
『JTCの理』読者ガイド ― あなたはどの痛みから入りますか
勢いで思いつくまま書き綴ってきましたので、振り返りの意味でガイドにしてみました。
これはフィクションですが、すべて私が働いてきた中で感じてきた不条理や観察からもとになっています。JTCで働いたことのある人なら、必ずどこかの話に自分を見つけるはずです。
このシリーズは、現代の伝統的日本企業(JTC)に潜む「不条理」を小説として描いた連作です。
同じ物語を二つの世界観で書き分けた、二つのパラレルワールドが存在します。
🏮 妖怪編 ― 組織の澱みを「怪異」として解剖する、京極夏彦的世界観
🕶️ マトリックス編 ― システムのバグを「アノマリー」として捉え直す、SF映画的世界観
どちらから読んでも、好きな話から読んでも構いません。 ただ、もし「どこから入ればいいか分からない」という方のために、共感する痛みの種類で入口をご用意しました。
※なお、以下の論評はAIに記事を読んでもらって書いてもらった内容です。
自分で「読むべき…」とか「鋭い…」とか自画自賛しているわけではないのでご注意下さい。
① できる人の悲しみ、気づかない人の無罪
「頑張っているのに、なぜか損をしている気がする」 「自分が動かなければ回らないのに、誰も気づいてくれない」
そう感じたことがある人のための章です。
第二話「消してはいけないもの」
皿を拭く手が、ふと止まる場面から始まります。できる人が問題を先回りで消してしまうことで、誰かの「存在意義」を奪っているかもしれない。その静かな気づきを描いた話です。管理職になる前夜の、割り切れない感覚。
第五話「見えない手」
マニュアル通りにしか動けない人の一人称で語られます。読者は主人公の「気づかなさ」を見ながら、その背後で誰かが静かに火消しをしている構造を行間で読む。この非対称性が、できる人の悲しみを説明なしに伝えます。
第六話「無垢な火種」
悪意のない、真面目で素直な人が、なぜ「問題」になるのか。そしてその問題を片付ける人は、なぜ評価されないのか。①の分類の中で、最も「構造」に迫った話です。
② 不条理なルール ― 適応できる人とできない人
「正しいことをしたのに、なぜか怒られた」 「ルール通りにやっていたら、誰のせいでもない失敗が起きた」
JTCの不条理の根幹にある「正しさと均衡の矛盾」を描いた章です。
第一話「報われない正しさの行方」
このシリーズ全体の「世界観の宣言」です。管理職になった瞬間、「問題を退治する側」から「問題を見ないふりをする側」に配置換えされる。その構造を冷静に解き明かす、最初に読むべき一篇。
第三話「報われない正しさの行方 ― 役職定年前」
正しいことを報告したら、「なぜ先に私に言わなかった」と叱られた。その一日から、静かに世界の端へ追いやられていく人の話です。第一話が「悟り」なら、第三話は「傷」。カスタマーサポートという舞台設定が、その後の灰色の日常に重なります。
第七話「薄給の賢者」
妖怪化しなかった唯一の人。給料は半分、評価もされない。それでも「いなくなると世界が歪む」存在として静かに認知されている。このシリーズで最も「希望」に近い温度を持つ話です。
第九話「沈みゆく船の上で」
「ルール通りに落とし穴に落ちる方がまし」という一文がすべてを言い切っています。現場には見える危機が、上層部には見えない理由。責任回避の構造を、これほど明確に描いた話はなかなかありません。
③ 見かけの世界 ― 自作自演の罠
「あの人、自分で火をつけて自分で消してるだけでは?」 「制度が変わるたびに、現場は何も変わらない」
組織に漂う「虚像」と「物語の消費」を描いた章です。
第四話「異世界との間」
「失敗をどう演出するか」の方が重要な世界。自作自演の英雄譚を冷静に眺めながら、否定もしない観察者の視点で描かれます。怒りではなく、静かな距離感が逆に不気味で、ある意味このシリーズで最も「大人」な話です。
第八話「偽りの桃源郷」
前半は理想を流暢に語る人事部の説明会、後半は「飲みに行くから評価A」という評価会議の現実。この落差の暴力が、読者の目眩を誘います。「適当に点数直しておいてよ」という最後の一文に、すべてが集約されています。
第十話「エッシャーの階段」
経営層が交代するたびに、同じ妖怪に新しい名前をつけ、倒さずに去っていく。倒してしまえば「戦っている姿」を見せられなくなるからだ、という看破が鋭い。永遠に繰り返される儀式の虚しさを描いた話です。
第十一話「勘違いのスター」
「ただボールを渡していただけなのに、自分が一流だと思い込んでいた」。影に支えられながら主人公面をする人と、主人公になれないまま世界を支え続ける影。このシリーズの締めくくりにふさわしい一篇です。
二つの世界観について
各話は 妖怪編 と マトリックス編 の両方で書かれています。
同じ出来事を、霊的・怪異的に描くか、システム・アノマリーとして描くか。読み比べることで、同じ不条理がまったく違う「質感」を持つことに気づきます。
どちらが好みかは、あなたの世界観次第です。
作品一覧
🏮 妖怪編
第一話「報われない正しさの行方」 https://note.com/natty_eagle2101/n/n95975bced18e?magazine_key=m0d595cd4b5c9
第二話「消してはいけないもの」
前編 https://note.com/natty_eagle2101/n/neb83cfc5f4f0?magazine_key=m0d595cd4b5c9
後編 https://note.com/natty_eagle2101/n/n5ce81c9359e3?magazine_key=m0d595cd4b5c9
第三話「報われない正しさの行方 ― 役職定年前」
前編 https://note.com/natty_eagle2101/n/n7145324abc87?magazine_key=m0d595cd4b5c9
後編 https://note.com/natty_eagle2101/n/n4d52ec0499d4?magazine_key=m0d595cd4b5c9
