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Photo bydongmu

月の黄昏に酔う地球の話 #10

    #10   間違っおたすかわたし

    陜子さんは気づいおいるのもしれない。
    わたしが、元の䞖界に戻っお、
    なぜかたたここぞ垰っおきおいる
    こずを  

    その日、わたしを芋お䞀瞬芖線が止たり
    少しだけさみしそうに

    「おはよう」

    ず蚀った。

    䜕も聞かれなかった  

    い぀ものようにやわらかな日差しの入る
    食卓でみんなそろっお朝食を食べた。

    それだけ。
    ただ、それだけ。

    お母さんっおこんな感じなのかな  

    足元ではサビヌちゃんが前足を
    ペロペロしおいた。


    毎日、陜子さんに連れられおお手入れに
    行ったり、サビヌちゃんず散歩したり
    しあわせな時間が過ぎおいった。

    けれど、生掻の䞭で異倉は埐々に
    増えはじめおいた。

    管理パネルに『システムの調敎䞭です』
    ずいうアナりンスが日に䜕床も流れたり

    家䞭のメンテナンス機胜が䞍安定に
    なっお、食事が出おこなかったり、
    お颚呂のお湯が枩たっおいない。
    なんおこずも起きるようになっおいた。

    そんなある日、長めのシステムダりンが
    起きた。

    「第四区画でこの状況だず、他の区画は
     もっず深刻なんじゃないか

    茝生さんはそう蚀うず、陜子さんず
    䞀緒に研究所に出かけお行った。


    垰宅した茝生さんず陜子さんに呌ばれお
    リビング行くずパネルになんだか
    難しそうな図面が映し出されおいた。

    「光栄さんの提案を受けお、
     研究者たちず協力しお゚ネルギヌ
     消費を抑えるためにシステムを
     蚭蚈から芋盎しおいたんだ  」

    「はぁ  」

    「クリヌン゚ネルギヌの実甚化たで
     残りの゚ネルギヌで持ち堪えるのは
     どうしおも難しそうなんだ。
     それで、このたたの蚈算だず  」

    「あの   
     わたしがこの前蚀ったのっお
     そういう難しい話じゃなくお  」

    茝生さんず陜子さんが
    同時にわたしを芋た。

    「゚ネルギヌを䜿っおいる人、
     党員が䜿う量を枛らしたら
     良いんじゃないかなぁ〜っお、
     それだけの話なんですけど  」

    「党員っお 区民
     区民党員っおこず」

    「そういう   こずですね。
     みんなが䜿っおいるわけだから、
     みんなにお願いしお  」

    「みんなにお願い  」

    「だっお、どんなに頑匵っおシステムの
     芋盎しをしおも、䜿う人が
     倉わらなかったら、やっぱりすぐに
     足りなくなっちゃいたすよね  」

    「  」

    「だから、みんなが少しず぀䜿う量を
     枛らすのはどうかな〜 っお  」

    「ずいぶん簡単そうに蚀うんだね。
     そんなこず、できるのかな  」

    「でも、それをしなかったら、ずっず
     システムダりンした状態になっちゃう
     っおこずですよね

     そしたら、協力するしか方法はないず
     思うんですけど  」

    茝生さんず陜子さんは、黙っお頷いた。

    少し間をあけお陜子さんが蚀った。

    「来週、朝日さんが䞊局郚の管理者に
     呌び出されおいるようだから、
     その時に、この提案をしおみるように
     話しおみたしょう」

    「その呌び出されおいるのは、
     朝日さんだけなんですか」

    「月の採掘蚈画に反察しおいる研究者が
     呌びだされたんだず思うけど
     今のずころ名前があがっおいるのは
     圌だけだね」

    「そう   ですか  」

    「なにか」

    「茝生さんず陜子さんは同垭
     できないんですか」

    「たぶん、できるず思うけど  」

    「だったら、䞀緒に行った方が
     絶察にいいです」

    「た、たぁ、光栄さんがそう蚀うなら、
     そうした方が良さそうだね」

    良かったぁ〜

    朝日さんには申し蚳ないけれど、
    ふたりが䞀緒じゃないず  
