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中学でも分かる①「微分法」

    中学でもわかる浪漫数学

     ここでは微分法の基本である
    ・極限
    ・微分係数
    ・導関数
    を解説し、その応用として
    ・高次導関数
    ・偏微分
    と内容を進めていきます。

    目標は「接線の傾き」を求める

     下図のように、グラフ上の点Aと接する直線ATを点Aにおける接線といい、その接する点Aを接点といいます。

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     ここでの目標は、この接線ATの傾きを求めることです。イングランドの数学者・物理学者、アイザック・ニュートンの発明した微分法です。高校の微分積分で習います。

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    Isaac Newton(1642年-1727年)

     そのために、グラフ上に別の点Bを用意し、2点A、Bを通る直線ABの傾きを求めます。こちらは中学数学の知識で求めることができます。

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     この直線ABの傾きから、微分法によって接線ATの傾きを求めます。
     その前に、y=f(x)y=f(x) という関数の表記に慣れておきましょう。

    y=f(x) という表記法

     一般の関数 y=f(x)y=f(x) を考えます。なお、xx の範囲は実数(つまり数直線上のすべての数)とします(参考1で数の分類)。

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     xx の値が決まると、y=f(x)y=f(x) という関数によって yy の値がただ1つに決まります。これが関数の定義です。

    \begin{align*} x  が決まる \xrightarrow[]{  y=f(x)  }  y  の値がただ1つに決まる \end{align*}

     例えは、関数 ff として f(x)=x2f(x)=x^2 という関数を考えると
     y=f(x)=x2y=f(x)=x^2
    より
     x=1x=1 のとき y=f(1)=12=1y=f(1)=1^2=1
     x=2x=2 のとき y=f(2)=22=4y=f(2)=2^2=4
     x=−3x=-3 のとき y=f(−3)=(−3)2=9y=f(-3)=(-3)^2=9
     x=92x=\dfrac{9}{2} のとき y=f(92)=(92)2=814y=f\left(\dfrac{9}{2}\right)={\left(\dfrac{9}{2}\right)}^2=\dfrac{81}{4}
     x=3x=\sqrt{3} のとき y=f(3)=(3)2=3y=f(\sqrt{3})={(\sqrt{3})}^2=3
    ⋮\hspace{23pt}\vdots
    と、実数 xx を与えれば、関数 f(x)f(x) によって yy の値がただ一つに決まります。xx の範囲は実数なので、整数
     ⋯ ,−2,−1, 0, 1, 2, ⋯\cdots, -2, -1,  0,  1,  2,  \cdots
    の他に、有理数 92\dfrac{9}{2} や無理数 3\sqrt{3} でも上のように計算可能です。

    y=f(x) のグラフ

     関数 y=f(x)y=f(x) の xx と yy の関係を座標で表すことによって、y=f(x)y=f(x) のグラフを描くことができます。
     例えば f(x)=2xf(x)=2x とすると、それは
     y=2xy=2x
    という1次関数になり、そのグラフは次のような直線になります。

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     下のようないくつかの点を xyxy 座標で結ぶことによって、原点Oオーを通る傾き 22 の直線になることが確認できます。
     x=2x=2 のとき
      y=f(2)=2⋅2=4y=f(2)=2\cdot2=4 より P(2, 4)\hspace{-3pt}(2,  4)
     x=1x=1 のとき
      y=f(1)=2⋅1=2y=f(1)=2\cdot1=2 より Q(1, 2)\hspace{-3pt}(1,  2)
     x=0x=0 のとき
      y=f(0)=2⋅0=0y=f(0)=2\cdot0=0 より R(0, 0)\hspace{-3pt}(0,  0)
     x=−1x=-1 のとき
      y=f(−1)=2⋅(−1)=−2y=f(-1)=2\cdot(-1)=-2 より S(−1, −2)\hspace{-3pt}(-1,  -2)
     x=−2x=-2 のとき
      y=f(−2)=2⋅(−2)=−4y=f(-2)=2\cdot(-2)=-4 より T(−2, −4)\hspace{-3pt}(-2,  -4)
     なお、"⋅\cdot" はかけ算 "×\times" の意味です。今後この表記を頻繁に使います。

     また、f(x)=x2f(x)=x^2 とすると、それは
     y=x2y=x^2
    という2次関数になり、そのグラフは次のような放物線になります。

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     下のようないくつかの点を xyxy 座標でなめらかに結ぶことによって、原点Oオーを頂点とする放物線になることが確認できます。
     x=2x=2 のとき
      y=f(2)=22=4y=f(2)=2^2=4 より P(2, 4)\hspace{-3pt}(2,  4)
     x=1x=1 のとき
      y=f(1)=12=1y=f(1)=1^2=1 より Q(1, 1)\hspace{-3pt}(1,  1)
     x=0x=0 のとき
      y=f(0)=02=0y=f(0)=0^2=0 より R(0, 0)\hspace{-3pt}(0,  0)
     x=−1x=-1 のとき
      y=f(−1)=(−1)2=1y=f(-1)={(-1)}^2=1 より S(−1, 1)\hspace{-3pt}(-1,  1)
     x=−2x=-2 のとき
      y=f(−2)=(−2)2=4y=f(-2)={(-2)}^2=4 より T(−2, 4)\hspace{-3pt}(-2,  4)

     ここからは具体的な f(x)f(x) は考えず、一般の関数 f(x)f(x) で話を進めていきます。後に、一般の場合で得た結論を、具体的な場合に適用していきます。

     それでは、y=f(x)y=f(x) のグラフと、そのグラフ上の点AとBが下図のよう描かれたとして、直線ABの傾きを求めましょう。

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    直線ABの傾きを求める

     上図の点Aの xx 座標を aa としたとき、点Aの yy 座標は f(a)f(a) と表せるので、点Aの座標は A(a, f(a))\hspace{-3pt}(a,  f(a)) となります。

    \begin{align*} x=a  \xrightarrow[]{  y=f(x)  }  y=f(a)   \Rightarrow A\hspace{-1pt}(a,  f(a)) \end{align*}

     同様に、上図の点Bの xx 座標を bb としたとき、点Bの yy 座標は f(b)f(b) と表せるので、点Bの座標は B(b, f(b))\hspace{-3pt}(b,  f(b)) となります。

    \begin{align*} x=b  \xrightarrow[]{  y=f(x)  }  y=f(b)   \Rightarrow B\hspace{-1pt}(b,  f(b)) \end{align*}

     図にすると下図のようになります。

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     すると、下図のように点Cを打つことによって

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     直線ABの傾きは

    \begin{align*} \\[-12pt] 直線ABの傾き&=\dfrac{y  の増加量}{x  の増加量}\\[10pt] &=\dfrac{線分BCの長さ}{線分ACの長さ} \end{align*}

    で計算できます。この図より
     線分ACの長さ =b−a=b-a
     線分BCの長さ =f(b)−f(a)=f(b)-f(a)
    なので、直線ABの傾きは

    直線ABの傾きamp;=線分BCの長さ線分ACの長さamp;=f(b)−f(a)b−a ⋯(∗1)\begin{align*} \\[-12pt] 直線 AB の傾き&=\dfrac{線分BCの長さ}{線分ACの長さ}\\[10pt] &=\dfrac{f(b)-f(a)}{b-a} \cdots (*1) \end{align*}

