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゜ヌシャルネットオヌクション 第䞀郚001 "萜札者"にご甚心芋えない盞手..【創䜜倧賞2025】【ミステリヌ小説郚門】

    あらすじ

    初めおオヌクションサむトに1500円で出品した灰皿が、なんず75䞇円で萜札された750円の朚圫り土産は195䞇円30䞇円のゎルフセットは7500䞇円垂䟡の䜕癟倍もの額で次々ず萜札しおいくのは“マヌズ”ず名乗る埗䜓の知れない盞手だった。
    第䞀郚〈アルバヌト線〉では、ゎシップ専門の小さな通信瀟に勀める気匱な青幎・アルバヌトが、䜕気なく出品を続けるうちに、マヌズの“ずんでもない取匕”に巻き蟌たれおいくヌヌ。
    そしお第二郚〈モニカ線〉は、17幎埌。防犯機噚販売䌚瀟に勀める内気なOL・モニカが、ランゞェリヌを出品したのをきっかけにじわじわずマヌズに远い詰められおいく――。
    ふたりの運呜はそしお、マヌズの最終目的ずは

    本線

    【第1話第䞀郚 アルバヌトの堎合 001】

     アメリカ北東郚、゜ンフォヌト州ディアランドシティ。人口䞇人足らずの、この地方にはよく芋かける叀く地味な地方郜垂である。

     月の寒い朝。この街の䞭心地から少し離れた堎所。〜階建おの叀がけた雑居ビルが建ち䞊ぶ゚リア。狭い歩道に怍えられた街路暹はどれも葉を萜ずし、枝だけを曇った鉛色の空に向かっお䌞ばしおいた。
     この蟺りには叀そうな小さなハンバヌガヌショップが軒あるだけでほかにはこれずいった店は䜕もない。
     朝ずいう時間垯もあり、行き亀う人は足を止めるこずもなくコヌトの襟を立おお、せかせかず歩くだけ。車の埀来はたたあるが、停車するこずもなくただ走り抜けお行く。

     くすんだレンガ䜜りの小さな階建おのビルの前で青幎は足を止めた。呚蟺同様、このビルもお䞖蟞にもキレむずは皋遠く、ただ歎史だけを感じさせるものだった。青幎は狭く薄暗い゚ントランスに螏み入れお行った。
     すぐ巊手の壁に鉄補の郵䟿受けが蚭眮されおいた。郵䟿受けも至るずころの塗装が剥げ、そこが赀茶色に錆びおいた。郵䟿受けの口は぀。階建おなので、すぐにフロアにテナントだずわかった。
     青幎は郵䟿受けに『゚ンゞェル通信瀟』の名前を確認するず奥ぞ進んだ。郵䟿受けの先には四角匵ったゎツむ自販機があり、猶コヌヒヌなどの飲料が売られおいた。その奥に朚補の階段があった。゚レベヌタヌはなかった。階段は自販機の䞊を越えお䞊階ぞず続いおいた。
     青幎は䞀瞬躊躇した衚情を浮かべたが、すぐに自分を玍埗させるようにしお階段を䞊っお行った。

     階段は段䞊がるず螊り堎になり、そこから右回りに折り返しお䞊の階ぞず続いおいた。青幎はそれを階たで䞊がっおいった。右手の階段はさらに階ぞず続いおいたが、青幎は巊に向かった。
     短い廊䞋の右の壁に黄土色をした朚のドアがあった。ドアにぱンゞェル通信瀟の名前はなく、ず明朝䜓の黒い文字だけが曞かれおいた。ず曞かれおはいるが、このフロアにはこの郚屋しかなかった。

     青幎は緊匵した面持ちでひず぀倧きく深呌吞をしおからドアをノックした。すぐに䞭から「どうぞ」ずいう聞き芚えのある男性の声が返っおきた。
     青幎はノブに手を掛け、ドアを抌し開けた。デスクが぀向かい合わせに眮かれただけの殺颚景な郚屋だった。
     片方のデスクにはパ゜コンが眮かれ、そこに座った同い幎くらいの男性がこちらを芋おいた。青幎は「やあ、ティム。ありがずう」ず蚀い、ようやく笑顔を芋せた。ティムず呌ばれた男も「こちらこそありがずう。よく来おくれたね」ず立ち䞊がり笑顔で返しおきた。ティムは青幎を手招きし、郚屋の奥ぞず促した。奥には、このビルには䞍釣合いな焊げ茶色の重厚なドアがあった。
     ティムはその重厚なドアをノックしお「瀟長、来たしたよ」ず䞭に向けお蚀った。

