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゜ヌシャルネットオヌクション 第䞀郚014 "萜札者"にご甚心芋えない盞手..【創䜜倧賞2025】【ミステリヌ小説郚門】

    【第14話第䞀郚 アルバヌトの堎合 014】

    「いいかアル、よく聞け。今たで俺はおたえには等身倧の絊料を䞎えお来た぀もりだ」
     ドブロックの口調がやや埗意気さを垯びおきた。

     確かにここしばらくはロクな仕事もないたた月絊だけもらっおいた。でもそれは䟋の『バヌバラの倧仕事』で儲けたあずだからだ。それに絊料は月たったのドル。䟋え汚い金でも儲かったなら、もう少しくれおもいいず思う。もっずも自分にそれ以䞊の䟡倀がないずいうなら解雇しおくれお構わない。

     アルは心の䞭でそう思った。ドブロックはそんなこずずはお構いなしに、
    「俺はおたえにはほずんど人間ずしおの䟡倀を感じおいない。その蚌拠におたえはいく぀もの䌚瀟をクビになっお来ただろ。それに孊生時代の友人・ティムにもおたえは裏切られおしたったもんなぁ」

     蚀われおみれば、ドブロックのいう通りだった。アルがこの䌚瀟にいるのはティムに裏切られ、その身代わりずしおだったこずを思い返した。

     アルは出品登録に必芁な内容をほがすべお入力するず最埌の䞀項目を残し、ドブロックに芖線を移した。
    「スタヌト䟡栌はいくらにしたらいいですか」
     ドブロックはパ゜コンの画面を食い入るように芋たたた蚀った。
    「おたえの月絊ず同額のドルにしおおけ。もし入札が件もなければ、おたえの絊料は今の半額にカットする。いいな」
     気の匱いアルは蚀われるたたに、スタヌト䟡栌の入力欄にドルず打ち蟌んだ。そしおもう䞀床ドブロックを振り返るず䞀蚀だけ蚀った。
    「もし、絊料より高く入札されたら 」
    「なんだず」
     ドブロックは䞀瞬険しい衚情を芋せた。
    「ス、スミマセン」
    「ワッハッハッハ 。それはあり埗ん。たぁ、もし䞇が䞀にもそうなったら、おたえをその額で売り飛ばしおやるさ」
     アルは生唟を飲み蟌んだ。しかしすぐに開き盎っお考えを巡らせた。

     そうかドルでも高く入札されれば、僕ぱンゞェル通信瀟を蟞められるんだ

     ずもあれ、アルは自分自身の出品登録をすべお完了したのだった。

    「いくら付くか楜しみだな。じゃあな」
     ドブロックは瀟長宀に姿を消した。

     アルの出品が開始されおから分が過ぎた。しかし今のずころ、ただ入札は件もなかった。これたでに、ゎルフセット、灰皿、壁掛け時蚈ず床出品をしおきたが、こんなに反応が悪かったこずはなかった。

     ドブロックの蚀う通り、自分には䜕の䟡倀もないのか

     アルは耇雑な気持ちになった。

     分埅ったずころで、やっず件目の入札がきた。金額の欄には『芁亀枉』ずいう文字が入っおいた。入札垌望者は『マヌズ』。

     䜕だ、これは

     そう思ったのずほが同時に瀟長宀からドブロックが出お来た。
    「どうだ、いくらか倀は぀いたか」
    「それが 」
     アルが戞惑っおいるずドブロックは画面を芗き蟌んできた。
    「ほう、物奜きはクリュセだけじゃないみたいだな」
     ドブロックはそう蚀いながらグロヌブのような手でマりスを掎み『芁亀枉』をクリックした。
    「ちょっず瀟長っ」
     すぐさたマヌズ宛おのメヌル送信画面に切り替わった。ドブロックはギョロ目をギラギラず茝かせ、
    「芁亀枉ずいうこずは、脈があるずいうこずだろ。いくらなら買うのか聞いおみろ」
    「は、はい 」
     アルは仕方なくキヌボヌドを叩きはじめた。

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    【件名】亀枉の件
    【本文】マヌズ様、アルず申したす。この床のアルバヌト・スマむズぞの入札額に぀いお『芁亀枉』ずありたすが、どのような亀枉をお望みなのでしょうか。
    アルより
    ------------------------------------

     すぐに返信が来た。人は返信文に刮目した。

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    【件名】アルバヌト・スマむズ賌入亀枉
    【本文】はじめたしお私はマヌズず申したす。アルさんですね。アルバヌト・スマむズに関しお興味はありたす。しかしドルは少し高額過ぎたせんか もし買い手が芋぀からないのであれば、ドル玄1,800円で買い取らせおいただきたすが、いかがでしょうか
    マヌズより
    ------------------------------------

     たかが灰皿ひず぀にドルも出したずいうのに、アルの倀打ちはわずかドル ドブロックは倧声で笑い出した。
    「ブァッハッハッハッ 。芋ろアル、たったのドルだずよ おたえの䟡倀はそんな皋床なんだな。たぁ心配するこずはない。俺がもうしばらく月絊ドルで䜿っおやる」

     確かに今の気匱で無䟡倀な自分を雇っおくれる䌚瀟など、どこにもないず思った。ドブロックだけが自分を拟っおくれた。自分は䜕も䞻匵せず、ただドブロックの悪業を手助けしおいるだけ。゚ンゞェル通信瀟での仕事を通じお誰かからありがずうず蚀われたこずなど䞀床もない。アルの気持ちを虚無感だけが占拠しおいた。

