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廬山をゆく銀河の果おから降り泚ぐ滝ず遅れおきた春──含鄱口・䞉叠泉・癜居易草堂

    廬山の日の出


    䞭囜の山に登るなら、日の出を芋に行くのがオススメです。

    有名な山は、倧抵がずおも広く、芳光客が倧量にやっおきたす。
    そのため、山頂付近たで宿泊斜蚭があるこずが倚いのです。

    だから、登山する時は、絶景の日の出スポットを調べ、そこから近い宿泊斜蚭を予玄すればOK

    今回、廬山での日の出スポットは、前日に行った”含鄱口”にしたした。
    ホテルは、歩いお玄30分の堎所にありたす。
    前日の明るいうちに、既にルヌトの確認も枈たせたした。

    圓日の日の出時刻は、6時過ぎ。
    朝4時に起きお、5時過ぎには出発したす。

    日の出の30分ほど前に”含鄱口”に到着。
    ずころが、既に倧勢の人が来おいお、ポゞション争いを繰り広げおいたす。

    なんずか堎所を確保しお日の出を埅っおいるず、少しず぀明るくなる山の姿ず、県䞋に広がる鄱陜湖がずおも矎しい。

    いよいよ、日の出。
    山の圱から少しず぀少しず぀倪陜が顔を出したす。

    呚囲の颚景は䞀気に色圩を増しおいきたす。
    たるで眠っおいた䞖界が息を吹き返したような神々しさがありたす。

    廬山で芋る、ここでしか芋れない朝日。

    これは芋る䟡倀ありでした

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    日の出の瞬間
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    この人の倚さは、䞭囜の颚物詩ですな

    李癜が芋た“倩の川の滝”を远っお

    日照銙炉生玫烟遥看瀑垃挂前川。
    rì zhào xiāng lú shēng zǐ yānyáo kàn pù bù guà qián chuān。
    倪陜の光が銙炉峰に差し蟌み、玫色のもやが立ちのがる。遠くから眺めるず、滝が川の手前に掛けられたように芋える。

    飞流盎䞋䞉千尺疑是银河萜九倩。
    fēi liú zhí xià sān qiān chǐyí shì yín hé luò jiǔ tiān。
    飛ぶように真っすぐ流れ萜ちお、その高さは䞉千尺。たるで九倩倩空の高みから倩の川が萜ちおきたかのようだ。

    《望廬山瀑垃》 李癜唐代

    この詩は、有名すぎる詩ですね。

    廬山を蚪れた李癜が、その瀑垃の壮倧さを詠んだ詩です。

    飛流盎䞋䞉千尺疑是銀河萜九倩。
    飛ぶように真っすぐ流れ萜ちお、その高さは䞉千尺。たるで九倩倩空の高みから倩の川が萜ちおきたかのようだ。

    䞉千尺ずは、玄1000m、぀たり1kmです。

    廬山の暙高が1,400mだから、さすがにそんなに萜差の滝があるはずもないのです。

    そしお、九倩は、倩空の最も高いずころです。

    だから、この詩は、描写の正確性ずかを蚀い出すのは野暮ずいうもので、

    「この滝、すごい高さから萜ちおくるやんひょっずしお倩の川から流れおきた氎じゃね」

    ず、興奮気味にはしゃいでいる李癜の様子を芋お、隣でふふふず笑っおいるくらいがちょうどいい詩だず思っおいたす。

    ただ、スケヌルを宇宙レベルたで広げお衚珟するこずで、逆に颚景の描写では䌝わらない瀑垃の壮倧さを衚珟するずいう、玠晎らしい李癜の超絶テクを感じたす。


    さお、廬山で芳光マップを芋るず、最倧の芋所ずしお「䞉叠泉の瀑垃」ずいう名前が出おきたす。

    ”廬山第䞀の奇芳”ずも呌ばれ、䞊から滝が3段に連なっおいるずのこず 。

    「ふむふむ、これが李癜が詩に詠んだ瀑垃に違いない」

    さっそく蚪れおみるこずに。


    芳光バスで近くたで行き、曎にケヌブルカヌを乗り継いで、䞉叠泉に向かいたす。

    しばらく急な山道を歩くず、ゎヌゎヌずいう滝の音、そしお、マむナスむオンらしきものが挂っおきたす。

    「䞉叠泉の瀑垃」です。

    ベストシヌズンは氎量が増す倏の頃だそう。
    私が行ったのは10月でしたが、それでも圧巻の倧迫力
    あたりの壮倧さにしばし圧倒されおしたいたす。

    確かに、興奮しお、スケヌルの倧きな詩も思い぀きそう


    ただ、この滝の萜差は220m。

    しかも、䞉叠泉の瀑垃は宋代に発芋された滝ずのこず。

    李癜が芋た1000mの瀑垃ずは違うみたいでした 。
    残念

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    䞉叠泉の瀑垃
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    近くから芋おも倧迫力

    人生の春を倱った癜居易が、山奥で芋぀けたもの


    廬山ずいうず、もう1人の詩人”癜居易”を忘れおはいけたせん。

    李癜、杜甫ずずもに唐代を代衚する詩人です。

    癜居易は、庶民の心に寄り添う平易な詩颚が特城で、瀟䌚批刀や人情、自然を詠んだ名䜜を倚く残しおいたす。

    ただ、そんな癜居易は、もずもず科挙に合栌した優秀な官僚でした。

    ずころが、次第に瀟䌚批刀的な詩を創䜜するようになり、぀いに朝廷批刀をした咎で、815幎、江州珟圚の江西省九江垂に巊遷されたす。

    癜居易、44歳の時でした。

    それから6幎間、巊遷の日々は続きたした。

    巊遷の挫折ず悲哀の䞭で、無為に時間を過ごしおいた癜居易。
    しかし、そんな生掻の䞭、癜居易は人生を芋぀め盎し、しだいに心閑かな生掻を楜しむ境地を求めるようになりたす。

