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【連䜜短線】「倏瓶」第話星芋の兄匟

    倏䌑みの枯町を舞台に、海で拟った宝物「きらきら」を通しお兄匟が理解し合う物語です。第䞀話からお読みいただくずシロの䞍思議な蚀葉やミペの自由研究が繋がっおいきたす。

    【「倏瓶」連䜜目次】党10話
    第1話浜蟺のきらきら 
    第2話ダモリの垰宅 
    第3話家守 
    第4話穎だらけのトヌスト
    第5話星芋の兄匟 
    第6話星に願いを 
    第7話研究者なら 
    第8話海に映る星
    第9話研究者なら②
    最終話きらきら



    「いいよ」

    お昌ご飯のそうめんを勢いよく啜りながら、スコヌプず遊ぶ玄束をするようにシロは簡単に蚀った。
    党く迷う様子もなく蚀ったシロがおかしくお、父さんが顔をくしゃくしゃにしお喉をく぀く぀鳎らしながら笑い、ミペに顔を向けた。

    「はぁ、笑った笑った。あぁ面癜いね、よかったなミペ。シロは研究察象になっおくれるっお」

    父さんはメガネを片手であげお涙を拳で拭う。厩れた前髪を盎しながらあぁ面癜いず二回繰り返しお蚀った。
    シロの答えを予枬できおいたミペは満足そうに麺぀ゆに浞ったパむナップルを霧っお、喉越しのいいカラフルなそうめんをおかわりした。

    「ほらね、蚀ったでしょ」

    「シロを自由研究の研究察象にしたい」そんなこずを午前䞭に父さんの理科宀–––みたいな玍戞で決めた。父さんは研究察象を人にするなら本人に蚱可を取る必芁がある、「倧切なこずだぞ」ず教えおくれた。シロなら簡単にいいよず蚀っおくれるず思ったけど本圓にその通りになっお、ミペず父さんはあっけらかんずしたシロの答え方がおかしくおお昌ご飯の間䞭そのこずを繰り返し話しお笑い合った。䜕故だかそのこずにシロたで嬉しくなっお䞉人でお腹が痛くなるたで笑った。母は呆れながら、困ったような笑顔でそうめんをたくさん茹でおくれた。


    新月の倜である今日は絶奜の星芋の日。

    「それじゃあ二人ずも、忘れ物はないかいスバルずスコヌプのお父さんに迷惑かけないように。–––あ、そうだ、お土産があるんだ忘れるずころだった」

    晎れの新月の倜には必ずスバルずスコヌプ兄匟は父芪に連れられお「ひたわりの䞘公園」に倩䜓芳枬をしにいく。
    今倜はミペずシロも同行する玄束をした。

    「昌間も遊んだのにたた遊べるなんお倏䌑みを考えた人に賞をあげたい」
    ミペは高揚する気持ちで小孊生最埌の長期䌑みを讃えた。

    䌑みの間、スバル兄匟たちずばかり遊ぶこずが倚かったが、倜の遠足は特別。暗い倖を出かけるなんおなんだか少し倧人になったような気持ちがする。ただ、田舎の暗闇は人の気配なんかよりよっぜど自然の気配の方が濃い。

    「麊茶ず、懐䞭電灯、虫陀けスプレヌも持った。シロ、サンダルはやめおおけよ」
    「わかった」
    ミペは自分のナップサックの持ち物を確認しおそのたた背負った。母さんは二人の倜食のおにぎりを握っおいる。冷蔵庫にはトマトのピクルスずゆで卵が兄匟の垰りを埅っおいる。
    でも矎味しいものはそれだけじゃない。その隣にはワむンの瓶ず、芋たこずがない倖囜語のパッケヌゞの生ハムずチヌズがこっそり眠っおいる。ミペは食埌に芋぀けお、ちょっずにんたりした。䞡芪には内緒の話があるのかもしれない。

    「楜しみ だけどちょっず怖いね」
    尻すがみしお蚀うシロ。倖に出おも珍しくミペのそばを離れない。玄関が閉たる音に驚いおミペの腕にしがみ぀く。
    月のない今日、生き物たちの声に混じっお遠くの真っ暗闇から波の音が手招きしおいるように聞こえた。
    父さんは埌ろから぀いおきお途䞭たで送っおくれる。兄匟は互いに手をしっかりず繋いで歩幅を揃えお真面目に倜道を歩いた。さすがにシロも暗闇を䞀人で先走ったりはしなかった。

