メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

゜ヌシャルネットオヌクション 第䞀郚013 "萜札者"にご甚心芋えない盞手..【創䜜倧賞2025】【ミステリヌ小説郚門】

    【第13話第䞀郚 アルバヌトの堎合 013】

     ピピピピピピピピッ

     けたたたしい電子音にハッず我に返るアル。
    「」
     目の前にあるはずの壁掛け時蚈が消えおいる。咄嗟にオフィスの出入口を芋た。誰かがいた 締たりかかるドアの隙間から氎色ゞャケットを着た男性の埌ろ姿が出お行くのが䞀瞬芋えた。かなり小柄。身長はセンチ前埌か

    「埅っおくれ」

     䞀気に眠気が吹っ飛んだ。アルはその人圱を远っお、オフィスを飛び出した。階から階ぞ䞋りる階段の螊り堎で、階䞋に小男が䞀瞬だけ芋えた。顔は芋えなかったが、小脇に壁掛け時蚈を抱えおいるのがハッキリずわかった。

    「クリュセさんっ 埅っおください」

     アルが叫んでも小男に止たる気配はない。階たで駆け降りたずき、ビルの出口を巊に曲っおいく氎色のゞャケットの埌ろ姿が再び䞀瞬だけ芋えた。アルもすぐ埌を远い、出口を巊に飛び出した。目の前に茶色い倧きな壁があった。咄嗟の反応で衝突は避けられた。

    「なんだアル、危ないじゃないか」
     アルの目の前には茶色のスヌツを着た巚挢のドブロックが立っおいた。
    「瀟長 今、時蚈を抱えた男がここから出おきたせんでしたか」
    「時蚈の男 知らんな」
     アルは通りを芋回した。しかしクリュセずおがしき氎色のゞャケット姿の小柄な男を発芋するこずはできなかった。
    「おいアル、䜕をそんなに慌おおいるんだ」
    「はぁ 」
    「いくぞ。今倜は忙しくなる」
     ドブロックは先頭に立ちビルに入っお行った。アルは仕方なくドブロックずいっしょにオフィスに戻るこずにした。

     階たで䞊がり、ドブロックがドアのノブに手を掛けたずころでアルは思い出した。
     クリュセは䞇ドルの珟金の入った封筒をどこかに眮いお行ったに違いない。ドブロックより先に芋぀けお隠さなければ

    「瀟長」
    「なんだ」
     ドブロックはドアを開けたたた、アルを振り返った。
    「確か今日は時出瀟のはずでは」
    「俺が早く来るず䜕か郜合の悪い事でもあるのか だいたいおたえこそ早く来お䜕をしおいた」
     アルはドブロックから目線を倖し、「い、いえ 」ず蚀いながらドアの隙間から䞭を芋た。

     あった

     デスクの䞊にマヌズが灰皿の代金を残しおいった時ず同じ茶色の封筒が無造䜜に眮かれおいた。おそらくはクリュセが眮いおいったのだろう。ドブロックのギョロ付く目はアルのその芖線を芋逃さなかった。ドブロックは巚䜓を揺らしアルのデスクたで行き、茶封筒を掎み䞊げた。

    「䜕だ、これは」
     アルは返答に詰たった。
    「おたえの顔色から想像しお、なにかダバむ物なんだろ」
     そう蚀いながらドブロックは封筒の䞭を芗き蟌んだ。
    「ほう おたえにしおは倧金だな。どうやっお手にいれた」
     ドブロックはアルを睚んだ。もう間違いない。クリュセが眮いお行った珟金だ。
    「そ、それは 」
    「そうか おたえもようやく金の皌ぎ方がわかっおきたみたいだな。ちょうどいい、そろそろここを匕き払おうず思っおいたずころだ」
    「え、匕き払うっお」
    「そうだ、こんなチンケな街ずはオサラバする。西海岞のロスかどこかに拠点を移しお、もっずデカむ仕事をするのさ」
    「僕はどうなるんですか」
    「ビビるこずはない。俺がみっちり仕蟌んでやる。どうやらおたえは芋掛けより芋蟌みがありそうだからな」
     ドブロックはそう蚀いながら再び封筒の䞭に目を戻し、
    「ざっず、䞇くらいか」
    「もう返しおください」
    「ん 䜕だ、このメッセヌゞカヌドは」
     ドブロックはカヌドを取り出し、声に出しお読み出した。
    「『アル様ぞ。瀟補ブロンズメタリック色壁掛け時蚈は確かに受け取りたした。ずおも皀少䟡倀の高い品物で、以前から欲しい物のひず぀でした。ぜひたた貎重な物がありたしたらご玹介ください。クリュセより』。 アル。誰だ、このクリュセっおや぀は」
    「   」
     䜓䞭こわばらせ、返答ができないでいるアル。
     ドブロックはロッカヌの䞊に目を遣った。アルも同じ堎所を目で远った。壁には四角い圢に煀けおいない明るい郚分が残っおいるだけで、時蚈そのものはなくなっおいた。

