柚木麻子おすすめ小説10選|共感と余韻が残る珠玉の名作を厳選!
英国の文学賞「ブリティッシュ・ブック・アワード」受賞をしたことでも話題となっている柚木麻子さん。著書はメディア化されている作品も多く、社会問題に鋭く切り込む『BUTTER』や、大人の女性同士の友情を描いた『ナイルパーチの女子会』、読むだけで元気になれる『ランチのアッコちゃん』など、女性読者の心に寄り添う作品が揃っています。
複雑な女性心理を丁寧に描きながらも、必ずどこかに希望の光を感じさせる構成が魅力の柚木麻子さんの作品。未読の方はぜひ、チェックしてみてくださいね♪

『BUTTER』
若くも美しくもない女が、男たちの金と命を奪った――。
殺人×グルメが濃厚に融合した、柚木麻子の新境地にして集大成。
各紙誌で大絶賛の渾身作がついに文庫化!!
男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。若くも美しくもない彼女がなぜ──。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳に〈あること〉を命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。各紙誌絶賛の社会派長編。
本作着想の根底には、世に知られた事件があったのは確かだ。しかし物語が進むにつれて、事件からも犯罪者からも遠ざかる。独立したオリジナリティーに富んだ物語が展開される。進路を定めた羅針盤こそ、「女性同士の友情と信頼」である。
山本一力(本書解説より)
2017年第157回直木三十五賞候補、2024年英大手書店チェーンのウォーターストーンズ(英語版)が2024年の「今年の一冊」に「BUTTER」英訳本として選出、2025年英国の文学賞「ブリティッシュ・ブック・アワード」受賞(デビュー・フィクション部門)。木嶋佳苗事件をモチーフにして書かれた社会派小説。欲望、偏見、女性としての生きづらさといったテーマが重厚に織り込まれ、読み応えは十分!料理の描写も印象的で、特にバターを通じた象徴的な演出が見事です。
『ナイルパーチの女子会』
「心がえぐられすぎてつらい」
第二十八回山本周五郎賞&第三回高校生直木賞を受賞!
友情とは何かを描いた問題作。
商社で働く志村栄利子は愛読していた主婦ブロガーの丸尾翔子と出会い意気投合。
だが他人との距離感をうまくつかめない彼女をやがて翔子は拒否。
執着する栄利子は悩みを相談した同僚の男と寝たことが婚約者の派遣女子・高杉真織にばれ、とんでもない約束をさせられてしまう。
一方、翔子も実家に問題を抱え――。
「本作『ナイルパーチの女子会』は、柚木麻子さんがデビュー以来追い求めてきた主題の一つの到達点であり、その後の柚木さんが展開する文学への結節点でもある。」(重松清「解説」より)
2015年、第28回山本周五郎賞受賞、第153回直木三十五賞候補。2016年第3回高校生直木賞を受賞した作品です。2021年、水川あさみさん主演でテレビドラマ化されています。徐々に深まる関係、そして破綻していく過程がリアルに描かれています。現代女性が抱える孤独や承認欲求を丁寧に描写しており、刺さる人にはとことん刺さる一冊です。
『ランチのアッコちゃん』
発行部数12万部を超え、著者を一挙に若手人気作家へと押し上げた注目作がついに文庫で登場!
