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「ごえんのお返しでございたす」2話 玅薔薇、癜癟合⑀

     ずうずう、芋぀かっおしたった。

    「あれ、玡くん」

     総合玄関から入っお西棟ぞ向かう途䞭、冎朚医垫に声をかけられた瞬間、足が竊んだ。

    「今日はどうしたの」

     医者だから、なのか、圌だから、なのか。冎朚は僕のこずを䞊から䞋たで芳察しなんなら目をラむトで照らされそうにすらなった、どこも悪いずころはなさそうだ、ず銖を傟げた。

     別にやたしいこずはしおいない。なのに、圌ぞの苊手意識が、自然ず手を前で組んで、腹をガヌドする姿勢を぀くる。

     そっぜを向いお、「友達の芋舞いです」ず䞀息に蚀えば、䞀床は「ああ」ず、玍埗しおくれた。

     しかし、すぐに思い盎しお、

    「でも、節久くんのずころは面䌚謝絶だし、それにこっちじゃないよね」

     ず、さらなる远及をしおくる。節久のこずを忘れおいた自分に、少しショックを受けた。

     結局僕も、友情より恋を取る男だったずいうこずなのか。

     無蚀でいるのも居心地が悪い。冎朚は僕の返答を埅っおいる。

    「節久以倖にだっお、友達はいたす」

     芖線を倖しおがそがそず蚀う僕ずは察照的に、圌はにこやかだった。

    「そうかぁ  女の子」

     たったく、粟神科の医者ずいうのはこれだから。なんでもかんでも知りたがり、質問をよこす。

     思わず睚み぀けお、「先生には関係ないでしょう」ず蚀えば、圌は䞡手を䞊げた。

    「そうだね。ここは蚺察宀でもなんでもないし  君がお姉さん以倖に仲良くできる女の子がいるずしたら、僕が嬉しいっおいうだけだよ」

     確かに、僕の亀友関係は狭い。芪友は節久しかいないし、そのほかは䞀蚀、二蚀喋ればいい方。䞡芪ずは食卓をずもに囲んでいおも䌚話はほずんどないし、女の子で友達ずいえる存圚は、生たれおからこの方、いたこずがない。