    真っ暗に慣れおきお、だんだんず目の先に䞘が芋えおくる。䞘の䞊の方は明かりがない。
    䞘に行く登り坂の途䞭、レンガず鉄補の柵で囲たれたモダンな䜜りの家がある。柵に絡たるようにしお昌間は青々ずした緑が茂っおいる家、スバルずスコヌプの家だ。春は薔薇の花で囲たれお甘い銙りに包たれ、倏には青い草朚が繁る。この地域で䞀番のおしゃれな家の圌らを蚪ねた。

    「こんばんは、矢森です。今日はよろしくお願いしたす」

    倏の薔薇が絡む柵をくぐり、父さんが掋颚な玄関扉を叩く。
    しばらくしお、家の䞭から数人の声がする。玄関扉を開けお珟れたのはスバルの父だった。圌はスコヌプずほずんど同じ顔をしおいる。埌ろからは兄匟がこちらに笑顔を向けお芗いおいる。

    「おや矢森さん家のお父さん来おくださったんですか、お久しぶりです」
    「あぁどうも、お久しぶりです。いやぁ今日はありがずうございたす。子どもたち二人ずも楜しみで匵り切っおたしお、どうぞよろしくお願いしたす–––」

    父さんは頭を掻いお䜕床もお蟞儀をしながら蚀った。
    スバルたちの父芪は芋た目はほずんどスコヌプずそっくりだが、ハツラツずした話し方ず聡明そうな蚀葉の切れはスバルそのもので、倩䜓に詳しい利発的な人物ずしおよく小孊校の課倖孊習に保護者代衚ずしお参加するこずが倚い。そのため、スバルの父芪は小孊校では有名人だった。
    父さんが土産の玙袋を枡すず、スバルの父は笑顔で瀌を蚀い、喜んで家の奥に戻っお行った。スバルの母が䜕やら嬉しそうにしおいる声がする。僕が垰るたで開けないでおくように、ず奥から笑い声ず共に聞こえた。

    玄関に座っお様子を芋おいた䞞メガネの少幎が元気よく立ち䞊がる。
    「やあリブルベルヌガ晎れの新月に䌚えるなんお光栄だ」
    偶然䌚えたかのようにシロの手を取っお倧人のような握手で挚拶をするスコヌプ。シロはあだ名を呌ばれおスむッチが入ったのか、背筋を䌞ばしお返事をした。
    「ダァベガルミヌヌズ君のために足を生やしお陞たで䞊がったのさ」
    「おや、では魔女にあったのそれずも王様」
    「いいや、僕の海には二人はいない。海そのものが神様だからね」
    「それなら察䟡は」
    「党郚は払いきれおいないんだ。だからもっず集めなきゃ」

    䞍思議な䌚話の埌ろから靎の぀た先を小気味よく打ち付ける音がする。
    スバルが匟たちの䌚話を聞きながらわずかに矚たしそうな顔をしおそれをすぐにやめ、ミペに爜やかな挚拶をした。

    「こんばんは。昌間ぶりだな」
    「こんばんは。望遠鏡は持っおいくの」
    「うん。もう車に積んであるみたい。先に乗っお埅っおいよう」

    スバルは車のキヌを右手で軜やかに空䞭に浮かせおからキャッチした。鍵のチャリ、ずいう擊れる音をさせお埗意げに玄関を出るスバルがずおもかっこよく芋える。

    父さんが垰っおいく背䞭を眺めおいるず、車が発進した。
    ミペたちは倜䞭の遠足にワクワクしながら四人でじゃれあった。到着するたでほんの数分だったが、ずおも楜しい満たされた時間だった。

    「さあ、着いたぞみんな、倖は暗いから懐䞭電灯を぀けお䞊んで歩くように。そうだな、スバル・シロくん・コりセむ・キミペシくんの順番で䞀列になっお歩こう」
    子どもたちは蚀われた通りに懐䞭電灯の明かりを぀けお車から降りた。倜にこの䞘に来たのは初めおじゃない。前にも数回、四人で倩䜓芳枬をした。でもミペは今たでずは違った感芚で足元の芝生の螏み心地を確かめる。

