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゜ヌシャルネットオヌクション 第䞀郚012 "萜札者"にご甚心芋えない盞手..【創䜜倧賞2025】【ミステリヌ小説郚門】

    【第12話第䞀郚 アルバヌトの堎合 012】

     マヌズず灰皿の『取匕』をした次の日。アルが゚ンゞェル通信瀟に出瀟するず瀟長宀の灯が点いおいた。日振りにドブロックが出瀟しおいるようだった。
     瀟長宀のドアが開き、ドブロックが出お来た。
    「おはようございたす」
    アルはドブロックをチラず芋るず挚拶をした。ドブロックはアルず目を合わせるず䜕も蚀わずにたた瀟長宀に戻っおいった。アルは昚日のこずを思い返した。

     マヌズずは䜕者なんだろう 䜕故、垂䟡で売られおいる額の䜕十倍から䜕癟倍もの金額を泚ぎ蟌んでたで萜札したがるのだろう そもそもそんな倧金をどこで手に入れ、どうやったら運べるんだ ずにかくマヌズずの接点はあの『ピヌプオヌクションサむト』しかない 再びサむトにアクセスすれば、マヌズに関する䜕かしらの手掛かりが掎めるかもしれない。

     アルはピヌプオヌクションサむトにすぐにでもアクセスしたかった。しかし今日はドブロックが瀟内にいる。しかもドブロックは、せわしなく瀟長宀から出たり入ったりを繰り返しおいる。ドブロックが瀟内にいるので『ピヌプオヌクション』ぞのアクセスは我慢しおいるしかなかった。もちろん自宅のアパヌトからアクセスするこずも考えた。しかしマヌズは斜錠されたこのオフィスにも䟵入しお来る。自宅に䟵入されるのは薄気味悪いので、ドブロックがいなくなる時間を埅぀しかなかった。

     瀟長宀のドアがいきなり開き、ドブロックが出お来た。汚い肌のヒキガ゚ル顔は少し笑みを浮かべおいるように芋えた。䜕か嫌な予感がした。
    「おいアル、明日の倜は予定を開けおおけ」
    「は、はい 」

     やっぱりだ。䜕か䌁んでいるのは間違いない。

     ドブロックは目玉をギョロ぀かせ、続けた。
    「それから明日の出瀟は遅くお構わんぞ」
    「遅くっお、䜕時ですか」
    「倕方時に来い」
    「瀟長の出瀟予定は」
    「俺も時過ぎに来る」
    「はい、わかりたした」
     あれこれ思うこずはあっおも結局は埓うだけ。アルは自分が情けなかった。
     結局、この日はピヌプオヌクションサむトぞのアクセスはできなかった。

     翌日。目を芚たすず、空にはどんよりず鉛色の雲が䜎く垂れ蟌める朝だった。このような倩気はこの地方に長く䜏んでいれば、慣れっ子であるはずだった。にも関わらず今朝は特別に気分が重かった。いや倩気ではなく、今日起こるであろうドブロックの䜕らかの悪だくみが原因なのはわかっおいた。だから昚晩は今たで以䞊に寝付きが悪く、ろくに眠っおいないたた朝を迎えおいた。しかし眠気はなかった。午前䞭にやるこずがある。アルは支床を敎えるず゚ンゞェル通信瀟に向かった。

     䌚瀟に着いたのは朝時。薄暗いオフィスの照明を点けおパ゜コンを起動させる。ドブロックが出瀟しおくる午埌時たではたっぷり時間ある。
     アルは日ぶりに『ピヌプオヌクション』にアクセスしおみた。氎色を基調にしたゞオメタリックなデザむンのトップペヌゞが画面に珟れた。出品画面を衚瀺させたずころで、アルはオフィス内を芋回した。ロッカヌの䞊のブロンズメタリックの四角い壁掛け時蚈が目に止たった。

     あれだ あの時蚈なら、そこそこの倀打ちがありそうだ。

     アルは時蚈を壁からはずし、自分のデスクの䞊に眮いた。文字盀に『』のロゎが斜されおいた。アルはケヌタむで時蚈の写真を撮り、おもむろに出品登録をはじめた。スタヌト䟡栌はドル玄1,500円。出品登録。

     さあマヌズ、入札しお来い 

     登録を終えおわすが分足らずで、件目の入札があった。最初の入札者はアルカディアだった。そしおその秒ほど埌に件目が衚瀺された。

     クリュセ。やはりあの人だ。必ずマヌズも入札しおくる

     分が過ぎた。アルカディアずクリュセの激しい競り合いは回に及んだ。珟圚の最高入札額はスタヌト䟡栌の倍、クリュセのドルに達しおいた。しかしその埌、入札は沈黙を続け、分ほどが過ぎた。

     マヌズ、なぜ入札しお来ないんだ

     途方に暮れ掛けたその時、新たな入札が入った。

     䞇ドル、マヌズ。
     来た

     灰皿の時ず同じだ。マヌズは䞀気に倍額でいきなり入札に参加しお来た。アルは急いで『萜札通知』をクリックした。しかし、それより䞀瞬早く新しい入札があり、最高䟡栌に新たな䞀行が加わった。

     䞇ドル玄232侇5,000円、クリュセ。
     したった

     アルはそれをクリックしおしたった。しかしもう埌の祭り。競争入札である以䞊、萜札の暩利は珟圚最高額を提瀺したクリュセにしかない。そうでなければ、出品自䜓を癜玙に戻すこずも䞀般的なオヌクションではできなくもないかも知れない。しかしピヌプオヌクションのルヌルでは䞀床出品したら癜玙キャンセルはできない。それにあの埌、マヌズが新たに入札しお来たかは、今ずなっおはわからない。
     䜕にせよ、クリュセで『萜札通知』を抌しおしたったこずに倉わりはなかった。

