
Time after timeー蒼井みゆるのさとみの記憶 ◇1 さとみの記憶 白い世界、声
あらすじ
蒼井みゆるには、記憶があった。
それは、白い世界で聞いた声。
その声は、いつかみゆるの前に、”その人”が現れると告げていた。
その人に会えば、世界は輝き、すべてが変わりはじめるという。
その声に安心しきったみゆるは、その人以外の男の子に、興味を持てなくなっていた。
まぐれで受かった進学校で、一心不乱に勉強してきたみゆるは、最初の中間テストで挫折を味わう。そして、部活を中心にした生活に切り替えるべく、高校生活をリスタートさせた。
フェンシング部に入って次の日。
ついにみゆるは、その人に出会う。
これは、さとみの記憶に後押しされながら、蒼井みゆるが、新しい体験の扉を一つ一つ開いていく物語。
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◇1 さとみの記憶 白い世界、声(本文)
◇2 幼小期 小学校
◇3 中学校
◇4 リスタート
◇5 さとみの記憶 出会い
◇6 すべてが変わる
◇7 私のその人(未確認)
◇8 長い午後① 保健室
◇9 長い午後② 授業中
◇10 長い午後③ 邂逅、疑いあり
◇11 長い午後④ 抱き枕記念日
◇12 さとみの記憶 後悔、決意
◇13 悪戯
つづく
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◇1 さとみの記憶 白い世界、声
その記憶はおぼろげで、白い光に包まれた空間に、とぎれとぎれに浮かぶ輪郭だけが、かすかになしている形を感じさせるようだった。
声があって、その声に私は満たされている。
『大丈夫だよ。大丈夫。きっと見つかる。』
私は安心している。
その言葉が、誰の言葉なのかも分からないのに。
その言葉に、ありうる限りの信頼をよせて。
私は心の底から安心している。
『その人に会ったら・・・、世界が輝きはじめるの。大丈夫。その人に会っただけで、全てが変わってしまうから。心配しなくていい。きっと見つかる。だから・・・安心して・・・・・。』
ゆりかごの赤ん坊に話しかける、母親よりも、ずっとその声は優しく、確信に満ちていて、私はそれを疑う必要さえ感じなかった。
大丈夫だ。
大丈夫っていうんだから、大丈夫なんだ。
会っただけで、全てが変わってしまう人。
いつか私の前に現れる・・・。