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     この (∗1)(*1) は、中学では変化の割合、高校では平均変化率という用語で習います。
     ここで、この式を変形していきます。まず

    b−a=h\begin{align*} b-a=h\\ \end{align*}

    と置きます。つまり、線分ACの長さを hh とします。

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     aa を移項すると

    b=a+h\begin{align*} b=a+h\\ \end{align*}

     これを、(∗1)(*1) の aa に代入(aa を消去)すると

    f(b)−f(a)b−a=f(a+h)−f(a)h ⋯(∗2)\begin{align*} \dfrac{f(b)-f(a)}{b-a}=\dfrac{f(a+h)-f(a)}{h} \cdots (*2) \end{align*}

     この b=a+hb=a+h により、点Bの座標は
     B(b, f(b))=\hspace{-3pt}(b,  f(b))=B(a+h, f(a+b))\hspace{-3pt}(a+h,  f(a+b))
    となり、2点 A(a, f(a))\hspace{-3pt}(a,  f(a))、B(a+h, f(a+b))\hspace{-3pt}(a+h,  f(a+b)) を通る直線ABの傾きは (∗2)(*2) 式

    f(a+h)−f(a)h ⋯(∗2)\begin{align*} \dfrac{f(a+h)-f(a)}{h} \cdots (*2) \end{align*}

    と表せます。hh を用いて直線ABの傾きを表すことができました。

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     次に、この (∗2)(*2) を用いて、点Aにおける接線AT(赤線)の傾きを求めます。

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     そのためには、新たに「極限」という概念を用います。 

    極限について

     例えば、関数 f(x)=x2f(x)=x^2 において、xx が 22 と異なる値をとりながら 22 に限りなく近づくとき、f(x)f(x) の値は
     f(2)=22=4f(2)=2^2=4
    という値に限りなく近づきます。

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     一般に、関数 f(x)f(x) において、xx が aa と異なる値をとりながら aa に限りなく近づくとき、それに応じて f(x)f(x) のとる値が一定の値 AA に限りなく近づくならば、この AA を極限値といい、記号 lim⁡\lim を用いて次のように表します。

    lim⁡x→af(x)=A\begin{align*} \lim_{x\rightarrow a}f(x)=A \end{align*}

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    ***

     lim⁡\lim は ”リミット” と読み、x→ax\hspace{-1pt}\rightarrow\hspace{-1pt}a は xx を aa に近づけることを意味しています。

    (例)
     lim⁡x→2 x2=22=4\underset{x\rightarrow 2}{\lim}\,x^2=2^2=4
     lim⁡x→0 x2=02=0\underset{x\rightarrow 0}{\lim}\,x^2=0^2=0
     lim⁡x→3(x3−1)=33−1=27−1=26\underset{x\rightarrow 3}{\lim}(x^3-1)=3^3-1=27-1=26
    aa を定数とするとき
     lim⁡x→0(x+a)=0+a=a\underset{x\rightarrow 0}{\lim}(x+a)=0+a=a

     簡単な場合は、上記の(例)のように、近づける xx の値をそのまま xx に代入すれば極限値は求まります。本記事ではこのような簡単なケースのみを扱います(分母が 00 になるなど、そのまま代入できないケースは、高校3年の数学Ⅲの微分積分で習います)。

     さて、接線の傾きを求めるには、直線ABの傾き

    f(a+h)−f(a)h ⋯(∗2)\begin{align*} \dfrac{f(a+h)-f(a)}{h} \cdots (*2) \end{align*}

    に、この極限の考えを適用させます。

    接線の傾きを求める方法


     (∗2)(*2) 式

    f(a+h)−f(a)h ⋯(∗2)\begin{align*} \dfrac{f(a+h)-f(a)}{h} \cdots (*2) \end{align*}

    は直線ABの傾きです。今から求めるのは、点Aにおける接線AT(赤線)の傾きです。

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     それには、先ほどの (∗2)(*2) について、「hh を 00 に限りなく近づけていく」という方法をとります。先ほど解説した極限の考えです。
     まずは準備として、点Aを定点(動かない点)、点Bを動点(動く点)とします。点Aはグラフ上に固定された点、点Bはグラフ上を動く点です。

     ここで、hh を 00 に限りなく近づけていくと、a+h (=b)a+h  (=b) は aa に限りなく近づいていきます。つまり

    lim⁡h→0(a+h)amp;=a+0(h=0nbsp;を代入)amp;=a\begin{align*} \lim_{h\rightarrow 0}(a+h)&=a+0(h=0  を代入)\\ &=a \end{align*}

     すると、それに対応して、動点Bは定点Aに限りなく近づいていきます。

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     点Aは定点で、点Bが動く点なので、BがAに近づいていくことに注意します。
     さらに、動点Bが定点Aに限りなく近づいていくと、直線ABは接線AT(赤線)に限りになく近づいていくことが見て取れます。

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     つまり、先ほどの直線ABの傾き

    f(a+h)−f(a)h ⋯(∗2)\begin{align*} \dfrac{f(a+h)-f(a)}{h} \cdots (*2) \end{align*}

    について、hh を 00 に限りなく近づけることによって、(∗2)(*2) が限りなく一定の値に近づくならば、その近づく値(極限値)が点Aにおける接戦の傾きとなります。
     それを、極限の記号 lim⁡\lim を用いると、接線 ATの傾きは

    lim⁡h→0f(a+h)−f(a)h ⋯(∗3)\begin{align*} \lim_{h\rightarrow0}\dfrac{f(a+h)-f(a)}{h} \cdots (*3) \end{align*}

    となります。h→0h\hspace{-1pt}\rightarrow\hspace{-1pt}0 のときの極限値が点Aにおける接戦の傾きです。
     この (∗3)(*3) について、改めてきちんとした定義を与えます。

    微分係数の定義

     関数 f(x)f(x) が定義されている(つまり f(x)f(x) が計算できる)区間の xx の値 aa に対して

    lim⁡h→0f(a+h)−f(a)h ⋯(∗3)\begin{align*} \lim_{h\rightarrow0}\dfrac{f(a+h)-f(a)}{h} \cdots (*3) \end{align*}

    の極限値が存在するならば、これを f(x)f(x) の x=ax=a における微分係数といい、f′(a)f'(a) と表します。つまり

    f′(a)=lim⁡h→0f(a+h)−f(a)h\begin{align*} f'(a)=\lim_{h\rightarrow0}\dfrac{f(a+h)-f(a)}{h} \end{align*}

     このとき、f(x)f(x) は x=ax=a において微分可能であるといいます。

    ***

     この f′(a)f'(a) は、”ff ダッシュ aa” や ”ff プライム aa” と読みます。高校ではダッシュ、大学ではプライムが多く使われるようです。

    微分係数の図形的意味

     一般に、曲線上に定点Aと動点Bがあって、Bが曲線上を移動しながらAに限りなく近づくとき、直線ABが一定の直線ATに限りなく近づくならば、直線ATを点Aにおける曲線の接線といい、Aをこの接線の接点といいます。
     したがって、x=ax=a における関数 f(x)f(x) の微分係数

    f′(a)=lim⁡h→0f(a+h)−f(a)h\begin{align*} f'(a)=\lim_{h\rightarrow0}\dfrac{f(a+h)-f(a)}{h} \end{align*}

