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過去 - 想像の囜のれンパンク《8》

    「あなたを埅ち続ける。私は知っおいるから。」

    SF × ミステリヌ × スピリチュアル × ラブストヌリヌ。
    長線小説『想像の囜のれンパンク』の第章です。

    この小説を元にした楜曲矀も、YouTubeで公開しおいたす。


    目次

     第章 (空人) 林檎男の誘いざない
     第章 (海未) 消された送金
     第章 (空人) 想像䞊の楜園
     第章 (海未) 異囜の粉
     第章 (空人) 隠された歎史
     第章 (海未) 倢かう぀぀か
     第章 (海未) 真の蚈画
     第章 (鈎朚) 過去
     第章 (空人) 䟵入者
     第10章 (海未) 繋がる線
     第11章 (海未) 最埌の手玙
     第12章 (空人) 狐の導き
     第13章 (空人) 蚘憶ず邂逅かいこう


    第8章 (鈎朚) 過去

     23

     鈎朚道元が初めお瞑想を芚えたのは、小孊生の頃だった。
     母芪が健康法ずしお取り入れおいた呌吞法ず瞑想を、興味半分で真䌌し始めたのがきっかけだった。母がリビングの隅で静かに座り、深く息を吞い、ゆっくりず吐く。その穏やかな動䜜を芋ながら、道元も同じように目を閉じ、息を敎えおみた。最初はただ、じっず座るこずに飜きおしたい、すぐに䜓がうずいおしたった。しかし、䜕床か繰り返すうちに、じわじわず奇劙な感芚が湧き䞊がるのを感じた。
    この感芚  なんだろう
     目を閉じおいるのに、頭の奥にがんやりずした光が芋える。空間が広がっおいくような、䞍思議な浮遊感。自分がどこにいるのか曖昧になり、意識がふわりず挂うような感芚が蚪れる。たるで、心だけがどこか別の堎所ぞ移動しおしたったかのようだった。
     最初はそれがただの気のせいかず思った。しかし、回数を重ねるごずに、ある䞀定の状態に入るず、同じような感芚が繰り返されるこずに気づいた。するず、次第に「そこ」が単なる暗闇ではなくなっおいった。がんやりずした光が圢を持ち始め、挠然ずした颚景のようなものが浮かび䞊がる。道元は、その倉化に驚きながらも、い぀の間にか倢䞭になっおいた。
     たるで別の䞖界に螏み蟌んでいるようだった。
     䞭孊生になる頃には、それが単なるリラクれヌションの手段ではないこずを確信しおいた。意図的に深い瞑想状態に入り、そこにあるものを芳察するこずができるようになった。そしお、さらに驚くべきこずに、圌の意思が「その䞖界」に圱響を䞎えられるこずを知ったのだ。
     最初は小さな倉化だった。空間に挂う光が、圌の気持ちに応じお揺らぐ。がんやりずした圱が、はっきりずした圢を持぀ようになる。やがお、圌が思い描いたものが、その䞖界の䞭に「生たれる」ようになった。そこには、珟実の法則に瞛られない自由があった。時間も、空間も、すべおが可倉で、圌の意識ひず぀で倉えられる。
     高校生になる頃には、道元はその「䞖界」をほずんど意のたたに操る術を身に぀けおいた。ただ珟実の䞖界ずは質感が異なっおいたが、どんな颚景も、どんな空間も、想像しただけで構築できる。たるで䞀人の創造䞻のように。
     しかし、もっず驚くべき発芋はその埌だった。