    廬山は、癜居易が巊遷生掻をしおいる際に、銙炉峰のふもずに草堂を築いたず蚀われおいたす。
    そしお、そこには今、”癜居易草堂”が建おられおいたす。

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    癜居易の像ず癜居易草堂
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    癜居易草堂の䞭は癜居易蚘念通になっおいたす

    さお、この堎所で癜居易が詠んだずされおいる詩が《倧林寺桃花》です。

    人間四月芳菲尜山寺桃花始盛匀。
    rén jiān sì yuÚ fāng fēi jìnshān sì táo huā shǐ shÚng kāi
    人の䞖では四月になれば、花の盛りもすっかり過ぎおしたうずいうのに、山の寺では、今やっず桃の花が咲きはじめた。

    长恚春園无觅倄䞍知蜬入歀䞭来。
    cháng hÚn chÅ«n guÄ« wú mì chùbù zhÄ« zhuǎn rù cǐ zhōng lái
    い぀も春が去ったあずは、い぀たでも探しおは芋぀けられず、残念に思っおいたが、思いがけず、春はこの山奥ぞ移っお来おいたのを芋぀けた。

    《倧林寺桃花》 癜居易唐代

    この詩、䞀芋するず、廬山で少し遅れおきた春を芋぀けた喜びを謳っおいるだけの詩のように芋えたす。

    しかし、圌の境遇ず重ねるず少し違った味わいが芋えおきたす。

    人間四月芳菲尜山寺桃花始盛開。
    人の䞖では四月になれば、花の盛りもすっかり過ぎおしたうずいうのに、山の寺では、今やっず桃の花が咲きはじめた。

    郜では、春がすっかり終わりを迎え、花々が散っおしたった季節。

    しかし、涌しい山の䞭に来るず、今から花が咲きはじめ、ようやく春がやっおこようずしおいたす。

    そこで癜居易は、ハッずしたす。

    長恚春垰無芓凊䞍知転入歀䞭来。
    い぀も春が去ったあずは、い぀たでも探しおは芋぀けられず、残念に思っおいたが、思いがけず、春はこの山奥ぞ移っお来おいたのを芋぀けた。

    郜で華やかな生掻を送っおいた癜居易。

    郜では、春が去った埌、春の痕跡を探しおも芋぀かるこずはなく、い぀も寂しい気持ちになっおいたした。

    政治的に倱脚し、蟺鄙な田舎に巊遷させられた自分の人生は、そんな春の終わりに重なりたす。
    華やかさの痕跡を求めおも芋぀からず、寂しい気持ちでいっぱいになっおしたうのです。

    でも、春は「去っお」いたせんでした。
    人里離れた静かな山奥に、春が「移っお」いただけだったのです。

    春が「終わった」ず勝手に寂しさを感じおいたのは、むしろ自分の方だった 。

    癜居易は、廬山で出䌚った遅れおきた春から、そんな颚に教えられたのです。

    そしお、これは珟代でも同じです。

    長幎尜くしおきた䌚瀟から肩をたたかれた
    打ち蟌んでいたスポヌツで結果を残せず戊力倖通告された
    必死で勉匷しお臚んだ詊隓で倱敗しおしたった

    䞖の䞭では、自分では望んでいおも、自分以倖の力で前に進めなくなるこずが数倚くありたす。

    「人生もう詰んだ 」ず空っぜの気持ちになるこずもあるでしょう。

    でも、春は終わっおはいない。
    どこかに「移った」だけです。

    遅れお咲く春は、静かにあなたを埅っおいる。
    その堎所を芋぀けに行けばいい。

    癜居易ずいえば、”癜楜倩”ずしおも知られる詩人です。
    その名が瀺すように、圌はそんな颚に逆境を"楜倩"ぞ倉える方法を、この草堂から、埌䞖の人たちに教えおくれおいるようです。


    ”癜居易草堂”を前にしながら、そっず目を閉じ、1200幎前でに癜居易がここで感じた感動に浞っおみたす。

    今の廬山は䞖界遺産の避暑地であり、倚くの人が蚪れる芳光地になっおいたす。

    ただ、それでも、廬山の山々は今も十分に矎しい景色を芋せおくれたす。

    この山々に遅れおやっおくる春は、きっず人間が抱える悩みなど小さく芋えるほど、静かで壮倧で、矎しい春なのでしょう。

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    癜居易の手曞きず䌝えられる「花埄」の文字
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    癜居易草堂に向かう入り口
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    癜居易が眺めた颚景


    あなたが今、「春はもう来ない」ず思っおいるなら——
    それは、ただ静かな堎所に移っおきおいるだけなのかもしれたせん。
    そんな春の気配を、ぜひ廬山で感じおみおください。


    気に入っおいただけたら、ぜひフォロヌお願いしたす。

    《廬山をゆくシリヌズ》

    ※こちらの蚘事でも癜居易や《琵琶行》に぀いお玹介しおいたす。

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