    は、y=f(x)y=f(x) のグラフ上の点 A(a, f(a))\hspace{-3pt}(a,  f(a)) における接線の傾きを表します。

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    ***

    微分係数の具体例

     例えば、f(x)=x2f(x)=x^2 として、そのときの x=2x=2 における微分係数 f′(2)f'(2) を計算してみます。
     中学で習う展開公式
     (a+b)2=a2+2ab+b2(a+b)^2=a^2+2ab+b^2
    を用いて

    f(2+h)amp;=(2+h)2amp;=22+2⋅2⋅h+h2amp;=4+4h+h2f(2)amp;=22amp;=4\begin{align*} f(2+h)&=(2+h)^2\\ &=2^2+2\cdot2\cdot h+h^2\\ &=4+4h+h^2\\ f(2)&=2^2\\ &=4 \end{align*}

    より

    f′(2)amp;=lim⁡h→0f(2+h)−f(2)hamp;=lim⁡h→04+4h+h2−4hamp;=lim⁡h→04h+h2hamp;=lim⁡h→0(4+h)hhamp;=lim⁡h→0(4+h)amp;=4+0(h=0nbsp;を代入)amp;=4\begin{align*} f'(2)&=\lim_{h\rightarrow0}\dfrac{f(2+h)-f(2)}{h}\\ &=\lim_{h\rightarrow0}\dfrac{\cancel{4}+4h+h^2-\cancel{4}}{h}\\ &=\lim_{h\rightarrow0}\dfrac{4h+h^2}{h}\\ &=\lim_{h\rightarrow0}\dfrac{(4+h)\cancel{h}}{\cancel{h}}\\ &=\lim_{h\rightarrow0}(4+h)\\ &=4+0(h=0  を代入)\\ &=4 \end{align*}

     よって、f(x)=x2f(x)=x^2 の x=2x=2 における微分係数は

    f′(2)=4\begin{align*} f'(2)=4 \end{align*}

    となります。そしてそれが、グラフ y=x2y=x^2 上の点 (2, f(2))=(2, 4)(2,  f(2))=(2,  4) における接線の傾きになります。

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    導関数の定義

     先ほどの微分係数

    f′(a)=lim⁡h→0f(a+h)−f(a)h\begin{align*} f'(a)=\lim_{h\rightarrow0}\dfrac{f(a+h)-f(a)}{h} \end{align*}

    について、次のように、すべての aa を xx に置き換えた関数 f′(x)f'(x) を導関数といいます。

    f′(x)=lim⁡h→0f(x+h)−f(x)h\begin{align*} f'(x)=\lim_{h\rightarrow0}\dfrac{f(x+h)-f(x)}{h} \end{align*}


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    ***

     関数 f(x)f(x) から導関数 f′(x)f'(x) を求めることを、f(x)f(x) を微分するといいます。肩に付いている記号 ”′'” は微分するという記号です。
     この f′(x)f'(x) は、”ff ダッシュ xx” や ”ff プライム xx” と読みます。f′(a)f'(a) のときと同様に、高校ではダッシュ、大学ではプライムが多く使われるようです。
     微分係数 f′(a)f'(a) は具体的な値ですが、f′(x)f'(x) は xx の関数となります。xx を決めることで f′(x)f'(x) の具体的な値が決まります。

    \begin{align*} x=a  \xrightarrow[]{  f'(x)  }  f'(a)  と決まる \end{align*}

     そして f′(x)f'(x) は、グラフ y=f(x)y=f(x) 上の点 (x, f(x))(x,  f(x)) における接線の傾きを表します。

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    導関数の具体例

     それでは、いくつかの簡単な関数について、その導関数を求めてみます。

    (例1)f(x)=xf(x)=x の導関数を求める。

    f(x+h)=x+h\begin{align*} f(x+h)=x+h \end{align*}

    より

    f′(x)amp;=lim⁡h→0f(x+h)−f(x)hamp;=lim⁡h→0x+h−xhamp;=lim⁡h→0hhamp;=lim⁡h→01\begin{align*} f'(x)&=\lim_{h\rightarrow0}\dfrac{f(x+h)-f(x)}{h}\\ &=\lim_{h\rightarrow0}\dfrac{\cancel{x}+h-\cancel{x}}{h}\\ &=\lim_{h\rightarrow0}\dfrac{\cancel{h}}{\cancel{h}}\\ &=\lim_{h\rightarrow0}1 \end{align*}

     この場合、hh に関係なく定数 11 と定まっているので

    f′(x)amp;=lim⁡h→01amp;=1\begin{align*} f'(x)&=\lim_{h\rightarrow0}1\\ &=1 \end{align*}

     よって、f(x)=xf(x)=x の導関数は

    f′(x)=1\begin{align*} f'(x)=1 \end{align*}

     これを

    (x)′=1\begin{align*} (x)'=1 \end{align*}

    と表すこともあります。これは、直線 y=xy=x の傾きと同じになります。

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    (例2)f(x)=x2f(x)=x^2 の導関数を求める。

     中学で習う2乗の展開公式
     (a+b)2=a2+2ab+b2(a+b)^2=a^2+2ab+b^2
    を用いて

    f(x+h)amp;=(x+h)2amp;=x2+2xh+h2\begin{align*} f(x+h)&=(x+h)^2\\ &=x^2+2xh+h^2\\ \end{align*}

    より

    f′(x)amp;=lim⁡h→0f(x+h)−f(x)hamp;=lim⁡h→0x2+2xh+h2−x2hamp;=lim⁡h→02xh+h2hamp;=lim⁡h→0(2x+h)hhamp;=lim⁡h→0(2x+h)amp;=2x+0(h=0nbsp;を代入)amp;=2x\begin{align*} f'(x)&=\lim_{h\rightarrow0}\dfrac{f(x+h)-f(x)}{h}\\ &=\lim_{h\rightarrow0}\dfrac{\cancel{x^2}+2xh+h^2-\cancel{x^2}}{h}\\ &=\lim_{h\rightarrow0}\dfrac{2xh+h^2}{h}\\ &=\lim_{h\rightarrow0}\dfrac{(2x+h)\cancel{h}}{\cancel{h}}\\ &=\lim_{h\rightarrow0}(2x+h)\\ &=2x+0(h=0  を代入)\\ &=2x \end{align*}

     よって、f(x)=x2f(x)=x^2 の導関数は

    f′(x)=2x\begin{align*} f'(x)=2x \end{align*}

     これを

    (x2)′=2x\begin{align*} (x^2)'=2x \end{align*}

    と表すこともあります。
     この f′(x)=2xf'(x)=2x に x=1, 2, 3x=1,  2,  3 を代入してみると
     f′(1)=2⋅1=2f'(1)=2\cdot1=2
     f′(2)=2⋅2=4f'(2)=2\cdot2=4
     f′(3)=2⋅3=6f'(3)=2\cdot3=6
    と、順に大きくなることが分かります。
     このことから、xx が大きくなるにつれて、放物線 y=x2y=x^2 に接する接線の傾きは大きくなることが見て取れます。