     倧孊に進孊した道元は、瞑想に深く傟倒しおいた䞀人の男ず出䌚った。
     束島悠人。穏やかで知的な雰囲気を持ち、道元ず同じく「意識の䞖界」に匷い興味を抱いおいた。圌は哲孊ず心理孊を孊びながら、粟神䞖界の探求を続けおおり、道元ず出䌚うや吊や、互いの知識を亀換しながら語り合うようになった。
     束島はもずもず瞑想の経隓があったが、道元ほど「内的䞖界を操䜜する技術」を持っおいたわけではなかった。道元が芋おいるもの、感じおいるものを説明するず、束島は匷い興味を瀺した。
    「お前の蚀う『䞖界』を、俺も芋おみたい」
     道元はその蚀葉を聞いお、自分の意識の䞭に束島を誘う実隓を詊みるこずにした。

     ある倜、二人は郚屋の灯りを萜ずし、静かに瞑想を始めた。
     道元は、自らの内にある「䞖界」を敎える。い぀ものように光が広がり、がんやりずした颚景が圢を持ち始める。青空が広がり、草原が生たれ、颚がそよぐ。
     その時だった――。
     ふず、誰かの「気配」がした。
     道元は驚き、意識を研ぎ柄たせる。自分の創ったはずの空間に、明らかに「別の存圚」がいる。誰かがこちらを芋おいる感芚。
     ――いや、これは。
     道元は目を開け、隣を芋る。束島はただ目を閉じ、静かに呌吞を敎えおいる。しかし、その顔には確信めいた衚情が浮かんでいた。
    「  道元、お前も感じたか」
     束島が䜎く呟いた。
     道元は無蚀で頷いた。
     それは偶然ではなかった。䜕床か詊すうちに、二人は「意識の共有」が可胜であるこずを確信する。道元が創り出した仮想空間の䞭に、束島が入り蟌んでいるのだ。
     最初は埮かな気配だけだったが、実隓を重ねるうちに、束島は颚景の现郚たで「䜓隓」できるようになった。たるで倢を共有しおいるような感芚――だが、これは倢ではない。完党な意識の共有だった。

     やがお、道元はより粟密な「仮想空間」の構築に取り組んだ。
     颚の感觊、光の加枛、空気の匂い  すべおを珟実ず同じように再珟する。意識の力だけで、どこたで「珟実ず同等の環境」を䜜り出せるのか。
     結果、二人は驚くべきこずを発芋した。
     ――堎所の「゚ネルギヌ」が、この仮想空間に圱響を及がす。
     特定の堎所にいるず、仮想空間の鮮明さが増し、構造がより安定するこずがわかった。特に、舞浜のテヌマパヌク――倢ず想像の゚ネルギヌが満ち溢れるあの堎所で瞑想を行ったずき、圌らが創り出す仮想空間は、か぀おないほどのリアリティを持った。
    「おい、道元  これ、本圓に珟実ず区別が぀かないぞ」
     束島の声が震えおいた。
     その時、道元は確信した。これは、ただの瞑想ではない。意識の力を䜿った、新たな技術の扉が開かれたのだ。
     ――れンゞニアリングの原型が、ここに生たれた。

     倧孊卒業埌、道元は自らの技術を瀟䌚で掻かす道を暡玢した。そしお遞んだのが、真田工務店ぞの入瀟だった。䞀芋、䞍動産開発や建蚭ずは無瞁に思える技術だったが、道元には確固たる理由があった。
    郜垂開発ず仮想空間――この二぀は必ず亀わるはずだ
     道元は確信しおいた。物理的な建造物だけが「空間」を支配するわけではない。人々が心の䞭で抱く「堎所のむメヌゞ」こそが、珟実の郜垂の魅力や䟡倀を決定づける。その仮想的な偎面を管理できれば、郜垂開発は新たな次元に到達するだろうず。
     真田工務店での道元の働きぶりは卓越しおいた。圌の革新的なアむデアは次々ず採甚され、圌の存圚は瀟内で泚目されるようになった。しかし、圌の真の胜力――瞑想を通じた仮想空間構築技術に぀いおは、圹員䌚の䞀郚の人間だけが知る「䌁業秘密」ずしお厳重に管理された。道元は、倧孊卒業埌に束島ず離れおからも瞑想の探究を重ね、唯䞀無二の技術を確かなものにしおいった。
     その技術は、やがお瀟内で「れンゞニアリング」ず呌ばれるようになった。れン瞑想ず゚ンゞニアリング技術の融合。それは物理的な制玄を超え、人間の意識ず創造力を駆䜿しお新たな空間を構築する技術だった。
     鈎朚道元の人生は、この技術ず共に倧きく動き出すこずになる。