第四話「異世界との間」
前編 https://note.com/natty_eagle2101/n/n4b36f9e73449?magazine_key=m0d595cd4b5c9
後編 https://note.com/natty_eagle2101/n/nece9190e4539?magazine_key=m0d595cd4b5c9
第五話「見えない手」
前編 https://note.com/natty_eagle2101/n/n37d852b20a7a?magazine_key=m0d595cd4b5c9
後編 https://note.com/natty_eagle2101/n/ndc903654098d?magazine_key=m0d595cd4b5c9
第六話「無垢な火種」
前編 https://note.com/natty_eagle2101/n/n33951f79541f?magazine_key=m0d595cd4b5c9
後編 https://note.com/natty_eagle2101/n/nfbc28dd8ffc0?magazine_key=m0d595cd4b5c9
第七話「薄給の賢者」
https://note.com/natty_eagle2101/n/nb91b0c095dc6?magazine_key=m0d595cd4b5c9
第八話「偽りの桃源郷」
前編 https://note.com/natty_eagle2101/n/n9548ab3d9a05?magazine_key=m0d595cd4b5c9
後編 https://note.com/natty_eagle2101/n/n9a5837d11aa3?magazine_key=m0d595cd4b5c9
第九話「沈みゆく船の上で」 https://note.com/natty_eagle2101/n/n75fda423cc23?magazine_key=m0d595cd4b5c9
第十話「エッシャーの階段」 https://note.com/natty_eagle2101/n/nc9aa436ab985?magazine_key=m0d595cd4b5c9
第十一話「勘違いのスター」
前編 https://note.com/natty_eagle2101/n/ndd87083b3396?magazine_key=m0d595cd4b5c9
後編 https://note.com/natty_eagle2101/n/n5f7d312a9421?magazine_key=m0d595cd4b5c9
🕶️ マトリックス編
第一話「報われない正しさの行方」 https://note.com/natty_eagle2101/n/nc65eb5a3ccbd?magazine_key=mb3da7765a131
第二話「消してはいけないもの」
前編 https://note.com/natty_eagle2101/n/n8ef7ea09b679?magazine_key=mb3da7765a131
後編 https://note.com/natty_eagle2101/n/n0ab8b8721e33?magazine_key=mb3da7765a131
第三話「報われない正しさの行方 ― 役職定年前」
前編 https://note.com/natty_eagle2101/n/n1d8a2a1da8b2?magazine_key=mb3da7765a131
後編 https://note.com/natty_eagle2101/n/n99c1096a2986?magazine_key=mb3da7765a131
第四話「異世界との間」
前編 https://note.com/natty_eagle2101/n/ne860f3f710a1?magazine_key=mb3da7765a131
後編 https://note.com/natty_eagle2101/n/n9d6333bb2e7c?magazine_key=mb3da7765a131
第五話「見えない手」
前編 https://note.com/natty_eagle2101/n/n3592b30327d4?magazine_key=mb3da7765a131
後編 https://note.com/natty_eagle2101/n/neb4c03a72131?magazine_key=mb3da7765a131
第六話「無垢な火種」
前編 https://note.com/natty_eagle2101/n/nf2d961268b2f?magazine_key=mb3da7765a131
後編 https://note.com/natty_eagle2101/n/n239a5dfa7edd?magazine_key=mb3da7765a131
第七話「薄給の賢者」 https://note.com/natty_eagle2101/n/n9a4d3ef18627?magazine_key=mb3da7765a131
第八話「偽りの桃源郷」 https://note.com/natty_eagle2101/n/n0d6be0e5e54e?magazine_key=mb3da7765a131
第九話「沈みゆく船の上で」 https://note.com/natty_eagle2101/n/nc0c0f3d5f899?magazine_key=mb3da7765a131
第十話「エッシャーの階段」 https://note.com/natty_eagle2101/n/n74c280708106?magazine_key=mb3da7765a131
第十一話「勘違いのスター」 https://note.com/natty_eagle2101/n/nf2b0084968f1?magazine_key=mb3da7765a131