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゜ヌシャルネットオヌクション 第䞀郚010 "萜札者"にご甚心芋えない盞手..【創䜜倧賞2025】【ミステリヌ小説郚門】

    【第10話第䞀郚 アルバヌトの堎合 010】

     日が経った。ゎルフセットをアルに枡しお以来、ドブロックはオフィスにたったく姿を芋せおいない。䞇ドルの『倧仕事』のあずだけに仕事らしい仕事はないのだろう。ひょっずするずドブロックはその金でどこかで遊んでいるのかも知れなかった。

     䞀方、アルの䞇ドルはずいうず、自宅のアパヌトのベッドの䞋に段ボヌル箱に入れたたた隠しおあった。元はずいえば、垂長から匷請り取ったゎルフセットなのだからやたしいカネず蚀われればそうかも知れない。
     でも自分が垂長を匷請った蚳ではなく、単に貰い物をオヌクションで換金したず考えればやたしくなんかない。ドブロックの䞇ドルず自分のそれずは額は同じでも性質の違う金ずアルは自分に蚀い聞かせおいた。
     しかしそれでもアルはすぐに手を぀けお良いものか迷っおいた。それがベッドの䞋に隠しおおく理由だった。

     今日もアルはい぀ものように出瀟をしお、い぀ものように䜕の仕事をするでもなく、ただデスクでネットのニュヌスを読み持っおいた。

     そろそろお昌時。い぀ものようにあのハンバヌガヌショップが頭に浮かんできた。い぀ものセットはドルセント。財垃を芗くずドル玙幣が枚ずコむンが少々。先月の絊料の残金である。

     そうだ 今日は絊料日。銀行に行っおお金をおろさなきゃ

     金の亡者のドブロックでも絊料の振り蟌みは毎月きちんず行なっおいた。わずかドルずはいえ、アルには貎重な定期収入だ。

     アルはビルを出た。朝からどんよりずした曇り空は、昌を過ぎおも倪陜の光を遮っおいた。
     ハンバヌガヌショップの前を通り過ぎ、シティ䞭心街たで足を䌞ばす。
     ディアむヌスト川の橋を枡るず街はいくらか賑やかになる。煀けたレンガ䜜りの階建おのビルの階に、コンビニ、掋品店、飲食店などが軒を連ねはじめた。アルは叀い街䞊みの石畳の通りを歩き続けた。

     ようやく目的のディアランド䞭倮銀行のコヌナヌに到着した。台のキャッシュディスペンサヌに察し、フォヌク䞊びで人が順番を埅っおいた。アルはその䞀番埌ろに䞊んだ。
     〜分でアルは列の先頭たできた。巊偎の機械が空いたので䞀歩螏み出すず入っおきたばかりの男がス〜ッず機械の前に割り蟌んで来た。真っ赀に染められた髪はサグラダファミリアのようにツンツンず倩を指し、黒いレザヌのゞャケットずスリムパンツには、䞊から䞋たで無数の銀色の鋲があしらわれおいた。この鋲はきっず顔面にも無数に斜されおいるのだろう。
     臆病で人付き合いを苊手ずするアルは、この傍若無人な行為をする男の個性的な倖芋にたじろいでしたった。
     するずアルの埌ろの方から女性の柄んだ矎しい声がした。しかしそれはキッパリずしおいお、キビキビした口調だった。

    「ちゃんず順番を守っおください。みんな、䞊んでいるんですよ」

     アルは声の䞻を振り返った。アルから人埌ろに䞊ぶ女性だった。枩かそうなクリヌム色のニット垜。黒いニットのハむネック。癜いスキニヌパンツ。ほっそりずした長い䞡足の先に黒のショヌトブヌツを履き、ブラりンのチェスタヌコヌトを凛ず着こなしたスリムで背の高い癜人矎女だった。
     しかし、真っ赀なサグラダファミリア頭は振り返りもせず、タッチパネルの操䜜をはじめ出した。女性はツカツカずサグラダファミリアのすぐ埌ろたで歩み寄っお、䞀段ず倧きな声で、

    「聞こえないんですか そこの赀い頭のアナタ」

     真っ赀なサグラダファミリアはようやくゆっくりずこちらに振り返った。案の定、サグラダファミリアの䞋の顔面には䜕列にも䞊んだ銀色の鋲が打たれおいた。

    「あん ネェちゃん、悪りぃな。オむラ急いでんの」
    「急いでいるのはみんな同じです。でもみんなルヌルを守っおいるんだから」

     アルを含めお列に䞊ぶ人々はそれぞれに頷きながらサグラダを睚み぀けた。サグラダは倚勢に無勢のこの状態に気付いたのか「あっ、急甚を思い出しちたった」ずか䜕ずか蚀っお、サッサずコヌナヌから出お行った。
     矎女はアルに「どうぞ」ず空いたキャッシュディスペンサヌを手のひらで瀺した。アルは䜜り笑いを浮かべ矎女に䌚釈した。矎女は䜕事もなかったように列に戻っおいった。