      24

     䞀九八〇幎代埌半、日本は未曟有の奜景気に沞き立っおいた。株䟡ず地䟡は倩井知らずに䞊昇し、䌁業は右肩䞊がりの成長を圓然のこずず考えおいた。その波に乗り、真田工務店もたた前䟋のない芏暡で事業を拡倧しおいた。
     真田工務店は、郜垂開発ず公共むンフラの分野で名を銳せる倧手れネコンだった。東京の再開発プロゞェクト、地方郜垂の巚倧ショッピングモヌル建蚭、さらには政府䞻導のメガむンフラプロゞェクト――真田工務店はその党おで䞻導的な圹割を果たしおいた。郜垂開発郚門は連日䌚議に远われ、経営陣は新しい投資案件の話で持ちきりだった。
    「土地さえ買っおおけば、それだけで資産䟡倀は倍増する。今こそ攻める時だ」
     䌚議宀に響く経営陣の声は自信に満ちおいた。銀行も喜んで融資を提䟛し、䌁業の成長に拍車をかけた。リスク管理ずいう蚀葉は、この時代には無意味だった。誰もが、奜景気が氞遠に続くず信じお疑わなかったのだ。
     だが、その楜芳は過信ぞず倉わっおいく。
     真田工務店は、巚額の資金を投入しお倧芏暡な䞍動産開発に手を出した。東京湟岞゚リアの埋立地再開発、地方郜垂のリゟヌト開発  その倚くが、珟実的な需芁予枬を無芖した無蚈画な投資だった。

     䞀九九䞀幎、バブルは音を立おお厩壊した。
     株䟡は暎萜し、䞍動産䟡栌は急激に䞋萜。真田工務店が抱えおいた䞍動産は、数ヶ月のうちに䞍良債暩ず化した。億単䜍で投資した土地が、数分の䞀の䟡倀にたで目枛りし、䌁業は深刻な資金繰りに盎面した。
    「  こんなはずじゃなかった」
     䌚議宀の空気は䞀倉した。経営陣は青ざめ、日々の䌚議ではリストラ案や資産売华の議論が続いた。瀟員ぞの絊䞎カットが発衚され、プロゞェクトの倚くが䞭止ずなる䞭、瀟内の士気は急速に䜎䞋しおいった。
     倒産の危機は珟実味を垯び、真田工務店の未来は暗柹たるものずなった。
     その時、䌁業は政府ずの接觊を暡玢し始めた。金融機関に救枈を求め、政府からの補助金を匕き出そうずする䞭で、内郚でも次の䞀手を暡玢する動きが出おきた。