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     このように、導関数を調べることによって、接線の傾きの動向、ひいては曲線の曲がり具合(どんな感じでグラフが増減しているか)を知ることができます。

    (例3)f(x)=x3f(x)=x^3 の導関数を求める。

     高校で習う3乗の展開公式
     (a+b)3=a3+3a2b+3ab2+b3(a+b)^3=a^3+3a^2b+3ab^2+b^3
    を用いて

    f(x+h)amp;=(x+h)3amp;=x3+3x2h+3xh2+h3\begin{align*} f(x+h)&=(x+h)^3\\ &=x^3+3x^2h+3xh^2+h^3 \end{align*}

    より

    f′(x)amp;=lim⁡h→0f(x+h)−f(x)hamp;=lim⁡h→0x3+3x2h+3xh2+h3−x3hamp;=lim⁡h→03x2h+3xh2+h3hamp;=lim⁡h→0(3x2+3xh+h2)hhamp;=lim⁡h→0(3x2+3xh+h2)amp;=3x2+3x⋅0+02(h=0nbsp;を代入)amp;=3x2\begin{align*} f'(x)&=\lim_{h \rightarrow 0}\dfrac{f(x+h)-f(x)}{h}\\ &=\lim_{h \rightarrow 0}\dfrac{\cancel{x^3}+3x^2h+3xh^2+h^3-\cancel{x^3}}{h}\\ &=\lim_{h \rightarrow 0}\dfrac{3x^2h+3xh^2+h^3}{h}\\ &=\lim_{h \rightarrow 0}\dfrac{(3x^2+3xh+h^2)\cancel{h}}{\cancel{h}}\\ &=\lim_{h \rightarrow 0}(3x^2+3xh+h^2)\\ &=3x^2+3x\cdot0+0^2(h=0  を代入)\\ &=3x^2 \end{align*}

     よって、f(x)=x3f(x)=x^3 の導関数は

    f′(x)=3x2\begin{align*} f'(x)=3x^2 \end{align*}

     これを

    (x3)′=3x2\begin{align*} (x^3)'=3x^2 \end{align*}

    と表すこともあります。

    微分の公式

     ここまでの結果をまとめてみましょう。

     f(x)=xf(x)=x を微分すると f′(x)=1f'(x)=1
     f(x)=x2f(x)=x^2 を微分すると f′(x)=2xf'(x)=2x
     f(x)=x3f(x)=x^3 を微分すると f′(x)=3x2f'(x)=3x^2

     以上のことを一般化して、次のように公式化することができます。

    <微分の公式1>

     nn は自然数(n=1, 2, 3, ⋯n=1,  2,  3,  \cdots)のとき、
     f(x)=xnf(x)=x^n を微分すると

    f′(x)=nxn−1\begin{align*} f'(x)=nx^{n-1} \end{align*}

     これを、次にように表すこともあります。

    (xn)′=nxn−1\begin{align*} (x^n)'=nx^{n-1} \end{align*}

     ただし、nn は自然数(n=1, 2, 3, ⋯n=1,  2,  3,  \cdots)。

    ***

     f(x)=xnf(x)=x^n を微分すると、指数(肩にある数)nn が係数になり、微分後の指数は 11 だけ減って n−1n-1 になります。

    画像

     この公式をそのまま適用すれば

     f(x)=x4f(x)=x^4 を微分すると

    f′(x)=4x4−1=4x3\begin{align*} f'(x)=4x^{4-1}=4x^3 \end{align*}

     f(x)=x5f(x)=x^5 を微分すると

    f′(x)=5x5−1=5x4\begin{align*} f'(x)=5x^{5-1}=5x^4 \end{align*}

    ⋮\hspace{37pt}\vdots
     f(x)=x10f(x)=x^{10} を微分すると

    f′(x)=10x10−1=10x9\begin{align*} f'(x)=10x^{10-1}=10x^9 \end{align*}

     以下同様と、形式的に微分できます。導関数の定義

    f′(x)=lim⁡h → 0f(x+h)−f(x)h\begin{align*} f'(x)=\lim_{h\,\rightarrow\,0}\dfrac{f(x+h)-f(x)}{h} \end{align*}

    に従って計算することも可能ですが、この微分の公式を使えば簡単に計算することができます。わざわざ導関数の定義に戻る必要はありません。

     この公式の延長として、いろいろな関数の微分が次のように計算可能です。

     f(x)=4x3f(x)=4x^3 を微分すると

    f′(x)=amp;4⋅(x3)′=amp;4⋅3x2=amp;12x2\begin{align*} f'(x)=&4\cdot(x^3)'\\ =&4\cdot3x^2\\ =&12x^2 \end{align*}

     係数 44 は微分 (    )′(       )' の外に出し、x3x^3 の部分を微分します。

     f(x)=2x3+5x2−4xf(x)=2x^3+5x^2-4x を微分すると

    f′(x)amp;=2⋅(x3)′+5⋅(x2)′−4⋅(x)′amp;=2⋅3x2+5⋅2x−4⋅1amp;=6x2+10x−4\begin{align*} f'(x)&=2\cdot(x^3)'+5\cdot(x^2)'-4\cdot(x)'\\ &=2\cdot3x^2+5\cdot2x-4\cdot1\\ &=6x^2+10x-4 \end{align*}

     いくつかの関数のたし算ひき算で表されている場合は、それぞれの関数を別々に微分します。
     これらは次のように公式化されます。微分するときは、これらの公式を用います。

    <微分の公式2>

    1.   kk を定数(実数)とするとき
     y=kf(x)y=kf(x)  ならば   y′=kf′(x)y'=kf'(x)
    2.   y=f(x)+g(x)y=f(x)+g(x)  ならば   y′=f′(x)+g′(x)y'=f'(x)+g'(x)
    3.   y=f(x)−g(x)y=f(x)-g(x)  ならば   y′=f′(x)−g′(x)y'=f'(x)-g'(x)
    4.   k, lk,  l を定数(実数)とするとき
     y=kf(x)+lg(x)y=kf(x)+lg(x)  ならば   y′=kf′(x)+lg′(x)y'=kf'(x)+lg'(x)

    ***

     1.  2.  3. を一般化したのが 4. です。
     直感的に理解しやすいので割愛しますが、これらも導関数の定義に従って証明されます。

     なお、上記では指数部分 nn は自然数としていますが、次のように実数まで拡張することが可能です(高校の数学Ⅲの微分積分で習います)。

    <微分の公式3>

     α\alpha を任意の実数とするとき、f(x)=xαf(x)=x^{\alpha} を微分すると

    f′(x)=αxα−1\begin{align*} f'(x)=\alpha x^{\alpha-1} \end{align*}

    ***

    (例1)f(x)=x32f(x)=x^{\frac{3}{2}} を微分すると

    f′(x)=32x32−1=32x32−22=32x12\begin{align*} f'(x)=\dfrac{3}{2}x^{\frac{3}{2}-1}=\dfrac{3}{2}x^{\frac{3}{2}-\frac{2}{2}}=\dfrac{3}{2}x^{\frac{1}{2}} \end{align*}

