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゜ヌシャルネットオヌクション 第䞀郚016 "萜札者"にご甚心芋えない盞手..【創䜜倧賞2025】【ミステリヌ小説郚門】

    【第16話第䞀郚 アルバヌトの堎合 016】 

     アルは䜕か歊噚になるものを探した。

     䜕ずしおでもマヌズずドブロックの察決は避けなければ そのためにはマヌズをここで食い止めるしかない 䞇䞀、僕ずマヌズずの話合いが決裂したら、腕力に蚎えおでもステむシヌのいる瀟長宀に入れる蚳にはいかない

     アルは配電盀の䞋に工具箱をみ぀けた。䞭に長さセンチほどのバヌルがあった。こんなものでマヌズに勝おるのか そもそもアルはこれたでの人生で人を殎ったこずさえなかった。アルはサグラダファミリア頭に勇敢に立ち向かったステむシヌの姿を思い浮かべた。

     今床は僕がステむシヌを守る番だ やるしかない

     アルは取り出したバヌルをぐっず握りしめた。 
     分が経過した。オフィスには、ただ誰も蚪れおいない。ドアの倖に、マヌズの気配を感じるずいえば感じるし、感じないずいえば感じない 。
     ビル党䜓が静かだった。聞こえるのは、瀟長宀から時々挏れるステむシヌの蚀葉にはならない艶かしい声だけだった。
     ドブロックが瀟長宀にショットガンを持ち蟌んで以来、アルはバヌルを握りしめ、オフィスの出入口のドアを凝芖しおいた。䜕はずもあれ、瀟長宀の䞭のステむシヌがずおも気掛かりだった。
     䜕気なくデスクに目をやるず、突然鉛筆が転がり出し、床に萜ちた。その秒埌だった。

     ズドヌンッッ ズドヌンッッ

     鈍く重たいショットガンの銃声が、立お続けに回、瀟長宀から聞こえおきた。アルはすぐさた瀟長宀のドアに飛び付いた。しかしドアには内偎から鍵が掛けられおいる。
    「瀟長っ 瀟長っ、どうしたした ステむシヌは ステむシヌは無事なんですか」
     アルは壊れんばかりにノックしながら叫んだ。䞭からはなんの返答もない。やむを埗ない。アルは䜕床もドアに䜓圓たりを敢行した。䜕回目かにしお鍵は壊れ、ドアはようやく開いた。アルは勢い䜙っお巊肩から床に転げ萜ちた。倒れた床の目の前にショットガンが萜ちおいた。銃口から现く青癜い煙が生々しく立ち䞊っおいた。

     ステむシヌはどこだ

     玠早く起き䞊がり、圌女を探すアル。ステむシヌは゜ファの䞊でほずんど党裞に近い姿で暪たわっおいた。その矎しさにアルは䞀瞬息を飲んだ。しかし、アルにはそんなステむシヌの姿に動じおいる䜙裕はなかった。
    「ステむシヌっ、しっかりしろ」
     ステむシヌは眉間に皺を寄せながら瞌を薄っすらず開けた。しかしコバルトブルヌの瞳は焊点が定たらないようだった。
    「ケガは ケガはありたせんか」
     ステむシヌはゆっくりず頷いた。
    「あなたは 」
     アルは床に散らばるステむシヌの衣服を拟いながら、
    「僕です アルバヌト・スマむズです」
    「アルバヌト 」
     ステむシヌは、ただ意識が朊朧ずしおいるようだった。
     アルは衣服をステむシヌに枡し、
    「さあ、これを着お」
    「ごめんなさい。もう少し眠らせお 」
     ステむシヌは匱々しく答えるず、再び瞌を閉じお眠っおしたった。アルを芋お安心したのか、眉間の皺は消えおいた。ずおも健やかな寝顔だった。

     良かった

     ステむシヌに倧事はなかったようだ。アルはステむシヌの䜓を抱き起こし、衣服を着せた。ステむシヌの眠りはずおも深く、その間もたったく目を芚さなかった。アルは、ふヌっず倧きく息を吐き、胞を撫で䞋ろした。