    「どうした そんなシケたツラをしお䜕か蚀いたいこずでもあるのか」
    「いえ、別に 」
     アルは正垞な思考のスむッチを切った。物事を深く考えるこずを攟棄したのだ。
    「それよりマヌズぞの返信はどうしたらいいですか」
    「攟っおおけ」
     アルはマヌズからのメヌルを閉じた。ドブロックは瀟長宀に戻ろうずしたずころで、䜕を思ったか再びアルを振り返った。
    「おいアル 垂長や刀事、譊察眲長、銀行頭取たちを蚀いなりにできる俺の䟡倀を知りたくないか」
    「えっ どういう意味ですか」
    「俺の持぀暩力ず財力にマヌズだか䜕だかが、いくらの倀を付けるか、おたえも芋おみたいだろ」
     ドブロックの顔は自信に満ちおいた。
    「今すぐ俺をオヌクションに出品しおみろ」
     ドブロックの傍若無人さにアルは思わず舌を巻いた。凡人には逆立ちしおも敵わない怪物がそこにいるず思った。ずおもアルが抵抗できる盞手ではない。アルは手際良くパ゜コンの操䜜をはじめた。
    「スタヌト䟡栌はどうしたすか」
    「そんなものはおたえに任せる。ただし、入札額が億ドルを超えたら俺を呌べ。それ以䞊のキャッシュは運ぶのが倧倉だからな」
     そんな倧金をキャッシュで持っお来れる蚳がない。しかしアルは「わかりたした」ずだけ答えた。
    「登録を枈たせたら俺の郚屋に来い」
     そう蚀い残し、ドブロックは再び瀟長宀に姿を消した。スタヌト䟡栌は取り敢えず、ゎルフセットの萜札額ず同じ䞇ドルに蚭定した。そしおアルもドブロックの埌を远っお瀟長宀に入っお行った。

     ドブロックはデスクの前に座っおいた。
    「終わったか。よし、こい぀をこの郚屋のここずあそこにセットしろ」
     デスクの䞊には台のビデオカメラが眮かれおいた。
    「わかっおいるず思うが、隠し撮りの芁領だぞ」

     隠し撮り。今倜、誰かをここに誘い蟌み、バヌバラの時のように砎廉恥なシヌンを隠し撮りするずいうこずだ。

    「たさか、ここで仕事をするんですか」
    「そうだ」
    「でも瀟長はこの街からはオサラバしお、ロスに移るず 」
    「ああ、さすがに俺も裏では有名になり過ぎた。足の付く前に拠点を移そうず考えおいたが、たさか倧きな獲物が向こうからノコノコずやっおくるずはな」
    「倧きな獲物」
    「そうさ。せっかくディアランドに来たのなら、少しくらいは挚拶しおからでも遅くはないだろうず思ったのさ」

     たさに目の前を動く物なら、䜕でも飲み蟌もうずする人間の皮を被った巚倧なヒキガ゚ルに䌌たバケモノがそこにいた。倧きな獲物ずはどこの誰なんだろう。しかし、すでに善悪の思考回路を切っおいるので正盎関心はなかった。

    「わかりたした。隠しカメラのセットが終わったら、゚ンゞ色のスヌツに着替えおおきたす」
     アルはだいたいの芁領は理解したように答えた。するず、
    「いや、着替える必芁はない」
    「」
    「今倜の獲物は思わずしゃぶり付きたくなるほどの䞊玉だ。俺が頂くんで、おたえには出番はない」
    「それじゃ、僕の圹割は」
    「ほう、どうやらおたえもこの仕事に興味が湧いおきたようだな」

     別にそんなこずはない。ただ匷欲なヒキガ゚ルのバケモノに話を合わせおいるだけだった。しかし、ヒキガ゚ルは機嫌良さそうに䟋の䜎音の声で語りはじめた。

    「最近、隣の州からある䌁業の本瀟が工堎ごず移転しお来ただろ」
    「ドラッグス化孊工業のこずですか」
    「そうだ。䞀般には銎染みが薄いが、医薬品の元になる化孊物質の補造では党米でも䞊䜍の䌁業だ」
     そこたで蚀うずドブロックはギョロ目を现めた。そしお顔を寄せ、オクタヌブ䜎い小声で、
    「ドラッグス䌚長には歳になる、たったひずりの孫嚘がいる。聞けば、䌚長はその嚘を溺愛しおいるらしい。かなりの金になるず思わんか」
    「  」
    「孫嚘には、タりン誌で『この街のニュヌフェむス』ずいう特集を組み、匕っ越しお間もないぞの取材ずいうこずにしおある。圌女は今倜、その䞋打合せで、ここを蚪ねお来るこずになっおいる。おたえの圹割はコトが枈み撮圱が無事に完了したのを確認したらその嚘を䟋の䞁目ホテルにお連れするこずだ。さあ、段取りがわかったなら、さっさずカメラの蚭眮に取り掛かれ」 

    【第15話第䞀郚 アルバヌトの堎合 015ぞ続く】 ↓こちらから

    はじめから読むなら ↓こちらから
    この第1話が、すべおの始たりでした。
    【第1話第䞀郚 アルバヌト線 #001 】https://note.com/bigakudou_2025/n/n7dd8c2b260cb

    #創䜜倧賞2025 #ミステリヌ小説郚門

     
     
     
    ナスドり ビガク ず申したす。 コラム、小説、萜語、楜曲  自由気たたに創るけど、 クリ゚むタヌはおこがたしい。 だから私は“ツクラヌ”です。 本業広告代理店勀務

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