    (例2)f(x)=x2f(x)=x^{\sqrt{2}} を微分すると

    f′(x)=2x2−1\begin{align*} f'(x)=\sqrt{2}x^{\sqrt{2}-1} \end{align*}

    定数関数の微分

     例えば f(x)=3f(x)=3 という関数を考えます。これは
     f(1)=3f(1)=3
     f(2)=3f(2)=3
     f(3)=3f(3)=3
    ⋮\hspace{18pt}\vdots
    と、xx に何を代入しても定数 33 となる関数です。このような関数を定数関数といいます。定数関数は、微分すると常に 00 になります。
     例えば、先ほどの定数関数 f(x)=3f(x)=3 を微分すると
     f′(x)=0f'(x)=0
    です。確認のため、定数関数の微分が 00 になることを、導関数の定義に従って証明します。

    (証明)
     f(x)=Cf(x)=C\hspace{-5pt}(定数)とすると
     f(x+h)=Cf(x+h)=C(定数関数なので CC のまま)
    より

    f′(x)amp;=lim⁡h → 0f(x+h)−f(x)hamp;=lim⁡h → 0C−Champ;=lim⁡h → 00hamp;=lim⁡h → 00amp;=0\begin{align*} f'(x)&=\lim_{h\,\rightarrow\,0}\dfrac{f(x+h)-f(x)}{h}\\ &=\lim_{h\,\rightarrow\,0}\dfrac{C-C}{h}\\ &=\lim_{h\,\rightarrow\,0}\dfrac{0}{h}\\ &=\lim_{h\,\rightarrow\,0}0\\ &=0 \end{align*}

    よって、f(x)=Cf(x)=C\hspace{-5pt}(定数)を微分すると

    f′(x)=0\begin{align*} f'(x)=0 \end{align*}

     これを

    (c)′=0\begin{align*} (c)'=0 \end{align*}

    と表すこともあります。

    (例)f(x)=7f(x)=7 を微分すると f′(x)=0f'(x)=0
     これを、(7)′=0(7)'=0 と表すこともあります。

     確認として、練習問題とその解答を与えます。

    練習問題

     次の式を微分しなさい。
    (1) f(x)=6x5f(x)=6x^5
    (2) f(x)=−3x4+2x3−4x+5f(x)=-3x^4+2x^3-4x+5

    (解答)
    (1) 

    f′(x)amp;=6⋅(x5)′amp;=6⋅5x4amp;=30x4\begin{align*} f'(x)&=6\cdot(x^5)'\\ &=6\cdot5x^4\\ &=30x^4 \end{align*}

    (2)

    f′(x)amp;=−3⋅(x4)′+2⋅(x3)′−4⋅(x)′+(5)′amp;=−3⋅4x3+2⋅3x2−4⋅1+0amp;=−12x3+6x2−4\begin{align*} f'(x)&=-3\cdot(x^4)'+2\cdot(x^3)'-4\cdot(x)'+(5)'\\ &=-3\cdot4x^3+2\cdot3x^2-4\cdot1+0\\ &=-12x^3+6x^2-4 \end{align*}

    導関数のいろいろな表記方法

     関数 y=f(x)y=f(x) の導関数 f′(x)f'(x) は、次のように表すこともあります。

    df(x)dx,nbsp;nbsp;ddxf(x),nbsp;nbsp;y′,nbsp;nbsp;dydx,nbsp;nbsp;ddxy\begin{align*} \dfrac{df(x)}{dx},    \dfrac{d}{dx}f(x),    y',    \dfrac{dy}{dx},    \dfrac{d}{dx}y \end{align*}

     例えば、f(x)=x3f(x)=x^3 の導関数は次のように表せます。

    df(x)dxamp;=3x2ddxf(x)amp;=3x2\begin{align*} \dfrac{df(x)}{dx}&=3x^2\\ \dfrac{d}{dx}f(x)&=3x^2 \end{align*}

     df(x)dx\dfrac{df(x)}{dx} は ”ディー f(x)f(x)  ディー xx” と読みます。
     また、ddxf(x)\dfrac{d}{dx}f(x) は ”ディー  ディー xx  f(x)f(x)” と読みます。
     分数の形をしていますが、分数ではないので上から読み上げます。

     さらに、y=x3y=x^3 と与えられた場合は、その微分は yy を用いて次のように表せます。

    y′amp;=3x2dydxamp;=3x2ddxyamp;=3x2\begin{align*} y'&=3x^2\\ \dfrac{dy}{dx}&=3x^2\\ \dfrac{d}{dx}y&=3x^2 \end{align*}

     この ddx\dfrac{d}{dx} という分数表記のメリットは、ddx\dfrac{d}{dx} の分母の xx を見ることによって、「xx で微分する」ということがはっきりと分かることです。今の時点では必要性を感じませんが、最後に述べる偏微分でその必要性が分かります。

    いろいろな関数の微分

     ここでは、いろいろな関数の微分を紹介します。これらは公式として用いられます。いずれも導関数の定義に従えば証明できますが、ここでは結果だけを列挙します(高校の数学Ⅲの微分積分で習います)。

    <三角関数の微分>

     (sin⁡x)′=cos⁡x(\sin x)'=\cos x
     (cos⁡x)′=−sin⁡x(\cos x)'=-\sin x
     (tan⁡x)′=1cos⁡2x(\tan x)'=\dfrac{1}{\cos^2x}

    <対数関数の微分>

     (log⁡ax)′=1xlog⁡a(\log_a x)'=\dfrac{1}{x\log a}(aa は 11 でない正の定数)
     (log⁡x)′=1x(\log x)'=\dfrac{1}{x}
     
     なお、log⁡x\log x は ee を底とする対数で
     log⁡ex=log⁡x\log_e x=\log x
    と ee を省略して書くのが普通です。この ee は e=2.71828⋯e=2.71828 \cdots となる無理数の定数で、ネイピア数(Napier's constant)とよばれています。
     この ee を低とする対数 log⁡x\log x を、xx の自然対数といいます。
     また、1010 を低とする対数 log⁡10x\log_{10} x を、xx の常用対数といいます。

    <指数関数の微分>

     (ax)′=axlog⁡a(a^x)'=a^x\log a(aa は 11 でない正の定数)
     (ex)′=ex(e^x)'=e^x

     最後の exe^x は、微分しても変化しない関数です。先に書いたように、ee は無理数の定数(ネイピア数)です。
     数学、物理、工学など、勉強が進めばこの exe^x が重要な役割を演じることになるので、最後の

    (ex)′=ex(微分しても変わらない)\begin{align*} (e^x)'=e^x(微分しても変わらない) \end{align*}

    は特に押さえておきましょう。

    高次導関数

     関数 y=f(x)y=f(x) の導関数 f′(x)f'(x) のさらに導関数を、f(x)f(x) の第2次導関数といい、次のように表します。

    y′′,nbsp;nbsp;d2ydx2,nbsp;nbsp;d2dx2y,nbsp;nbsp;f′′(x),nbsp;nbsp;d2f(x)dx2,nbsp;nbsp;d2dx2f(x)\begin{align*} y'',   \dfrac{d^2y}{dx^2},   \dfrac{d^2}{dx^2}y,   f''(x),   \dfrac{d^2f(x)}{dx^2},   \dfrac{d^2}{dx^2}f(x) \end{align*}