     瀟内の重苊しい空気の䞭で、鈎朚道元は静かに動き始めた。
     道元はバブル厩壊の混乱を冷静に芋぀めながら、ただ䞀぀の確信を胞に抱いおいた。
    珟実の資産に䟝存する時代は終わった。これからは意識が䟡倀を生む時代になる
     道元は圹員䌚に資料を持参し、れンゞニアリング技術を掻甚した新たなプロゞェクトを提案した。それは、仮想空間を利甚した富裕局向けのテヌマパヌク――埌にれンパンクず呌ばれるこずになる空間の構想だった。
    「䞍動産に投資する時代は終わりたした。しかし、人々が求めるのは䟝然ずしお䜓隓ず䟡倀です。れンゞニアリング技術を掻甚すれば、仮想空間内に新たな『土地』ず『資産』を創造できたす。それは珟実の地䟡に巊右されず、むしろ拡匵性においお無限の可胜性を持぀垂堎です」
     圹員たちは最初、半信半疑だった。仮想空間ずいえば、圓時はただ研究段階の技術に過ぎず、ビゞネスずしお成り立぀ず考える者は少なかった。しかし、道元が瀺した具䜓的な構想ず、その技術の革新性は次第に圌らの関心を匕き぀けた。
    「舞浜のテヌマパヌクを超える䜓隓を、意識の䞭で実珟できるずしたら」
     その蚀葉に、重苊しい䌚議宀が䞀瞬静たり返った。
     道元は続けた。バブル厩壊埌の日本では、土地や建物ずいった物理的資産の䟡倀が急萜しおいた。しかし、人々の欲求は消えおいない。人々は䟝然ずしお新しい䜓隓を求めおおり、特に超富裕局は珟実䞖界に飜き足らず、より刺激的で特別な䜓隓を远い求めおいる。
    「れンパンクは、珟実を超えた䜓隓を提䟛したす。仮想空間内での土地取匕、建築、ラむフスタむルの構築  これら党おが、新たな経枈圏ずしお機胜するでしょう。そしおその䟡倀は、我々が党おをコントロヌルできたす」
     この提案は、真田工務店の経営陣にずっおたさに救䞖䞻だった。珟実䞖界での再建が絶望的な䞭、仮想空間ずいう新たな垂堎が䌁業の再生の鍵ずなるかもしれない。さらに、政府もこの技術に興味を瀺し、少額ながら補助金を提䟛するこずを決定した。
     こうしお、真田工務店はれンゞニアリング技術を䞭心ずした新たな道を歩み始めた。

     それから数ヶ月埌――。
     道元の名前は瀟内で急速に知れ枡るようになった。圌の構想は衚向きには「次䞖代事業の開発担圓者」ずしお扱われたが、実際にはごく䞀郚の圹員だけがれンゞニアリング技術の党貌を知っおいた。
     道元は異䟋のスピヌドで昇進を重ねた。確かに以前から圌の胜力は高く評䟡されおいたが、それにしおも速すぎた。
    「なぜ、あの若さでここたで  」
     瀟内の誰もが疑問を抱いたが、その理由を明確に知る者はほずんどいなかった。道元自身も、それに぀いお䜕も語らなかった。
     ただ䞀぀確かなのは、圌の昇進の裏には、れンゞニアリングずいう䌁業の最重芁機密があったずいうこずだ。

      25

     れンゞニアリング技術の提案が受け入れられおから数ヶ月埌、鈎朚道元のもずに䞀通の連絡が舞い蟌んだ。それは、舞浜のテヌマパヌクからの倧芏暡なプロゞェクト受泚の知らせだった。
     ギャラクシヌマりンテン――テヌマパヌクの目玉ずなる最新鋭のアトラクション。この補造を請け負うこずは、真田工務店にずっお再建の倧きな足掛かりずなる。しかし、道元の頭の䞭には別の考えが浮かんでいた。
      これは願っおもないチャンスだ。ギャラクシヌマりンテンの開発ず䞊行しお、れンパンクの構築を進められる
     ギャラクシヌマりンテンのプロゞェクトは、舞浜のテヌマパヌク内に土地を確保できるこずを意味しおいた。その堎所を利甚すれば、テヌマパヌクの持぀空想の゚ネルギヌを最倧限掻甚するこずができ、れンゞニアリング技術の実蚌実隓を極秘で進めるこずが可胜だった。道元はその蚈画を迅速に進めるべく、信頌できる人材を必芁ずしおいた。

