旅に出たくなるおすすめ小説10選|心を動かす物語と出会う読書の旅へ
本を開けば、そこはもう見知らぬ街角や、懐かしい田舎の風景、時には異国の地へも連れて行ってくれる不思議な旅が始まります。
今回取り上げるのは、「旅をテーマにした小説」。旅に出たいけれど、今すぐは難しい…そんなときこそ、読書で心の旅へ出かけてみませんか?
本を通じて“旅する気持ち”が蘇り、きっとあなたの毎日に新しい風を吹き込んでくれるはずです。さあ、ページをめくって、心の旅支度を始めましょう。

『ハグとナガラ』原田マハ
どこでもいい。いつでもいい。
一緒に行こう。旅に出よう。
人生を、もっと足掻こうーー。
恋も仕事も失い、絶望していたハグ。突然「一緒に旅に出よう」と大学時代の親友ナガラからメールが届いた。以来、ふたりは季節ごとに旅に出ることに。
ともに秘湯に入り、名物を堪能し、
花や月を愛でに日本全国駆け巡る、
女ふたりの気ままな旅。
気がつけば、四十路になり、五十代も始まり……。
人生の成功者になれなくても、自分らしく人生の寄り道を楽しむのもいい。心に灯がともる六つの旅物語。
文庫オリジナル短編集です!
『カフーを待ちわびて』、 『楽園のカンヴァス』などの著者としても有名な原田マハさんの短編集。人生の転機を迎えた女性ふたりの、再出発をかけた旅が描かれた感動作。読んでいると、もうひとりの自分に会いに行くような、そんな感覚にさえなります。変化の激しい今の時代だからこそ、心に静かな勇気をくれる作品です。
『旅屋おかえり』原田マハ
売れないアラサータレント“おかえり"こと丘えりか。ひょんなきっかけで始めた「旅代理業」は依頼人や出会った人々を笑顔に変えていく。『楽園のカンヴァス』の著者が贈る感動の物語。
第12回エキナカ書店大賞受賞作品。2022年、2023年に安藤サクラさん主演でテレビドラマ化されています。「代わりに旅をしてきます」というユニークな仕事を始めた主人公・おかえりの活躍を描いたハートウォーミングな物語。旅を通じて再発見されるのは、風景だけではなく、人の心そのもの。読者自身もまるで旅に出ているかのような感覚になれる、優しさに包まれた作品です。
『旅猫リポート』有川浩
この絆は、恋愛を超える。カギしっぽのナナと心優しい青年サトルの、最後の旅の物語。
野良猫のナナは、瀕死の自分を助けてくれたサトルと暮らし始めた。それから五年が経ち、ある事情からサトルはナナを手離すことに。『僕の猫をもらってくれませんか?』一人と一匹は銀色のワゴンで”最後の旅”に出る。懐かしい人々や美しい風景に出会ううちに明かされる、サトルの秘密とは。永遠の絆を描くロードノベル。
『図書館戦争』、『阪急電車』などの著者としても有名な有川浩さんの長編小説。第4回ブクログ大賞(小説部門)受賞、第34回吉川英治文学新人賞候補、第26回山本周五郎賞候補、第4回山田風太郎賞候補になっています。2013年に舞台化、2014年に絵本化、ラジオドラマ化、2017年に朗読劇化、2018年に福士蒼汰さん主演で映画化されています。
ナナの視点で描かれる物語はユーモラスでありながらも、深い愛情と絆に満ちています。ペットを飼っている人はもちろん、そうでない方にも心に染みる一冊です。
『ひとり旅日和』秋川滝美
ひとり旅、勇気を出していってみたら、そこは知らない世界が広がっていた!
人見知りで要領の悪い日和は、仕事場でも怒られてばかり。社長から気晴らしに旅へ出ることを勧められる。最初はひとり旅など無理だと尻込みしていたが、旅好きの同僚に後押しされ、日帰りができる熱海へ。神社を訪れ、出来立ての茹で卵の味に舌鼓を打ち、干物の味に感動!さらにそこには、思わぬ出会いが待っていた。ひとり旅の楽しさに気付いた日和は、佐原、仙台、金沢、福岡と遠くへ足を延ばしていくようになる。少しずつ成長していく日和の姿は、仕事にも影響し始めて、周りの目も少しずつ変わっていく―。
『居酒屋ぼったくり』、『いい加減な夜食』などの著者としても有名な秋川滝美さんの作品。「ひとり旅日和」シリーズは2025年5月現在、6巻まで刊行されています。旅に出ることの楽しさや、新しい風景に触れることで変わっていく気持ちの変化が丁寧に描かれています。ひとりで旅に出たくなる一冊。ひとり旅初心者さんには特におすすめです。
『青空と逃げる』辻村深月
深夜、夫が交通事故に遭った。病院に駆けつけた早苗と息子の力は、そこで彼が誰の運転する車に乗っていたかを知らされる……。夫は何も語らぬまま、知らぬ間に退院し失踪。残された早苗と力に悪意と追及が押し寄せ、追い詰められた二人は東京を飛び出した。高知、兵庫、大分、仙台――。壊れてしまった家族がたどりつく場所は。
『かがみの孤城』、『傲慢と善良』などの著者としても知られる辻村深月さんの作品。母と息子、ふたりの逃避行を描いたロードノベル。見知らぬ土地で出会う人たちの優しさが、疲れた心にそっと寄り添ってくれる展開は、読者の心にもじんわりと響きます。親子の絆や居場所の大切さを再確認できる一冊です。
『深夜特急』沢木耕太郎
この地球の大きさを体感したいーー
人を旅へと駆り立て続ける不朽の名作!
