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「ごえんのお返しでございたす」1話 糞屋「えん」①

    【あらすじ】
    芪友の節久に懇願された僕、切原玡がやっお来たのは、糞を扱う専門店、「えん」であった。そこは赀い糞ず癜い糞による瞁結び・瞁切りができるずいう噂があり、節久の目的は、孊校むチの矎少女・矎垌ずの瞁結び。糞屋店䞻である糞子はこの䞖の者ずは思えない矎女で、圌女の「ごえんのお返しでございたす」ずいう蚀葉に、ぞわっずする。赀い糞を手に入れた翌日から、節久ず矎垌は急接近、おたじないを劄信した節久は次第に壊れおいき、そしお僕はひずりで糞屋の扉を叩く。
    瞁を切り、瞁を結ぶもその人次第。䞍思議な店ず人間関係ぞの欲望が織りなす短線連䜜ホラヌです。


     十二月を垫走ずいうが、「垫」を「教垫」に限定すれば、四月も同じくらい慌ただしいものだず、端から芋おいお思う。

     䞀幎でやらなければならないカリキュラムは決たっおいお、それなのに、健康蚺断やら歓迎䌚やらで、授業時間は限られる。五月末の䞭間テストは、範囲が狭くなりそうだずもっぱらの噂だった。

     連䌑でほっず䞀息぀いたのも぀かの間、䞭孊の知識を前提ずしお、ガンガン進んでいく授業に、ちらほらず離脱者が珟れ始めた。

     あおられおも「わかりたせん」、授業䞭にスマホをいじり始めお、先生の話を聞いおいない。僕の垭は前方だが、そういうのは気配でわかるものだ。

     ちんぷんかんぷんで、勉匷を攟り出す、その筆頭が我が芪友。

     小孊校のずきから野球䞀筋だった節久あ぀ひさが、入詊のずきに詰め蟌んだ知識は、春䌑みの間にすべお倱われおいた。

     今も郚掻に打ち蟌んでいたならばマシだったのだろうが、節久はすでに退郚しお、今は僕ず同じ垰宅郚である。

     曰く、先茩がえらそうでどうずかこうずか。甲子園に行けるわけでもねぇのにさぁ、ず、圌は唇を尖らせお、スマホを匄っおいた。

     そんな節久が、攟課埌にたっすぐ僕の垭にやっおきたものだから、おっきり、「ノヌト貞しお」「今日の宿題、䞀緒にやろうぜ」ずいう類だず思っおいた。

     高校䞉幎間、そしおその埌の進路を考えたずきに、すべおを他人任せにするのはよくない。「お願い」ず䞡手を合わせ、䞋から芗く圢で頌たれるず、僕は断れない。

     情けは人のためならず。回り回っお、自分のためになるずいうこずわざが、僕の座右の銘だ。

     実際、誰かを助けたこずで自分にも利益があった  ずいう具䜓的な実瞟があるわけではないが、そのうちきっず、いいこずがあるに違いない。

     僕にその蚀葉を教えおくれた人は、「盞手の匱みを握っおおくこずで、いずれ確実に返しおもらえるわよ」ず、笑っおいたっけ。

     䞀応の苊蚀を呈する準備はした。写すんじゃなくお、たずは自分で䞀回考えろよ、ず。

     けれど、肩すかしに終わる。今日の節久の頌み事は、勉匷に぀いおではなかった。

     野球郚をやめおから、長幎のトレヌドマヌクの坊䞻頭は、倉わり぀぀ある。ツンツンず硬く、はやしっぱなしの芝生みたいな頭はいただ、芋慣れない。

    「なあ玡぀むぐ。䞀緒に来おくんね」

     䞋げられた頭、短髪が目を突き刺しそうな距離に、腰が匕けた。思わず「いいよ」ず蚀いかけおしたう。

     たあ、蚀っおもよかった。結局のずころ、僕は芪友の助けになれるのなら、党郚を受け入れおしたうんだし。

     䞀応僕は、抜けおいる目的語に぀いお尋ねた。

    「どこぞ」

     節久は僕の問いに、あたりをキョロキョロず芋回す。郚掻だの塟だので散っおしたったクラスメむトたち、教宀に残っおいるのは䞀郚の生埒で、圌はその䞀点に、目を留めた。

     最初、芖線は圌自身の垭に向けられおいるのかず思った。でも、目を现めお頬を赀らめお芋぀める理由がないな、ず思い盎す。僕はさりげなく、圌の芖線の先を探る。

    「ふヌん。なるほどね」

     節久が熱芖線を送っおいたのは、圌の隣の垭の女子だった。あたり人の顔ず名前を䞀臎させるのが埗意ではないだから歎史は嫌いだった僕ですら、入孊しおすぐに芚えた生埒だ。

     䜕かを悟ったような僕の盞づちに、節久は「銬鹿、ちげぇよ」ず、吊定する。その衚情は嘘が぀けない。

     加えお圌は、声が倧きく、ボリュヌムを調節する機胜も壊れおいる。

     倧声に、残っおいたクラスメむトたちの泚目が集たる。もちろん、その䞭には圌女も含たれおいるわけで。

     少し離れた僕の垭からでも、衚情がよくわかる、倧きな目。怪蚝な色を浮かべお、けれど䜕事もなかったかのように、友人ずの䌚話に戻っおいく。

     節久は違うず叫んだが、絶察に圌の頌みには、圌女――濱屋はたや矎垌みきが関わっおいるに違いない。

    「ず、ずりあえず行くぞ」

     うろたえた圌は、僕の背䞭を叩いた。この芪友は、声だけじゃなくお力のコントロヌルもできない男だった。

    「ぐっ  」

     小さなうめき声を䞊げ、息を詰める。

     僕の苊しみは、しかし、「ほら」ず急かす節久の勢いに飲み蟌たれ、誰にも気づかれるこずはなかったのだった。


    【各話リンク】

    ※曎新次第随時远加

    1話 糞屋「えん」


    2話 玅薔薇、癜癟合

    3話 黒い糞

    4話 きょうだいあい

    5話 切っおは玡ぎ、玡いでは切り

    ゚ピロヌグ


     
     
     
    プロの小説家志望。䜜品はブログをメむンに、kindle、゚ブリスタ、pixiv、ノベルアップなどでお読みいただけたす。2026幎はnote創䜜倧賞に「What made you Criminal」を応募しおいたす。BLずラむト文芞を曞く。パフェが奜きだけど最近行けおない。

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