東京でフリーライターとして働く遥子は、亡き祖母の家を整理するため、年末の富山県氷見市に戻ってきた。
親戚たちに気遣われながら、一人で雪降る実家での滞在を始める。
遺品の片付けや持ってきた仕事の合間に、馴染み深い手作り味噌を味わい、従弟夫婦らと恒例のかぶら寿司を仕込む遥子。
季節外れの家鳴り「天狗」の音を久しぶりに聞き、氷見の穏やかな冬の営みに身を浸していく。
苦手な弟の妻との付き合いなど、家族との距離感に微かな憂鬱を抱えつつも、家を畳むという役割に向き合う日々。その静かな時間の中で、遥子が自身の来し方行く末と、これからの居場所を見つめ直していく冬の数日間。