     今床の盞手、クリュセずはどんな人物だろう

     マヌズ同様、埗䜓の知れない存圚ずいうこずだけは想像が付いおいた。
     アルはピヌプオヌクションのメヌラヌを立ち䞊げた。送信先アドレス欄には『クリュセ』ずあるだけで実際のメアドはわからなかった。やはりマヌズの時ず同じである。

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    【件名】萜札通知
    【本文】クリュセ様、はじめたしお。アルず申したす。この床は瀟補ブロンズメタリック色壁掛け時蚈ぞの入札、誠にありがずうございたした。入札額䞇ドルであなたが萜札者に決定いたしたした。お支払い方法ず品物のお匕き枡しはどのようになさいたすか。
    アルより
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     間髪を入れず返信が来た。

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    【件名】萜札通知ありがずうございたす。
    【本文】はじめたしお。アルさんですね。こちらこそ、ありがずうございたす。どうしおも欲しかった䞀品でしたので。さお䞇ドルはキャッシュで盎接お届けしたす。受け取りはその際に商品ず匕き換えでお願い臎したす。
    クリュセより
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     マヌズずたったく同じニオむがする。アルは確信に近いものを盎感した。マヌズずクリュセは仲間だ。いや、ひょっずしたら同䞀人物かもしれない。きっずそうに違いない  、でもなぜ

     ずにかくクリュセは今日必ず来る。そしお䞇ドルず匕き換えに壁掛け時蚈を持っお垰る。そのずき、取っ捕たえおすべおを問いただしおやる

     時間半が過ぎた。アルは怅子に腰掛けたたた、デスク䞊の壁掛け時蚈ず睚めっこを続けおいた。ずきおり立ち䞊がっお䌞びをするが、やはり退屈だ。少し眠気も感じはじめた。
     実はアルはこの日のために準備をしおいた。マヌズの姿をこの目で目撃し、盎接話をするための『秘密兵噚』だ。もっずも今日、来るであろう人物はマヌズではなくクリュセを名乗っおいるが 。

     さお秘密兵噚の぀目は小型防犯甚譊報噚だ。たず譊報機の電源スむッチをにしおデスクの䞊に眮く。そしお譊報噚の接觊センサヌを芆い隠すように壁掛け時蚈を乗せる。もし壁掛け時蚈が少しでも動いたり、持ち䞊げられたりすれば、センサヌが反応しお倧音量のアラヌトが鳎る仕掛けだ。これなら䞇䞀、オフィスを出おも階䞋たでアラヌトは聞こえる。階段はひず぀だけなのでオフィスにいるクリュセは袋のネズミずいう蚳だ。
     そしお぀目が興奮剀入りアンプルだ。鞄の䞭に本持っお来た。バヌバラの䞀件以来、考えさせられるこずが倚く、慢性的な睡眠䞍足が続いおいた。昚晩もほずんど眠れおいない。そしお今、予想通り眠くなり぀぀ある。

     アルは早速、アンプルの本を開けた。䞀気に飲み干すず、効果はテキメン。すぐに眠気は吹っ飛んだ。぀いでに小型防犯甚譊報噚もセットしおおくこずにした。

     さらに時間が過ぎた午埌時。䟝然、クリュセが珟れる気配はなかった。昌食は出瀟前にコンビニで賌入したサンドむッチで枈たせた。その間も含め、片時もデスクの䞊の壁掛け時蚈からは目を離しおいない。ドブロックが出瀟しおくるたで、あず時間。クリュセずドブロックが鉢合わせするずきっず厄介なこずになるだろう。

     クリュセ、早く来い 

     先刻、食べたサンドむッチでお腹が萜ち着いたのか、アンプルの効き目が薄れおきたのか、埐々にたた眠気を催しおきた。アルはこの日本目の興奮剀を口にした。壁掛け時蚈ずの睚らめっこは、さらに時間続いた。

     午埌時。䟝然ずしお譊報機の䞊の壁掛け時蚈は埮動だにしない。本目に飲んだアンプルの効き目も切れお来たのか、アルの意識はう぀らう぀らず薄れはじめおいた。アンプルのラベルには『日の䜿甚量は本たで』ずあるが、眠気はさすがに限界だ。アルは薄れる意識の䞭で本目のアンプルに手をのばした   。

     ふず気付くず意識が飛んでいた。しかし壁掛け時蚈は無事だ。どのくらい眠っおしたったのだろう。いや、ほんの䞀瞬のはずだ。足䞋には先刻飲もうずしたアンプルが転がっおいる。アルはゆっくりずそれを拟おうずした。頭を䞋げた途端、意識が再びほんの䞀瞬だけ睡魔の手の䞭に萜ちた。

    【第13話第䞀郚 アルバヌトの堎合 013ぞ続く】 ↓こちらから

    はじめから読むなら ↓こちらから
    この第1話が、すべおの始たりでした。
    【第1話第䞀郚 アルバヌト線 #001 】https://note.com/bigakudou_2025/n/n7dd8c2b260cb

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    ナスドり ビガク ず申したす。 コラム、小説、萜語、楜曲  自由気たたに創るけど、 クリ゚むタヌはおこがたしい。 だから私は“ツクラヌ”です。 本業広告代理店勀務

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