     から匕き出したドルを財垃に入れるず通りに出た。盞倉わらず倪陜は顔を芋せないが、曇り空は高く雚の心配はなさそうだった。それにしおも寒い。暊はもう春を告げおいるずいうのに季節が逆行しおいるかのようだった。アルは襟を立おお、石畳の道を歩きはじめた。

     せっかく䞭心街たで来たのだから、今日はこの蟺で昌食を枈たせよう。

     ブロックほど歩くず小排萜たむタリアンカフェを芋぀けた。日差しはないが歩道にシェヌドを匵り出した朚目調の倖芳。窓越しに芗く店内はカりンタヌ垭ずテヌブル垭に分けられ、ファミレス颚の䜜りをしおいた。
     時刻は午埌時過ぎ。すでにお客は、たばらだった。い぀ものハンバヌガヌショップより高そうだか、それも圓然。あそこより栌䞋の店などあるはずもない。アルは入っおみるこずにした。

     緑色の゚プロンをした可愛らしい黒人のりェむトレスにテヌブル垭たで案内された。アルはピッツァずコヌヒヌを泚文した。
     窓の倖の通行人をがんやりず眺めお、料理を埅った。老倫婊、ベビヌカヌを抌す若いお母さん、ビゞネスマンが、間隔を空けお埀来しおいた。

    「あらっ、あなたは」

     柄んだ矎しい女性の声がした。芋るず先刻のコヌナヌにいたあのスリムで背の高い女性が立っおいた。
    「あっ、先皋はどうも 」
     アルがそう答えるず、圌女はテヌブルに眮かれた氎の入ったコップがひず぀なのを芋お「おひずりですか」ず聞いおきた。
    「あ、はい 」
    「もしお邪魔じゃなかったらご䞀緒しおもいいかしら」
     この堎合、嫌なら『考え事をしおいる』ずか䜕ずか蚀っお適圓に断るのだろうが、気の匱いアルは反射的に「どうぞ」ず答えおしたった。
    「よかった」
     圌女はニッコリ埮笑むずブラりンのチェスタヌコヌトを脱ぎ、空いた怅子の䞊に眮くずアルの向かいに腰を䞋ろした。クリヌム色のニット垜を取るずプラチナブロンドのロングヘアがフワッず広がった。
     幎霢はアルず同じ代半ばくらいだろう。雪のように癜い肌が倧きなコバルトブルヌの瞳を際立たせおいた。
     アルは先刻も思ったが、芋れば芋るほど綺麗な人だず改めお思った。圌女はりェむトレスにパスタを泚文するずアルに向き盎った。

    「さっきはごめんなさい」
    「い、いえ。こちらこそ 」
    「私、ああいうの芋るず黙っおいられなくお。でも気が匷いず思わないでくださいね。ホントは気が匷いんだけど、りフフ」
     立お続けに話す圌女をアルはキョトンず芋぀めおいた。
    「あっ、ごめんなさい、䞀方的に話しちゃっお。私、ステむシヌっおいいたす。よろしくね」
    「あ、アルバヌトです 」

     空垭はいくらでもあるのに、こんなにも玠敵な女性ずテヌブルを挟んでいる。アルは嬉しさを必死で隠した。しかし喜ぶのも束の間、゚レガントで屈蚗のないステむシヌに察し、くたびれたスヌツを着おおどおどする自分が恥ずかしく思えおきた。そんなアルの胞のうちを気にするでもないように、料理が運ばれおからもステむシヌは䌚話を続けた。

     ステむシヌは先週、隣の州から越しおきたばかりで、すぐそこの郵䟿局に勀めおいるずのこずだった。アルは生たれた時からここディアランドシティに䜏んでいるずいうこずは話したが、゚ンゞェル通信瀟で働いおいるこずだけは蚀えなかった。

     食事は時間ほどで終わったが、アルにはあっずいう間に感じられた。別れ際、ステむシヌは「今床䌚ったら、たたこの街のこずをいろいろ聞かせおね」ず蚀っおくれた。でも連絡先の亀換はなかった。

     瀟亀蟞什
     そう考えるずこちらからステむシヌの連絡先を聞くこずもできなかった。 

    【第11話第䞀郚 アルバヌトの堎合 011ぞ続く】 ↓こちらから

    はじめから読むなら ↓こちらから
    この第1話が、すべおの始たりでした。
    【第1話第䞀郚 アルバヌト線 #001 】https://note.com/bigakudou_2025/n/n7dd8c2b260cb

    #創䜜倧賞2025 #ミステリヌ小説郚門

     
     
     
    ナスドり ビガク ず申したす。 コラム、小説、萜語、楜曲  自由気たたに創るけど、 クリ゚むタヌはおこがたしい。 だから私は“ツクラヌ”です。 本業広告代理店勀務

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