     つまり、関数 f(x)f(x) を2回連続して微分すると第2次導関数 f′′(x)f''(x) が得られます。

    f(x)→1回目の微分f′(x)→2回目の微分f′′(x)\begin{align*} \\[-14pt] f(x) \xrightarrow[]{\hspace{-3pt}1回目の微分} f'(x) \xrightarrow[]{\hspace{-3pt}2回目の微分} f''(x) \end{align*}

     「′′''」は ”ダブルプライム” や ”ツーダッシュ” と読みます。
     これに対して、f′(x)f'(x) を f(x)f(x) の第1次導関数といいます。
     関数 f(x)f(x) から第2次導関数 f′′(x)f''(x) を求めることを、f(x)f(x) を2階微分するといいます。
     例えば、f(x)=2x5+4x3f(x)=2x^5+4x^3 の第1次導関数は

    f′(x)amp;=2(x5)′+4(x3)′amp;=2⋅5x4+4⋅3x2amp;=10x4+12x2\begin{align*} f'(x)&=2(x^5)'+4(x^3)'\\ &=2\cdot5x^4+4\cdot3x^2\\ &=10x^4+12x^2 \end{align*}

    なので、f(x)=2x5+4x3f(x)=2x^5+4x^3 の第2次導関数は、この f′(x)f'(x) をもう一度微分して

    f′′(x)amp;=10(x4)′+12(x2)′amp;=10⋅4x3+12⋅2xamp;=40x3+24x\begin{align*} f''(x)&=10(x^4)'+12(x^2)'\\ &=10\cdot4x^3+12\cdot2x\\ &=40x^3+24x \end{align*}

     さらに、第2次導関数 f′′(x)f''(x) の導関数を、f(x)f(x) の第3次導関数といい、次のように表します。

    y′′′,nbsp;nbsp;d3ydx3,nbsp;nbsp;d3dx3y,nbsp;nbsp;f′′′(x),nbsp;nbsp;d3f(x)dx3,nbsp;nbsp;d3dx3f(x)\begin{align*} y''',   \dfrac{d^3y}{dx^3},   \dfrac{d^3}{dx^3}y,   f'''(x),   \dfrac{d^3f(x)}{dx^3},   \dfrac{d^3}{dx^3}f(x) \end{align*}

     つまり、関数 f(x)f(x) を3回連続して微分すると第3次導関数 f′′′(x)f'''(x) が得られます。

    f(x)→1回目の微分f′(x)→2回目の微分f′′(x)→3回目の微分f′′′(x)\begin{align*} \\[-14pt] f(x) \xrightarrow[]{\hspace{-3pt}1回目の微分} f'(x) \xrightarrow[]{\hspace{-3pt}2回目の微分} f''(x) \xrightarrow[]{\hspace{-3pt}3回目の微分} f'''(x) \end{align*}

     「′′′'''」は ”トリプルプライム” や ”スリーダッシュ” と読みます。
     関数 f(x)f(x) から第3次導関数 f′′′(x)f'''(x) を求めることを、f(x)f(x) を3階微分するといいます。
     一般に、関数 y=f(x)y=f(x) を nn 回だけ微分して得られる関数を f(x)f(x) の第 n\bm{n} 次導関数といい、次のように表します。

    y(n),nbsp;nbsp;dnydxn,nbsp;nbsp;dndxny,nbsp;nbsp;f(n)(x),nbsp;nbsp;dnf(x)dxn,nbsp;nbsp;dndxnf(x)\begin{align*} y^{(n)},   \dfrac{d^{n}y}{dx^{n}},   \dfrac{d^n}{dx^n}y,   f^{(n)}(x),   \dfrac{d^nf(x)}{dx^n},   \dfrac{d^n}{dx^n}f(x) \end{align*}

     関数 f(x)f(x) から第 nn 次導関数 f(n)(x)f^{(n)}(x) を求めることを、f(x)f(x) を n\bm{n}階微分するといいます。
     第2次以上の導関数をまとめて高次導関数といいます。
     高次導関数は微分記号「 ′ 」を用いてもよいですが、長く続くと見にくいので、より高次の場合は y(4)y^{(4)}、f(4)(x)f^{(4)}(x) などとカッコ付きの数字を用いて表すと便利です。
     例えば、先ほどの y=2x5+4x3y=2x^5+4x^3 について

    f′(x)amp;=2⋅5x4+4⋅3x2=10x4+12x2f′′(x)amp;=10⋅4x3+12⋅2x=40x3+24xf′′′(x)amp;=40⋅3x2+24⋅1=120x2+24f(4)(x)amp;=120⋅2x+0=240xf(5)(x)amp;=240⋅1=240f(6)(x)amp;=0\begin{align*} f'(x)&=2\cdot5x^4+4\cdot3x^2=10x^4+12x^2\\ f''(x)&=10\cdot4x^3+12\cdot2x=40x^3+24x\\ f'''(x)&=40\cdot3x^2+24\cdot1=120x^2+24\\ f^{(4)}(x)&=120\cdot2x+0=240x\\ f^{(5)}(x)&=240\cdot1=240\\ f^{(6)}(x)&=0\\ \end{align*}

    練習問題

     次の関数について、第5次導関数 d5f(x)dx5\dfrac{d^5f(x)}{dx^5} を求めなさい。
    (1) f(x)=x4+x3+x2+x+1f(x)=x^4+x^3+x^2+x+1
    (2) f(x)=exf(x)=e^x

    (解答)
    (1)

    df(x)dxamp;=4x3+3x2+2x+1+0=4x3+3x2+2x+1d2f(x)dx2amp;=4⋅3x2+3⋅2x+2⋅1+0=12x2+6x+2d3f(x)dx3amp;=12⋅2x+6⋅1+0=24x+6d4f(x)dx4amp;=24⋅1+0=24d5f(x)dx5amp;=0\begin{align*} \dfrac{df(x)}{dx}&=4x^3+3x^2+2x+1+0=4x^3+3x^2+2x+1\\ \dfrac{d^2f(x)}{dx^2}&=4\cdot3x^2+3\cdot2x+2\cdot1+0=12x^2+6x+2\\ \dfrac{d^3f(x)}{dx^3}&=12\cdot2x+6\cdot1+0=24x+6\\ \dfrac{d^4f(x)}{dx^4}&=24\cdot1+0=24\\ \dfrac{d^5f(x)}{dx^5}&=0\\ \end{align*}

    (2) exe^x は微分しても変わらないので

    df(x)dxamp;=exd2f(x)dx2amp;=exd3f(x)dx3amp;=exd4f(x)dx4amp;=exd5f(x)dx5amp;=ex\begin{align*} \dfrac{df(x)}{dx}&=e^x\\ \dfrac{d^2f(x)}{dx^2}&=e^x\\ \dfrac{d^3f(x)}{dx^3}&=e^x\\ \dfrac{d^4f(x)}{dx^4}&=e^x\\ \dfrac{d^5f(x)}{dx^5}&=e^x\\ \end{align*}

