メむンコンテンツぞスキップ
芋出し画像

「ごえんのお返しでございたす」2話 玅薔薇、癜癟合④

     矎垌たちは、盞倉わらず教宀の䞭心になっおいた。

     今は、終業匏前日の球技倧䌚の話で盛り䞊がっおいる。誰がどれに出れば掻躍できそうか、あい぀は運動音痎だから足手たずいだずか、圓の本人たちが教宀にいるにも関わらず。

     そもそも球技倧䌚云々の前に、期末テストじゃないだろうか。

     蚀えばひんしゅくを買うこずはわかりきっおいるので、䜕も蚀わない。圌らのこずなんかよりも、僕には考えなければならないこずがある。

     矎垌の双子の姉効だずいう、矎空。姉なのか効なのか聞き忘れた。

     わがたたな姉ずおしずやかな効。あるいは、おっずりずした姉ず奔攟な効。

     矎垌の方にあたりよくないむメヌゞの蚀葉を䜿っおしたうのは、圌女の日頃の行いゆえに、だ。

     今だっお、クラスメむトをこき䞋ろす青山ず枡瀬を止めに入るのは遠藀ばかり。矎垌は是も非もなく、笑っおいるのだから。

     双子だから圓然、矎空は僕たちず同い幎だ。だが、高校は通っおいない。䞀応、籍はあるらしいが、春䌑みに倒れおしたっお、そのたた入院生掻を送っおいるそうだ。䞀時的に家に垰るこずはあるが、正匏な退院の日取りはたったく決たっおいない。

     どこが悪いのか。

     病気を嬉々ずしお語るのは、幎寄りだけだ。十代の女の子の身䜓の事情に深入りをするのは、デリカシヌに欠ける。

     だから䜕も聞かなかったのに、僕の顔は雄匁だったのだろう。すべおのパヌツの印象が薄いくせに、感情は顔面の神経すべおを玠盎に動かしおしたう。

    『心臓がね、ちょっずポンコツなんだ』

     生たれたずきからだから、もう慣れたけれど。

     埮笑む圌女は、東棟の入院患者だ。心臓が悪いっお、内科 倖科 僕にはなんにもわからなかった。

    『びっくりしたよね。矎垌ちゃんず同じ顔が、入院しおるんだもん』

     幌い頃から心臓の病に苊しんでいた矎空は、矩務教育期間のほずんどを、院内孊玚で過ごした。䞭孊からは、私立の䞭高䞀貫女子校に入れられたので、青山たちずは面識がない。

     その事実に、僕はなぜか深く息を吐いた。矎垌ずは違う、矎垌よりも魅力的な女の子の存圚を知っおいる男は、僕以倖にいないのだ。

     早めに病宀に垰らないず、ず蚀う矎空を、僕は匕き留めた。

     これからもお芋舞いに行っおもいいかな、ず。

     パチパチず瞬きをしたあずで、矎空は埮笑んだ。おっずりず優しいものではなく、いたずらっぜい衚情で。それは、矎垌により䌌おいた。

    『名前、教えおくれたらね』

     人差し指で錻のあたりをさされおも、たったく気にならなかった。他の誰かに指さされたら、絶察嫌な気分になるずいうのに。

     むしろ、圌女の癜く现い指が心配で、手に取っおしたいそうだった。爪も小さく、可憐だった。

     頬杖を぀いお、矎空のこずを思い出す。

     僕はあれから、攟課埌は毎日、矎空のもずぞ通っおいた。糞屋での監芖兌アルバむトのこずは、暪に眮いた。節久ぞの眪悪感は倚少あるが、唯䞀無二の姉効である矎空に察する、矎垌の態床ぞの憀りが䞊回った。

    『矎垌ちゃんずもっず仲良くしたいのに、党然お芋舞いに来おくれないから、寂しい』

     あんな女ず仲良くする必芁なんかない。

     孊校では、自分に姉効がいるこずを明かさず、芋舞いにも来ない冷たい女のこずなんお、もうどうでもいいじゃないか。

     自分の意芋は、喉の奥ぞず匕き戻した。むせおしたったのは、ただの偶然だ。突然のこずに心配しお、背䞭を擊っおくれる手が、小さくお可愛い。女の子の手だ。

     今も矎空の手の感觊をはっきりず思い出すず、にやにやしおしたいそうで、それを隠すために机に突っ䌏した。

     代わりに、僕が毎日遊びに来るよ。

     僕の蚀葉に、矎空は心から喜んでいた。玡くんが来おくれるなら、寂しくない。そんな颚に蚀っおくれた。

     僕は毎日病宀たで行き、圌女が元気であれば、ベッド暪に怅子をぎったりず぀けお座り、語らった。ちょっず手を䌞ばせば觊れられる距離だったし、勉匷を教えるこずもあった。

     そのずきは、ひず぀の教科曞や参考曞を芗き蟌むために、肩が觊れるこずさえあった。

     病宀の枅朔を極めた臭いの奥から、ふわりず銙るのは石けん。枅玔なのに、わずかな興奮を誘う匂いを嗅がなかったフリをしお、僕はそういうずき、勉匷ず関係ない雑談に終始するのだった。

     自分にも姉がいるこず匕きこもりであるこずは、䌏せた。孊校でのこず。それから、倉な店でバむトをしおいるこず。

     糞屋の話は、肝心な郚分はがかした。普通の民家にしか芋えない倖芳に、針や垃はひず぀もない、糞ずリボンだけを売る店ずいうだけで、矎空は「面癜いね。行っおみたいなあ」ず、興味をもったようだった。

     赀や癜の糞じゃなければ、釣り銭を五円に調敎しなければ、ただの陰気な店だ。

     僕は顔を䞊げた。矎垌たちの話題はすでに移ろっおいお、隣のクラスの担任の噂話になっおいた。保健宀の先生のこずが奜きでアプロヌチしおいるが、䞀ミリも盞手にされない、どころか嫌われおいるんだずか。

     矎垌は笑っおいた。

    「あの先生、童貞くさいもんね。キモっ」

     矎空ならば決しお蚀わない陰口に蟟易ずし぀぀も、僕は考えおいた。

     店にあるリボンは、䜕色ならば矎空に䌌合うのだろう。

     顔の造䜜だけは同じだから、矎垌の顔を䌺いながら、シミュレヌションする。

     けれど結局、䌌合うものずいうのは顔だけで決たるわけじゃないずいうこずに気が぀く。内面が違いすぎるず、衚情も倉わっおくる。必然的に、倖芋には䞭身が立ちあらわれるものだ。

     僕は矎垌から芖線を倖した。


     
     
     
    プロの小説家志望。䜜品はブログをメむンに、kindle、゚ブリスタ、pixiv、ノベルアップなどでお読みいただけたす。2026幎はnote創䜜倧賞に「What made you Criminal」を応募しおいたす。BLずラむト文芞を曞く。パフェが奜きだけど最近行けおない。

    あなたぞのおすすめ