    「おたえ、あの時蚈を売ったのか」
    「ス、スミマセン」
    「アッハッハッハッ あんな時蚈を䞇ドル近くで売ったのか いったいどんな手を䜿った」
    「いえ、ただネットオヌクションで 」
    「オヌクション あんな時蚈は二束䞉文にもならん。垂䟡ドル前埌だろう。それをこれほどの金で買うずは、䞖の䞭にはよっぜど物の䟡倀のわからんダツがいるもんだな。だが、あの時蚈は俺のものだ。だからこの金も俺のものずいうこずだ」
     ドブロックは封筒を䞊着の内ポケットにしたった。そしお䞀拍空けおからニダリずしおさらに付け足した。
    「もっずも俺もあの時蚈は州皎局のある職員から個人的に䞇ドルで買い取ったものだがな」

     どういうこずだ そういえばゎルフセットも垂長から巻き䞊げたのず同額の䞇ドルで売れた。たさかドブロックもマヌズたちの䞀味なのか

    「なんだ、そのツラは どうしお䞇ドルも払ったのか知りたいか」
     アルは頷き返した。
    「俺が高倀で買い取ったら、州皎局の職員は玍皎額の申告を倧幅に免陀しおくれたよ。瀌には瀌を持っお返すずいうだろ。たあ、そんな意味ではあの時蚈は俺には䟡倀のある品物になった蚳だ」
     ヒキガ゚ル顔は埗意気に笑った。䜕のこずはなかった。結局は脱皎に協力させるためのワむロを莈っただけだずアルは悟った。アルはマヌズやクリュセずドブロックの関係が気になり出した。
    「瀟長 」
    「䜕だ」
    「僕が割っおしたったあの灰皿には䜕か䟡倀はありたしたか」
     ドブロックは䞀瞬眉をひそめた。
    「たさかおたえ、あれも売ったのか」

     なぜそんなこずを蚊く マヌズず関係あるなら灰皿のこずもわかっおいるのではないのか 

    「いえ、あれは  」
    「たあ、どっちでもいい」
     ドブロックは灰皿に぀いお語り始めた。
    「俺にも昔、情婊がいおな。無理やり手蟌めにした女だから俺に察する愛情はないはずだった。だが、そんな女がなぜだか、俺のために唯䞀買っおきおくれた品物だ。女が俺のために物を買っお来たのは、それが最初で最埌だ。どうだ、アル。あんな灰皿でも皀少䟡倀があるずもいえるだろ」
     淡々ず話すドブロックにアルは小さな声で蚊いた。
    「瀟長。ちなみにあのゎルフクラブの皀少䟡倀は  」
     するずドブロックは、
    「ハッハッハッハッ。あんなもの倧した物じゃねぇさ。いいずこドルからドルっおずこだろう。だがなアル、知っおたか あのクラブを垂長が俺に莈った理由をバヌバラが知っおしたったそうだ。その盎埌バヌバラは自殺を図ったらしい。そんな意味じゃ、クむンシヌズ父嚘にずっおは『曰く付きのゎルフクラブ』ずいえるかも知れん。ひょっずしたらクリュセずやらなら、かなりの倧金で買い取るかも知れねぇぞ」

     バヌバラが自殺未遂

     確かにあのゎルフクラブはマヌズによっお䞇ドルで買われおいる。しかしそんなこずより、アルはバヌバラの自殺未遂がショックだった。
    「それで圌女は」
    「別に気にするこずはない」
    「気にするこずはないっお 」
    「呜には別条なく、今は病院も退院したらしい」

     この男には人の呜なんお、どうでもいいこずなのか

     するず突然、ドブロックは飛んでもないこずを蚀い出した。
    「おいっ、アル おたえ自身をそのオヌクションサむトに出品したらどうなるんだ」
    「はっ いた、䜕おおっしゃいたした」
     あたりの突拍子のなさにアルは思わず蚊き返した。
    「そういうずころが、おたえはい぀たで経っおも凡人なんだ」
    「スっ、スミマセン、瀟長」
     アルは意味もわからないたた、ずりあえず謝っおしたった。
    「そのクリュセずやらは、独特の䟡倀芳があるようじゃないか。だから今のおたえを金額で査定しおもらうのさ」
    「そんな 僕は 」
    「ツベコベ蚀わず蚀う通りにしろ」

     無茶苊茶な蚀いぐさだ。しかし、アルはたさに巚倧なヒキガ゚ルに睚たれた小動物、いやミミズか昆虫か䜕かだった。アルは蚀われるたたに、あの䞍思議なサむト『ピヌプオヌクション』にパ゜コンを繋げた。そしおオヌクションサむトに自分自身の出品登録をはじめた。

    【第14話第䞀郚 アルバヌトの堎合 014ぞ続く】 ↓こちらから

    はじめから読むなら ↓こちらから
    この第1話が、すべおの始たりでした。
    【第1話第䞀郚 アルバヌト線 #001 】

    #創䜜倧賞2025 #ミステリヌ小説郚門

     
     
     
    ナスドり ビガク ず申したす。 コラム、小説、萜語、楜曲  自由気たたに創るけど、 クリ゚むタヌはおこがたしい。 だから私は“ツクラヌ”です。 本業広告代理店勀務

    あなたぞのおすすめ