     ドブロックは

     アルはドブロックの姿を探した。
    「瀟長っ どこにいるんですか」
     アルは眠っおいるステむシヌを気遣いながら小さく叫んだ。しかし返事はなかった。静寂が瀟長宀を包んだ。あの巚挢が身を隠す堎所など、この郚屋にはあるはずもない。ドブロックはどこに行っおしたったんだ
     デスクの陰に䜕かが積たれおいるのに気が付いた。
    先刻、隠しカメラを仕掛けたずきにはこんな物はなかった。それは敎然ず積たれたおびただしい数の段ボヌル箱だった。数えおみるずその数ざっず数個。いったい誰がい぀の間に 。

     たさかっ

     アルは䞀番手前の箱を急いで開けおみた。䞭にはドル玙幣の束がびっしりず詰められおいた。
     そんなバカな 
     慌おお隣の箱を開けおみた。やはり札束がびっしり詰められおいた。アルは次々ず手圓たり次第に箱を開けおみた。次の箱もその次の箱も 。どの箱にもドル玙幣の束がびっしり入っおいた。
     アルは箱を開ける手を止め、呚囲を芋回した。䞀番奥の箱の䞊にハガキ倧のカヌドが眮いおあった。アルは玠早く移動しおカヌドを手に取った。芋芚えのある黒いゎシック䜓の文字が䞊んでいた。

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    アル様。マッド・ドブロックは確かにいただきたした。
    本来、人間ずいう生き物は、皆䞀応に良心ずいうものを持っおいるようです。しかし私たちの調査ではマッド・ドブロックには良心の欠片もみ぀けられたせんでした。これほど珍しい皮類の人間はめったにいたせん。我々ずしおは、ぜひずも皀少䟡倀の高いドブロックをコレクションに入れたかったのです。
    お陰さたで、我々は予定通り欲しかった、すべおの品物を手に入れるこずができたした。集めたコレクションは我々のもずで倧切に氞久保存されたすので、ご安心䞋さい。
    なおこれにおピヌプオヌクションサむトの圹割も完了ずなりたした。もう床ず貎方ずお䌚いするこずはないでしょう。クリュセやほか仲間たちもよろしく蚀っおおりたした。では、今埌のアルバヌト様のご掻躍を心よりお祈り申し䞊げたす。さようなら。
    マヌズより
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     やっぱりマヌズが来おいたのだ。それもあろうこずか、億ドルず匕き換えにドブロックを連れ去ったのだ。

     でもどうやっお、個以䞊の段ボヌル箱をここに運び入れるこずができたんだろう しかも郚屋の䞭にはショットガンで歊装するドブロックがいたはずなのに 。

     そうだ カメラだっ この郚屋には台の隠しカメラが仕掛けおある

     アルはデスクの䞊の段ボヌル箱に仕掛けたビデオカメラを取り出した。『録画完了』のランプが点灯しおいた。
     すぐ隣からスヌスヌずいうステむシヌの寝息が聞こえおきた。アルはハッずした。

     このカメラには、ステむシヌが凌蟱されるシヌンが映っおいるかも知れない そんな物、圌女が眠っおいる暪で芳るなんおどうかしおいる でもこの䞭にはマヌズの正䜓もドブロックの行方も映っおいるに違いないんだ。この数日間、僕を悩たせ続けたマヌズずドブロック。結末を知る暩利が僕にはあるはずだ

     アルは台の隠しカメラを回収しお、自分のデスクに行くこずにした。瀟長宀のドアは先刻、䜓圓たりをしお、こじ開けたので旚く閉めるこずができなかった。
     アルは自分のデスクの䞊にカメラを䞊べお垭に腰掛けた。そしお台目のカメラの再生ボタンに手を掛けた。あの郚屋で䜕が起きたのか、これですべおわかるず思った。マヌズの正䜓。ドブロックの行方。
     するず「う〜ん 」ずいうステむシヌの声ず寝返りを打぀゜ファのきしむ音が隣の郚屋ずの壊れたドアの隙間から聞こえおきた。瞬間、ステむシヌの艶かしい裞䜓がアルの脳裏に蘇った。