第一章 朝の光 発端
アパートの部屋を整理し、引出しの中の一円硬貨までかき集め、千五百ドルのトラベラーズ・チェックと四百ドルの現金を作ると、私は仕事をすべて放擲して旅に出た……
第二章 黄金宮殿 香港
黄金宮殿という名の奇妙な宿屋に放り込まれた私は、香港中を熱に浮かされたように歩きまわり、眺め、話し、笑い、食べ、呑んだ。香港は毎日が祭りのようだった……
第三章 賽の踊り マカオ
香港の喧噪と熱狂を離れ、息抜きにマカオに立ち寄った私は、“大小"というサイコロ博奕に魅せられていった――。やろう、とことん、飽きるか、金がなくなるまで……
第五回日本冒険小説協会大賞ノンフィクション・評論部門大賞受賞作品。旅エッセイの金字塔とも呼ばれる、不朽の名作です。著者が実際に体験した、香港からロンドンまでの陸路旅行がベースとなっており、その生々しい旅の記録が読む者の冒険心を刺激します。一人旅の自由さ、時に感じる孤独、そして旅先で得られるかけがえのない出会い。旅に出たくなる一冊として、今なお多くの読者を惹きつけています。
『ドナウの旅人』宮本輝
母と若い愛人、娘とドイツ人の恋人――ドナウの流れに沿って東へ下る二組の旅人たちを通し、愛と人生の意味を問う感動のロマン。
『泥の河』、『優駿』などの著者としても有名な宮本輝さんの旅小説。ドナウ川に沿って西ドイツからルーマニアまでの3,000kmを旅していきます。旅を通して人はどう変わるのか、何を得て、何を手放すのか。静かに心を打つ読後感が残る、大人のための旅小説です。
『八月の六日間』北村薫
40歳目前、雑誌の副編集長をしているわたし。仕事はハードで、私生活も不調気味。そんな時、山歩きの魅力に出逢った。山の美しさ、恐ろしさ、人との一期一会を経て、わたしは「日常」と柔らかく和解していく――
『空飛ぶ馬』、『スキップ』などの著者としても有名な北村薫さんの短編集。静かに、しかし力強く響く、山の旅を描いた作品です。自然の美しさと、人の営みの静けさに触れたいときにおすすめ。あとがきを読むと少しびっくりすることが書かれています。
『恋する失恋バスツアー』森沢明夫
「失恋バスツアー」はちょっと変わった旅行ツアーで、失恋した参加者にどん底まで落ち込んでもらい、あとは上がるだけ、グイグイ元気になってもらおうというもの。
添乗員の龍太郎は、添乗しているカウンセラーの小雪に自らがフラれたばかりで、なんとか巻き返したい。
今回の参加者は超濃いメンツで、金髪のハーフ美女、自称パンクロッカー、謎の中国人など、彩り豊かな9名。
ハプニングに翻弄される龍太郎だったが、意外な事実が次々と明かされていく。
果たし龍太郎の恋の行方は――笑いあり、涙ありの感動ツアー、いざ出発進行!
『虹の岬の喫茶店』、『おいしくて泣くとき』などの著者としても有名な森沢明夫さんのツアー小説。個性的なキャラの躍動感あふれる様子にぐいぐい引き込まれます。一見コミカルな作品ですが、人間関係や再出発の大切さが丁寧に描かれています。心が疲れたとき、そっと寄り添ってくれるような作品。
『あの空の下で』吉田修一
旅情を誘う短編とエッセイの詰め合わせ
飛行機に乗るたび願い事をする理由。自転車を盗まれた最悪な日の出会い…懐かしく胸を締めつける12の短編と、東南アジアから北欧まで、6つの都市をめぐるエッセイを収録。旅情あふれる作品集。
『パレード』、『悪人』などの著者としても有名な吉田修一さんの短編&エッセイ集。ANAの機内誌『翼の王国』に連載されていた短編12作とエッセイ6編を収録した一冊です。アメリカ、香港、ヨーロッパなど、さまざまな都市を舞台にした物語が展開されます。短編形式なので、スキマ時間に読むのにも最適!旅のエッセンスが詰まった、洗練された大人のための短編集です。
まとめ|旅に出たくなるおすすめ小説10選|心を動かす物語と出会う読書の旅へ
物語のなかで訪れる土地、出会う人、触れる感情は、現実の旅にも負けない豊かな体験を与えてくれます。遠くへ行けないときこそ、本を通じて心を旅させることができる。
ぜひ気になった一冊から手に取って、物語の世界へ旅立ってみてくださいね。