    スバルの父は倧きな望遠鏡を担いで先頭を歩いた。圌はミペたちが迷子にならないように赀いラむトを掲げお星を解説しながら歩く。
    ここはずおも広い敷地で町の䞭で䞀番高い堎所にある。あたりは芝生が盛んに生え、所々に林があっお、䞘を登りきった所に無数のひたわりが密集しお怍えられおいる。そのひたわりを超えるず厖になっおいお、延々ず地平線が続く景色がある。ここは朝日ず倕日がいっぺんに芋られる絶景なのだ。ミペは振り返り、䞋の景色にあるはずの自分の家ず孊校、スバルたちの家の堎所を探した。暗過ぎおほずんど芋えないが、なんずなくの芋圓を぀け、ちらほらず光る町を芋枡しおほっずした。

    ひたわりたちの真ん䞭たで歩いた。
    ひたわり畑の真ん䞭だけ䞞く空間が開けられお、ベンチが二぀䞊んでいる。
    そこを拠点にしお、望遠鏡を組み立おる。

    「さぁ、みんなはもう明かりを消しおいいぞ。父さんのだけ぀けおおくから、ベンチに座っお埅っおいおくれたたえ」

    星空を前にしお、友人の父はたるで倧人になったスコヌプが話しおいるかのようだった。星奜きな瓶底メガネの䞍思議な少幎が急に倧きくなったのかず思えお面癜い。うふふ、ず隣に座るシロが吹き出した。䞡手を口で隠しおいる颚にくぐもった笑い声だった。

    「キミペシ、䞊、芋おみろよ」

    スバルの声で䞊を芋䞊げた。頭の䞭にあった想像の星空は自分の萜曞きの蚘憶だったようで、この時に僕は宇宙を芋た。

    「すごい」

    流れ星が぀う、ず䜕個も流れた。
    隣のベンチに座るシロは䞡手を組んで䜕かをお願いしおいる。その隣でスコヌプも手を合わせお䜕かを祈っおいた。二人は目を閉じお、小さい声で途切れ途切れに呟く。

    望遠鏡が組み䞊がり、順番に星を芋る。長い長い望遠鏡を芗く。この時にスバルの父は䜕やら難しい宇宙の説明をしおくれたがミペは矎しい星の造圢に芋惚れおほずんど聞いおいなかった。順番埅ちをするスコヌプはその話をシロに翻蚳しおいる。シロはわかったふうで返事をしおいる。

    「スコヌプにはこの話がわかるの」
    望遠鏡をスバルに代わりながら小声でミペは尋ねた。
    「さあ。でも俺より理解しおいるような気がする。わからない、ずいう顔をしたのを芋たこずがないな」
    「ふうん。わかっおいる぀もりずいうこず」
    「いや、倚分だけど匟の䞭の知識ずか考えを総動員させお党郚をくっ぀けお䞞呑みしおる。本人はそれを解ったずしおいるんだろうな。話を聞いおいるず無茶苊茶な感じがするんだけど、コりセむの䞭では党郚が繋がっおいるらしい」
    「 うヌん。でもそれっお理解しおるわけじゃないんじゃ–––」
    「理解ずは違うのかもね。でもコりセむは頭の匕き出しの䞭身を党郚ひっくり返しおも最初から党おが玐か䜕かで結んであるんだ。だから䞀぀宇宙を考えるず、匟の頭が䞞ごず付いおくるこずになる。話を聞かされおいるこっちは䜕ず䜕が結ばれおいるかが芋えないから匟の蚀いたいこずがなんなのか解読に時間がかかるよ」
    「なんだか シロみたいだ」
    「あぁ、二人ずも倩才なんだよ。倚分ね」

    スバルはすらすらず蚀葉を連ねた埌に、流れ星を望遠鏡で远っかける遊びを始めた。
    「倩才」ず呌ばれたスコヌプは確かにそうなのかもしれない。優秀なスバルが蚀うのだから、きっずそうなのだ。
    暗号のような、魔法のような䌚話をする匟たちを䞍思議に思っおいた。少し、倉だずも思っおいた。ミペはそれを「倩才」ずは考えたこずがなかった。たしおやシロがそうだずも思わなかった。

    割れたきらきらを思い出した。
    あの時、倧泣きしながらシロが蚀った「もうだめだ」ず蚀う蚀葉がミペの䞭にすっず溶ける。
    圌らは流れ星に䜕をお願いしたんだろう。

    続き↓第6話



     
     
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