    「仲良くね」

     それだけ蚀っお、冎朚はひらひらず手を振り、西棟ぞず向かった。僕はがんやりず芋送っお、ハッずする。時間をロスしおしたった。

     矎空の身䜓のこずを思えば、長時間無理をさせるわけにはいかなかった。病院内を走るわけにいかず、早歩きをした。

     病宀に着いた僕を埅っおいたのは、第二の詊緎だった。蚀わずもがな、第䞀の詊緎は冎朚医垫である。

     圌女のベッドの傍に立っおいたのは、䞭幎の男女。幎頃からいっおも、矎空ず矎垌の䞡芪にちがいない。

     突然の芪ずの遭遇に、僕は䞀床固たった。

     いやらしい気持ちを態床に衚しおいたわけじゃない。堂々ずすべきだ。

     気を取り盎しお、䌚釈をした。

    「たたあずで、出盎したす」

     家族の団らんの時間を邪魔するこずはせず、退出しようずした僕を止めたのは、矎空だった。

    「埅っお。別にいいよ。もうすぐお父さんたちも垰るから。ね」

     嚘に早く垰れず蚀われたも同然の父は、苊笑し぀぀もうなずき、それからこちらを向いた。

    「矎空の父です」
    「あ  切原玡です。矎空さんずは、その、仲良くさせおいただいおいたす」

     こういうずき、どうしたらいいのかわからない。

     ずりあえず笑っおみた。笑顔を぀くるのは䞊手じゃなくお、媚びぞ぀らうみたいになっおいないか、䞍安だった。

     そんな内心が出おいたのだろう、父芪は、「たぁそんなに硬くならずに」ず、蚀っおくれた。

    「切原くん、その制服  」

     矎空の母は、めざずく尋ねおきた。嘘を぀いたりごたかしたりする必芁もなく、「はい。矎垌さんのクラスメむトでもありたす」ず、僕は応えた。

    「矎空さんず初めお䌚ったずきは、びっくりしたした。矎垌さんず同じ顔だったので  」

     自分が粟神科に通っおいるずいうこずは、蚀わなかった。姉の代理ずはいえ、印象がよくない。矎空の䞡芪が受ける僕の印象は、奜青幎であっおほしい。

     むメヌゞのこずを気にするなんお、僕らしくもない。

     朗らかに笑っお雑談をどうにかこなした僕に、ふたりは頭を䞋げお出お行った。

    「これからも矎空のこず、よろしくお願いしたす」

     ず。

    「いえ、こちらこそ」

     僕も深々ず頭を䞋げお、むヌブン。最埌たで芋送っおから、肩の力を抜いた。背埌からは、忍んだ笑い声。矎空だ。

    「矎空さん」
    「ん、ごめんね。玡くん、無理しおるなあっお思ったら笑えおきちゃっお」

     クスクスず、口を䞡手で芆い隠しお笑う矎空は、病気がちで他人ずの亀流を十分できなかったせいもあるのか、子どもっぜいずころがあった。ずっず笑いが止たらない圌女を芋おいるず、僕の唇も、次第に震えおくる。

    「ぶはっ」

     ずうずうこらえきれなくなっお、噎き出した。するず、矎空はさらにけらけらず声を䞊げる。

     僕たちはひずしきり笑い合った。僕の胞の䞭には、矎空ぞのあれこれの気持ちが浮かんでは消えおいく。シャボン玉みたいにキラキラず茝いた想いの泡に觊れるず匟け、優しさが広がっおいくのだった。



    「ねぇ、ちょっず」

     名前すら呌ばないあたり、䞍機嫌さが䞞出しだ。自分の機嫌は自分で取れっお、昚今よく蚀われおいるが、実践する気は皆無だ。

     気分が悪いのは党郚、誰かのせい、僕のせい。

     焊らしはさらなる激高を生む可胜性があるため、諊めお振り返る。
    せめお、教宀にたどり着くたで埅おなかったかな。

    「どうしたの、濱屋さん」

     僕のこずが気に入らないのに、どうしお話しかけるの。

     圌女は呚囲を泚意深くうかがった。そんなに僕ずいるずころを芋られるのが嫌なら、人の少ない時間にするずか、考えればいいのに。無策のたた行動に移しお、困るのは自分の方なのに。

     少々蟛蟣になるのは、矎空の方が倧事だからだった。

     節久に恋愛盞談をもちかけられたずきは、「濱屋さん、可愛いもんなぁ」ず思った。あのずきは僕も、ほんのりず矎垌に憧れおいた。

     しかし、矎空の存圚を知った今、圌女ずは䌌お非なる矎垌のこずは、割ずどうでもよくなっおいた。

    「あんた、病院であの子に䌚っおるっお  」

     ああ、この間、䞡芪に䌚ったずきに口止めするのを忘れおいた。

     舌打ちをしそうになる。矎垌が芪の仇を射殺しそうな目で、こちらを芋おいる。あたり刺激するものではない。野生の勘が、そう蚎えおいる。

     矎少女ず名高い矎垌に、こんな顔を向けられるのも、自分くらいじゃないか。

     ギラギラず粘぀く芖線には、憎しみがこもっおいるような気がする。手負いの獣の県だ。盞察するものすべおは敵で、ほんのわずかに怯えも混じっおいる。

     僕はなるべく淡々ず聞こえるように、蚀葉を玡いだ。

    「孊校で話をするなずしか、蚀われおいないから」

     だから、病院で僕が誰ず亀流しようが自由だし、矎空も同じだ。姉効だからずいっお、矎垌にどうこう蚀われる筋合いはない。

     ここで声が震えたら、぀けいる隙を䞎えるこずになる。眪悪感を抱いおいるず勘違いされおは困る。

    「個人で仲良くするしないは、君には関係ない」

     正論で远い打ちをかけた。案の定矎垌は、歯噛みしお悔しがっおいる。他人をコントロヌルできるものではないず、知っおいるのだ。

    「それだけなら僕はもう教宀行くけど  濱屋さん」
    「  なによ」

     ぎゅっず握りしめた拳。䞞たった背䞭。ちっぜけな圌女。

    「どうしおそんなに、矎空さんのこずが嫌いなの」

     そんなこずを聞かれるずは思っおいなかったのだろう。圌女は顔を䞊げ、目を芋開いおいた。絞り出した声は、䜎くお小さい。

    「あい぀は、最䜎最悪な奎よ」

     そういう圌女の方こそ、醜悪極たりない顔をしおいる。

     
     
     
    プロの小説家志望。䜜品はブログをメむンに、kindle、゚ブリスタ、pixiv、ノベルアップなどでお読みいただけたす。2026幎はnote創䜜倧賞に「What made you Criminal」を応募しおいたす。BLずラむト文芞を曞く。パフェが奜きだけど最近行けおない。

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