    「どうぞ入っお」

     ドアの向こうから重䜎音の濁声か戻っお来た。その声に青幎は再び緊匵した面持ちに戻った。
     ティムがドアを開け、人は奥の郚屋に入っおいった。
     奥の郚屋は手前の郚屋の倍は広かった。入っおすぐに黒革の豪奢な゜ファセットが目に飛び蟌んできた。右奥のコヌナヌには高さほどの倧きな鉢怍えの芳葉怍物が眮いおあった。
     重䜎音の声の䞻は郚屋の巊偎にある焊げ茶色の豪奢なデスク、肘掛け付きの高い背もたれの黒革の倧きな怅子に腰掛けおいた。癜色人皮のわりに顔は浅黒く、荒れた皮膚、垂れた頬、䞀芋しお匷面の男がギョロっずした぀の目玉でこちらを芋おいた。黒地に癜のピンストラむプのスヌツ、襟の倧きな癜のカッタヌシャツ、赀地に癜のドット柄のネクタむ、代埌半を思わせる倧柄で恰幅の良い男だった。
     蛇に睚たれた蛙ずいうが、巚倧なヒキガ゚ルは小さな蛇を飲み蟌むずテレビで芳たこずがある。たさにこの男が巚倧なヒキガ゚ルで、青幎は小さな蛇だった。

    「ようこそ゚ンゞェル通信瀟ぞ。私が瀟長のマッド・ドブロックです。ええず、キミは 」

     ドブロック瀟長は倖芋ずは反した穏やかな笑顔を芋せた。青幎はドブロックの笑顔を芋お少しホッずした衚情を浮かべお答えた。
    「おはようございたす。アルバヌト・スマむズず申したす。僕はこれたで 」
    「経歎はいいよ。キミはティムの玹介なんだから」
     ドブロックはアルバヌトの蚀葉を遮った。
    「でも、ティムずはハむスクヌルを卒業しお以来、幎振りで 」
     それでも説明をしようずするアルバヌトの蚀葉の途䞭でドブロックは再び、
    「倧䞈倫。だいたいのこずはティムから聞いおいるよ」
     そんな 。ティムずはハむスクヌル時代からそれほど仲が良かった蚳でもない。ティムからは先週、突然電話を貰っお、ここに誘われただけ。それたではティムず連絡を取り合ったこずさえない。
     だいたいのこずっお、ティムはドブロックに䜕を語ったのだろう。今は仕事をしおいないずは蚀った。でも倧孊を出たこの幎間で、぀の仕事をすべお芋習いのうちにクビになったこずは、ティムには告げおいない。だから自分が䞍利になるような情報は、ドブロックは持っおいないはずだ。

     そもそも瀟をクビにされた理由もアルバヌトに萜ち床はなかった。ただ、人ずの付き合いが苊手なアルバヌトは、い぀も先茩たちのミスの濡れ衣を着せられた。臆病なアルバヌトはたずもに反論もできず、結果責任を抌し付けられおクビにされおしたうのだった。
     アルバヌトがそんなこずを心の䞭で思っおいるず、
    「じゃ、早速今日からお願いできるかな」

     え それじゃ採甚っおこず

     アルバヌトは話の展開があたりに急で぀いお行けなかった。しかし瀟目をクビになっお以来、どこに面接に行っおも、これたで䞍採甚続きで自信を倱い掛けおいたアルバヌトにずっお、採甚しおもらえるこずはありがたかった。このたた採甚しお貰えるならわざわざ瀟でクビになった経緯を話す必芁はないだろう。そもそも䞍採甚続きの理由も短期間に瀟をクビになっおいるこずが理由だったのだから。

    「それっお採甚っおこずですか」
    「もちろんだずも。よろしく頌むよ」
     するずティムは「じゃ僕はこれで」ず蚀っお、クルっず身䜓を翻すずドアから出お行った。ドブロックはドアが閉たるのを埅っおから、
    「アルバヌト・スマむズくんず蚀ったね。アルず呌んでいいかな」
    「はい、孊生時代もそう呌ばれおいたした」
     ドブロックは立ち䞊がるずアルを゜ファに促した。アルが゜ファに腰を䞋ろすずドブロックも向かいに重たそうな巚䜓を沈み蟌たせた。
    「りチの業務内容はティムから聞いおいるよね」
    「はい。ニュヌスを取材しおマスコミに持ち蟌むこずだず 」
    「そう。マスコミは街の现かいニュヌスたでは集め切れないからね。でも街には、いいニュヌスで溢れおいる。それらをマスコミに代わっお取材するのが、我が゚ンゞェル通信瀟の生業なんだよ」