    偏微分

     本文でやった
     f(x)=x2f(x)=x^2
    という関数は、変数が xx だけの1変数関数です。これを微分すると

    f′(x)=2x\begin{align*} f'(x)=2x \end{align*}

     または

    (x2)′amp;=2xdf(x)dxamp;=2xddxf(x)amp;=2x\begin{align*} (x^2)'&=2x\\ \dfrac{df(x)}{dx}&=2x\\ \dfrac{d}{dx}f(x)&=2x \end{align*}

    と表せることを先に解説しました。

    2変数関数

     関数には、次のように変数が 22 つの関数もあります。これを2変数関数といいます。

    f(x,nbsp;y)=3x2y5\begin{align*} f(x,  y)=3x^2y^5 \end{align*}

     これは、x, yx,  y の2つの変数をもつ関数です。x, yx,  y の値が決まると、z=f(x, y)z=f(x,  y) という関数によって zz の値がただ1つに決まります。

    \begin{align*} x,  y  が決まる \xrightarrow[]{  z=f(x,  y)  }  z  の値がただ1つに決まる \end{align*}

    (例)f(x, y)=3x2y5f(x,  y)=3x^2y^5 について、z=f(x, y)z=f(x,  y) とおくと
     x=2, y=1x=2,  y=1 のとき
     z=f(2, 1)=3⋅22⋅15=3⋅4⋅1=12z=f(2,  1)=3\cdot2^2\cdot1^5=3\cdot4\cdot1=12

    2変数関数の微分

     ここで、f(x, y)=3x2y5f(x,  y)=3x^2y^5 の微分を考えます。この場合、xx で微分するか、yy で微分するかで2つの微分があります。

    ➀ yy を定数とみなして xx で微分する。
     これは、∂f(x, y)∂x\dfrac{\partial f(x,  y)}{\partial x} という記号を用いて

    \begin{align*} \dfrac{\partial f(x,  y)}{\partial x}&=\dfrac{\partial}{\partial x}3x^2y^5\\ &=3y^5\dfrac{d}{dx}x^2\\ &=3y^5\cdot2x\\ &=6xy^5 \end{align*}

     yy を定数とみなし、xx の関数部分を xx で微分します。

    画像

     yy は定数扱いなので、3y53y^5 をまとめて係数(定数)として扱い、偏微分の外に出します。最後は xx での微分が残ります。
     このように、2変数関数に関して、1つの変数を定数とみなし、もう1つの変数で微分したものを偏微分といいます。

    偏微分の記号

     偏微分で使う「∂\partial」という記号は、筆記体の「dd」("ディー")が元になっており、”ラウンドディー” や ”デル” と読みます。
     偏微分を表すにあたって
     ∂f(x, y)∂x\dfrac{\partial f(x,  y)}{\partial x} や ∂∂xf(x, y)\dfrac{\partial}{\partial x}f(x,  y)
    の分母の xx を見ることによって、xx で偏微分することがはっきりと明示されます。これを、分母を yy にして
     ∂f(x, y)∂y\dfrac{\partial f(x,  y)}{\partial y} や ∂∂yf(x, y)\dfrac{\partial}{\partial y}f(x,  y)
    と書けば、次に➁で述べる「yy で偏微分する」という意味になります。

    なお
     df(x)dx\dfrac{df(x)}{dx} や ddxf(x)\dfrac{d}{dx}f(x)
    は高校で習う微分で、この微分を常微分といいます(中学でも分かる①「微分法」)。
     xx での偏微分の場合、xx 以外の部分を偏微分の外に出すことによって、最後は xx での常微分 ddxf(x)\dfrac{d}{dx}f(x) になります。
     ここで、先ほどの計算をもう一度みてみましょう。

    (再掲)

    \begin{align*} \dfrac{\partial f(x,  y)}{\partial x}&=\dfrac{\partial}{\partial x}3x^2y^5 \leftarrow {\footnotesize x  での偏微分}\\ &=3y^5\dfrac{d}{dx}x^2 \,\leftarrow {\footnotesize x  での常微分}\\ &=3y^5\cdot2x\\ &=6xy^5 \end{align*}

     では次に、yy での偏微分をみていきます。
     f(x, y)=3x2y5f(x,  y)=3x^2y^5 について

    ➁ xx を定数とみなして yy で微分(偏微分)する。

    \begin{align*} \dfrac{\partial f(x,  y)}{\partial y}&=\dfrac{\partial}{\partial y}3x^2y^5 \leftarrow {\footnotesize y  での偏微分}\\ &=3x^2\dfrac{d}{dy}y^5 \,\leftarrow {\footnotesize y  での常微分}\\ &=3x^2\cdot5y^4\\ &=15x^2y^4 \end{align*}

     xx を定数とみなし、yy の関数部分を yy で微分(常微分)します。

    画像

     xx は定数扱いなので、3x23x^2 をまとめて係数(定数)として扱い、偏微分の外に出します。最後は yy での微分(常微分)が残ります。

     まとめると、f(x, y)=3x2y5f(x,  y)=3x^2y^5 について
    ➀ xx で偏微分すると

    \begin{align*} \dfrac{\partial f(x,  y)}{\partial x}=3\cdot2x\cdot y^5=6xy^5 \end{align*}

    ➁ yy で偏微分すると

    \begin{align*} \dfrac{\partial f(x,  y)}{\partial y}=3x^2\cdot5y^4=15x^2y^4 \end{align*}

    と、結果が異なることに注意しましょう。

    多変数関数の偏微分

     3変数以上の関数についても偏微分を考えることができます。
     変数が2つ以上の関数を多変数関数といいます。多変数関数の偏微分は、ある1つの変数のみに着目し、それ以外の変数は定数とみなして微分します。

    (例1)f(x, y, z)=5x2y3+z4f(x,  y,  z)=5x^2y^3+z^4 について xx で偏微分すると

    ∂∂xf(x,nbsp;y,nbsp;z)amp;=∂∂x(5x2y3+z4)amp;=∂∂x5x2y3+∂∂xz4amp;=5y3ddxx2+0amp;=5y3⋅2xamp;=10xy3\begin{align*} \dfrac{\partial}{\partial x}f(x,  y,  z)&=\dfrac{\partial}{\partial x}(5x^2y^3+z^4)\\ &=\dfrac{\partial}{\partial x}5x^2y^3+\dfrac{\partial}{\partial x}z^4\\ &=5y^3\dfrac{d}{dx}x^2+0\\ &=5y^3\cdot2x\\ &=10xy^3 \end{align*}

     zz は定数とみなしているので

    ∂∂xz4=0\begin{align*} \dfrac{\partial}{\partial x}z^4=0 \end{align*}

    となります。

    (例2)f(x, y, z)=5x2y3+z4f(x,  y,  z)=5x^2y^3+z^4 について yy で偏微分すると

    ∂∂yf(x,nbsp;y,nbsp;z)amp;=∂∂y(5x2y3+z4)amp;=∂∂y5x2y3+∂∂yz4amp;=5x2ddyy3+0amp;=5x2⋅3y2amp;=15x2y2\begin{align*} \dfrac{\partial}{\partial y}f(x,  y,  z)&=\dfrac{\partial}{\partial y}(5x^2y^3+z^4)\\ &=\dfrac{\partial}{\partial y}5x^2y^3+\dfrac{\partial}{\partial y}z^4\\ &=5x^2\dfrac{d}{dy}y^3+0\\ &=5x^2\cdot3y^2\\ &=15x^2y^2 \end{align*}