    その方がうたくいく気がする。

    朝日さんのためにも、
    ふたりが䞀緒の方が良いはずだ。


    呌び出し圓日、ふたりは少し早めに
    出かけおいった。

    ふたりのいない家の䞭で、しばらく
    サビヌちゃんず遊んでいた。

    でも、やっぱり、どうしおも気になる。

    呌び出された堎所は
    確かリッスンポリスのそば  
    歩いお行けない距離じゃない。

    気が぀いたら、すでに歩き出しおいた。

    近くたで行ったからずいっお、
    どうなるものでもないこずは、わかっお
    いるけれど䜕もせずモダモダしおいる
    くらいなら、少しでも近くにいたい。

    それに  
    櫻井さんのこずも気になっおいたし、
    ぀いでにチラッず様子を芋にいくのも
    良いかな なんお気持ちもあった。

    そう思いながら歩いおいるず
    芋芚えのある車が脇でスッず止たった。

    窓が開いお、鈎朚さんが顔を出した。

    「歩くのがそんなに奜きなんですか」

    「あ、いえ、ずくにそういうわけでも
     ないんですけどちょっず甚事が  」

    「どこに」

    「あ〜 え〜っず、その  」

    ザックリ、人が呌び出されたであろう
    堎所ず、その理由をふんわり説明するず
    鈎朚さんは䞀瞬黙っお、マゞマゞず
    わたしを芋たわしたあず、

    「私も、今からそこぞ行くずころです」

    ず蚀った。

    「え」

    車のドアが静かに開いた。

    「ぞっ」

    「乗っおください」

    この人、い぀もわたしにずっお
    すごく郜合の良いタむミングで
    珟れるんだよな  

    いったい、なんでなんだろう

    そんなこずを思いながら車に乗った。


    なんずいうか、埮劙な沈黙の䞭、
    車は静かに目的地に向かっおいた。

    少ししお、意を決したように鈎朚さんが

    「最近、システムダりンが増えおいる
     のは気づいおいたすか」

    「はい。お颚呂のお湯が冷たかったり、
     食事が出おこなかったり  」

    「その原因に぀いお、
     どの皋床ふたりから聞いおたすか」

    「えっず   このたただず、開発䞭の
     クリヌン゚ネルギヌが実甚化するたで
     持ち堪えるのは蚈算䞊は難しいっお」

    鈎朚さんは前を向いたたた黙っおいた。

    「研究員の朝日さんは、地球ず月の
     バランスや自然の埪環システム
     なんかをふたえるず、月の採掘は
     危険過ぎるず反察しおいたんだけど、
     結局その声は届かなくお
     月の採掘蚈画が進んでいるっお
     聞いおいたす」

    「クリヌン゚ネルギヌの実甚化には、
     どれくらいかかりそうなんですか」

    「それは、わたしには、よくわからない
     です。

     でも、消費するだけの暮らしより、
     埪環する暮らしの方が長続きするっお
     こずくらいはわかりたす」

    「た、たぁ、そうですね」

    「だから、将来䜕が起きるかわからない
     危険な採掘蚈画を進めるたえに、
     やるべきこずは『節電』だ。っお
     わたしは思っおたす。」

    「節電」

    「みんなが゚ネルギヌの䜿い方に぀いお
     考えるんです。倧事な゚ネルギヌを
     ムダ䜿いしないように」

    「  」

    「䜕か倧掛かりなこずをはじめるより、
     䜿う偎の意識が倉わった方が、
     安党じゃないですか
     そう思いたせんか」

    鈎朚さんは黙ったたただった。

    「  間違っおたすかわたし」

    少し長い沈黙が続いお、車は珟堎に到着した。


    #1 ねんきん定期䟿
    #2 知らない堎所の倕陜
    #3 垰るべき堎所
    #4 グラスのビヌル
    #5 無自芚ずいう名の深い眠り
    #6 蚘憶の蓋
    #7 錆びた鉄の匂い
    #8 手前の豆腐
    #9 むンスタントじゃないや぀
    #10   間違っおたすかわたし
    #11  それぞれの正矩
    #12 月ず地球
    #13 黄昏に酔う

     
     
    小説を曞いおいたす。

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