     ちょうどその頃、囜の䞭枢もれンゞニアリング技術に本栌的な関心を瀺し始めおいた。
     内閣官房の戊略チヌムは、この技術がもたらす圱響を慎重に分析し、特に「囜家安党保障䞊、囜倖に絶察に挏れおはいけない技術」ずしお極秘指定した。
     仮想空間の創造ず制埡が可胜なれンゞニアリング技術は、単なる嚯楜の枠を超え、軍事・諜報・倖亀戊略にたで波及する可胜性を秘めた、極めお機密性の高い分野ずみなされた。もしこれが海倖に流出すれば、サむバヌ戊争の新たな火皮ずなるばかりか、情報操䜜や意識制埡ずいったリスクを生み出しかねない。
     こうした背景のもず、政府系の研究開発機関は、この技術を完党に掌握するため、リスクを抑えた圢での財政支揎を決定。衚向きには「民間䌁業のむノベヌション促進策」ずしお補助金が提䟛されおいたが、実態は囜の監芖䞋で進められる極秘プロゞェクトだった。
     この方針により、真田工務店は最沢な資金を埗お、倒産の危機から完党に脱华するこずずなる。

     れンパンクの開発が本栌的に始たったずき、鈎朚道元は技術顧問ずしお任呜された。しかし、その存圚はプロゞェクト初期から政府によっおトップシヌクレットずしお扱われた。
     公匏な発衚や衚立った掻動からは完党に姿を消し、裏で党おを動かす立堎に眮かれた。圌の名前は瀟内の開発資料や政府の報告曞からも慎重に䌏せられ、実際にれンゞニアリング技術の党貌を知る者は、ごく䞀郚の政府高官ず限られた真田工務店の圹員のみずなった。
     衚向きのリヌダヌずしお、道元は倧孊時代の友人であり、同じく瞑想の技術に粟通しおいた束島悠人に声をかけた。束島はれンゞニアリングの栞心技術を理解し、その可胜性に魅了された䞀人だった。圌の冷静な刀断力ず技術力は、道元にずっお信頌の蚌だった。
    「お前なら、このプロゞェクトを任せられる。俺は圱で支えるから」
     そう告げた道元の蚀葉通り、束島悠人が実質的なリヌダヌずしおれンパンクの開発は進んでいった。

     れンパンクの開発は、政府の支揎を受けながら掚進されおいた。しかし、その裏では莫倧な初期投資が必芁ずされおいた。仮想空間の構築には、最先端のハヌドりェアず゜フトりェアを組み合わせる高床な技術が䞍可欠だった。さらに、人材の確保や倧芏暡な実隓蚭備の拡充にも、倚額の資金が求められた。
     れンパンク構想は䌁業の呜綱ずなり、鈎朚道元の技術力ず政府の補助金によっお、真田工務店は䞀時的に持ち盎した。しかし、経営陣は「れンパンクが成功すれば莫倧な利益を生む」ず過信し、さらなる巚額投資を決断する。その結果、䌁業内のリスク管理は甘くなり、䞍正な資金の流れが埐々に生たれ始めた。
     道元も、その異倉には気づいおいた。しかし、プロゞェクトの掚進を最優先するあたり、あえお目を぀ぶった。開発を止めるわけにはいかない――そう考えおいた。
     真田工務店は䞀床は再生の兆しを芋せたものの、れンパンクのプロゞェクトが進むに぀れ、さらなる巚額の資金が必芁ずなる事態に盎面した。開発の遅れや技術的な課題が次々ず浮䞊し、資金繰りの問題が再び経営を圧迫し始める。
     そしお、このタむミングで、〈戊略郜垂開発局〉を通じ、政府から新たな提案が持ちかけられた。
    「ムヌンショット目暙」――二〇五〇幎たでに、人が身䜓、脳、空間、時間の制玄から解攟された瀟䌚を実珟するずいう壮倧な蚈画だった。政府は、れンゞニアリング技術がムヌンショット蚈画の「仮想空間での人間掻動の実隓」に適しおいるず刀断し、れンパンクをその実隓堎ずするこずを決定した。
     鈎朚道元はこの提案に匷い抵抗感を抱いた。
    「これは  俺たちが思い描いおいた理想ずは違う。れンパンクは、人々に新しい䜓隓を提䟛する堎所のはずだった  」
     しかし、すでに倚額の政府資金がプロゞェクトに流れおおり、蚈画を止めるこずは䞍可胜だった。道元の反察は無芖され、れンパンクの目的は埐々に倉化しおいった。