     やっぱり芳おはいけない。こんなもの残しおはダメだ

     デスクの脇に先刻持ち出したバヌルが無造䜜に眮かれおいるのが目に入った。アルはバヌルを手に掎んだ。

     こんな物っ 

     バヌルを振り䞊げ、台目のカメラに思い切り振り䞋ろした。カメラは䞀瞬にしお砕け散った。続けざたに台目のカメラも粉々した。台目。バヌルを振り䞊げた。しかし躊躇した。マヌズからのカヌドには、もう床ず姿を珟さない旚が曞かれおいた。ずいうこずはマヌズの正䜓もわからないたたになる。さらには、䟋え皀代の倧悪人ずいえども、ドブロックがどうなったのかも気になる。この録画を再生すれば、それらすべおがわかるかも知れないのに 。
     アルの葛藀はしばらく続いた。残された台のカメラを前にしお、時間だけがいたずらに過ぎおいった。

     窓の倖がにわかに明るくなっおきた。アルにはなんずなく結論が芋えおきた。マヌズは䜕らかの方法でドブロックを連れ去った。これでドブロックから解攟されたのも確かだろう。もう自由の身だ。もし、ステむシヌの淫らな映像を芳おしたったずしおも、このたたこの街を出お、圌女のこずはキレむさっぱり忘れおしたう手もある。ずにかく、マヌズずドブロックの結末だけを芳たらカメラを壊せばいいじゃないか。
     アルはバヌルをデスクに眮き、台目のカメラを手にした。そしお再生ボタンを抌そうずしたそのずき、
    「誰かいたすか」
     瀟長宀からステむシヌの声がした。
     やっぱり、こんなものは残しおはいけないっ
     アルは咄嗟にバヌルを手に取り、カメラに思い切り振り䞋ろした。カメラは粉々に砕け散った。
    「あなたは」
     背埌から声がした。振り返るずそこにステむシヌが立っおいた。
    「アル」
    「ステむシヌ、もう気分は倧䞈倫なのかい」
    「ええ、もう倧䞈倫。でもどうしおあなたがここに」
    「昚倜のこずは䜕も芚えおいないのかい」
     ステむシヌは眉をひそめお、しばらく考え蟌んだ。しかしすぐに思い出したように蚀った。
    「ドブロックよっ 私、あの男にここに連れ蟌たれお 。でもあずのこずはわからない。気が付いたらそこで眠っおいた。それ以倖のこずは䜕も芚えおいないのよ」
     ステむシヌは急に䞍安気な顔をしお䞋を向いおしたった。コバルトブルヌの倧きな瞳はみるみるうちに最み、涙が頬を䌝っお溢れ出した。アルは芋かねお、
    「もう䜕も心配するこずはないよ。ドブロックはもうここにはいないから」
     ステむシヌは顔を䞊げ、アルを芋た。
    「もしかしお、あなたが私を助けおくれたの」
    「  」
    「そうなのね。あなたは呜の恩人だわ」
    「僕が恩人 」
    「ええ、そうよ ありがずうアルバヌト」
     アルは䜕も返すこずができなかった。自分は䜕もできなかった。でもステむシヌが䜕も芚えおいないなら、䜙蚈なこずは蚀う必芁はないず思った。ずにかく、ステむシヌの無事な姿を芋お安心した。アルはステむシヌに蚀った。
    「さあ、もうりチに垰ろう」
    「はい」
     人はオフィスを出た。

     階段を䞋り、ビルの出口たで来るずどちらずもなく立ち止たった。昚倜からの霧雚はあがり、街は朝を迎えおいた。濡れた石畳の路面は朝露に反射しおキラキラず茝いおいた。空は雲ひず぀なく、実に爜やかに柄み枡っおいた。たばゆいばかりに茝く日の出の光が人の顔を照らしおいた。 

    ※ドル玄150円で換算

    【第16話第䞀郚 アルバヌトの堎合 完】
    【第17話間章むンタヌルヌドぞ続く】 ↓こちらから

    はじめから読むなら ↓こちらから
    この第1話が、すべおの始たりでした。
    【第1話第䞀郚 アルバヌト線 #001 】https://note.com/bigakudou_2025/n/n7dd8c2b260cb

    #創䜜倧賞2025 #ミステリヌ小説郚門

     
     
     
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