彼氏にフラれて落ち込んでいた派遣社員の澤田三智子は、
畏怖する上司、通称“アッコ女史"こと黒田敦子部長から突然、一週間のランチ交換を命じられる。
アッコ女史の風変わりなお昼のコースを巡るうち、自然と活力が湧いている自分に気づいて……。
表題作ほか、「読むと元気になる! 」と絶賛され、本屋大賞にもノミネートされたビタミン小説。
2014年「本屋大賞」第7位にランクインした作品。『3時のアッコちゃん』、『幹事のアッコちゃん』がシリーズ続編です。発行部数は12万部をこえる人気作。2015年、蓮佛美沙子さんと戸田菜穂さん主演でテレビドラマ化されています。落ち込んだ主人公・三智子が、上司のアッコ女史とランチを交換することで、徐々に自信を取り戻していく連作短編集。食を通して心を満たしていく描写がとても魅力的です。肩肘張らずに読めるのに、読後にはスッと心が軽くなる作品。
『本屋さんのダイアナ』
私に命令できるのは、この世界で私ひとりだけ……。
私の名は、矢島大穴(ダイアナ)。変な名前も金髪もはしばみ色の瞳も大嫌いだった、あの子に出会うまでは。心ふるえる最強のガール・ミーツ・ガール小説。
私の名は、大穴(ダイアナ)。おかしな名前も、キャバクラ勤めの母が染めた金髪も、はしばみ色の瞳も大嫌い。けれど、小学三年生で出会った彩子がそのすべてを褒めてくれた――。正反対の二人だったが、共通点は本が大好きなこと。地元の公立と名門私立、中学で離れても心はひとつと信じていたのに、思いがけない別れ道が……。少女から大人に変わる十余年を描く、最強のガール・ミーツ・ガール小説。
2014年、第151回直木三十五賞候補作品、第3回「静岡書店大賞」小説部門大賞受賞。2015年「第12回本屋大賞」第4位にランクイン、第2回「高校生直木賞」候補作品。外見にコンプレックスを抱くダイアナと、本好きな少女・彩子の出会いと成長を描いた青春小説。柚木さんの代表作のひとつです。友情が育まれていく過程、すれ違い、再会、そして再び結びついていく流れが繊細で温かい。中高生から大人まで幅広く共感できる作品です。
『あまからカルテット』
野蛮な乙女らよ、青春の最終コーナーを突っ走れ! 女子校時代からの仲良し四人組。アラサーに迫り来る恋や仕事の荒波を、稲荷寿司やおせちなど料理をヒントに無事解決できるのか――彼女たちの勇気と友情があなたに元気を贈る! 危うく美しい29歳たちを描く傑作ラブ・コメディ
女子高時代の仲良し4人組が、大人になっても友情を保ちつつ、料理とともにトラブルを乗り越えていく物語。各話にテーマとなる料理が登場し、それが物語のカギになっている構成がユニークです。読後感もよく、ちょっとした謎解き要素もあって、疲れた心にやさしく寄り添ってくれる作品です。
『終点のあの子』
ゆらぎやすい女子高生の友情を描く短篇集。プロテスタント系女子高の入学式の日。中学からの内部進学者の希代子は、高校から入学した奥沢朱里に声をかけられた。海外暮らしが長い彼女の父は有名なカメラマンだった。希代子は風変わりな朱里が気になって仕方がないが、一緒にお昼を食べる仲になった矢先、ある変化が訪れる。外部からの進学者の朱里には見えない、女子校ならではの「ルール」。希代子はその枠から飛び出した存在になってしまうのか?華やかに見える少女たちの日常に潜む、複雑な心情と、絡み合う人間関係。少女たちの繊細な心理描写が各紙誌で絶賛されたオール讀物新人賞受賞作「フォーゲットミー、ノットブルー」を含むオムニバス四篇。
2008年に第88回オール讀物新人賞を受賞した「フォーゲットミー、ノットブルー」を含む、柚木さん初の単行本。デビュー作を含む4編が収録された短編集です。思春期特有の葛藤、憧れ、嫉妬といった揺れ動く感情が見事に描かれています。少女同士の微妙な距離感、心の奥のざらつきが、柚木さんらしいリアリティで表現されています。
『その手をにぎりたい』
銀座鮨店に10年通ったバブル期OL物語
80年代。都内で働いていた青子は、25歳で会社を辞め、栃木の実家へ帰る決意をする。その日、彼女は送別会をかね、上司に連れられて銀座の高級鮨店のカウンターに座っていた。彼女は、そのお店で衝撃を受ける。そこでは、職人が握った鮨を掌から貰い受けて食べるのだ。青子は、その味にのめり込み、決して安くはないお店に自分が稼いだお金で通い続けたい、
と一念発起。東京に残ることに決めた。
お店の職人・一ノ瀬への秘めた思いも抱きながら、転職先を不動産会社に決めた青子だったが、到来したバブルの時代の波に翻弄されていく。
バブル期末期の東京を舞台に、銀座の高級鮨に魅せられた女性・青子の人生を描いた長編。田舎に帰ろうとした青子が、鮨店との出会いを機に一念発起し、東京で再び奮闘する姿は、現代の女性読者にも響きます。華やかで浮ついた時代の背景に、現実の厳しさと小さな希望が絶妙に絡み合う作品。
『王妃の帰還』
"『ランチのアッコちゃん』の次はコレ!