     zz は定数とみなしているので

    ∂∂yz4=0\begin{align*} \dfrac{\partial}{\partial y}z^4=0 \end{align*}

    となります。

    (例3)f(x, y, z)=5x2y3+z4f(x,  y,  z)=5x^2y^3+z^4 について zz で偏微分すると

    ∂∂xf(x,nbsp;y,nbsp;z)amp;=∂∂x(5x2y3+z4)amp;=∂∂x5x2y3+ddzz4amp;=0+4z3amp;=4z3\begin{align*} \dfrac{\partial}{\partial x}f(x,  y,  z)&=\dfrac{\partial}{\partial x}(5x^2y^3+z^4)\\ &=\dfrac{\partial}{\partial x}5x^2y^3+\dfrac{d}{dz}z^4\\ &=0+4z^3\\ &=4z^3 \end{align*}

     x, yx,  y は定数とみなしているので

    ∂∂x5x2y3=0\begin{align*} \dfrac{\partial}{\partial x}5x^2y^3=0 \end{align*}

    となります。

    (追記)偏微分の意味(引用)

     偏微分について、書籍「ブラックホールと時空の方程式(小林晋平著)」(P82~P83)に非常にわかりやすい優れた解説があるので、(本記事に合うように多少文章を変えて)引用します。

    (引用始め)

     微分とは、何らかの量の微小変化を表すものです。 たとえば、
    時刻 tt での物体の位置(座標) x(t)x(t) の時間変化は dx(t)dt\dfrac{dx(t)}{dt}であり、これは速度 v(t)v(t) を表します。

    dx(t)dt=v(t)\begin{align*} \dfrac{dx(t)}{dt}=v(t) \end{align*}

     位置は x(t)x(t) という書き方からもわかるように時刻のみの関数です。 つまり、時刻 tt が変化すると、それに応じて位置が変化することを表しています。 時刻 tt を動かすとそれにつられて x(t)x(t) も動くという関係があるので、tt を独立変数、xx を従属変数といいます。
     位置 xx がそうであるように、1つの独立変数によって決まる 従属変数のことを1変数関数と言いますが、私たちが日常で見かけるいろいろな物理量にはそれほど単純ではないものもたくさんあります。
     たとえば世界の気温を考えてみましょう。気温は場所や時間に応じてどんどん変化します。今あなたが赤道直下のどこか暑い国にいるとして、赤道に沿って進めば相変わらず気温は高いままでしょうし、北に向かって進んでいけば少しずつ気温は低くなっていくはずです。 途中に山があり、それを登って高いところに行ってもやはり気温は低くなるでしょう。
     赤道方向に沿って x(t)x(t) 軸,、北に向かって yy 軸、空に向かって zz 軸をとれば、気温 TT は x, y, zx,  y,  z のそれぞれによって異なる値をとるので

    T=T(t,nbsp;x,nbsp;y,nbsp;z)\begin{align*} T=T(t,  x,  y,  z) \end{align*}

    と書けます。このように、少なくとも気温は時刻 tt および位置 x, y, zx,  y,  z に依存する 4 変数関数のはずです。このように2つ以上の独立変数に依存して決まる関数を多変数関数と言いますが、 多変数関数の変化は、微分でどのように表されるのでしょうか。
     1変数関数 f(x)f(x) の微分の場合、1つの変数 xx に依存しているので、変化と言えば
     xx を変化させたときに関数 f(x)f(x) がどう変化するか
    を指します。これに対し、気温 T(t, x, y, z)T(t,  x,  y,  z) の場合は、t,x,y,zt, x, y, z という要素のどれを変化させるかによって変化の様子は違ってくるはずです。
     たとえば赤道方向(xx 軸方向)に沿って動いても相変わらず気温は高いままでしょうから、xx 軸方向への 変化はあまりなさそうです。一方、 北上したり(yy 軸の正方向への移動)、山に登っ たり(zz 軸の正方向への移動)すると気温は下がるでしょうから、そちら方向への変化は負の値になりそうです。こうした 「変数ごとの変化」を表すのに役立つのが偏微分です。具体的には、xx 方向に移動したとき気温 TT がどう変化するかを

    ∂∂x T(t,nbsp;x,nbsp;y,nbsp;z)\begin{align*} \dfrac{\partial}{\partial x}\,T(t,  x,  y,  z) \end{align*}

    のように書き表して、 通常の微分 (常微分と言います)と区別します。
     偏微分は「特定の量の変化分だけに注目し、それ以外の量の変化は一切無視する」という計算なので、xx 方向への偏微分であれば xx 以外の変数 t,y,zt, y, z は定数だと思って計算します。
     たとえば f(x, y)=3x+2y+4xyf(x,  y)=3x+2y+4xy という2変数関数があれば、f(x, y)=3x+2y+4xy2f(x,  y)=3x+2y+4xy^2 を xx で偏微分したものは

    ∂∂xf(x,nbsp;y)=3+0+4y2⋅1=3+4y2\begin{align*} \dfrac{\partial}{\partial x}f(x,  y)=3+0+4y^2\cdot1=3+4y^2 \end{align*}

     f(x, y)=3x+2y+4xy2f(x,  y)=3x+2y+4xy^2 を yy で偏微分したものは

    ∂∂xf(x,nbsp;y)=0+2+4x⋅2y=2+8xy\begin{align*} \dfrac{\partial}{\partial x}f(x,  y)=0+2+4x\cdot2y=2+8xy \end{align*}

    となります。

    (引用終わり) 

    (参考1)数の分類

     数の分類は以下の通りです。

    \begin{align*} \boldsymbol{複素数  a+bi}  \begin{cases} \overset{\small b=0  のとき}{\boldsymbol{実数  a}} \begin{cases} \underset{\scriptsize 分数で表せる数}{\boldsymbol{有理数}} \begin{cases} \boldsymbol{整数} \begin{cases} \boldsymbol{自然数}  \scriptsize{(1,  2,  3, \cdots)}\\ \boldsymbol{0}\\ \boldsymbol{負の整数}  \scriptsize{(-1, -2, -3, \cdots)} \end{cases}\\ \boldsymbol{有限小数}\\  {\footnotesize 例 0.17 (=\dfrac{17}{100})}\\ \boldsymbol{循環小数{\scriptsize(循環する無限小数)}}\\  {\footnotesize 例 0.232323\cdots\left(=\dfrac{23}{99}\right)} \end{cases}\\ \underset{\scriptsize 分数で表せない数}{\boldsymbol{無理数}}\\  {\scriptsize 例 \pi  (=3.1415\cdots)  のような \boldsymbol{循環しない無限小数}}\\       {\scriptsize e  (=2.7182\cdots)  のような \boldsymbol{循環しない無限小数}}\\ \end{cases}\\ \overset{\small b\ne0  のとき}{\boldsymbol{虚数  a+bi}} 特に  a=0  のとき  \boldsymbol{bi}  を\boldsymbol{純虚数}という。  \end{cases} \end{align*}


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    理数系小説『シュレーディンガーの Φ』


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