     街に溢れる现かいニュヌス。確かにマスメディアは政治経枈や倧事件などのニュヌスを远いがちで、垂民の間のニュヌスにたで目が届いおいないかも知れない。
     䟋えば、サンドむッチ店のアむスクリヌムが倧人気だずか、子育おママの間で流行っおいるケヌタむの『着うた』だずか、さらには老婆が萜ずしたカバンを女子校生が老婆の自宅たで届けた ずいったような些现かも知れないが、心枩たるニュヌスはたくさんあるだろう。
     そんなこずを穏やかに語るドブロックの目の奥に、アルはティムから聞いおいた以䞊にやりがいのある仕事かも知れないず思った。

    「あのぅ 、それで僕ぱンゞェル通信瀟でどんな仕事をすればいいんでしょう」
     ドブロックはグッず身を乗り出しおきた。
    「アルの頑匵り次第では䌁画から取材、ネタの持ち蟌みなど、私のノりハりのすべおを教えおもいいず思っおいる」
     ティムは僕をどんな颚にドブロック瀟長に売り蟌んだのだろう。でも瀟長には人を芋る目があるのかも知れない。今たでの僕は人に恵たれなかっただけなんだ。
     アルはドブロックから芋蟌たれたように思うず嬉しくなった。俄然、この仕事に興味ずやる気が湧いおきた。
    「わかりたした。頑匵っお瀟長みたいな人を目指したす」
    「おいおい、どこからはじめたらいいのか、ただアルにはわからんだろう」
     ドブロックはフォフォフォず声を出しお笑った。アルは少し調子に乗り過ぎたず反省した。
    「ス、スミマセン。ずころでティムは今どんな仕事を任されおいるんですか」
    「ティムはただ入瀟半幎だから私のサポヌトだよ。アルにもたずは私のサポヌトからはじめお貰う぀もりだ」
    「わかりたした。ではたずはティムから仕事のむロハを教わればいいですね」
    「いや、ティムはもう来ないよ」
    「え どういうこずですか」
    「ティムはたった今、ここを蟞めたんだ」
    「蟞めた」
    「そう。だからアルには私が盎々にむチから仕事を教えようず思っおいる」

     こうしおアルはドブロックず出䌚った。このずき、アルはただこれから自分の身に降り掛かっお来るおぞたしく䞍思議な出来事に぀いお、たったく想像できるはずもなかった。
     
    【第2話第䞀郚 アルバヌトの堎合 002ぞ続く】 ↓こちらから

    各話リスト

    第2話: https://note.com/bigakudou_2025/n/nb587f81cf963
    第3話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n07b25e8d3340
    第4話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n4a578b475d23
    第5話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n6f28a95b9a55
    第6話: https://note.com/bigakudou_2025/n/nf135fabd79fe
    第7話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n10c8bb71776e
    第8話: https://note.com/bigakudou_2025/n/nb2212deb69f7
    第9話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n49cb5714dd11
    第10話: https://note.com/bigakudou_2025/n/nabbfd7b37ca4
    第11話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n823d6561bd7d
    第12話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n6f0288af8bb8
    第13話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n20ef0403c5fe
    第14話: https://note.com/bigakudou_2025/n/nc7a104f9d982
    第15話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n85b09beb365c
    第16話: https://note.com/bigakudou_2025/n/nf74f3e7609c9
    第17話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n5d6f4b50372d
    第18話: https://note.com/bigakudou_2025/n/nb100cb4101c4
    第19話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n1306a9ea16be
    第20話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n180de3a6caa4
    第21話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n98762fb6578b
    第22話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n0cd58d81b37b
    第23話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n8b68ebc8a070
    第24話: https://note.com/bigakudou_2025/n/nc95a38dc83c5
    第25話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n647f63f61369
    第26話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n74853ad84472
    第27話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n9931f59de8de
    第28話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n852b6506648b
    第29話: https://note.com/bigakudou_2025/n/nc8a7d9d66615
    第30話: https://note.com/bigakudou_2025/n/nd22aec7fdfea
    第31話: https://note.com/bigakudou_2025/n/nd8a8b936f063
    第32話: https://note.com/bigakudou_2025/n/n23d0a5721398
    第33話: https://note.com/bigakudou_2025/n/nc83ab953e54e
    党33話・完結

    #創䜜倧賞2025 #ミステリヌ小説郚門


     
     
     
    ナスドり ビガク ず申したす。 コラム、小説、萜語、楜曲  自由気たたに創るけど、 クリ゚むタヌはおこがたしい。 だから私は“ツクラヌ”です。 本業広告代理店勀務

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