いま最も注目を集める著者が贈る、
パワー全開! 永遠のガールズ小説!!
王冠を手にするのは誰?
教室は少女達の戦場!
私立女子校・聖鏡女学園中等部二年の範子は
雑誌の編集長として勤める母と二人で暮らしながら、
チヨジ、スーさん、リンダさんという気の合う仲間たちと、
地味ながらも楽しく平和な学園生活を送っていた。
ところが、クラスである事件が起き、
公開裁判の末に滝沢さん(=王妃)がクラスの頂点にいる姫グループを追われてしまう。
なりゆきで滝沢さんを迎え入れることとなった範子たちだったが、
彼女の傍若無人さに、グループの調和は崩壊!
穏やかな日常を取り戻すために、範子たちはある計画を企てる……。
傷つきやすくて我がままで――みんながプリンセスだった時代を
鮮烈に描き出すガールズ小説!
私立女子校中等部が舞台の長編ガールズ小説。2018年、小芝風花さん主演でオーディオドラマ化、2022年に岩田陽葵さん、上西恵さん主演で舞台化されています。平和な日常が、クラスカースト最上位の“王妃”の失脚により揺れ動き、少女たちが自分たちの意思で動き出します。フランス革命をモチーフにした構成や、個性豊かなキャラクターが秀逸。
『マジカルグランマ』
正子は75歳の元女優。CMで再デビューを果たし、順風満帆かと思いきや、ある出来事で事務所を解雇され、急きょ、お金が必要な状況に。周りを巻き込み逆境を跳ね返す生き方はマジカルグランマ(理想のおばあちゃん)像をぶち壊す! 第161回直木賞候補作。
2019年、第161回直木三十五賞候補作。迷いながらも逆境に立ち向かう75歳の正子の物語。承認欲求が強く、パワフルでアクティブな正子の生き方に元気をもらえる作品です。
『私にふさわしいホテル』
文学新人賞を受賞した加代子は、憧れの〈小説家〉になれる……はずだったが、同時受賞者は元・人気アイドル。すべての注目をかっさらわれて二年半、依頼もないのに「山の上ホテル」に自腹でカンヅメになった加代子を、大学時代の先輩・遠藤が訪ねてくる。大手出版社に勤める遠藤から、上の階で大御所作家・東十条宗典が執筆中と聞き――。文学史上最も不遇な新人作家の激闘開始!
2024年のんさん主演で映画化された作品。不遇な新人作家のリアルを疾走感あふれるテンポで描いたエンタメ系小説です。映画は、休館中の「山の上ホテル」で撮影されたということでも話題となりました。実名で本物の作家が登場するところも本好きにはたまらないポイント。思わずにやりと笑ってしまうシーンがたくさんありますよ。
まとめ
柚木麻子さんは、女性心理や人間関係を繊細に描く実力派作家です。重厚なテーマの社会派小説から軽やかな癒し系の作品まで、幅広いジャンルで魅力を放っています。柚木さんの作品には、共感、感動、そして小さな勇気を与えてくれる力があります。
ぜひ、一度手に取ってみてくださいね♪