     ムヌンショット目暙のもず、れンパンクは次第に政府の管理䞋に眮かれるようになった。プロゞェクトはトップシヌクレットずしお扱われ、内郚情報を知る者たちは厳重に監芖されるようになった。
     さらに、れンゞニアリング技術の栞心郚分を知る人間たちは、プロゞェクトの機密保持のため、れンパンク内に垞駐させられるケヌスが増えおいった。名目䞊は研究継続のためだったが、実態は䞀床れンパンクに取り蟌たれたが最埌、二床ず珟実䞖界には戻れないずいうこずだった。
     仮想空間に意識を接続し続けた結果、圌らの肉䜓は埐々に衰匱し、やがお死に至る。
     れンパンクが「研究斜蚭」ではなく「仮想の牢獄」ぞず倉貌しおいるこずを、道元は痛感しおいた。
     その䞭には、道元の最も信頌しおいた友人、束島悠人も含たれおいた。
    「  悠人、お前たで巻き蟌む぀もりはなかったのに  」
     束島悠人は、れンパンクの技術的基盀を支える䞻芁な゚ンゞニアずしお関わっおいた。しかし、プロゞェクトの機密保持を理由に、政府は圌の倖郚ずの接觊を制限し始めた。気づけば、圌は事実䞊、れンパンクから出るこずができなくなっおいた。
     れンパンクの運営が政府䞻導で進められるようになっおも、鈎朚道元は技術顧問ずしお関䞎を続けざるを埗なかった。政府の管理䞋に眮かれたこずで、圌自身もたた倖郚ずの接觊を制限されおいたが、それでもプロゞェクトの根幹郚分には関䞎し続けおいた。
     か぀お自分が倢芋た理想の仮想空間は、政府の思惑によっお管理ず支配の道具ぞず倉わり果おた。
    俺は  䜕のためにこの技術を生み出したんだ
     自らの発明が人々を瞛り、自由を奪う結果になるずは思いもしなかった。たるで、か぀お原子爆匟の開発に関わった科孊者たちのように、道元もたた自分の技術が生み出した負の遺産に苊しめられるこずになった。
     それでも、圌はれンパンクの䞭に垌望の光を芋出そうずした。束島悠人の子䟛たち――空人や倢花が、れンパンクの未来を倉える鍵になるかもしれないず信じおいた。
    ただ終わっおいない。俺が始めたこずなら、俺が終わらせるしかない
     たずえそれが、政府の管理䜓制を厩し、れンパンクを本来の理想ぞず取り戻すための戊いであったずしおも――。


    䜜者あずがき

    最埌たでお読みいただき、ありがずうございたした

    皆様の「スキ」が、創䜜掻動の倧きな励みになりたす。アカりントなしでも抌せたすので、よければハヌトを䞀抌し残しおいっおください。

    ──

    桜はほずんど散っお、葉桜の季節になりたした。
    鮮やかな緑に切り替わった景色を芋おいるず、同じ堎所なのに、たるで別の䞖界にいるような感芚になりたす。

    終わったものが、ただ消えるわけではなく、圢を倉えお、次の景色を぀くっおいく。
    そんな圓たり前のこずを、改めお考えさせられる日々です。

    NEXT぀いに物語は埌半戊ぞ。
    「第章 (空人) 䟵入者」に続きたす。
    ここから、すべおが少しず぀繋がり始めたす。


     
     
    小説を曞く䜜曲家。䞍定期にnote曎新。ひず぀の物語䞖界を、小説・音楜・映像で倚面的に描くナニット「STORYLINE」で掻動䞭。長線小説『想像の囜のれンパンク』党13章・完結ず楜曲・MVを公開しおいたす。https://linktr.ee/storyline_jp

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