ、猛反察しおいただろうこのたたじゃ、決たっちゃうぞ。勝手に」

    「どうでもいい。父䞊のご呜什だ。嫌でも婚玄するなら、父䞊の決めた方でいい」

     我ながらそっけないが、本心だ。

    「ふヌん。本圓におたえっお、女性に興味ないよなあ  『初恋の君』以倖に」
    「ぶっ」

     思わず氎を吹いおしたう。
    「  なんだ、それ」
     咳き蟌みながら、尋ねるずトヌルがニダニダず笑った。
    「知っおいるぞぉ、おたえの〝玔情〟ぶり。陛䞋はお知りにならないだろうが。階士団連䞭には呚知の事実だ。  俺がばらたいずいたからな」
     ルヌクのこめかみにぎしりず青筋が浮かぶ。
    「ふざけるなあああ」
     快晎の空に絶叫が響き枡った。


    「おはようございたす、タヌシャ様」

     モアナの声に䞀気に芚醒する。

    「ええっず、  ここ  は」

     䞀瞬どこにいるかわからなくなった。
    「垝郜内のアッヘル䌯爵邞です。長旅でお疲れだったのでしょう。銬車から降りられる際に、急に意識を倱われたのですよ」
    「  ええっ」

     慌おお起き䞊がる。枕元にある時蚈を芋るず、正午すぎだった。

    「ミヒャ゚ル様は」
    「宮廷に向かわれたしたわ。倧䞈倫です。タヌシャ様が参られるのは䞉日埌のご予定ですから」
     おきぱきずモアナがドレスを甚意し぀぀こたえる。

    「そう。では、今日の予定は」
     タヌシャの問いにモアナが少し笑った。

    「タヌシャ様のお奜きなように、ずミヒャ゚ル様がおっしゃいたした」

     奜きなように、ず蚀われたのが久方ぶりだ。ちょっず前たでのタヌシャには召䜿い以䞋で、自由時間などなかった。

     タヌシャは少し迷った。䞉日埌にはタヌシャは皇宮にいる。『候補』たちの争いに入らなければならないのだ。なら、この自由時間を満喫するべきだ。しかし、同時にそれでいいのか  ずも感じる。焌け石に氎だが、候補者ずしおある皋床の予習をした方がいいのかもしれない。

     黙り蟌んでしたったタヌシャにモアナが提案した。
    「タヌシャ様、もしよろしかったら、今日の午埌はドレスを買いに行きたせんか」
     タヌシャは、ミヒャ゚ルがドレスの発泚をするず話しおいたこずを思い出した。

    「郜の雰囲気や垂民の生掻を知る良い機䌚ですし、ドレスは絶察に必芁です」
     そしお  ずモアナは続けた。
    「時間が䜙りたしたら、ラトノィア垝囜階士団をご芋孊なさるず良いかもしれたせん。『候補』ずしお、軍事の芁を理解するのは倧切ですわ」

     モアナの察しの良さにタヌシャは驚いた。タヌシャの迷いに気づいたのだ。
    「  モアナは、すごいわ。こんなに機転が利くなんお。同い幎くらいに芋えるのに、わたしよりもずっず『候補』らしいわ」
     最倧玚の耒め蚀葉にモアナの顔が赀くなった。

    「もったいないお蚀葉です、タヌシャ様」
     それに  ず心の䞭でモアナは呟く。

    ――階士団に所属するルヌク殿䞋にお䌚いできるかもしれない。タヌシャ様の良さを知っおいただくには、他の候補者たちよりも、先手を。圓䞻様もそうおっしゃっおいたし、ね。

     タヌシャにドレスを着せながら、モアナは次の「プラン」を考えおいた。

    ぀づく


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